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第73話 「誰にも、止められたくなかった」
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外の世界を知るようになって、
私は、
どんどん変わっていった。
大学生たちと遊ぶ時間が増えた。
駅ビルのカフェでおしゃべりしたり、
少し背伸びしたレストランに連れて行ってもらったり。
その中で、
自然とファッションにも興味を持つようになった。
雑誌をめくる指先が、
いつもより慎重になった。
スカートの丈。
ソックスの選び方。
リップの色。
バッグの持ち方。
ひとつひとつが、
私にとっては新しい世界だった。
もっと大人っぽくなりたかった。
もっと洗練されたかった。
そして──
もっと、誰かに、見られたかった。
そんな気持ちが、
私の中で静かに膨らんでいった。
制服のスカートは、
自然とほんの少しだけ短くなった。
アイラインも、
ほんの少しだけ太くなった。
街中を歩くとき、
私は、
確かに注目を集めるようになった。
それが、
うれしくて、
怖くて、
でも、
やっぱりうれしかった。
そんな私の変化に、
最初に気づいたのは──
両親だった。
「最近、ちょっと派手すぎるんちゃうか?」
「帰りも遅いし、心配やで?」
何気ない言葉。
でも、
私は、
それを”うざい”としか感じなかった。
「別に、普通やん。」
冷たく答える自分がいた。
何が普通で、
何が普通じゃないのかなんて、
私自身にもわからなかった。
ただ、
今の私を、
いちいち止めようとすることが、
たまらなく煩わしかった。
「信じてるからこそ言うんやで」
母がそう言ったとき、
私は、
わかってるくせに、
わかりたくなかった。
──今の私を、
誰にも止められたくない。
私は、
そう心の中で呟いた。
友達も、
先生も、
親でさえも。
私は、
もっと遠くへ行きたかった。
まだ見ぬ世界へ。
まだ知らない自分へ。
それは、
怖いことだった。
でも、
怖さよりも、
期待のほうがずっと大きかった。
秋の終わり。
制服のポケットに、
新しく買ったリップクリームを忍ばせて。
私は、
少し速足で、
次の世界へ向かっていた。
誰にも、止められないまま。
──つづく。
私は、
どんどん変わっていった。
大学生たちと遊ぶ時間が増えた。
駅ビルのカフェでおしゃべりしたり、
少し背伸びしたレストランに連れて行ってもらったり。
その中で、
自然とファッションにも興味を持つようになった。
雑誌をめくる指先が、
いつもより慎重になった。
スカートの丈。
ソックスの選び方。
リップの色。
バッグの持ち方。
ひとつひとつが、
私にとっては新しい世界だった。
もっと大人っぽくなりたかった。
もっと洗練されたかった。
そして──
もっと、誰かに、見られたかった。
そんな気持ちが、
私の中で静かに膨らんでいった。
制服のスカートは、
自然とほんの少しだけ短くなった。
アイラインも、
ほんの少しだけ太くなった。
街中を歩くとき、
私は、
確かに注目を集めるようになった。
それが、
うれしくて、
怖くて、
でも、
やっぱりうれしかった。
そんな私の変化に、
最初に気づいたのは──
両親だった。
「最近、ちょっと派手すぎるんちゃうか?」
「帰りも遅いし、心配やで?」
何気ない言葉。
でも、
私は、
それを”うざい”としか感じなかった。
「別に、普通やん。」
冷たく答える自分がいた。
何が普通で、
何が普通じゃないのかなんて、
私自身にもわからなかった。
ただ、
今の私を、
いちいち止めようとすることが、
たまらなく煩わしかった。
「信じてるからこそ言うんやで」
母がそう言ったとき、
私は、
わかってるくせに、
わかりたくなかった。
──今の私を、
誰にも止められたくない。
私は、
そう心の中で呟いた。
友達も、
先生も、
親でさえも。
私は、
もっと遠くへ行きたかった。
まだ見ぬ世界へ。
まだ知らない自分へ。
それは、
怖いことだった。
でも、
怖さよりも、
期待のほうがずっと大きかった。
秋の終わり。
制服のポケットに、
新しく買ったリップクリームを忍ばせて。
私は、
少し速足で、
次の世界へ向かっていた。
誰にも、止められないまま。
──つづく。
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