新薬を開発してＴＳしてみた

その後の哲達

長年の経過観察により、治験薬の当面の安全性は確立された。
ＴＳ薬、完全避妊薬２種類、更年期障害改善薬は無事発売になり、保険適用もされた為、安価で市場に出回る事になった。
これにより、全世界で大多数の人々が救われた。
後は市販後調査が残っているが、哲達の経過を見る限り、特に問題は無さそうだ。
とはいえ、まだまだ経過観察は必要だ。
寿命に対する影響、子や孫への遺伝や成長に対する影響など色々ある。

(九条 蘭：ＴＳ男)
遂に発売になったな。

(山中 哲：ふたなり)
ええ、遂にやりました。

(早乙女 飛鳥：女)
じゃあ、もう私達は終わりなんですか？

(九条 蘭：ＴＳ男)
いや、まだまだこれからだ。
私達の性活は続くぞ。

(山中 哲：ふたなり)
生活ですよね！もうどちらでも良いですが……(遠い目)

(九条 蘭：ＴＳ男)
私達の寿命に対する影響や、子や孫への遺伝や成長過程への影響など、まだまだ経過観察が必要な事はいっぱいある。
私達は死ぬまでこの性活だ。

(早乙女 飛鳥：女)
たしかに必要ですよね、そういうデータ。
良かった、まだまだこの性活が続いて。

(山中 哲：ふたなり)
だから生活な！
でも良いのか？早乙女も男になりたかったんだろ？

(早乙女 飛鳥：女)
それは＂男の喜び＂を知ったからです。
蘭先輩みたいに長年苦しんだ訳ではないので、構わないです。
今では哲先輩みたいな＂ふたなり＂になりたいって思ってますもん。

(山中 哲：ふたなり)
あゝ……
まぁそれなら良いけど。

(九条 蘭：ＴＳ男)
私も飛鳥の事は上にかけ合うつもりだったんだが、本人がそう言うのでな。

(山中 哲：ふたなり)
無理してないか？

(早乙女 飛鳥：女)
してません。
逆に検体が居ないからって、男から女への検体を増やされて一緒に性活する方が嫌です。

(山中 哲：ふたなり)
生活な。

(九条 蘭：ＴＳ男)
な、本人がそう言うんだから、気にするな。

(山中 哲：ふたなり)
分かった。

(九条 蘭：ＴＳ男)
まだまだ先は長い、この先の性活も楽しもうじゃないか。

(山中 哲：ふたなり)
生活な。
いつまで姦る気なんやねん。

(九条 蘭：ＴＳ男)
そりゃあ、出来なくなるまでだ！
現役の間はガンガン姦るぞ(ニヤッ)

(早乙女 飛鳥：女)
そうですよ！濡れなくなってもローションがあります！白濁ローション(ニヤッ)

(九条 蘭：ＴＳ男)
この前みたく、ボテ腹にして漬け込めば、いくらでも姦れるだろう(ニヤリ)

(山中 哲：ふたなり)
・・・(照)


そんなこんなで昼は研究、夜や休みはなんだかんだと理由をつけて姦られる哲だった。
研究と言っても、開発した４種類の新薬の追跡調査や更なる改良を追求していた。
プロジェクトチームは解散していない為、九条や早乙女とはいつも一緒だ。
観察家での生活も性活も引き続き行われている。
というより、この３人、第１世代はこの観察家が終の住処になる事は決まっており、本人達も了承していた。
また、子供も孫もそうなる事が決まっている為、その事は小さい頃よりそう教育してきた。
壮大な話だけに、最初は呆気にとられていたが、理解すると真摯に取り組むようになり、哲達もホッとしていた。
孫に関しては、結婚は難しいという事で、精子バンクや卵子提供で子作りをすることに決まった。
近親婚を避ける為だ。
近親婚が影響してしまうと、データに計り知れない影響が出る為、それを回避する必要があった。
よく理解をしている子供達は素直に聞き入れ、生まれた子も大切に育て、必ず立派なデータを残すと誓ってくれた。
ちなみに子供は４人ではなく６人だ。
このうち３人は、将来ＴＳすることが決まっている。
第２世代ＴＳの観察対象だ。
後から九条の精子を使って、卵子提供を受けた哲と早乙女が生んだ。
ホルモンバランスが崩れないなら、子宮も膣も存在しているから可能なのでは？という仮説が出たからだ。
無事出産できた為、６人になったのだ。
完全避妊をしても、提供があれば出産可能という事が分かったのは収穫だった。

生活の方は、減るどころか増える一方の莫大な財産ができ、また食住や子育てまで保証されている為、あまり使うこともなかった。
ひ孫の代まで保証が続くとは聞いていなかったので、ひ孫達の為に貯金と資産運用をした。
先は長い、確実性をとり、金の購入を積極的にした。
必要な時に売り払えば、その時の相場で資金調達できるからだ。
現金も必要だが、貨幣価値が変われば紙切れになる、現物預金が確実と。
それだけに、株やＦＸ、不動産投資は本人達の遊び程度にしかしなかった。
株価暴落や為替差損、償却損を防ぐ為だ。
バブル崩壊、リーマンショックも知っていたし、円高円安の景気への影響による生活への影響、それにいくらマンションを１棟買いをしても、地価変動と売却時期を間違えると損切りしなければいけない事が分かっていたからだ。
自分達の遊び程度の小遣い稼ぎなら良いが、資産を確実に残すなら金だろうと意見が一致した。
なんせ、必要になるだろう時がひ孫の代なんだから。
今、哲達は、必要な費用といえば、外食などをした時の食費の一部、衣装代の一部、車や贅沢品を購入した時の一部を負担するだけで良い。
購入したりした場合の満足感による変化も大切なデータなのだから。
ただ、無制限という訳にはいかないので、規制は入る。
それ以上というなら実費で、という事だ。
その場合の変化も必要なデータにもなる。
ありとあらゆるものがデータになるのだ。
子育て費用も要らないだけに、最初に支給されていた１億以上の報酬は支払われなくなった。
その代わりの少なくとも三代にわたる生活完全保証だ。
しかし、研究者としての仕事はしている為、個人の年俸は当然支払われる。
その額が凄い、成し遂げた成果が成果だけに、哲の年俸は７０００万円、九条と早乙女は５０００万円だ。
しかし、子供には庶民並みの小遣いを渡し、しっかり金銭感覚を身につけさせながら、投資の勉強もさせた。
記念日には求める債券、株、外貨、金などを与え、投資による運用も英才教育した。
大人になれば不動産投資も勉強させたが、子供の頃から叩き込まれた金銭感覚と投資の怖さから、暴走することはなかった。
この子達なら孫も大丈夫だろうと見ていたし、孫が生まれると子供と一緒に英才教育をした。
就職については、研究がしたいという者は研究所が、一般職といえば事務員として研究所が面倒をみた。
投資の勉強にハマり、証券会社に就職したいと言う子も居たが、それは研究所のコネと圧力で不当な扱いがされる事はなかった。
そりゃ大切なサンプルだ、パワハラなどで潰した日には会社の存亡に関わる。
全世界が必要としているデータを取っているのだから。
当然、サポート役という監視役が影として同じ場所に配属され、データと共に研究所や役員達に報告される。
ふざけた上司や部下同僚はことごとく駆逐され、それを知った周りは戦々恐々としていた。
しかし、本人はそれに胡座をかくことなく、真摯に真面目に取り組んでいた為、周りの評価はよく、可愛いがられた。
それ故、哲達は安心して定年まで働く事ができ、子供達も安全な環境で立派に育った。
孫も今のところ順調に育ち、安心して余生を送ることができた。
とはいえ、働ける間は相談役として研究所に勤めることになるが。
次世代薬の開発があるからだ。
晩年は子供や孫達に看取られ、幸せな生涯を終えた哲達だった。