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26 救出劇
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京都、大阪を観光して今日は修学旅行3日目。念願のテーマパーク観光の日だ!
楽しみすぎてネットでマップ見たり、アトラクションを調べて友達とどこに行きたいか話し合ったりして期待に胸を膨らませていた。
テーマパークの定番であるポップコーンやチュロスも食べたいし、お土産も買いたいし…やりたい事を考え出したら尽きない。
そんなわくわくした気持ちでパークに一歩踏み出したのだが…楽しい、めちゃくちゃ楽しい!
まずは魔法学校が舞台の物語のエリアに行ったのだが一帯が世界観そのままで全部観ているファンからしたらとても感動した。
とにかくめっちゃホリポタだった。歩いているだけでも楽しいしお店に入って商品を見るのも面白い。
なによりも、結構並んだがアトラクションが意外と激し目で面白くて皆んなでキャッキャ言っていた。
その後は共通して好きな漫画の期間限定VRコースターも体験した。
みんなして好きなため感想を言い合えてめちゃくちゃ楽しくずっと笑顔でいたから口角が引き攣りそうになったほどだった。
そして次は…みんなの話し合いで恐竜映画がモチーフとなって背中を恐竜に掴まれているかの様な姿勢で楽しむジェットコースターに乗る事になった。
正直な事を言えば、ジェットコースターは苦手だ。だが俺が苦手だと言って、じゃあ違うのに乗ろうとなってしまったら悪いし何よりもジェットコースターが怖いと発言するのが恥ずかしい…。
苦手だからと数年乗っていなかったが久しぶりに乗ってみたら意外と楽しいじゃん!となるかもしれないし…と言う事で何も言わずに並んでいる列に加わった。
のだが…え?やばく無いか?ただ上から下に落ちるだけじゃなくて捻りがあってぐるぐる座席が回っているのだが⁈
並びながら何気なくこれから乗るアトラクションを見ていたら恐ろしさに戦慄が走った。だ、大丈夫かな?やべー今うまく笑えない…。
でも今更言い出すなんて尚更カッコ悪くないか?かなりダサいよな…。
それに既に列も進み始めたし…。額からダラダラと嫌な汗が出てくる。焦りで隣で楽しそうに話している友達の声もよく入ってこない。
ジェットコースターで空を舞っている人達をみて焦燥感に駆られ胸の鼓動が激しくなる。ど、どうしよう…。
「あれ?芦川じゃん?」
「え⁈…橘?」
後ろから声をかけられ驚きながら振り返ると橘と桜城達の班が俺の後ろに並んでいた。
「芦川めっちゃ驚くじゃん」
「え、あ、まぁそりゃいきなりだったから…!」
急だったからと誤魔化す様に言ったが今俺にとってはアトラクションの列ではなく断頭台への列に並んでいる様な気分だったんだ。
ビクビクしてる時にいきなり話しかけられたらビビるに決まってる。
後ろを振り向きながら橘と話していると桜城と一瞬目が合ったが話しているうちに自然と視線はズレた。
その後、軽く話し終えたらそれぞれの班に戻って話していた。その間にも俺の恐怖心は増してゆき、しまいには手が震えてきた。
どんだけ怖いんだ、最早笑えてくるな…。指先をもう片方の手で掴んで手の震えを隠しどうにか笑顔を繕って話していたのだが頭の中では色んな考えが巡り巡っていた。
気を使わせてしまいそうだが「やっぱり苦手だから1人で待ってる」と言うかチャレンジ精神で挑戦してみるか、一番ダサいのはお腹痛いと嘘をつくことだろう。
さっきまで楽しかったのが嘘の様に今の俺は選択に迫られて思考の渦に飲まれている。
どうしたら、良いんだ俺は…!1人胸の内でもがき苦しんでいたら震えを隠すため指先を掴んでた手が何かに引っ張られた。
視野が狭くなっている時にそんなことが起こって腰を抜かしそうになったがどうにか引かれた腕の先を見たら桜城がいた。
桜城が俺の手を引いたのか?何故?言葉を失って動揺していると桜城が口を開いた。
「結人、俺さやっぱり怖いから乗るのやめても良い?」
「え?あー、うん良いよ勿論」
桜城は珍しく大きめの声で橘に話かており、橘はキョトンとしていたがその後はいつもの様に会話していた。
「芦川も怖いって言ってるから…」
「お、おい!おまっ」
俺が怖がっていると桜城が言うから、真実なのだが猛抗議しようとしたら頭を小刻みに横に振られ今は黙ってろと言うオーラを感じそれ以上口は開くことができなかった。
大きめな声で話していたため、その声に気がついた俺の班の子達は驚いた顔をして振り返った。
あ、そう言うことか…。桜城が大きめな声で話してたのってもしかして俺を助けるためだったりする?
だから最初に自分が怖いって言ってわざと俺を巻き込む様な展開にしたのか?
混乱していると同じ班の特に仲の良い子から「芦川、苦手だった?」と心配そうに聞かれた。
「いや…全然大丈夫だと思ってたんだけどその、見てたらちょっと怖くなってきて…」
嘘では無い。たぶん。大幅に解釈したら今言ったような考えになる、はずだ。
「そっか、これ結構激しいもんな」
「気にすんなよ」
同じ班の友達は皆優しい言葉をかけてくれる。うぅ…先程まで切羽詰まっていたため皆の優しさに涙が出そうになる。
「俺、芦川と列抜けて散策してくるから…」
普段大勢の前でテンプレートに沿って以外話すことがほぼない桜城が俺の友達に向けて話しているのが珍しく、レアな事だとわかる分余計に有難い。俺を助けるためにわざわざ…。
「じゃあ、このアトラクションの下で待ち合わせにする?」
「あ、うん」
「だいたい40分くらいかかりそうだから50分後くらいに集合で、連絡して!こっちからも連絡するし」
「ありがとう…!邪魔になるからもう行くわ」
「感想伝えるよ!」
「うん!じゃあ」
友達と別れの挨拶を終えると桜城に手を引かれ列を抜け出しててアトラクションの前に着いた。
一息ついた頃に桜城から手を離され、それまでずっと繋ぎっぱなしだった事にも強張りすぎていて気が付かなかった。
手は離されたが改めて桜城の片手を手に取り両手で握った。
「まっっっじで、ありがとう!!」
緊張が解けた事でうっすら涙も滲んでおり、涙をうるうるさせている絵文字の様な表情になっている。
この言葉に嘘偽りはない。本当に心から切実に真っ直ぐ感謝の言葉を伝えた。
「ありがとう、お前がいなかったら…俺今頃真っ青になって想像だけで吐いてたかも…。本当にあの中から俺を助けてくれてありがとう」
桜城は俺が怖がってる事に気づき、更に俺が怖がってると言う事が強調されない様に俺の名前を出す前に自分が怖いと言って自然な流れになる様に誘導してくれた、んだと思う。
俺のためにここまでしてくれるなんて、泣かせてくる事は一旦置いておいて桜城はもっと淡白な人間だと思っていた。
普段の様子を見るに他人には関心がなく冷淡なイメージがあったが今日のことを踏まえて桜城という人間に関する見解をアップデートする必要があるかもしれない。
「お前、手震えすぎだよ」
小馬鹿にする様な口調ではあったが、そう口にする桜城の表情が穏やかで言い終えた後フッと笑っていた。
桜城が笑った?嘘⁈ガチで?邪気のない笑みを見るのは初めてで驚きのあまり目をパチパチとしてしまい改めて桜城を見た時にはいつもの無表情に戻っていた。
一瞬だったが初めて見る、顔を綻ばせた表情は鮮明に脳裏に焼き付き、表現するならば綺麗という言葉が最も相応しいだろうと思った。
そして何故か分からないけどちょっと恥ずかしくなってしまった。なんか顔が熱いな…。
「そ、そんなに手震えてた?」
「ガタガタしてたし顔は顔面蒼白で表情もおかしかったよ」
「そんなに?」
「こいつ、このまま放っておいたら恐怖で倒れるじゃないかって思った」
そんなに分かりやすいほど俺変だったのか?橘とは普通に話してておかしいとも言われなかったんだけどな。
橘なら遠慮せずに言うだろうし。まぁ、そんな事は今気にする事じゃないか。
「でもマジでそんな感じだったわ」
軽く会話しながらパークをあてもなく歩いていたがチラリと自分の腕時計が目に入ると着々と待ち合わせまでの時間が過ぎて行っている事に焦りを覚え始めた。
「てかどうかしよう…!遠くからせっかく来たのにアトラクション乗らないって勿体無くね?なんか乗りたいけどどれも待ち時間がなぁ…」
「…それなら鮫のウォーズは?さっき通った時そこまで並んでなかったし」
「マジで?丁度いいじゃん!早く行こう」
ウォーズとは鮫が人に襲いかかるパニックスリラーな映画であり、それを元にしたアトラクションだ。ボートに乗ってボートツアーに出掛けるのだが、突如鮫が出てきて…!という感じのアトラクションとなっている。
長時間並んで足が痛くなった為、ゆったりとするにも丁度良さそうだ。
足早に桜城に着いて行くと有名な鮫のオブジェクトの前に到着した。
表示されている待ち時間を見ると、余裕を持って待ち合わせ時間までにアトラクションに乗れそうだった。
「おっ、良かった!この調子なら間に合うな」
「そうだね」
アトラクションに乗る為2人で列に加わり並ぶ事になった。
「つーかお前、何頭につけてんの?」
「あー、これ…結人にお揃い着けようって言われたから仕方なく…」
桜城は犬耳が垂れたふわふわのカチューシャを付けていた。桜城ファンなら鼻血を垂らしそうな雰囲気だ。
某犬のキャラクターのものだろうが誘われて律儀につけるんだなとまじまじ見ていたら桜城は頭からカチューシャを外し俺の頭に付けてきた。
「おい、何すんだよ!」
「頭疲れたからお前が付けて」
「はぁ?無理だって、俺みたいな奴はこんな可愛いの似合わないから」
そう言って頭から外そうとすると桜城に手で阻止された。
「似合ってる似合ってる。だから付けといて」
桜城は適当な感じでで連呼するとカチューシャを頭の上から押すように装着してきた。
「おまっ…馬鹿にしてんだろ?お前だって似合ってないって思ってるくせに」
唇を突き出して軽く睨みながら恨み節を口にするとキョトンとした顔をしていた。
え?どういう反応?てっきり「馬鹿にしてないけど(半笑い)」といった俺を笑う様な反応が返ってくると思ったら毒気のない顔をされたもんだから戸惑ってしまう。
桜城の言った似合ってるという言葉は本心だったのか?冴えない俺に似合ってるって本気で?…なんか調子狂うな
「じゃ、じゃあこれ乗り終わるまでは付けといてやるよ」
「うん」
「そう言えばお前達何乗ってきたの?」
「ホリポタと」
「あ、俺も行った、良かったよな!」
「そうだね」
「他は?」
こんな感じにどこに行ったか、何を食べたかなどを話していたら気がついたら乗る順番がきていた。
楽しみすぎてネットでマップ見たり、アトラクションを調べて友達とどこに行きたいか話し合ったりして期待に胸を膨らませていた。
テーマパークの定番であるポップコーンやチュロスも食べたいし、お土産も買いたいし…やりたい事を考え出したら尽きない。
そんなわくわくした気持ちでパークに一歩踏み出したのだが…楽しい、めちゃくちゃ楽しい!
まずは魔法学校が舞台の物語のエリアに行ったのだが一帯が世界観そのままで全部観ているファンからしたらとても感動した。
とにかくめっちゃホリポタだった。歩いているだけでも楽しいしお店に入って商品を見るのも面白い。
なによりも、結構並んだがアトラクションが意外と激し目で面白くて皆んなでキャッキャ言っていた。
その後は共通して好きな漫画の期間限定VRコースターも体験した。
みんなして好きなため感想を言い合えてめちゃくちゃ楽しくずっと笑顔でいたから口角が引き攣りそうになったほどだった。
そして次は…みんなの話し合いで恐竜映画がモチーフとなって背中を恐竜に掴まれているかの様な姿勢で楽しむジェットコースターに乗る事になった。
正直な事を言えば、ジェットコースターは苦手だ。だが俺が苦手だと言って、じゃあ違うのに乗ろうとなってしまったら悪いし何よりもジェットコースターが怖いと発言するのが恥ずかしい…。
苦手だからと数年乗っていなかったが久しぶりに乗ってみたら意外と楽しいじゃん!となるかもしれないし…と言う事で何も言わずに並んでいる列に加わった。
のだが…え?やばく無いか?ただ上から下に落ちるだけじゃなくて捻りがあってぐるぐる座席が回っているのだが⁈
並びながら何気なくこれから乗るアトラクションを見ていたら恐ろしさに戦慄が走った。だ、大丈夫かな?やべー今うまく笑えない…。
でも今更言い出すなんて尚更カッコ悪くないか?かなりダサいよな…。
それに既に列も進み始めたし…。額からダラダラと嫌な汗が出てくる。焦りで隣で楽しそうに話している友達の声もよく入ってこない。
ジェットコースターで空を舞っている人達をみて焦燥感に駆られ胸の鼓動が激しくなる。ど、どうしよう…。
「あれ?芦川じゃん?」
「え⁈…橘?」
後ろから声をかけられ驚きながら振り返ると橘と桜城達の班が俺の後ろに並んでいた。
「芦川めっちゃ驚くじゃん」
「え、あ、まぁそりゃいきなりだったから…!」
急だったからと誤魔化す様に言ったが今俺にとってはアトラクションの列ではなく断頭台への列に並んでいる様な気分だったんだ。
ビクビクしてる時にいきなり話しかけられたらビビるに決まってる。
後ろを振り向きながら橘と話していると桜城と一瞬目が合ったが話しているうちに自然と視線はズレた。
その後、軽く話し終えたらそれぞれの班に戻って話していた。その間にも俺の恐怖心は増してゆき、しまいには手が震えてきた。
どんだけ怖いんだ、最早笑えてくるな…。指先をもう片方の手で掴んで手の震えを隠しどうにか笑顔を繕って話していたのだが頭の中では色んな考えが巡り巡っていた。
気を使わせてしまいそうだが「やっぱり苦手だから1人で待ってる」と言うかチャレンジ精神で挑戦してみるか、一番ダサいのはお腹痛いと嘘をつくことだろう。
さっきまで楽しかったのが嘘の様に今の俺は選択に迫られて思考の渦に飲まれている。
どうしたら、良いんだ俺は…!1人胸の内でもがき苦しんでいたら震えを隠すため指先を掴んでた手が何かに引っ張られた。
視野が狭くなっている時にそんなことが起こって腰を抜かしそうになったがどうにか引かれた腕の先を見たら桜城がいた。
桜城が俺の手を引いたのか?何故?言葉を失って動揺していると桜城が口を開いた。
「結人、俺さやっぱり怖いから乗るのやめても良い?」
「え?あー、うん良いよ勿論」
桜城は珍しく大きめの声で橘に話かており、橘はキョトンとしていたがその後はいつもの様に会話していた。
「芦川も怖いって言ってるから…」
「お、おい!おまっ」
俺が怖がっていると桜城が言うから、真実なのだが猛抗議しようとしたら頭を小刻みに横に振られ今は黙ってろと言うオーラを感じそれ以上口は開くことができなかった。
大きめな声で話していたため、その声に気がついた俺の班の子達は驚いた顔をして振り返った。
あ、そう言うことか…。桜城が大きめな声で話してたのってもしかして俺を助けるためだったりする?
だから最初に自分が怖いって言ってわざと俺を巻き込む様な展開にしたのか?
混乱していると同じ班の特に仲の良い子から「芦川、苦手だった?」と心配そうに聞かれた。
「いや…全然大丈夫だと思ってたんだけどその、見てたらちょっと怖くなってきて…」
嘘では無い。たぶん。大幅に解釈したら今言ったような考えになる、はずだ。
「そっか、これ結構激しいもんな」
「気にすんなよ」
同じ班の友達は皆優しい言葉をかけてくれる。うぅ…先程まで切羽詰まっていたため皆の優しさに涙が出そうになる。
「俺、芦川と列抜けて散策してくるから…」
普段大勢の前でテンプレートに沿って以外話すことがほぼない桜城が俺の友達に向けて話しているのが珍しく、レアな事だとわかる分余計に有難い。俺を助けるためにわざわざ…。
「じゃあ、このアトラクションの下で待ち合わせにする?」
「あ、うん」
「だいたい40分くらいかかりそうだから50分後くらいに集合で、連絡して!こっちからも連絡するし」
「ありがとう…!邪魔になるからもう行くわ」
「感想伝えるよ!」
「うん!じゃあ」
友達と別れの挨拶を終えると桜城に手を引かれ列を抜け出しててアトラクションの前に着いた。
一息ついた頃に桜城から手を離され、それまでずっと繋ぎっぱなしだった事にも強張りすぎていて気が付かなかった。
手は離されたが改めて桜城の片手を手に取り両手で握った。
「まっっっじで、ありがとう!!」
緊張が解けた事でうっすら涙も滲んでおり、涙をうるうるさせている絵文字の様な表情になっている。
この言葉に嘘偽りはない。本当に心から切実に真っ直ぐ感謝の言葉を伝えた。
「ありがとう、お前がいなかったら…俺今頃真っ青になって想像だけで吐いてたかも…。本当にあの中から俺を助けてくれてありがとう」
桜城は俺が怖がってる事に気づき、更に俺が怖がってると言う事が強調されない様に俺の名前を出す前に自分が怖いと言って自然な流れになる様に誘導してくれた、んだと思う。
俺のためにここまでしてくれるなんて、泣かせてくる事は一旦置いておいて桜城はもっと淡白な人間だと思っていた。
普段の様子を見るに他人には関心がなく冷淡なイメージがあったが今日のことを踏まえて桜城という人間に関する見解をアップデートする必要があるかもしれない。
「お前、手震えすぎだよ」
小馬鹿にする様な口調ではあったが、そう口にする桜城の表情が穏やかで言い終えた後フッと笑っていた。
桜城が笑った?嘘⁈ガチで?邪気のない笑みを見るのは初めてで驚きのあまり目をパチパチとしてしまい改めて桜城を見た時にはいつもの無表情に戻っていた。
一瞬だったが初めて見る、顔を綻ばせた表情は鮮明に脳裏に焼き付き、表現するならば綺麗という言葉が最も相応しいだろうと思った。
そして何故か分からないけどちょっと恥ずかしくなってしまった。なんか顔が熱いな…。
「そ、そんなに手震えてた?」
「ガタガタしてたし顔は顔面蒼白で表情もおかしかったよ」
「そんなに?」
「こいつ、このまま放っておいたら恐怖で倒れるじゃないかって思った」
そんなに分かりやすいほど俺変だったのか?橘とは普通に話してておかしいとも言われなかったんだけどな。
橘なら遠慮せずに言うだろうし。まぁ、そんな事は今気にする事じゃないか。
「でもマジでそんな感じだったわ」
軽く会話しながらパークをあてもなく歩いていたがチラリと自分の腕時計が目に入ると着々と待ち合わせまでの時間が過ぎて行っている事に焦りを覚え始めた。
「てかどうかしよう…!遠くからせっかく来たのにアトラクション乗らないって勿体無くね?なんか乗りたいけどどれも待ち時間がなぁ…」
「…それなら鮫のウォーズは?さっき通った時そこまで並んでなかったし」
「マジで?丁度いいじゃん!早く行こう」
ウォーズとは鮫が人に襲いかかるパニックスリラーな映画であり、それを元にしたアトラクションだ。ボートに乗ってボートツアーに出掛けるのだが、突如鮫が出てきて…!という感じのアトラクションとなっている。
長時間並んで足が痛くなった為、ゆったりとするにも丁度良さそうだ。
足早に桜城に着いて行くと有名な鮫のオブジェクトの前に到着した。
表示されている待ち時間を見ると、余裕を持って待ち合わせ時間までにアトラクションに乗れそうだった。
「おっ、良かった!この調子なら間に合うな」
「そうだね」
アトラクションに乗る為2人で列に加わり並ぶ事になった。
「つーかお前、何頭につけてんの?」
「あー、これ…結人にお揃い着けようって言われたから仕方なく…」
桜城は犬耳が垂れたふわふわのカチューシャを付けていた。桜城ファンなら鼻血を垂らしそうな雰囲気だ。
某犬のキャラクターのものだろうが誘われて律儀につけるんだなとまじまじ見ていたら桜城は頭からカチューシャを外し俺の頭に付けてきた。
「おい、何すんだよ!」
「頭疲れたからお前が付けて」
「はぁ?無理だって、俺みたいな奴はこんな可愛いの似合わないから」
そう言って頭から外そうとすると桜城に手で阻止された。
「似合ってる似合ってる。だから付けといて」
桜城は適当な感じでで連呼するとカチューシャを頭の上から押すように装着してきた。
「おまっ…馬鹿にしてんだろ?お前だって似合ってないって思ってるくせに」
唇を突き出して軽く睨みながら恨み節を口にするとキョトンとした顔をしていた。
え?どういう反応?てっきり「馬鹿にしてないけど(半笑い)」といった俺を笑う様な反応が返ってくると思ったら毒気のない顔をされたもんだから戸惑ってしまう。
桜城の言った似合ってるという言葉は本心だったのか?冴えない俺に似合ってるって本気で?…なんか調子狂うな
「じゃ、じゃあこれ乗り終わるまでは付けといてやるよ」
「うん」
「そう言えばお前達何乗ってきたの?」
「ホリポタと」
「あ、俺も行った、良かったよな!」
「そうだね」
「他は?」
こんな感じにどこに行ったか、何を食べたかなどを話していたら気がついたら乗る順番がきていた。
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