恋の記録

藤谷 郁

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記録【2】

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4月8日――



朝、通勤途中で彼女を見つけた。

前を歩いていたので、仕方なく声をかけてやる。

嬉しそうな反応。どうやら彼女は、昨日のことで僕に好意を持ったようだ。

靴を修理してあげただけなのに、女という生き物は単純だ(もっとも、好意を持たれるよう振る舞ったのは僕だが)

そういえば彼女は今日、スニーカーを履いていた。

あのパンプスを履かない女は魅力半減。

今のところ、彼女を愛せる気がしない。

むしろパンプスが愛しい。


職場が近いので、今後も仕事の行き帰りに会うだろう。


早くもめんどうな気分だ。

しかし僕は実験すると決めた。

実験だと思えば、いつでも会える状況は好都合である。

そう、すべてはこちらの都合だ。会いたくない日は出勤時間をずらせばいい。


引き続き実験材料として彼女を使う。

愛することができるかどうか。


そのうち向こうから誘ってくるだろう。

僕はただ、待てば良い。


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