龍を討つもの、龍となるもの

かみやなおあき

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第一章 なぜ私であるのか

だってあなたはヘイムを

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「あのシオン様」

「言い直しなさい。いまから癖をつけておくために私と二人の時もそうしましょう。その都度いちいち指摘しますよ」

 変則的な日程となったためヘイムはルーゲンと先に講義となりその間にジーナはシオンと庭を歩くこととなった。

 寒空は雲に覆われ陽は射さず世界は灰色の中にあり色彩は人々の服にだけあるようであった。

「あなたがいるとヘイム様が昔のように元気になりますから助かりますね」

 独り言のようにシオンは語りジーナの返事は待たずに続ける。

「マイラ様がいれば昔の調子に戻れますが、なにせ忙しい身ですのでそう滅多にお会いできませんし。あなたのようにどう扱っても良い存在がいると心が休まるのかもしれません。ああ見えて昔は活発で彼氏役の男にそういうことを沢山していましたし」

 見た目そのまんまではないのかと思うよりもジーナは彼氏役という言葉に引っかかった。それは、つまり婚約者や夫役と言うことだろうか? そうなのだろうな、うん、そうだ。

「まぁ私はそういう役が得意だろうな。この間だって成功したしな。あのことについてあとで黙ったのはそういうことだろシオン」

 ジーナが気安めに喋るとシオンは驚きから愉快そうな顔を向けていた。不愉快でないのか?

「それなかなか自然でいい感じですよ。よく考えてみると龍の間であの人を差し置いてあなたから敬語や敬意を向けられるのは結構に不自然でしたね。あっそれで彼氏役が上手いかって? そうですかね? まぁあの時は他に代役がいなかったのであなたにしただけですよ。成功かどうかは関係なく。計画通り動かないし最後の地元民による祭りとマイナス点が異常でして減点法でしたら評価対象外となりました」

 弄るような言い方にジーナは顔をしかめるとシオンは前を見て息を吐いた。

「けれど、あの後にお説教などがなかったのは、帰りの馬車の中でヘイム様がバザーの様子をかつてないほどに饒舌に語っていましてね。つまらなそうにです」

 聞いてジーナがしかめっ面から真顔になるとシオンがその顔になるのを狙い望んでいたように噴き出した。

「なんですかあなた。もしかしてショックだとか?」

「いや、その、もしかしてではなく、ここは普通はショックを受けるところではないですか?」

「だってあなたじゃないですか? ジーナはヘイム様がどれだけ辛辣なことを言っても平気そうな顔をしているのに、衝撃を受けるとかおかしいですよ」

 おかしいのはその考え方だとジーナはニヤニヤするシオンを見ながら思うも、一理あると気づいた。なんでヘイムの反応で衝撃など受けるのだろうかと。

「仕事だからですよ。あの日は私はそこそこに頑張りましたしシオン様の命令通りに」

「様を訂正しなさい」

「はい。シオンの命令通りに仕事だから楽しませようとあれこれ気を使いましたのに、それなのにつまらなそうだなんて」

「あなたから見たヘイム様はバザーを楽しんでいたと思うからそういうわけですよね?」

 夢中となっていたためにいつの間にか庭を回るのが二周目となるもシオンもジーナは分かっているも敢えて足を止めなかった。

 シオンの問いにジーナはあの日を思い出すと、それは遠い過去でもないのに一つの完成され閉じ込められた世界でもあるように、思えばすぐに頭の中で再現されそこにあり現れ、開けばそれがどこにあるのか詳細に拾うことができた。ヘイムのナギの一つ一つの言葉に表情そしてその空気。

「楽しんでいたと、思います」

 声が大きくなるもシオンは平然とした顔ですぐに返した。

「楽しんでいる振りをしていたとは想像できませんか?」

 ジーナは足を止めシオンを見下ろし時間をかけ我慢と自制というブレーキをかけながら口を開く、それでも怒鳴り声となった。

「何も知りもしない癖によくそんなことを」

「では、あなたは知っているとでもいうのですか? ヘイムの心を」

 知るはずがない、とジーナはすぐに思うと膨らんでいた怒りの感情は風船の如くに萎んでいき、しばし無言のままシオンは時間を置き、話す。

「言葉が過ぎましたね。ところでジーナはジーナであの時楽しんでいましたか?」

 それは、と記憶の引き出しを開けその時の感情を探るも、見つからずそもそもそんなことは分かり切っていた、大体においてあの時の私は。

「仕事で大変だったから楽しいとか苦しいとかそんなの覚えていない、そんなところですよね。それは当然のことですよ。あなたは護衛なのですから」

 一気にその心をシオンに説明され頷くとまたシオンは策に嵌った動物を見るように微かに笑った。

「そんなあなたの一生懸命さにヘイムが察しないわけないでしょうに。多少のつまらなさは大目に見て楽しげに振る舞ったりするものですよ。礼儀ですよ礼儀。下のものにもきちんとする御方ですからね」

 言い切るとシオンは歩くのを再開し棒立ちとなっていたジーナは慌ててあとを追いかけだした。そんな必要はあまりないというのに、走って。

 追付くとすぐ会話も再開するかと思いきやシオンは語らず黙ったまま歩く。ジーナは不審に思いながらも歩くが考えれば考えるほどに段々と堪え切れなくなり、嫌な気分のまま自ら先に口を開いた。

「それでは、つまりは、私はシオンの命令を守れなかったということですね。楽しませずにつまらない思いをさせた。だからシオンはその後は一切そのことに触れなかった……このことを伝えたくこうして一緒に歩く、以上ですかね」

 ジーナは早口で言うも、何もかもがすっきりしなかったしジーナには納得できなかった。だけどもうこんな話は終わらせたかった。だがしかし 

「残念、ですか?」

 嘲笑じみた声でシオンが追い打ちをかけてきてジーナは反射的に声をあげた。

「残念ではありません」

 言葉は庭園の枯れ色の空間で分解されていく。言った瞬間にジーナの興奮は冷や汗と共に引いていった。それでもやはりシオンの表情は変わらずにいるものの、ジーナは謝ろうとするも手で止められた。

「いま、声に態度や言葉や心が分離しているのが、分かりますよね? 単純ですが、そういうことです。ヘイムがつまらなそうに語っていても本当につまらなかったと判断するのは、ちと単純すぎるということですよ。あなたが残念なのにそうではないと声を出すように、です」

 意味が分からないもののジーナにはその矛盾する説明に心は反発を覚えはしなかった。

「つまらないと言えばつまらないのでは? 私のはそういうのとは違いましてですね」

「違いませんって。ほら男の方々も意地を張ったり天邪鬼になったりするじゃないですか。そういうことですよ。人の態度を額面通りに受け止めてはなりませんって、同性相手ならすんなり理解してそうするのに、異性相手だとそうしないって、女は聖人でも聖女でもありませんよ。人間ですって」

 邪悪な存在では? と心の中で思うと同時にどこかで温かいものや光が灯されていくのが感じられた。

「そうなると、つまりは」

「つまりは? どうしました? 声が弾んでいますよ」

「こういう反応は駄目なのですか?」

「別にそんなこと言っていませんよ。何です今日は支離滅裂でどっちがあなたの心なんです?めんどくさいことをグダグダ言わずにはっきりとしなさい」

 命ぜられジーナは天を仰ぐと空はさっきよりも暗くなり風も冷たさを増している。空気を吸い込むと肺に乾いた冷気が満ちる。とても気分が良くなる気候でもないのにジーナの心はそれほど陰気ではなかった。

 これは言わされているだけ、と自分に言い聞かせた。

「ほら黙っていないで言いなさいってば」

 険しい顔のシオンに無理矢理に言わされている、だから言えるのだと。寒風を肌に受けながらジーナは思った以上にあっさりと言えた。

「それはまぁ相手が嬉しいと嬉しいじゃないですか」

 答えるとシオンは表情を一変させ笑った。

「同感です。私もあの子が楽しんでいると安心しますよ。ようやくあなたにも龍の護衛としての自覚が出始めて喜ばしいですね」

 そういうことなのか? そうなのか? いや、そうではない? と戸惑うジーナを無視してシオンは機嫌良く歩みの速さが増した。

「つまらなかったことを饒舌に語りましたが、そこまでつまらなかったわけではないと私達は思いましたよ」

「そこがまずわからない。普通楽しかったなら楽しかったと語るのでは」

「分からない人ですねーそれはですねぇ。あの立場上つまらないといった言葉は出しにくいのですよ。考えてみてくださいよ。あやつは駄目だと龍身が言ったとしてそれがそのものの耳に入ったとしたら……大問題で下手したら自決してしまうかもしれません。いまのヘイム様というのはそういう立場にある御方なのですよ。でもですね、でも。あなた相手には言える。いくらでもね」

 ジーナは頷きそうになるが首を固め当然言うべきことを言わねばなるまいと急いで声を出した。

「それって私に対してひどくないですか?」

 ひどくはない、当然のことだとジーナはどこかから声を聴いた。

「そこは立場上諦めてください」

 諦めるもなにもお前、とまた声を聴く

「いつもの態度を考えたらいいじゃないですか。だってあなたはヘイムを」

 瞬間、無が来たようにうるさかったジーナの心が鎮まりかえり、静かなるもの、あるいは死のようなものを感じた。

 シオンの顔を見る。これから死の宣告を与えるものの表情には見えずジーナは拒絶すべきだというのに、身体は動かずにその口を動きを眺めている他になく、瞼も閉じることもできず覚悟を固めることもできずに、息を止めその時を迎える。

「龍身様だと見ずに敬意を示しませんからね」

 想定外の言葉が放たれジーナは息を吹き返した。

「龍身様にあんなに自己の美意識などを強制しているのですから、その代わりに過酷な扱いは甘受せねばなりませんよ」

 返事をせずに大きく長く息を吸い込みジーナは吐く白い息を眺めながら命を感じていた。

「それは、そうかもしれませんね」

「そうですよ。まぁだからこそあなたを助けたのかもしれませんね。そこは幸いということで、ヘイムもあなたの貴重性を大切にしているのでしょう。あなたといる間だけ龍身であることを少し休んでいられる。緊張から逃れられる。そうといってもそれはいまだけでしょうけど。あなたもそのうちに龍への信仰に目覚める。その時まで」

 それはない、とジーナは心の中で思うと胸に痛みが走った。その考えを罰するかのように。

 シオンの足は館の入口へと向いだしジーナは続く。もう時間なのだろう。

「けれどもジーナ。あなたはヘイムが大目に見てくれているだけですからね。本来ならあのような振る舞いや言動は問題であり、何らかの処分や更迭もありますからその点は心によくよく刻んでおくことですよ」

「畏まりました。けれどもシオン、早めに後任は探した方がいいですよ。いまからでもすぐに」

「またそれですか。そんなにやめたいのですか? あれだけ好き勝手やっておきながら。本当に苛めがいがありますよあなたは」

 シオンは苦笑いしつつ扉を開き中へと入っていくもジーナはその前で足を止めさっきの言葉を思い出す。

 信仰に目覚めるその時までか……首を振りながらジーナは中へと入って行った。
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