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俺の嫁は美少女 (アカイ8)
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美少女だなぁ……と俺はシノブのうなじを見つめがらそう思った。
風に乗ってこちらに流れて来る若い娘特有の匂いに俺はとてもうっとりしていた。しかしシノブは女としては身長が高めなために俺と同じぐらいであり、もしかしたらこっちの方が低いかもしれないため見下すことができない。
そのことはとても残念だ。自分は微妙に背が低い。これは多くの平均以下の男たち全員の悩みである。完全に背が低いのではなく半端に、背が低め。例えるのなら偏差値46とかそこらへん。学力の方は偏差値40だがな! そこにはきっと中途半端な精神が宿るのだろうとも感じている。さらに小さいなら小さいで気にしつつもどこか開き直れる精神が宿るかもしれない。だがこのぐらいの平均より少し下らへんの身長だと微妙に足りないためか変に気にしてみみっちい意識が生まれてしまう。それはつまりは背の高めな女子に負ける程度の背丈。ちょっと相手の身長に拘ってしまうところがありそのためシノブの背丈には残念さがあった。
これが漫画やアニメみたいにこちらのコンプレックスを刺激しない配慮的な150センチ台だったら見下せられて良かったのに、160センチ台は可愛いよりもカッコよさが勝るキャラになりがちなんだからさ……とは思うものの俺はシノブは理想的な美少女であることには満足している。後ろにまとめられた長めの黒髪にスラっとした体形、そして子供から大人に代わっていく春のひと時を思わせる可愛さと綺麗さが同居しているその顔。
良家の令嬢で弓道か剣道をやっていたりもしくは陸上部にいるタイプの爽やかで清らかな少女。自分からは最も遠い存在。だが育ちが良いから自分にも気軽に挨拶をしてくれるという強めな幻覚。そんなのなかったがそう思えるだけでもこちらの心の救いとなる存在。神聖にして不可侵的なもの。
あの頃は話すこともままならずましてや触れ合うことすら不可能であった。しかしそういう存在と語り合うこと触れ合うことそして生きていくことができる可能性すらあるだなんて。まさに俺が求めていた青春の全てがあった。これが俺の嫁になるのか……思う度に感涙にむせびそうになる。
君のためなら死ねる……というか死なせてくれ。心からそんな言葉が湧いてくる感動。そうだともこの旅の終わりはこの美少女と結ばれる。ありがとう神様、ありがとう前世で苦労した俺、滅びろ前世の世界。ああ死んで嬉しい! と再三思いつつあるなかでシノブは道の途中にある石の上に腰を掛けた。シノブが疲れたための休憩である。
彼女の更に良いところに身体が弱いところだ、と俺は黙って座るシノブを眺めた。俺は強い女があまりというか好きではなく嫌いだ。こちらが弱いと知れば居丈高に攻撃してくる女子……小中高校とどの世界のクラスにもいたあの存在。限りなくケダモノに近いあいつら。弱い男を糾弾することに快感を覚えクラスのお調子者とつるんで次々と嫌なことを押し付け来るあいつら。なんて奴らだったであろう。元気いっぱいで気が強くて声がでかい。
でもこのシノブは弱い。気は強そうだが身体がその気の強さを抑えつけている感じがする。そしてなによりも俺は頼られている、これが一番の快感だ。二人の旅が始まってから彼女の荷物を持つことが自分の役となった。「助かります」とシノブが頭を下げ感謝の言葉を戴いた時の嬉しさといったらなかった。
こんな美少女に唯一頼られているその恍惚さ。
なかなかに荷物は重いという実際に持たないと辛そうという実情さも良い。なんかデート時の下らない形式化された不必要なマナーと違った切実さ。持たないと本当に駄目な感じ。これだよこれと俺は頷く。共に歩んでいる。これで確実に好感度が上がっている。輝かしい未来へと向かっている。しかしだが焦るな! あっ焦るんじゃない!
お前は何者でもない駄目な中年男で本来ならこんな美少女と旅なんかできない存在なんだ。自分の身分をわきまえろアカイ! と心中で自分を叱咤すると同時に激励が飛んだ。だが彼女はお前のものになるのだ! ここで再び叱咤が振り降ろされた。調子に乗るな! 下心を見せてはならない! そうだ! と俺はあの時のことを思い出す。
あの草原の初対面。悪党と対峙した際に興奮のあまり俺は叫んでしまった。隠さなければならないその本心を。それは俺の女だ! なんという失言を……俺の馬鹿阿保ドジマヌケ生き恥晒すな腹切って自決しろ! 紳士作戦が台無しじゃないか。あれで彼女は俺の本性どころか下心も把握していることだろう。
だからどこか警戒心があり、あれこれ歯に物が挟まったようなことしか聞いてこないし当然心を開いてはくれない。それに加えて追い打ちをかける失態は一瞬で返り討ちに会ったこと! けどよく覚えていないんだ! あいつがこっちに向かってきたことまでは覚えている。彼女の話によるとかかってこいやで自分は両手を挙げ歩いたらワンパンチで倒れたとのことで……あまりにもかっこ悪い! だいたいなんだそれは? レッサーパンダの威嚇かなにかか? ワンパンチで倒すんじゃなくて倒されるほうって酷すぎるだろ!
その後は彼女の機転で悪党を追い払ったらしいが、俺はいったいなにをしたんだ! なにしに来たんだと! 赤っ恥と自責の念で地平線に向かって叫びたい気分だが彼女がいる手前そんなことはできない。お前は俺の女宣言&瞬殺された雑魚……最低最悪な男。そう見下しそのまま草原に置き去りにしても良いぐらいなのに彼女は俺を起こしてくれたし、そのことについて詰ったりなんかもしてこない。それどころか俺を頼っている。
そうだともシノブは礼儀正しく親切で、その心は慈愛に溢れあたかも天使か天女のようなものなのがそれで実証されたのだ。しかも新たに誰かを仲間に入れようともせずに自分だけの同行を願っている。よって間違いなく俺の嫁。弱くてかっこ悪い俺という男を受け入れてくれる存在。そうであるから俺は命を賭けて君を守りたい。
こういう下らないことを無限の如くにアカイは繰り返し繰り返しそのことだけを思い続け、それから次の町へと到着したのである。
風に乗ってこちらに流れて来る若い娘特有の匂いに俺はとてもうっとりしていた。しかしシノブは女としては身長が高めなために俺と同じぐらいであり、もしかしたらこっちの方が低いかもしれないため見下すことができない。
そのことはとても残念だ。自分は微妙に背が低い。これは多くの平均以下の男たち全員の悩みである。完全に背が低いのではなく半端に、背が低め。例えるのなら偏差値46とかそこらへん。学力の方は偏差値40だがな! そこにはきっと中途半端な精神が宿るのだろうとも感じている。さらに小さいなら小さいで気にしつつもどこか開き直れる精神が宿るかもしれない。だがこのぐらいの平均より少し下らへんの身長だと微妙に足りないためか変に気にしてみみっちい意識が生まれてしまう。それはつまりは背の高めな女子に負ける程度の背丈。ちょっと相手の身長に拘ってしまうところがありそのためシノブの背丈には残念さがあった。
これが漫画やアニメみたいにこちらのコンプレックスを刺激しない配慮的な150センチ台だったら見下せられて良かったのに、160センチ台は可愛いよりもカッコよさが勝るキャラになりがちなんだからさ……とは思うものの俺はシノブは理想的な美少女であることには満足している。後ろにまとめられた長めの黒髪にスラっとした体形、そして子供から大人に代わっていく春のひと時を思わせる可愛さと綺麗さが同居しているその顔。
良家の令嬢で弓道か剣道をやっていたりもしくは陸上部にいるタイプの爽やかで清らかな少女。自分からは最も遠い存在。だが育ちが良いから自分にも気軽に挨拶をしてくれるという強めな幻覚。そんなのなかったがそう思えるだけでもこちらの心の救いとなる存在。神聖にして不可侵的なもの。
あの頃は話すこともままならずましてや触れ合うことすら不可能であった。しかしそういう存在と語り合うこと触れ合うことそして生きていくことができる可能性すらあるだなんて。まさに俺が求めていた青春の全てがあった。これが俺の嫁になるのか……思う度に感涙にむせびそうになる。
君のためなら死ねる……というか死なせてくれ。心からそんな言葉が湧いてくる感動。そうだともこの旅の終わりはこの美少女と結ばれる。ありがとう神様、ありがとう前世で苦労した俺、滅びろ前世の世界。ああ死んで嬉しい! と再三思いつつあるなかでシノブは道の途中にある石の上に腰を掛けた。シノブが疲れたための休憩である。
彼女の更に良いところに身体が弱いところだ、と俺は黙って座るシノブを眺めた。俺は強い女があまりというか好きではなく嫌いだ。こちらが弱いと知れば居丈高に攻撃してくる女子……小中高校とどの世界のクラスにもいたあの存在。限りなくケダモノに近いあいつら。弱い男を糾弾することに快感を覚えクラスのお調子者とつるんで次々と嫌なことを押し付け来るあいつら。なんて奴らだったであろう。元気いっぱいで気が強くて声がでかい。
でもこのシノブは弱い。気は強そうだが身体がその気の強さを抑えつけている感じがする。そしてなによりも俺は頼られている、これが一番の快感だ。二人の旅が始まってから彼女の荷物を持つことが自分の役となった。「助かります」とシノブが頭を下げ感謝の言葉を戴いた時の嬉しさといったらなかった。
こんな美少女に唯一頼られているその恍惚さ。
なかなかに荷物は重いという実際に持たないと辛そうという実情さも良い。なんかデート時の下らない形式化された不必要なマナーと違った切実さ。持たないと本当に駄目な感じ。これだよこれと俺は頷く。共に歩んでいる。これで確実に好感度が上がっている。輝かしい未来へと向かっている。しかしだが焦るな! あっ焦るんじゃない!
お前は何者でもない駄目な中年男で本来ならこんな美少女と旅なんかできない存在なんだ。自分の身分をわきまえろアカイ! と心中で自分を叱咤すると同時に激励が飛んだ。だが彼女はお前のものになるのだ! ここで再び叱咤が振り降ろされた。調子に乗るな! 下心を見せてはならない! そうだ! と俺はあの時のことを思い出す。
あの草原の初対面。悪党と対峙した際に興奮のあまり俺は叫んでしまった。隠さなければならないその本心を。それは俺の女だ! なんという失言を……俺の馬鹿阿保ドジマヌケ生き恥晒すな腹切って自決しろ! 紳士作戦が台無しじゃないか。あれで彼女は俺の本性どころか下心も把握していることだろう。
だからどこか警戒心があり、あれこれ歯に物が挟まったようなことしか聞いてこないし当然心を開いてはくれない。それに加えて追い打ちをかける失態は一瞬で返り討ちに会ったこと! けどよく覚えていないんだ! あいつがこっちに向かってきたことまでは覚えている。彼女の話によるとかかってこいやで自分は両手を挙げ歩いたらワンパンチで倒れたとのことで……あまりにもかっこ悪い! だいたいなんだそれは? レッサーパンダの威嚇かなにかか? ワンパンチで倒すんじゃなくて倒されるほうって酷すぎるだろ!
その後は彼女の機転で悪党を追い払ったらしいが、俺はいったいなにをしたんだ! なにしに来たんだと! 赤っ恥と自責の念で地平線に向かって叫びたい気分だが彼女がいる手前そんなことはできない。お前は俺の女宣言&瞬殺された雑魚……最低最悪な男。そう見下しそのまま草原に置き去りにしても良いぐらいなのに彼女は俺を起こしてくれたし、そのことについて詰ったりなんかもしてこない。それどころか俺を頼っている。
そうだともシノブは礼儀正しく親切で、その心は慈愛に溢れあたかも天使か天女のようなものなのがそれで実証されたのだ。しかも新たに誰かを仲間に入れようともせずに自分だけの同行を願っている。よって間違いなく俺の嫁。弱くてかっこ悪い俺という男を受け入れてくれる存在。そうであるから俺は命を賭けて君を守りたい。
こういう下らないことを無限の如くにアカイは繰り返し繰り返しそのことだけを思い続け、それから次の町へと到着したのである。
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