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第85話 「晒すことでしか、私は生きられなかった」
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それからの日々、
私は、
彼の命令に従って、
毎日、自分の写真を送るようになった。
制服のスカートをめくる。
太ももを、
パンツを、
カメラに晒す。
初めは、
スマホを持つ指が震えた。
シャッターを押すたび、
羞恥で顔が熱くなった。
──なんでこんなこと、してるんやろ。
そんなふうに思う自分も、
どこかにいた。
でも、
それ以上に。
見られているという感覚が、
確かに私を生かしていた。
「今日のナナも、かわいいな。」
「ちゃんと俺だけに見せろよ。」
彼から返ってくる短いメッセージ。
それを読むたびに、
胸の奥が甘く疼いた。
誰にも知られない秘密。
誰にも言えない関係。
──でも、これが私の居場所や。
晒すことでしか、
私は自分の存在を確かめられなかった。
普通の恋愛。
普通の優しさ。
そんなものじゃ、
私はもう、
満たされない。
誰かに命令されて。
誰かのために、自分を晒して。
誰かに見られることで、
私は、
やっと生きていると感じられた。
放課後。
制服のまま、
鍵をかけた自分の部屋で、
鏡の前に立つ。
スカートをゆっくりめくる。
太ももの内側まで、
大胆に晒して。
パシャ。
カメラのシャッター音が、
小さく響く。
送信ボタンを押すとき、
心臓がバクバクと跳ねた。
でも、
同時に、
痺れるような快感が、
身体中を駆け巡った。
私は、
今日も”いい子”でいた。
彼の命令に従った。
──だから、生きていい。
そんなふうに、
思えた。
だけど、
どこかでわかっていた。
この感覚は、
もう普通の道には戻れないということ。
誰かに”見られる”ことでしか、
誰かに”所有される”ことでしか、
自分を保てない私になってしまったこと。
夜、
ベッドに沈み込みながら、
スマホの画面を眺めた。
そこには、
さっき送ったばかりの、
私の、
剥き出しの姿が映っていた。
太もも。
パンツ。
微かに震える膝。
それを、
彼が、
たったひとりで見ている。
それだけで、
私は、
また指を動かしてしまいそうだった。
──見られたい。
──命令されたい。
──晒したい。
そんな欲望が、
静かに、でも確実に、
私を蝕んでいくのを感じていた。
でも、
怖くなかった。
むしろ、
この倒錯のなかでしか、
私は自分を守れない気がした。
晒しながら、
生きる。
それが、
今の私だった。
──つづく。
私は、
彼の命令に従って、
毎日、自分の写真を送るようになった。
制服のスカートをめくる。
太ももを、
パンツを、
カメラに晒す。
初めは、
スマホを持つ指が震えた。
シャッターを押すたび、
羞恥で顔が熱くなった。
──なんでこんなこと、してるんやろ。
そんなふうに思う自分も、
どこかにいた。
でも、
それ以上に。
見られているという感覚が、
確かに私を生かしていた。
「今日のナナも、かわいいな。」
「ちゃんと俺だけに見せろよ。」
彼から返ってくる短いメッセージ。
それを読むたびに、
胸の奥が甘く疼いた。
誰にも知られない秘密。
誰にも言えない関係。
──でも、これが私の居場所や。
晒すことでしか、
私は自分の存在を確かめられなかった。
普通の恋愛。
普通の優しさ。
そんなものじゃ、
私はもう、
満たされない。
誰かに命令されて。
誰かのために、自分を晒して。
誰かに見られることで、
私は、
やっと生きていると感じられた。
放課後。
制服のまま、
鍵をかけた自分の部屋で、
鏡の前に立つ。
スカートをゆっくりめくる。
太ももの内側まで、
大胆に晒して。
パシャ。
カメラのシャッター音が、
小さく響く。
送信ボタンを押すとき、
心臓がバクバクと跳ねた。
でも、
同時に、
痺れるような快感が、
身体中を駆け巡った。
私は、
今日も”いい子”でいた。
彼の命令に従った。
──だから、生きていい。
そんなふうに、
思えた。
だけど、
どこかでわかっていた。
この感覚は、
もう普通の道には戻れないということ。
誰かに”見られる”ことでしか、
誰かに”所有される”ことでしか、
自分を保てない私になってしまったこと。
夜、
ベッドに沈み込みながら、
スマホの画面を眺めた。
そこには、
さっき送ったばかりの、
私の、
剥き出しの姿が映っていた。
太もも。
パンツ。
微かに震える膝。
それを、
彼が、
たったひとりで見ている。
それだけで、
私は、
また指を動かしてしまいそうだった。
──見られたい。
──命令されたい。
──晒したい。
そんな欲望が、
静かに、でも確実に、
私を蝕んでいくのを感じていた。
でも、
怖くなかった。
むしろ、
この倒錯のなかでしか、
私は自分を守れない気がした。
晒しながら、
生きる。
それが、
今の私だった。
──つづく。
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