新薬を開発してTSしてみた

なぎさセツナ

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とりあえず職場復帰

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経過観察開始から約5年。

(九条 蘭:TS男)
とりあえず来週から職場復帰だ。

(山中 哲:TS女)
もう5年になるかぁ……早かったなぁ……

(早乙女 飛鳥:TS男)
えぇぇぇっ!今までみたいに姦れないじゃないですかぁ……

(山中 哲:TS女)
気にするの、そこ?!

(九条 蘭:TS男)
とはいえ、観察室生活はまだまだだ、安心しろ。

(山中 哲:TS女)
研究再開だ、しかし、どっから手をつければ良いか……

(九条 蘭:TS男)
安心しろ、私達がついてる。
今後は哲の研究助手をする事になっている。

(山中 哲:TS女)
先輩、いや、蘭達の研究は?

(九条 蘭:TS男)
辞めだ。
此方の方が重要だ、チームになるように指示が出た。

(早乙女 飛鳥:TS男)
そうですよ、これで全世界の何人が救われると思います?
非常に重要な研究ですよ。

(山中 哲:TS女)
分かったけど、手詰まり感が凄いんだよなぁ……
まぁ、想像の範囲だけど……

(九条 蘭:TS男)
私は今のままでも充分だと思うが。

(山中 哲:TS女)
いや、それなら女になれても自分の卵子で子供が作れないじゃないですか……
DNAが引き継げない。

(早乙女 飛鳥:TS男)
でも、生理は辛いですよ?

(山中 哲:TS女)
出来ればそれもクリアしたい。
途中から身体がそうなるんだから、出来るだけ負担は軽くしたいから。

(九条 蘭:TS男)
上はすぐにとは考えていない。
そこは、ほら、大人の事情だな。

(山中 哲:TS女)
あゝ……

(早乙女 飛鳥:TS男)
まず、これで承認を取って一儲け、更に改良版で……ですね(ニヤッ)

(山中 哲:TS女)
まぁ、研究開発費はタダじゃないもんな……

(九条 蘭:TS男)
だから、気長にいけ。
焦らず、良い改良版を出そうじゃないか。

(山中 哲:TS女)
そうですね。
で、ボクがもう一度飲んでみる実験はいつやります?

(九条 蘭:TS男)
それは上と相談する。
とりあえずは今の状態のデータが欲しいからな。

(早乙女 飛鳥:TS男)
男から女は哲先輩だけですから、代わりが居ませんしね。

(山中 哲:TS女)
分かった。


週明け、職場に復帰する3人。

(研究員:男)
山中、お前、凄いのを開発したな。

(山中 哲:TS女)
まぁな(ニヤッ)

(研究員:男)
今度、姦らしてくれ(ニヤッ)

(山中 哲:TS女)
お前が治験者になるならな。
報酬、年1億出るぞ。

(研究員:男)
そんなにか!……いや、辞めておく。
男が女になりたい動機は不純だ、マジに考えてる奴に悪い。
それと、俺ならいくら1億積まれても怖い、男を捨てる気は無いし。

(九条 蘭:TS男)
そういう奴に飲ませたデータも欲しいなぁ(ニヤリ)

(早乙女 飛鳥:TS男)
自白剤代わりですね、軍事転用も出来そうですし(ニヤリ)

(研究員:男)
辞めてくれ、興味本位で言った俺が悪かった(涙目)

(九条 蘭:TS男)
だから言っただろ?
簡単に戻れるような物じゃ無い方が良いって。

(早乙女 飛鳥:TS男)
こういう女の敵が居ますからね。

(山中 哲:TS女)
なるほどな。


それから、ほぼ通常時のデータ取りが始まった。
仕事というストレスをかけた場合のデータだ。
これが良い結果だと、仕事が続けられるという事になる。
是非とも良い結果が出て欲しいものだ。
ただ、仕事が研究という特殊な仕事だけに、一般職に使えるのか?
という疑問が出たが、いわゆるホワイト企業なら、ブラック企業並みの勤務になる研究職より軽いので、大丈夫でないか?という仮説が出た。
研究って、事と次第によっては止められないからね。
そこまで行くのに下手したら不眠不休になるから。
何故か?
化学反応って、安定するまで止まらない。
途中で止めたらとんでもない事になる。
それだけに安定状態にするまで休めないのだ。
特に新薬の開発。
今までに無い物質をつくる。
それは薬品の合成分解、いわゆる化学反応だ。

(山中 哲:TS女)
さてと、分析に入るか。

(九条 蘭:TS男)
どこからやる?

(山中 哲:TS女)
まずは男から女になった場合、生殖器に不具合が出るが、女から男の場合は上手くいったというところかな?

(早乙女 飛鳥:TS男)
何か心当たりでもあります?

(山中 哲:TS女)
まずは染色体だ。
染色体の変化に注目してみようと思う。


3人ががりで解明に挑む。
そして2年かけて発見した。
簡単に言うと、女から男、いわゆるXXからXYの場合、不要な部分が"削れる"だけで正常な形になった。
しかし、男から女、いわゆるXYからXXの場合、不足分を"足す"工程が要る。
ここが上手く働いていない、かなり完成しているのだが、完全ではない。
その不足分のせいで、生殖器が中途半端な形になってしまう事が分かった。
しかし、その"足す"という作業が簡単ではなかった。
強引にくっ付ける必要があるからだ。

(山中 哲:TS女)
これ、マズイな……

(早乙女 飛鳥:TS男)
何故です?

(九条 蘭:TS男)
あれだろ、ただ単にくっ付く時に崩れるだけなんだろ?

(山中 哲:TS女)
そうなんですよ。
必要な部分は出来ている。
これがこのままくっ付くだけで良い。
こんなの開発競争になりますよ。
気長にしてたら、先を越される。

(早乙女 飛鳥:TS男)
そっか!承認を取る為には公開しないといけないですもんね。

(山中 哲:TS女)
そう。
だから、これに気づかれたら後は競争だ。
とりあえず稼いでから次とか言ってたら、取られる。

(九条 蘭:TS男)
特許を取れば、コレを作る為に特許料は取れるが、次世代が出来ればそんなモン、はした金だしな。

(山中 哲:TS女)
どうします?

(九条 蘭:TS男)
至急、判断を仰いでくる。


大急ぎで上に判断を迫りにいく九条。
上の判断は……
"至急取り掛かってくれ!"
だった。

(山中 哲:TS女)
やるぞ。


哲の号令と共に大至急取り掛かる九条と早乙女。
しかし、そこは先駆者、どこよりも早く成功する。

(山中 哲:TS女)
後は治験だ。
えーっと……

(九条 蘭:TS男)
誰でやるか……だな。

(山中 哲:TS女)
ボクがやる。
とりあえず、元に戻るかも見れるし、一石二鳥かも。

(早乙女 飛鳥:TS男)
今の状態って、前の治験薬が絡んでますよね?大丈夫ですか?

(山中 哲:TS女)
それも込みだ。
そういう状況下でもどうか?というね。

(九条 蘭:TS男)
なら、我々もやろう。
一旦女に戻り、また男になれば良い。
それも上手くいくかの実験になる。


そういうと、上の判断を仰ぎに行く九条。
すぐに取り掛かってくれとの返事がきた。
しかし気掛かりなのが、不完全体の哲だ。

(山中 哲:TS女)
まぁ、それも込みで。
なんかの役に立つかもしれん。


そういう事で、3人は治験薬を飲んだ。
しばらくして……

(九条 蘭:女)
おお、見た目は女に戻ってるぞ!

(早乙女 飛鳥:女)
後は生殖器と経過観察ですね。

(九条 蘭:女)
私はその後、また男に戻るが、飛鳥はどうする?

(早乙女 飛鳥:女)
私も男になりますよ。
あんなの知ったら、女なんてやってられないですよ(ニヤッ)

(九条 蘭:女)
不純だな(ニヤッ)

(早乙女 飛鳥:女)
そういう蘭様は?(ニヤッ)

(九条 蘭:女)
本気8割、不純2割だ(ニヤリ)

(早乙女 飛鳥:女)
哲先輩、どうでした?

(山中 哲:ふたなり)
ん?正常だ、心配ない(汗)

(早乙女 飛鳥:女)
……本当ですか?怪しいですねぇ~。

(九条 蘭:女)
誤魔化すな、見せろ。

(山中 哲:ふたなり)
えっ?いや、大丈夫ですから……

(九条 蘭:女)
問答無用!


九条は哲の服を剥ぐ。

(九条 蘭:女)
お、お前……

(早乙女 飛鳥:女)
えっ?嘘!それって……

(九条 蘭:女)
ふたなり?
飛鳥、押さえつけろ!性器を見る!

(早乙女 飛鳥:女)
はい!


哲に飛びかかる早乙女。

(山中 哲:ふたなり)
待って、ちょっと待って!

(九条 蘭:女)
うるさい!


押さえつけて哲の性器を確認する九条と早乙女。

(九条 蘭:女)
ふたつある……

(早乙女 飛鳥:女)
胸だけでなく、性器もふたつありますね……

(九条 蘭:女)
凄い!凄いぞ!哲!

(早乙女 飛鳥:女)
ふたなりだ!二次元の具現化だ!!

(九条 蘭:女)
早速、検査だ!

(山中 哲:ふたなり)
いや、まず、蘭達の検査を終わらせようよ。
完全復活か見た方が良い。
ボクのは後だ。


そういうと、検査に入る。

(九条 蘭:女)
凄いな、診断結果は完全復活だ。
しかし、私は男になるがな。

(早乙女 飛鳥:女)
そうですね、私もそうします。
経過観察が落ち着けば、男になります。

(九条 蘭:女)
で、哲なんだが。

(早乙女 飛鳥:女)
凄い事になってますね!

(山中 哲:ふたなり)
完全体……しかも両方。

(九条 蘭:女)
これは貴重だ。
子供を生むことも生ますことも出来る!

(山中 哲:ふたなり)
なんでこうなった?
まぁ、ふたなりは好きだけど、自分がなるとは……

(九条 蘭:女)
要経過観察だ!
しかし、私達の結果からすると、元が完全体なら、成功する可能性が高い。

(早乙女 飛鳥:女)
これ、凄いですよ!
体に異常が無ければ、完全に生まれ変われます!

(九条 蘭:女)
これで多くの人が救われるかも知れん。
よくやった、哲!

(早乙女 飛鳥:女)
早速、報告書、書きます。


そう言うと、早乙女は研究室に戻った。

(九条 蘭:女)
どうした?

(山中 哲:ふたなり)
これとセットで考えてたのもあるんですよ。

(九条 蘭:女)
なんだ?

(山中 哲:ふたなり)
完全避妊薬。
精巣、卵巣を安全に破壊して、妊娠しなくなる薬。
子供を生みたくない人向けの。
しかも、これは完全不可逆的。
絶対元に戻らない。

(九条 蘭:女)
要るか?そんなの?

(山中 哲:ふたなり)
分かんないけど、人口爆発を防ぐために。
今の避妊薬や避妊具では完全じゃないし、飲み忘れ、付け忘れで悲劇が起こる。
なら、究極の選択として、あってもいいかなと。
この治験はボクでやる。
開発するなら、本人が責任を取らないと。
まぁ、ある意味、この身体になったのは、都合が良いかも。

(九条 蘭:女)
お前……

(山中 哲:ふたなり)
ボクは男は捨てたいけど、子供を生みたいわけじゃないんだ。
だから、最初からセットで考えていたんだ。

(九条 蘭:女)
なるほどな。
それを言うと私は子供は欲しいが生みたいわけじゃない、生ませたいんだ。
人の事は言えんな……

(山中 哲:ふたなり)
いえ、人それぞれです。
選択肢が多いのは良い事だと思うんです。
それに、もう子供は要らない、生理は辛いという人には良いかもとも考えていますし。

(九条 蘭:女)
そうか、それもアリか……
しかし、更年期はどうする。

(山中 哲:ふたなり)
破壊するだけです。
ホルモン分泌には影響が出ないように開発したいですね。
それと、更年期の根本的改善。
破壊するだけで、ホルモン分泌には影響を出さない。
というより正常に維持できるように改変する。
そうすれば、ホルモンバランスは乱れることなく老いますから、更年期から解放されるかと。

(九条 蘭:女)
凄い事を考えるな。
それなら、生理の辛さも改善してくれ。

(山中 哲:ふたなり)
もちろんです。
性別改変後の生理対策でやる予定だったし、それは女性にも使えるはずです。

(九条 蘭:女)
染色体が同一なら可能と。

(山中 哲:ふたなり)
多分。


そんな話をしていると、早乙女が走ってきた。

(早乙女 飛鳥:女)
所長、めちゃくちゃ喜んでましたよ!
世界取れたって!

(九条 蘭:女)
これで年俸もアップだな、私達の勝利だ。

(早乙女 飛鳥:女)
特別ボーナスが出るのと、経過観察の続行、昇進と、めちゃくちゃ収入増えますよ!

(山中 哲:ふたなり)
皆んなのおかげです、蘭、飛鳥。

(九条 蘭:女)
私こそ貴重な体験が出来た、ありがとう、哲。

(早乙女 飛鳥:女)
流石です、哲先輩♡

(九条 蘭:女)
で、例の件だが、上に進言する。
当然許可は降りるだろうが、先ずは経過観察が先だ。
気長に行こう。

(山中 哲:ふたなり)
はい。

(早乙女 飛鳥:女)
なんです?例の件って。

(九条 蘭:女)
それはな……


九条が早乙女に説明する。

(早乙女 飛鳥:女)
天才ですか!哲先輩!私も是非、手伝わせてください!

(山中 哲:ふたなり)
もちろん、よろしくお願いします。

(九条 蘭:女)
私も付き合うぞ、ワクワクするな。

(山中 哲:ふたなり)
お願いします、蘭。


早速、九条が上に報告と今後の研究計画を伝えに行った。
上からは、経過観察が落ち着き次第、取り掛かってくれとの指示が出た。
それと、意外だったのが、九条か早乙女のどちらかは男になって良いとのこと。
早速会議をした。

(早乙女 飛鳥:女)
そうなんですか!なら、男になりますが……

(九条 蘭:女)
私のことなら気にするな。

(早乙女 飛鳥:女)
いえ、ここは蘭様がなるべきです。
長年、男になりたかったんです、先になってください。
私は最初は不純な動機でした。
でも、なってみて、私も男で生きたいと考えました。
だから、後で。
長年苦しんだ、蘭様が先になるべきです。

(九条 蘭:女)
分かった。
なら、先に行かせてもらう。


そう言うと、再び治験薬を飲んだ。

(九条 蘭:TS男)
男になったぞ!検査を受けてくる。


そう言うと、九条は検査室に行った。

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