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怒れる忍者 (シノブ5)
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ここでいま一度封印についてご説明いたします。
かつてこの世界は恐るべき力をもった諸民族らが跳梁跋扈し相争う末法的な修羅の地でありました。
しかしある時に異邦からやってきた僧侶が偉大なる法力によって諸民族たちの恐るべし力を封じ込めてしまった次第。
かくてこの地に争いごとは消え力を失ったものたちはかの偉大なる開祖に服従し、微々たる抵抗はあったもののやがては融合しひとつの国民となっていき今に至る。
この法王のお嫁さん及びお婿さん選定受験は民族間の融合の象徴的イベントとなって始まり、今日まで出自は一切問わずが大原則としてある。
庶民間でも雑婚を繰り返し続けた結果、次代が進むにつれてかつてと較べて民族的意識は希薄となり、今日では少し違う程度の認識の差となりつつあった……だがしかし! その意識を頑なに変えずに今日に至るまで残し続ける者たちもいる。
いつの日にか必ず封印を解除させ元の恐るべき力を取り戻し、覇権をも取り戻すという悲願を長きに渡って望み続ける者たち。
それがあの女の一族なのだとシノブは気づいてしまった! 封印の解除がなんであるのかはシノブは当然に知らない。
それを知っているのは歴代法王のみであり、それに近づける外部のものはこの場合は王妃である。そこを狙ってこの一族はこの女をこの受験に挑んだに違いない……許せん!
やはりあの女は王妃の資格などどこにもない! むしろ刺客であり王子暗殺を目論んでいる可能性は極めて高い!
よって討つべし殺すべしつまりは誅殺すべし!
シノブの怒りのボルテージはもはや抑え難いほどであり漏れ出る殺気に自ら寒気を覚えてしまうほど。
すると襖を開ける音がし部屋をから出ていくマチョの足音が聞こえてきた。
どこへ? とシノブは追いかけるもその先は屋内広場。今の時間は誰もいないであろう場所。
何をしに? または誰と会いに? シノブは疑惑を抱きながらも追跡をするとマチョは広場の真ん中で足を止めた。
「ここなら広くてよろしいですわね」
マチョは向き直りこちらの薄闇を見つめながら告げる。
「隠れていても無駄ですよ。妾には感じます。そなたのその邪悪なる気が」
そうかそういうことかとシノブはある意味で感心しながら誘いに応じて姿を現すとマチョは驚きの声をあげた。
「その姿は忍者! 忍者一族のものでしたのね。存在は聞いたことがありますが実際に見るのは初めてですわ。滅多なことでは人前には出ないのがあなたたちの流儀なはず。それなのにどうしてわざわざ妾の前に?」
シノブはマチョの様子が不快であった。やけに落ち着ているな。恐くはないのか? と忌々しさを感じつつシノブは口を開く。
「単刀直入に言う。お前は妃には相応しくなくまたその資格すらない。よって今すぐここで辞退を宣言せよ」
忠告ではなく命令形であったためにマチョは驚きに目を見開き首を傾げる。
「いったいどうして妾が? そもそもあなたにそんなことを命じられる筋合いはありません。もしやあなたは候補者の一族で? まさかあの次点で準優勝の御方の関係者で?」
次点? 準優勝? 補欠? 敗北者? 聞き捨てならない許せない言葉の羅列にシノブの頭には血が昇り、衝動的に口当てをずらしその顔を晒した。
「あら、あなたは!」
「そうだこの私だ! 誰が準優勝の次点の補欠で二位な惨めな敗北者だと!」
「そこまでは言ってはおりません。何故あなたがそのようなことを? 妾は辞退するいわれなどこれっぽっちも」
「先ほどたまたま偶然にお前と両親との会話を聞かせてもらった!」
シノブの言葉にマチョの身体が固まった。それを見てシノブはいい気味だ!
この嘘つきインチキ野郎めと些か留飲を下げた。
「一族の陰謀を成し遂げんがための受験だとは私はこの耳でしっかりと聞いたぞ!」
マチョは唇を真一文字に結び額には汗を浮かべている。図星であり言葉が心臓を直撃しているのだろう。
ならばこのままとどめを刺すべし! 討つべし! やっつけるべし!
シノブはここで一番言いたかったことを告げる。
「そしてその手段のためにお前は卑劣にも王子に対して魅惑の術といったものを使用したとこれで判明した。よってお前は妃候補を辞退せよ。お前が妃になる正当性はゼロだ! 即刻辞退なされい!」
「えっ? なんのことですの?」
突然口を開きながらキョトンとしたマチョの反応にシノブは激怒し血が燃え身体が震えだす。なんという信じられないことを言う女だ! 有り得ないもはや存在してはならぬ存在。
こいつはこの期に及んで何という大嘘を吐くのだ!
かつてこの世界は恐るべき力をもった諸民族らが跳梁跋扈し相争う末法的な修羅の地でありました。
しかしある時に異邦からやってきた僧侶が偉大なる法力によって諸民族たちの恐るべし力を封じ込めてしまった次第。
かくてこの地に争いごとは消え力を失ったものたちはかの偉大なる開祖に服従し、微々たる抵抗はあったもののやがては融合しひとつの国民となっていき今に至る。
この法王のお嫁さん及びお婿さん選定受験は民族間の融合の象徴的イベントとなって始まり、今日まで出自は一切問わずが大原則としてある。
庶民間でも雑婚を繰り返し続けた結果、次代が進むにつれてかつてと較べて民族的意識は希薄となり、今日では少し違う程度の認識の差となりつつあった……だがしかし! その意識を頑なに変えずに今日に至るまで残し続ける者たちもいる。
いつの日にか必ず封印を解除させ元の恐るべき力を取り戻し、覇権をも取り戻すという悲願を長きに渡って望み続ける者たち。
それがあの女の一族なのだとシノブは気づいてしまった! 封印の解除がなんであるのかはシノブは当然に知らない。
それを知っているのは歴代法王のみであり、それに近づける外部のものはこの場合は王妃である。そこを狙ってこの一族はこの女をこの受験に挑んだに違いない……許せん!
やはりあの女は王妃の資格などどこにもない! むしろ刺客であり王子暗殺を目論んでいる可能性は極めて高い!
よって討つべし殺すべしつまりは誅殺すべし!
シノブの怒りのボルテージはもはや抑え難いほどであり漏れ出る殺気に自ら寒気を覚えてしまうほど。
すると襖を開ける音がし部屋をから出ていくマチョの足音が聞こえてきた。
どこへ? とシノブは追いかけるもその先は屋内広場。今の時間は誰もいないであろう場所。
何をしに? または誰と会いに? シノブは疑惑を抱きながらも追跡をするとマチョは広場の真ん中で足を止めた。
「ここなら広くてよろしいですわね」
マチョは向き直りこちらの薄闇を見つめながら告げる。
「隠れていても無駄ですよ。妾には感じます。そなたのその邪悪なる気が」
そうかそういうことかとシノブはある意味で感心しながら誘いに応じて姿を現すとマチョは驚きの声をあげた。
「その姿は忍者! 忍者一族のものでしたのね。存在は聞いたことがありますが実際に見るのは初めてですわ。滅多なことでは人前には出ないのがあなたたちの流儀なはず。それなのにどうしてわざわざ妾の前に?」
シノブはマチョの様子が不快であった。やけに落ち着ているな。恐くはないのか? と忌々しさを感じつつシノブは口を開く。
「単刀直入に言う。お前は妃には相応しくなくまたその資格すらない。よって今すぐここで辞退を宣言せよ」
忠告ではなく命令形であったためにマチョは驚きに目を見開き首を傾げる。
「いったいどうして妾が? そもそもあなたにそんなことを命じられる筋合いはありません。もしやあなたは候補者の一族で? まさかあの次点で準優勝の御方の関係者で?」
次点? 準優勝? 補欠? 敗北者? 聞き捨てならない許せない言葉の羅列にシノブの頭には血が昇り、衝動的に口当てをずらしその顔を晒した。
「あら、あなたは!」
「そうだこの私だ! 誰が準優勝の次点の補欠で二位な惨めな敗北者だと!」
「そこまでは言ってはおりません。何故あなたがそのようなことを? 妾は辞退するいわれなどこれっぽっちも」
「先ほどたまたま偶然にお前と両親との会話を聞かせてもらった!」
シノブの言葉にマチョの身体が固まった。それを見てシノブはいい気味だ!
この嘘つきインチキ野郎めと些か留飲を下げた。
「一族の陰謀を成し遂げんがための受験だとは私はこの耳でしっかりと聞いたぞ!」
マチョは唇を真一文字に結び額には汗を浮かべている。図星であり言葉が心臓を直撃しているのだろう。
ならばこのままとどめを刺すべし! 討つべし! やっつけるべし!
シノブはここで一番言いたかったことを告げる。
「そしてその手段のためにお前は卑劣にも王子に対して魅惑の術といったものを使用したとこれで判明した。よってお前は妃候補を辞退せよ。お前が妃になる正当性はゼロだ! 即刻辞退なされい!」
「えっ? なんのことですの?」
突然口を開きながらキョトンとしたマチョの反応にシノブは激怒し血が燃え身体が震えだす。なんという信じられないことを言う女だ! 有り得ないもはや存在してはならぬ存在。
こいつはこの期に及んで何という大嘘を吐くのだ!
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