“新しい主”が、私を欲しがる夜

nana

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【第42話】 「従ってくれたから──“ごほうび”あげるな」

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朝、彼女が言った。

「昨日のこと、嬉しかったよ。
 ……だから今日は、“ごほうび”あげる」

私は思わず顔を上げた。
彼女は笑って続ける。

「でも──“ごほうび”って言っても、
 ただ気持ちよくしてあげるわけちゃうからな?」

「“従ったこと”に対する見返り。
 あんたの身体が、“服従の価値”をちゃんと感じられるように、してあげるだけ」

私はうなずいた。
嬉しさと、緊張が同時にこみあげてくる。

“報酬”という言葉に、
自分が“取引される存在”になったような感覚が、
妙に心地よかった。

夜。
彼女はベッドの上で、私を正座させた。

「まず──昨日の分の“従順さ”を、思い出して」

「わたしに触れてないのに、
 勝手に足を寄せてきたミオ」
「……その気持ちのまま、脚、ひらいてみて」

私はゆっくりと、脚を開いた。
身体が熱を持っていく。
でも、それは快感じゃない。

「従ったぶんだけ濡れてもいい」という、許可制の興奮。

彼女の指が、
下着の上から軽く撫でた。

「これは、昨日わたしが嬉しかったぶんね」
「ありがとう、って意味の“触れ方”」

「もっと褒めてほしいなら、
 明日もちゃんと従って?」

その声に、私は自然と腰を揺らしてしまっていた。

「服従すれば、快楽がもらえる」──
身体がその法則を覚え始めていた。

やがて彼女は、私の耳元で囁く。

「ミオ、今日イってもいいよ。
 ……ただし、“従った証拠”としてだけ」

「自分の欲望でイくのは、まだ禁止な?」

私は頷きながら、
彼女の手の動きに身を委ねた。

もらう快感は、
すべて“昨日の従順”の結果。

だからこそ、
これは“快楽”ではなく、“報酬”だった。

イったあと、彼女が私の髪を撫でながら言った。

「わたしさ、最近ようやく気づいてん」
「ミオには“ごほうび”が一番よく効くって」

「怒ったり責めたりせんでも──
 “褒めて快感あげる”ほうが、ちゃんと従ってくれるやろ?」

「……だからこれから、“調教”って言わんと、
 “教育”って呼ぶことにするわ」

私はその言葉に、
なぜか少し泣きそうになった。

支配でも命令でもない。
でもやっぱり、“彼女の手の中にいる”という事実は、
快感のすべてだった。

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