次期魔王後継者なんてモテまくってめんどくさいんで辞退します。

作このえ りのん:校正ヴァルキュリア

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回想~本編だと思った?いいえ、回想です。~(製作者2名も本編だと思っていた件について)

いきなりの回想

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王に逆らえばある者は殺され、ある者は辱めを受け、ある者は拷問される。いわゆる独裁政治だ。
その中ではまだ穏健派だった私の家族の元へ魔王軍の手下が訪れた。

「やぁ。ごきげんよう。愚民共!  我らの魔王様の役に立てる日が来たぞ」

リーダーらしき人物はアヒャアヒャと不気味な気持ち悪い笑い声をしながら近づいてきた。

「なんのようだ?  」

父さんの思いっきり殺意のこもった返事をする。

「おぉ怖い怖い。そんな風にするとお前達......殺しちゃうよ?  まぁ、いいや。今日は殺したいわけじゃない。これから魔王様は神と人間とで戦争をしようとしている。つまり駒を集めてるんだ。て、事でアスタロト。お前を迎えに来た」

アスタロトとは父さんの名前だ。

「俺は行かない。俺はこいつら、妻と息子を守る。どうせ俺がおまえらについて行ったらこいつらになにかする気だろ?  お前らなんかを信用出来るかよ」

「お前何言ってるかわかってんの?  」

相変わらず不気味な笑い声をしている。

「あぁ。分かってるとも」

「こいつら。殺されたいみたいだぞ?  」

リーダーらしき人物は不気味な笑い声をやめ真面目な顔で後ろに控えていた手下に命令した。

「やれ」

手下は殺しに飢えていたかのように奇声を発し父さんに飛びかかってきた。それと同時にちらっと振り向き母さんと私に手下の声で聞こえなかったが確かに『ベリアル!  サタンを連れて逃げろ!  』と言い手下に向かっていった。母さんもそれに気づいたらしく私を抱え窓から逃げた。それから祖父母の家に向かった。


「ベルフェゴール!  息子を、サタンを頼みます!  」

ベルフェゴールは私の祖父で昔魔界でトップクラスの魔法の使い手だった、らしい。

母は続けて、
「サタン。お前がいないと私らは生きてる意味がないんだ。また、会えるといいね......じゃあね」

そう言ってまた走っていってしまった。母さんは私を抱きしめてくれた。この時、母さんの暖かさを感じたのが最後だった。私も行こうとしたがベルフェゴールに止められてしまった。

その後、ベルフェゴールとヴァルキリーに全てを話した。ヴァルキリーは私の祖母だ。元は戦神と言われていたが強さを求めるあまり悪魔、化け物になってしまい魔界に落とされた。その際にベルフェゴールと会い、困難を乗り越え今に至るというが詳しくは知らない。というかそんな老夫婦には到底見えない。

「私は父さんと母さんを助けに行く!  」

「ダメよ」

ヴァルキリーに抑えられる。振り切ってそのまま行こうとするが、その前にベルフェゴールに立ち塞がられる。

「サタンよお前を行かせるわけには行かない。それでも行くというのなら......」

ベルフェゴールが手を胸の前へ持ってくると手から青い霧のようなもやが出て、投げるように一直線に私に向かって来た。逃げる間もなくその霧に包まれてしまい、段々意識が遠のいていった。そこで私の記憶は途切れている......

次の日......

今回は気づかれず外に出て来れた。このまま私の家へ。......

近づいただけで分かってしまう。充満する死の匂い。

中に入ってみると血の匂いに引かれ数匹の下級悪魔が両親の腕や足に噛み付いて肉を食べていた。

「お......おま......お前ら!!  何やってんだよおおおおお!?  」

思わず私は叫んでしまった。その叫びが聞こえたのかこちらを向きそいつらは襲って来た。

「キシャーーー」
「ガァアアーー」

近くにスコップが落ちていた。

「うぁあぁあぁああ!!!  」

そのスコップで横一文字に全力で振り下級悪魔達に当たり、『ソレ』は紫の血を吐き倒れた。

「父さん......母さん......」

父さんは滅多切りにされているが一番の致命傷は首から上が無くなっている事。そして、断面を見ると千切れ飛んだような感じになっている。母さんは裸にされ身体中にアザがあり、やはり頭が千切れ飛んだようになっている。さっきの下級悪魔に食べられた跡が少し。辺りには肉片、おそらく頭蓋骨だろう骨の破片、目玉、その他諸々の破片が飛び散っている。まるで、下級悪魔以外の者に破裂させられたような。

「あ......う......父さ......母......さ......ん?  ......う、うぁあぁあぁああ!!!   う、おぇぇ......」

流石に両親でも無惨な死体を見てしまったら、匂いを嗅いでしまったら耐えられない。

人間の世界には火葬などあるが魔界は埋めるだけだ。花を添え、手を合わせる。私はここで、ある決意をした。





『こんな世界......私が壊してやる!  』
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