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14 痛い目
しおりを挟む「い、いくじなし」
「……」
言うと、彼が向けていた生暖かい目線は急激に冷めていき、返答はないまま、彼は膝立ちになってオフェーリアの口に指を入れる。
「んふっ、あ? う、なに、すりゅん、れすの」
「さあ? 聞き分けもないしプライドばかり高い君には少し痛い目に遭ってもらおう」
唾液を指に塗り付けて、そして必死にしゃべろうとしているオフェーリアの舌をはさんだり押したりして弄ぶ。
「ん、こ、こんにゃの、きたない、っ、れすわ」
「男女の情事など綺麗なものでないのは当然だろ。それとも、君は夢見る少女のようにキスとハグをすると子供を授かるとでも?」
「ば、バカに、しうっ、っ、う」
「ほらじゃあもう、始めるからな。泣いて縋っても知らないからな」
脅し文句のようにそう言われて指が引き抜かれる。
その言葉にオフェーリアは腹が立って、彼を睨みつけた。
「わたくしが、いつそんな情けのない、ことをっ、あ、をっ、しま、しましたっの」
「そうだったな、君のそんなところは見たことがない」
股の間にその指をこすりつけられて、オフェーリアはじわじわとした感覚に噛んでしまってうまく言えない。
「っ、はっあっ、ああっ、は? うう? なにが、どういう、これは、どういう、あっ、っつ!!」
それから、なんだかよくわからないが、指が入ってきてどこがどうなっているのかまったく理解が及ばない。
「やっぱり知識はないのか、大丈夫だ。これで正しい」
「た、正しい、んですの? っは、あっお腹が、苦しい、わっ、っ、指がっ、っはぁ、間違ってない、ですの??」
「なんだ、焦ってるのか? あんなに余裕そうだったのに、日常的には聡明で知識も申し分ないが、こういうことを知らないなんてやっぱり子供だな」
「ちっ、ちがっ、違いますわ!! っ、あ、知ってる、知ってますの!!」
中に差し込まれた指は、ゆっくりと動かされて腹の中でうごめいているのを感じる。どこに何がどういうふうに入っているのかわからない。
けれどもなんだか苦しいようでお腹の奥がキュウとするような感覚で、腰を引いて逃げ出したい。
しかしヴァレントにそうして煽られると、オフェーリアは簡単に知っているふりをしてしまう。
そう言ったことを知らないのは、ただこの国の教育方針であり、女性向けの教育がなされていないゆえの当たり前のことだったのだが、オフェーリアはそうとは知らずに混乱に任せて強がる。
その必死さに、ヴァレントはそれが少しおかしくて喉を鳴らして笑って、その様子を見てまたオフェーリアはカチンときたが、指を中で動かされてその感情は立ち消える。
「っ、はっ、ほ、本当に、しってるんですの、あっ、く、しってる、んですものっ、こ、こんなのぉ」
「そうか? ならこのぐらいは余裕なはずだろ、オフェーリア。もっと大きいものを君の体に突き立てるんだから」
「え、ええ、ええ! っは、も、もちろんですぅのっ、あ」
「随分声が上ずっている様子だが、大丈夫か」
「よゆう、しかないっ、ですわっ」
「っくく、そうか、余裕しかないか。可愛らしいな君は」
「はっ、ああっ、っ、でもそのっ、すこし、それを、ゆっくりっ」
くちくちと水音を立てて動かされている指は、少し抜き差しされるだけでも酷く強い感覚を生み出して腰の奥がジンジンする。
お腹が痛いとはまた違った感覚は、耐えられる程度のはずなのに、瞳に涙が浮かんでオフェーリアのことをどうしようもなくしてしまう。
たまらず、動かされている手を掴んで、止めようと試みる。
しかしヴァレントはそのオフェーリアの力の入っていない手のことなど気にせずに指を増やし、中を広げるように強く動かす。
「きゃっ、うっ、はっ、あぁっ」
「どうやら余裕があるらしいからな、君を退屈させないように他のところもきちんと気持ちよくしてやらないとな」
ヴァレントはオフェーリアの嬌声を漏らす唇に一つキスをしてから、耳元へと移動して、それから耳の淵に小さなリップ音を立ててキスをする。
「ひゃんっ、っ、ひっ」
「どうしたんだ、子犬みたいな声を出して、ここが好きなのか? たくさん舐ってやるからな」
「ちがぁっ、っは、んあっ、く、くしゅぐったい」
やめてほしくて、言葉を紡ぐのに小さな子供のような言葉遣いになってしまう。それに耳元でまたヴァレントが吐息を漏らして笑う。
それに腹が立つ前に、耳にかかった吐息で首筋から背中にかけてぞわっとして体がおかしくなってしまったのではないかと思う。
中で動かされる指の動きは次第に大きくなっていき、お腹の奥を刺激して、ずんと響く。
そうするとお腹の奥がじんとして体が震えて、自然と声が漏れてしまうのだ。
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