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なんでこう毎日、忙しいかな……。2
しおりを挟む「なんだっけ?オスカー!!あの時の事教えてくれよー」
「他人の物を取るなんて卑しくてよっ?だっけー?」
誰かが私の口真似をして、私の座っている席へと手をついて寄りかかる。
「本人に聞けばいいじゃーん、ね?“お嬢様”?」
ふと女子生徒の顔が視界に入って、私が見ていた教科書を遮る。
……あ、あ~。私の事だなぁ……。
大人しく顔をあげると、私のそばの通路を人が埋めつくしている。顔立ちの整った品の良い女の子が私の机に、ピラッとくだんのテスト順位表を置いた。
手に取って見れば、私を一位として、ズラズラと名前の記載がある。そして私の名前には斜線が入っていて←“お嬢様”となんとも馬鹿にした落書きがしてあった。
「座学一位おめでとう、クレアちゃん、転校して普通の学校にいったらぁ?」
ツインテールの愛らしい女の子が、私を見下ろしながらそう言った。その背後には私のチームメイトである、女子二人が見えた。まだ名前も知らないが一応、顔ぐらいは覚えている。
「それを私に言って何になるの?」
無視が一番とわかっているのに、思わず口に出す。
私の発言にまた、どっと周りが沸いて、心底真面目に返した私が道化のように扱われる。
「何になるの?だってぇ!口調変えたの?あのままでも可愛いのに!」
「ほらチェルシー、シンシア言ってやれよ」
男子のうちの誰かがそう言って、私のチームメイトの二人が前に出てくる。
彼女たちの瞳は敵意という名の炎に燃えている。
「サディアス様に何を吹き込んだのか知りませんが、迷惑なんです、貴方の存在が!この学園に……貴方なの様な無能は必要ありません!!」
髪の長い方の子が私にそう言った。多分流れ的にこっちがチェルシーかなと思う。
そうだとすると短髪の方がシンシアだ。
「ここでは、実技が全てです。まだ有望な弟をこき使って、ゆうゆうと過ごすなんて……サディアス様にも……男に媚び売って最低ですね」
私が何を言おうと、ヴィンスをこき使っていることに確かに変わりは無いし、サディアスにも多少いい顔をした確かにそれは認めようと思うが反論がないわけでもない。
しかし今、ギャラリーが私を貶めようとしている場で、何を言っても意味は無いだろう。オスカーの時には、ディックが不快だろうと思って口をはさんだだけ。今回は、私が同じ土俵に上がる理由を感じない。
何を言っても煽るだけだ。また教科書に向き直る。
すると、群衆の中からふと手が伸びて来て、私の教科書を掴んで持ち去る。
……うーん、正直収集のつく方法が思いつかない。
あっという間に、ギャハギャハと笑う彼らは「“お嬢様”の教科書だぞー?!頭良くなれんじゃね」などと言いつつそれを広げたりして遊ぶ。
……困った。どうしたもんか。
思いながら顔をあげると、パンッと音がして、頬にジンと痛みが走る。
「ッ……」
頬を抑えるとじわっと熱い。
「出ていってください!!この学園から……この教室から」
それはチェルシーだった。彼女の瞳には涙が浮かんでいる。それほど憤慨しているという事だろうか。
「出ていってっ!!!」
さらに、私に向かって怒鳴った。耳が痛くなりそうなほどの大声で体にビリッと響いた。
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