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第70話 「広がっていく世界のなかで」
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彼と付き合いはじめてから、
私の世界は、
少しずつ、確実に広がっていった。
最初は、
一緒に帰るだけだった。
それが、
休日に駅前で待ち合わせして、
おそろいのタピオカを買って笑ったり、
カフェでふたり並んで宿題を広げたりするようになった。
それだけでも、
十分新しかった。
でも、
彼はさらに、
私に新しい世界を見せてくれた。
「今度、OBたちとも遊ぼうや。ナナも来いよ。」
バスケ部のOBたち。
すでに卒業して大学生になった人たち。
彼にとっては、
憧れであり、
兄貴みたいな存在らしかった。
私は、
少し迷った。
でも、
彼の「ナナも一緒に」という言葉が、
嬉しかった。
自分の世界に、
私を連れて行ってくれる。
それだけで、
胸があたたかくなった。
そして、
ある日曜日。
待ち合わせ場所に行くと、
彼と、
数人の大学生たちが待っていた。
「おー、ナナちゃんやんな! 話聞いとるでー!」
「かわいいやん! キャプテン、やるやん!」
みんな、
明るくて、
賑やかで、
ちょっとだけ雑だった。
私は、
最初は戸惑った。
でも、
すぐにその空気に馴染んだ。
彼が隣で、
自然に私をフォローしてくれたから。
ファミレスで、
みんなでテーブルを囲んで、
バカみたいな話をした。
バスケの話。
部活の裏話。
大学の授業のこと。
恋愛のこと。
世界が、
広がっていくのを感じた。
今まで知らなかった、
学校の外側の空気。
自由で、
ちょっと危なくて、
でも、
どうしようもなく眩しい世界。
私は、
そのなかで、
彼の隣にいる自分を、
なんだか少しだけ誇らしく思った。
でも、
心のどこかで、
小さなざわめきも感じていた。
──私、ちゃんとついていけるかな。
彼は、
どんどん大人になっていく気がした。
バスケに、
仲間に、
未来に向かって。
私は、
その隣に、
ちゃんといられるだろうか。
そんな不安を、
私はまだ、
うまく言葉にできなかった。
笑いながら、
オレンジジュースを飲みながら。
私は、
心の片隅で、
そっと自分に問いかけていた。
──でも、今は、まだ。
彼の隣にいられるだけでいい。
そう自分に言い聞かせながら。
私は、
新しい世界のなかで、
小さく微笑んだ。
──つづく。
私の世界は、
少しずつ、確実に広がっていった。
最初は、
一緒に帰るだけだった。
それが、
休日に駅前で待ち合わせして、
おそろいのタピオカを買って笑ったり、
カフェでふたり並んで宿題を広げたりするようになった。
それだけでも、
十分新しかった。
でも、
彼はさらに、
私に新しい世界を見せてくれた。
「今度、OBたちとも遊ぼうや。ナナも来いよ。」
バスケ部のOBたち。
すでに卒業して大学生になった人たち。
彼にとっては、
憧れであり、
兄貴みたいな存在らしかった。
私は、
少し迷った。
でも、
彼の「ナナも一緒に」という言葉が、
嬉しかった。
自分の世界に、
私を連れて行ってくれる。
それだけで、
胸があたたかくなった。
そして、
ある日曜日。
待ち合わせ場所に行くと、
彼と、
数人の大学生たちが待っていた。
「おー、ナナちゃんやんな! 話聞いとるでー!」
「かわいいやん! キャプテン、やるやん!」
みんな、
明るくて、
賑やかで、
ちょっとだけ雑だった。
私は、
最初は戸惑った。
でも、
すぐにその空気に馴染んだ。
彼が隣で、
自然に私をフォローしてくれたから。
ファミレスで、
みんなでテーブルを囲んで、
バカみたいな話をした。
バスケの話。
部活の裏話。
大学の授業のこと。
恋愛のこと。
世界が、
広がっていくのを感じた。
今まで知らなかった、
学校の外側の空気。
自由で、
ちょっと危なくて、
でも、
どうしようもなく眩しい世界。
私は、
そのなかで、
彼の隣にいる自分を、
なんだか少しだけ誇らしく思った。
でも、
心のどこかで、
小さなざわめきも感じていた。
──私、ちゃんとついていけるかな。
彼は、
どんどん大人になっていく気がした。
バスケに、
仲間に、
未来に向かって。
私は、
その隣に、
ちゃんといられるだろうか。
そんな不安を、
私はまだ、
うまく言葉にできなかった。
笑いながら、
オレンジジュースを飲みながら。
私は、
心の片隅で、
そっと自分に問いかけていた。
──でも、今は、まだ。
彼の隣にいられるだけでいい。
そう自分に言い聞かせながら。
私は、
新しい世界のなかで、
小さく微笑んだ。
──つづく。
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