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幸せの部屋
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「今の人は?」
「学生アルバイトの山賀さんです。私に相談があると言って、アパートを訪ねてくれたの」
「わざわざアパートまで?」
「近所の子だから」
「ああ、なるほど」
智哉さんは納得すると、それ以上は特に追及せず、腕時計を確かめた。
「レストランを予約しておいたよ。行こうか」
「はい」
ゆったりと歩き出す智哉さんと並んで、駅の出口へと向かう。ロータリーでタクシーに乗り、十五分ほど走ると、国道を少しはずれた高台の上に、レストランらしき建物が見えてきた。
「この辺りでは珍しい、地中海料理の店だ。味は僕の保証付き」
「わっ、楽しみです」
タクシーを降りると、智哉さんは慣れた様子で私を案内する。
ガーデンアーチを潜り、石畳のアプローチを進む。手入れされた芝生の庭を、建物から漏れる淡い光が照らしている。
窓に目をやれば、繊細なレースのカーテンに、食事を楽しむ男女のシルエットが浮かんでいた。
私は、急にドキドキしてきた。
前回の食事デートは、ファミリー向けのパスタ店だった。今夜、彼が選んだのは、まったく異なる雰囲気の、大人向けのレストランである。
「どうかしたのか」
「えっ? ううん、何でも」
平静を装う私に、智哉さんはクスッと笑う。
「そんな気取った店じゃないよ。楽に構えればいい」
「……」
緊張を見抜かれた。さすが、どこまでもスマートな彼は、女心を知り尽くした恋愛巧者なのだ。
感心するとともに、彼の経験値を想像してへこみそうになる。こんなにも素敵な男性が私の恋人だなんて、やっぱり夢みたいで、浮き足立ってしまう。
「ハル、おいで」
「あっ」
手を取られ、強引に引き寄せられた。重なる手のひらに、昨夜の温もりが蘇ってくる。
「僕と君は、もう他人じゃない。緊張しないでくれよ」
「は、はい……」
熱くなる頬を隠す私に、彼が囁きかけた。
「あと、敬語も禁止だ」
「!?」
思わず見上げたら、すぐそこに智哉さんの顔があり、至近距離で視線がぶつかる。
「君は僕のどこを好きになった。顔だけか?」
「ええっ? まさかそんな、違います」
思わぬ問いかけに動揺するが、迷わず否定した。確かに最初は、智哉さんの容姿に惹かれた。一目惚れは事実でも、それだけでは恋人になれない。
上手く言えないけれど、理想のタイプであるとか、そういった条件を超えた、特別な何かを感じている。
「いつまでも他人行儀でいると、愛想をつかして、どこかに行っちまうかもしれないぞ」
「こ、困ります、そんな……」
「だろ?僕だって困る。遠慮しないで、もっと甘えてほしいんだ。いつ何時でもそばにいて、君を守りたいから」
智哉さんは、いつも私を守ると言ってくれる。口調は真剣で、どこか差し迫った様子にもとれる。懸命に守ろうとする姿勢は、君は世界で一番大事な存在だと、訴えていた。
そんな彼に強く惹かれる。顔が好みだからという単純な理由ではない。この気持ちを、どう表現すれば良いのだろう。
「わかりました……ううん、わかったわ、智哉さん。私、もう遠慮しない」
「ハル」
「でも、敬語まじりなのは許して。いきなり変わるのは無理だから」
「ああ、いいよ」
ふわりと抱きしめられた。私の髪を撫でる仕草は、とてつもなく優しく、愛情にあふれていた。
「時間はたっぷりある。今夜は、たくさん話をしよう」
笑顔が甘い。内心ズルイと思いながら、やはり抗うのは不可能。
私の身も心も、いまやすべて智哉さんのものだった。
智哉さんが予約したのは、店の奥にある半個室のテーブルだった。
高台の崖側に向いているため、窓の外は遮るものが何もない。ひかえめな灯りが美しく連なる、静かな夜景が広がっている。
「素敵なレストラン。智哉さんは何度か来たことがあるの?」
「ああ。店の若いやつにすすめられて飲みに来たのが最初かな。二階にバーがあるんだ」
「そうなんだ」
「食事より、酒を飲むことが多いよ。仕事の相談ごととか、落ち着いて話ができるからね」
智哉さんは、靴専門店ドゥマンの店長だ。スタッフをまとめ上げ、引っ張っていく立場である。細やかな気遣いのできる人だし、職場でも面倒見が良いのだろう。
(うちの店長と違って。あの人は、とんだ偽物だったわ)
古池店長の問題を思い出し、憂鬱になった。せっかく良い気分でいたのに。
「ハル?」
「あ、ごめんなさい。えっと、料理を選ばなきゃね」
渡されたメニューで表情を隠すが、智哉さんは見逃さなかった。
「そうそう、まずは食事を楽しもう。その後で、ゆっくり聞かせてくれ」
「……うん」
店に入る前に彼は、今夜はたくさん話をしようと言ってくれた。いろんなことに悩まされる私をわかっているのだ。
安心して相談できるパートナーがいるのって、素晴らしい。しかも、智哉さんのように頼りになる男性に受け入れてもらえる私は幸せ者だと、あらためて思った。
オーダーを済ませると、順番に料理が運ばれてくる。
季節の野菜をたっぷりと使ったコース料理は美味しくて健康的で、私をさらに幸せ気分にしてくれた。
地中海沿岸といえば、ギリシャ、スペイン、イタリアなど、明るい太陽の光が降り注ぐ、情熱的な国々が思い浮かぶ。
(もし……智哉さんと結婚することになったら、新婚旅行で訪れてみたいな)
オリーブオイルの風味を楽しみながら、ひっそり考えたりする。夢を見すぎだろうか。でも、これは独りよがりな妄想ではなく、近い将来叶えられそうな、現実味のある夢なのだ、きっと。
正面から射られる、誠実でありながら男性の望みを伝える視線。熱を宿す瞳に映る私は、彼の理想どおりの女性なのだと信じられる。
私は、料理とお酒と智哉さんに酔いしれた。
「学生アルバイトの山賀さんです。私に相談があると言って、アパートを訪ねてくれたの」
「わざわざアパートまで?」
「近所の子だから」
「ああ、なるほど」
智哉さんは納得すると、それ以上は特に追及せず、腕時計を確かめた。
「レストランを予約しておいたよ。行こうか」
「はい」
ゆったりと歩き出す智哉さんと並んで、駅の出口へと向かう。ロータリーでタクシーに乗り、十五分ほど走ると、国道を少しはずれた高台の上に、レストランらしき建物が見えてきた。
「この辺りでは珍しい、地中海料理の店だ。味は僕の保証付き」
「わっ、楽しみです」
タクシーを降りると、智哉さんは慣れた様子で私を案内する。
ガーデンアーチを潜り、石畳のアプローチを進む。手入れされた芝生の庭を、建物から漏れる淡い光が照らしている。
窓に目をやれば、繊細なレースのカーテンに、食事を楽しむ男女のシルエットが浮かんでいた。
私は、急にドキドキしてきた。
前回の食事デートは、ファミリー向けのパスタ店だった。今夜、彼が選んだのは、まったく異なる雰囲気の、大人向けのレストランである。
「どうかしたのか」
「えっ? ううん、何でも」
平静を装う私に、智哉さんはクスッと笑う。
「そんな気取った店じゃないよ。楽に構えればいい」
「……」
緊張を見抜かれた。さすが、どこまでもスマートな彼は、女心を知り尽くした恋愛巧者なのだ。
感心するとともに、彼の経験値を想像してへこみそうになる。こんなにも素敵な男性が私の恋人だなんて、やっぱり夢みたいで、浮き足立ってしまう。
「ハル、おいで」
「あっ」
手を取られ、強引に引き寄せられた。重なる手のひらに、昨夜の温もりが蘇ってくる。
「僕と君は、もう他人じゃない。緊張しないでくれよ」
「は、はい……」
熱くなる頬を隠す私に、彼が囁きかけた。
「あと、敬語も禁止だ」
「!?」
思わず見上げたら、すぐそこに智哉さんの顔があり、至近距離で視線がぶつかる。
「君は僕のどこを好きになった。顔だけか?」
「ええっ? まさかそんな、違います」
思わぬ問いかけに動揺するが、迷わず否定した。確かに最初は、智哉さんの容姿に惹かれた。一目惚れは事実でも、それだけでは恋人になれない。
上手く言えないけれど、理想のタイプであるとか、そういった条件を超えた、特別な何かを感じている。
「いつまでも他人行儀でいると、愛想をつかして、どこかに行っちまうかもしれないぞ」
「こ、困ります、そんな……」
「だろ?僕だって困る。遠慮しないで、もっと甘えてほしいんだ。いつ何時でもそばにいて、君を守りたいから」
智哉さんは、いつも私を守ると言ってくれる。口調は真剣で、どこか差し迫った様子にもとれる。懸命に守ろうとする姿勢は、君は世界で一番大事な存在だと、訴えていた。
そんな彼に強く惹かれる。顔が好みだからという単純な理由ではない。この気持ちを、どう表現すれば良いのだろう。
「わかりました……ううん、わかったわ、智哉さん。私、もう遠慮しない」
「ハル」
「でも、敬語まじりなのは許して。いきなり変わるのは無理だから」
「ああ、いいよ」
ふわりと抱きしめられた。私の髪を撫でる仕草は、とてつもなく優しく、愛情にあふれていた。
「時間はたっぷりある。今夜は、たくさん話をしよう」
笑顔が甘い。内心ズルイと思いながら、やはり抗うのは不可能。
私の身も心も、いまやすべて智哉さんのものだった。
智哉さんが予約したのは、店の奥にある半個室のテーブルだった。
高台の崖側に向いているため、窓の外は遮るものが何もない。ひかえめな灯りが美しく連なる、静かな夜景が広がっている。
「素敵なレストラン。智哉さんは何度か来たことがあるの?」
「ああ。店の若いやつにすすめられて飲みに来たのが最初かな。二階にバーがあるんだ」
「そうなんだ」
「食事より、酒を飲むことが多いよ。仕事の相談ごととか、落ち着いて話ができるからね」
智哉さんは、靴専門店ドゥマンの店長だ。スタッフをまとめ上げ、引っ張っていく立場である。細やかな気遣いのできる人だし、職場でも面倒見が良いのだろう。
(うちの店長と違って。あの人は、とんだ偽物だったわ)
古池店長の問題を思い出し、憂鬱になった。せっかく良い気分でいたのに。
「ハル?」
「あ、ごめんなさい。えっと、料理を選ばなきゃね」
渡されたメニューで表情を隠すが、智哉さんは見逃さなかった。
「そうそう、まずは食事を楽しもう。その後で、ゆっくり聞かせてくれ」
「……うん」
店に入る前に彼は、今夜はたくさん話をしようと言ってくれた。いろんなことに悩まされる私をわかっているのだ。
安心して相談できるパートナーがいるのって、素晴らしい。しかも、智哉さんのように頼りになる男性に受け入れてもらえる私は幸せ者だと、あらためて思った。
オーダーを済ませると、順番に料理が運ばれてくる。
季節の野菜をたっぷりと使ったコース料理は美味しくて健康的で、私をさらに幸せ気分にしてくれた。
地中海沿岸といえば、ギリシャ、スペイン、イタリアなど、明るい太陽の光が降り注ぐ、情熱的な国々が思い浮かぶ。
(もし……智哉さんと結婚することになったら、新婚旅行で訪れてみたいな)
オリーブオイルの風味を楽しみながら、ひっそり考えたりする。夢を見すぎだろうか。でも、これは独りよがりな妄想ではなく、近い将来叶えられそうな、現実味のある夢なのだ、きっと。
正面から射られる、誠実でありながら男性の望みを伝える視線。熱を宿す瞳に映る私は、彼の理想どおりの女性なのだと信じられる。
私は、料理とお酒と智哉さんに酔いしれた。
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