異世界で通販を使って成り上がる

なぎさセツナ

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クラン王国、魔動車投入

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しばらくしてラミング商会のグレンから"ダブルウィッシュボーン"が完成したと連絡があった。
最初は"バネダンパー"、次に"水ダンパー"、そして最後に"オイルダンパー"を採用する事にした。
そこで"水ダンパー"と"オイルダンパー"の開発に入る。

(ギルド御用達商会ラミング商会商会主 グレン・ラミング:男)
いやはや、小出し3段階ですか。

(ナギサ)
かなり変わるから、納得だと思うよ。

(商会主 グレン・ラミング)
なるほど。

(ナギサ)
準備はできてるのに投入できないのが歯痒いですね。

(商会主 グレン・ラミング)
そうですが、焦りは禁物です。
物が物だけに目立ち過ぎますからな。

(ナギサ)
魔動車のサスやダンパー投入前に馬車に投入しましょう。

(商会主 グレン・ラミング)
もちろん、心得ております(ニヤリ)

(ナギサ)
馬車は最終段階までいくと、豪華仕様を出そうかと。
水魔法と火魔法を使った冷やした物と温かい物をそのまま運べる仕様。
どうかな?

(商会主 グレン・ラミング)
それは売れますな、貴族の自慢の馬車になります。
最終段階と言いますと。

(ナギサ)
"オイルダンパー"投入の後。
少し早めに投入でどう?

(商会主 グレン・ラミング)
うーん、そこはある程度行き渡ってからが良いかと。

(ナギサ)
ならそれで。


後は魔動車投入を待つだけだ。
ロロア魔王国の方は順調だ、当然"ダブルウィッシュボーン"の開発もやっている。
それと同時に"水ダンパー"と"オイルダンパー"も。
馬車にいつ"ダブルウィッシュボーン"を投入するか相談している状況だ。
魔動車レースも開催している。
同盟国を良い事に、ロロア魔王国のレースにもドラコ王国から遠征してくる。
というわけで、年間王者やランキングはロロア魔王国、ドラコ王国混合で決める事になった。
ある意味、代理戦争の用を呈していた。
それだけに盛り上がる。
そうなると他の同盟国や中立国からも参戦してきた。
もはや世界選手権のようになっていた。
そうなるとカルマ魔王国だけが取り残された。
魔動車は他国を通して手に入る。
問題はサーキットだ。
デザインを盗みたいが、それをやると総叩きに合う可能性がある。
かと言って、独自でデザインするにも知識がない。
とりあえず考え抜いて作ったが、なんともおかしな物になっていた。
コースの安全性なんて分からない。
それだけに危険なサーキットになっていた。
そうなるとラミング商会グループも涎が出てくるのだが、なかなか上手くいかない。

(商会主 グレン・ラミング)
一層の事、販売を開始して、そちらの世界へ連れて行ってもらうのは……

(ナギサ)
練習走行もあるから、なかなかねぇ……

(商会主 グレン・ラミング)
そうですよねぇ……

(ナギサ)
それに"世界を渡る"となると、ある意味国防にも関わってきます、そう簡単にいくかなと。

(商会主 グレン・ラミング)
たしかに、異世界から進軍されたら堪ったもんじゃないですよね。


販売は先送りするしかなかった。

(ナギサ)
できているんだけどなぁ……
もう少し工房に頑張ってもらうか。

(商会主 グレン・ラミング)
と言いますと。

(ナギサ)
工房を増やし、"こういうのができました"と大々的に宣伝して売る。
工房の技術力にしてしまえば誤魔化せるかなと。
"馬車からヒントを得ました"という理由で。
"馬の無い馬車で、オーナーが楽しめる乗り物は無いか?という発想からできました。"みたいな。
格好は"せっかくオーナーが乗るのだから、デザインを工夫しました。"ってのは苦しいかな?

(商会主 グレン・ラミング)
可能かと思います。
全員が口を揃えれば可能かと。

(ナギサ)
土地はアレなら貴族の領地を誘致しよう。
"サーキット使用料"の半額が取り分と言えば喜ぶかな?
それか、レストランも入れるでしょ?食事できるように。
その取り分を分けるとかで手が打てないかな?
実入りがあればとか思うけど、どうかな?
サーキットのデザインや観客席の場所とかは図面描くよ?
魔法一発ってわけにはいかないから、時間かかるけど。

(商会主 グレン・ラミング)
その線で動いてみます。
上手くいけば良いですが……

(ナギサ)
女王に新商品として献上します?
それで……あまり変わらないか、魔法一発で作るわけにはいかないから、完成には時間がかかるな。

(商会主 グレン・ラミング)
いえ、女王様に献上は手かもしれません。
土地確保も急ぐでしょうし、完成に時間がかかっても、用地の確保は容易かもしれません。

(ナギサ)
一か八かやってみます?
ただし、ボクは無関係ね。

(商会主 グレン・ラミング)
承知しております。
ナギサさんを中央に取られるわけにはいきませんから。


という事で、魔動車を女王に献上する事になった。

(クラン王国女王 マリア・クラン)
コレが馬の要らない馬車か?

(商会主 グレン・ラミング)
はい、魔力で動きますので"魔動車"と言います。
コレは買い主自身が乗り、楽しめる物です。
ただ、椅子は2つありますから、横に乗って楽しむ事もできます。

(マリア・クラン女王)
ほう、なかなか面白そうだ。

(商会主 グレン・ラミング)
しかし、この"魔動車"は速度が出ます。
専用の走行場所を作るのが良いかと。

(マリア・クラン女王)
競争馬より速いのか?

(商会主 グレン・ラミング)
遥かに速いです。
しかし、王族方も楽しめるように、安全性は非常に高いです。
ぐしゃぐしゃになっても失神して命に別状のない骨折程度で済みます。

(マリア・クラン女王)
充分危険だが(笑)

(商会主 グレン・ラミング)
その為の走行場所です。
治癒室を作り、魔法陣を設置する事で、回復魔法を強化します。
先ほどのようになっても、完全完治どころか古傷まで治ります。

(マリア・クラン女王)
大きく出たな。
なら、そうならなかった場合、どうする?

(商会主 グレン・ラミング)
私の命と全財産を、いえ、私共のグループ全員の命と財産を差し出します。

(マリア・クラン女王)
ほう、大した自信だな。

(商会主 グレン・ラミング)
はい、それだけの自信はあります。

(マリア・クラン女王)
分かった、その専用走行場所の土地を用意しよう。

(商会主 グレン・ラミング)
ありがとうございます。


専用走行場所が作れるようになった。
その事はナギサにも伝えられた。

(ナギサ)
良かったですね。

(商会主 グレン・ラミング)
はい。
これからが正念場です。

(ナギサ)
治癒室は5室作ってください。
ベッドは25。
最悪の事態も考えて。
先でレースする場合も最大で24台程度と考えていますから。

(商会主 グレン・ラミング)
はい、分かりました。

(ナギサ)
サーキットレイアウトはこれです。


ナギサはとりあえず"鈴鹿"の図面を渡した。
細かく再現しており、本家"鈴鹿"と同じようになっていた。

(商会主 グレン・ラミング)
これですか、なかなか面白そうですな。

(ナギサ)
なかなかの名コースです、楽しめますよ。
完成は急がす慎重に。
安全性にかかってきますから。

(商会主 グレン・ラミング)
はい、了承しました。


魔動車サーキット、"鈴鹿"の建設が始まった。
治癒室の魔法陣はナギサが引き受けたので、目処がついたら連絡してもらう事になった。
魔導士も投入しての大事業となり、完成までに10ヶ月かかった。
やはり立体交差が難所だった。
治癒室の魔法陣を設置する時に、ナギサがこっそり魔法で強化していた。
こけら落としには女王も観覧し、魔動車を買った貴族達が続々と持ち込む。
パレード走行が開始されたが、やはり慣れない為、おっかなびっくりな走行だった。
そこでデモ走行と、ギルマスとナギサが走行した。
ある程度慣れているギルマスは速かった。
ナギサもそれに合わせて走行した。
デモ走行は大いに盛り上がり、慣れればレースもやると発表。
ルールはスポーツなので、正々堂々と勝負する事、上位8人には点数が与えられ、総得点で年間王者も決める事。
専属禁止、必ず家の者が参戦する事などが発表された。
運営次第でルール変更もある事も通知した。
サーキット使用料が安い事、優勝の名誉と年間王者の名誉、そして財力誇示と貴族にとっては美味しいところが多く、早速いつレースを開催するか問い合わせがあった。
しかし、一番楽しみにしていたナギサが忙しく、なかなかサーキット走行ができなかった。


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