17 / 27
第17話
しおりを挟む
コーデリアが起きた時、ベッドに横たわっていた。てっきり、テーブルで書き物をしていて、寝落ちしたものだと思っていたのだが。
夢見心地に、たくましい腕に抱かれて、ベッドまで運ばれた感覚が残っている。
それに。
コーデリアは頬が染まるのを自覚しながら、額を押さえた。
――柔らかくて、温かいものが触れた。もしかしたらクローヴィスの……。
まさか、と心で否定するも、彼にも自宅の鍵を預けていたことを思い出す。一度、帰るのが遅れて、彼を外で待ちぼうけにしてしまったことがあったからだ。
外に出る。まだ明けの明星が輝く中、墓地へ走る。
途中、芝生が根っこから円形状に倒れているのを確認した。いつも翠玉が眠る辺りだ。昨晩まではそうなっていなかった。
兄の墓石の前に、まだ瑞々しい花束が供えられていた。
――クローヴィス……。
薄明の空に飛竜の飛行姿は見つけられなかった。
朝方まで男は建物の最上階に潜んでいた。
例の隠し部屋からは会場がよく見渡せた。
彼の頭には、当日の警備や要人たちの動きもすべて頭に入っている。会場図もおおむね、聞いていたとおりだ。
窓には少し細工をしてあった。建物の外からは目立たないが、一部のガラスを外せるようにしてある。試しに円形に切り取ったガラスを外してみると、朝のひやりとした空気が密閉された空間に流れ込む。頭の中がさらに冴える。
男は担いでいたライフルを下ろし、俯せになる。窓の穴からそっと銃口を向ける。
彼の目は、設営された舞台の一点を確認した。できる、と確信する。
震える息を吐いた。
――おまえの仇を今日取ろう……コンラッド。
亡き戦友にふたたび誓いを立てた時。
機敏な視線が、この建物に向かって歩いてくる男たちを確認した。
この辺りの建物は復興式のため、夜半から立ち入り禁止となっている。
男たちは一般市民の服装をしていたものの、目つきが明らかに常人のそれではない。
「ちっ!」
男は事態を察する。彼はすぐさまライフルを肩に担ぎ上げ、目星を付けていた脱出口から建物を貫く配管部のスペースに潜り込む。
どこから計画が漏れたのかわからないが、まだ男が慌てる段階ではない。
ライフルでの遠距離射撃がかなわずとも手はまだ残っている。
壁の向こうで最上階への螺旋階段を駆け上がっていく音に別れを告げ、男は朝靄が残る通りへ悠々と消えた。
その手にライフルはもうない。
そろそろ、招待客をはじめとした観客が復興式のために集まり出す刻限になっていた。
約一年前。
夜半、この町に魔獣が襲来した。魔獣そのものは数も少なく、軍の出動でまもなく駆除された。
しかし、駆除の折、市民の持つランタンが暴れる魔獣に引火し、そのまま建造物に燃え広がり、風向きもあって瞬く間に一帯を焦がした。
負傷者多数の上、町の中心部がほぼ燃え尽きた。
この事態を見て、すぐさま国王は多額の見舞金を出し、町の復興のため力を尽くす旨の宣言を出した。多くの貴族たちもこれに追随し、寄付金が集まった。
急ピッチで町の再建が進められた。その象徴と言えるのが、新しい分庁舎である。ほぼ完成に近づいたこの分庁舎を背に、復興を祝う式典が行われることとなり、国王をはじめとした要人の出席も決定した。
被害に遭い、苦しんできた市民も多い中、国王臨席は一大ニュースであった。国王がこの地を訪れることは、国が自分たちを見捨てていないことを意味する。
復興式は重要な式典であった。国の威信もかかっている。国王は必ず出席しなければならなかった。たとえ、暗殺者を狙う痕跡が見つかったとしても。
宰相クローヴィスは式典前に、配下の者へ指示を出した。
「私は元軍人だ。警護は必要ない。代わりに、国王陛下やガプル公爵令嬢に人員を回すように」
彼は顔色ひとつ変えずに言い切った。見る者はみな「’冷血宰相‘にとっては暗殺者もたいしたことがないのだ」と囁き合った。「彼に恐れるものは何もないのか」、と。
クローヴィスの指示はそのまま通った。
万全の体勢を整え、復興式がはじまる。
コーデリアは化粧室の姿見の前に立ち、自分の身だしなみを観察した。
白のブラウス、紺色のジャケットにタイトなロングスカート。重たい金冠勲章を胸につけていること以外は、どこにでもいる平凡なコーデリア。口角もきれいに上がらない。
少し考えて、コーデリアはポケットから出したネックレスを首に通した。銀の金属片が胸元で揺れる。
金属片に刻まれているのは、コンラッドの名前と軍の識別番号だ。兄の遺品である。大事な時に身に付けるお守りにしていた。
――コンラッド、今日も力を借りるね。
大事な式典の日だ。
あの災厄に関わった者として区切りをつける日であり、世間に広く復興を訴えかける機会でもある。
今でも目の裏に炎を感じる時がある。
どれだけの人が、あの時に人生を狂わされたことか……すべてを失ったのか。
それでも前を向き、自らを鼓舞する。あの復興式はそんな場になるだろう。
――あの場に国王は臨席しなければいけない。あの人も、行事の本質はわかっている。
コーデリアが見つけた工作の痕跡が残された建物は今や厳重に封鎖されている。
ガプル公爵令嬢からクローヴィスへ情報が渡ったのだ。
国王の行幸はつつがなく進行し、式典の出席中止の連絡もない。クローヴィスが国王出席のために次善策を講じたのだろうと察せられた。
――クローヴィス……。私は、あなたへきちんとお別れが伝えられている?
昨夜感じた、幻のようなクローヴィス。彼は、コーデリアの手紙を読んだ彼なのか、そうでない彼なのか。
彼は幸せにならなければいけない。コーデリアは本心から彼の幸福を願っている。
今日は彼を目にできる最後の機会にもなる。
彼を心配させないよう、立派な姿を見せてあげたかった。
コーデリアは、鏡の中にいる気弱な少女に言い聞かせた。
――大丈夫、きっとやれるから。
あの人がいなくなっても、恋心だけは胸に抱いて持っていくから、今だけは。
コーデリアは会場に向かった。
夢見心地に、たくましい腕に抱かれて、ベッドまで運ばれた感覚が残っている。
それに。
コーデリアは頬が染まるのを自覚しながら、額を押さえた。
――柔らかくて、温かいものが触れた。もしかしたらクローヴィスの……。
まさか、と心で否定するも、彼にも自宅の鍵を預けていたことを思い出す。一度、帰るのが遅れて、彼を外で待ちぼうけにしてしまったことがあったからだ。
外に出る。まだ明けの明星が輝く中、墓地へ走る。
途中、芝生が根っこから円形状に倒れているのを確認した。いつも翠玉が眠る辺りだ。昨晩まではそうなっていなかった。
兄の墓石の前に、まだ瑞々しい花束が供えられていた。
――クローヴィス……。
薄明の空に飛竜の飛行姿は見つけられなかった。
朝方まで男は建物の最上階に潜んでいた。
例の隠し部屋からは会場がよく見渡せた。
彼の頭には、当日の警備や要人たちの動きもすべて頭に入っている。会場図もおおむね、聞いていたとおりだ。
窓には少し細工をしてあった。建物の外からは目立たないが、一部のガラスを外せるようにしてある。試しに円形に切り取ったガラスを外してみると、朝のひやりとした空気が密閉された空間に流れ込む。頭の中がさらに冴える。
男は担いでいたライフルを下ろし、俯せになる。窓の穴からそっと銃口を向ける。
彼の目は、設営された舞台の一点を確認した。できる、と確信する。
震える息を吐いた。
――おまえの仇を今日取ろう……コンラッド。
亡き戦友にふたたび誓いを立てた時。
機敏な視線が、この建物に向かって歩いてくる男たちを確認した。
この辺りの建物は復興式のため、夜半から立ち入り禁止となっている。
男たちは一般市民の服装をしていたものの、目つきが明らかに常人のそれではない。
「ちっ!」
男は事態を察する。彼はすぐさまライフルを肩に担ぎ上げ、目星を付けていた脱出口から建物を貫く配管部のスペースに潜り込む。
どこから計画が漏れたのかわからないが、まだ男が慌てる段階ではない。
ライフルでの遠距離射撃がかなわずとも手はまだ残っている。
壁の向こうで最上階への螺旋階段を駆け上がっていく音に別れを告げ、男は朝靄が残る通りへ悠々と消えた。
その手にライフルはもうない。
そろそろ、招待客をはじめとした観客が復興式のために集まり出す刻限になっていた。
約一年前。
夜半、この町に魔獣が襲来した。魔獣そのものは数も少なく、軍の出動でまもなく駆除された。
しかし、駆除の折、市民の持つランタンが暴れる魔獣に引火し、そのまま建造物に燃え広がり、風向きもあって瞬く間に一帯を焦がした。
負傷者多数の上、町の中心部がほぼ燃え尽きた。
この事態を見て、すぐさま国王は多額の見舞金を出し、町の復興のため力を尽くす旨の宣言を出した。多くの貴族たちもこれに追随し、寄付金が集まった。
急ピッチで町の再建が進められた。その象徴と言えるのが、新しい分庁舎である。ほぼ完成に近づいたこの分庁舎を背に、復興を祝う式典が行われることとなり、国王をはじめとした要人の出席も決定した。
被害に遭い、苦しんできた市民も多い中、国王臨席は一大ニュースであった。国王がこの地を訪れることは、国が自分たちを見捨てていないことを意味する。
復興式は重要な式典であった。国の威信もかかっている。国王は必ず出席しなければならなかった。たとえ、暗殺者を狙う痕跡が見つかったとしても。
宰相クローヴィスは式典前に、配下の者へ指示を出した。
「私は元軍人だ。警護は必要ない。代わりに、国王陛下やガプル公爵令嬢に人員を回すように」
彼は顔色ひとつ変えずに言い切った。見る者はみな「’冷血宰相‘にとっては暗殺者もたいしたことがないのだ」と囁き合った。「彼に恐れるものは何もないのか」、と。
クローヴィスの指示はそのまま通った。
万全の体勢を整え、復興式がはじまる。
コーデリアは化粧室の姿見の前に立ち、自分の身だしなみを観察した。
白のブラウス、紺色のジャケットにタイトなロングスカート。重たい金冠勲章を胸につけていること以外は、どこにでもいる平凡なコーデリア。口角もきれいに上がらない。
少し考えて、コーデリアはポケットから出したネックレスを首に通した。銀の金属片が胸元で揺れる。
金属片に刻まれているのは、コンラッドの名前と軍の識別番号だ。兄の遺品である。大事な時に身に付けるお守りにしていた。
――コンラッド、今日も力を借りるね。
大事な式典の日だ。
あの災厄に関わった者として区切りをつける日であり、世間に広く復興を訴えかける機会でもある。
今でも目の裏に炎を感じる時がある。
どれだけの人が、あの時に人生を狂わされたことか……すべてを失ったのか。
それでも前を向き、自らを鼓舞する。あの復興式はそんな場になるだろう。
――あの場に国王は臨席しなければいけない。あの人も、行事の本質はわかっている。
コーデリアが見つけた工作の痕跡が残された建物は今や厳重に封鎖されている。
ガプル公爵令嬢からクローヴィスへ情報が渡ったのだ。
国王の行幸はつつがなく進行し、式典の出席中止の連絡もない。クローヴィスが国王出席のために次善策を講じたのだろうと察せられた。
――クローヴィス……。私は、あなたへきちんとお別れが伝えられている?
昨夜感じた、幻のようなクローヴィス。彼は、コーデリアの手紙を読んだ彼なのか、そうでない彼なのか。
彼は幸せにならなければいけない。コーデリアは本心から彼の幸福を願っている。
今日は彼を目にできる最後の機会にもなる。
彼を心配させないよう、立派な姿を見せてあげたかった。
コーデリアは、鏡の中にいる気弱な少女に言い聞かせた。
――大丈夫、きっとやれるから。
あの人がいなくなっても、恋心だけは胸に抱いて持っていくから、今だけは。
コーデリアは会場に向かった。
920
あなたにおすすめの小説
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。
恋をし恋ひば~今更な新婚生活の顛末記~
川上桃園
恋愛
【本編完結】結婚した途端に半年放置の夫(何考えているのかわからない)×放置の末に開き直った妻(いじっぱり)=今更な新婚生活に愛は芽生える?
西洋風ファンタジーです。
社交界三年目を迎え、目新しい出会いも無いし、婚約者もできなかったから親のすすめで結婚した。相手は顔見知りだけれども、互いに結婚相手として考えたことはなかった。
その彼は結婚早々に外国へ。半年放っておかれたころに帰ってきたけれど、接し方がわからない。しかも本人は私の知らないうちに二週間の休暇をもらってきた。いろいろ言いたいことはあるけれど、せっかくだからと新婚旅行(ハネムーン)の計画を立てることにした。行き先は保養地で有名なハウニーコート。数多くのロマンス小説の舞台にもなった恋の生まれる地で、私たちは一人の女性と関わることになる(【ハウニーコートの恋】)。
結婚してはじめての社交界。昼間のパーティーで昔好きだった人と再会した(【昔、好きだった人】)。
夫の提案で我が家でパーティーを開くことになったが、いろいろやらなくてはいけないことも多い上に、信頼していた執事の様子もおかしくなって……(【サルマン家のパーティー】)。
あの夜で夫との絆がいっそう深まったかと言えばそうでもなかった。不満を溜めこんでいたところに夫が友人を家に招くと言い出した。突然すぎる! しかもその友人はかなり恐れ多い身分の人で……(【釣った魚には餌をやれ】)。
ある夜会で「春の女神」に出会ったが、彼女はなかなか風変わりの女性だった。彼女の名前はマティルダという(【春の女神】)。
夫が忘れ物をした。届けにいかなくては。(最終章【橋の上のふたり】)
【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません
Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。
彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──……
公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。
しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、
国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。
バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。
だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。
こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。
自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、
バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは?
そんな心揺れる日々の中、
二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。
実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている……
なんて噂もあって────
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる