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【第58話】 「“恥ずかしがること”が義務って言われた瞬間、 私はもう、見られてないと満たされなくなってた」
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「ミオ、昨日のあれ──
“人前で命令されるのがゾクッとする感覚”、ちゃんと覚えてる?」
翌朝、珈琲を飲みながら、彼女が不意に切り出した。
私は反射的に視線を逸らす。
「うん、バレへんかったけど……
なんか、“見られてたらどうしよう”って思うだけで、変に……」
最後まで言えなかった。
でも、彼女はにやりと笑った。
「やっぱりな」
「じゃあ、今日からルール追加しよ」
「“人の前で命令されたときは、ちゃんと“恥ずかしがる”こと。」
「それが、ミオにとっての“義務”。」
私は一瞬、息を止めた。
それは“従うこと”よりも、ずっと深い。
“羞恥心を隠すな”という命令。
つまり、“晒してること”を、自覚しながら演じろという強制。
「ね? ええルールやろ?」
「“バレないように従う”よりも──
“バレそうな顔して、それでも黙ってる”ほうが、ずっとゾクゾクするから」
「ミオにしかできへんよ、そんな顔」
その日の午後。
カフェのレジで並んでいたとき、
彼女はふいにこう言った。
「ねえ、ミオ。今ここで、足、ちょっとだけ開いて立ってみて?」
私は、喉が鳴るのを必死で抑えた。
でも──
気づけば、その姿勢で立っていた。
誰もこちらを見ていない。
けれど、“見られているかもしれない”という意識が、
脚の間を熱くする。
そして何より、
彼女の「よし、かわいい」という声が、
羞恥に“価値”を与えてしまった。
帰り道。
彼女はさらっと言った。
「今後、“羞恥の顔”したらポイント加算な」
「ちゃんと、“見られてることに反応してるミオ”が、
わたしの一番の見せ場やから」
私は頷きながら思った。
恥ずかしがることが義務になった瞬間、
もう私は──“誰かに見られてる場”がないと、満たされなくなっていた。
“人前で命令されるのがゾクッとする感覚”、ちゃんと覚えてる?」
翌朝、珈琲を飲みながら、彼女が不意に切り出した。
私は反射的に視線を逸らす。
「うん、バレへんかったけど……
なんか、“見られてたらどうしよう”って思うだけで、変に……」
最後まで言えなかった。
でも、彼女はにやりと笑った。
「やっぱりな」
「じゃあ、今日からルール追加しよ」
「“人の前で命令されたときは、ちゃんと“恥ずかしがる”こと。」
「それが、ミオにとっての“義務”。」
私は一瞬、息を止めた。
それは“従うこと”よりも、ずっと深い。
“羞恥心を隠すな”という命令。
つまり、“晒してること”を、自覚しながら演じろという強制。
「ね? ええルールやろ?」
「“バレないように従う”よりも──
“バレそうな顔して、それでも黙ってる”ほうが、ずっとゾクゾクするから」
「ミオにしかできへんよ、そんな顔」
その日の午後。
カフェのレジで並んでいたとき、
彼女はふいにこう言った。
「ねえ、ミオ。今ここで、足、ちょっとだけ開いて立ってみて?」
私は、喉が鳴るのを必死で抑えた。
でも──
気づけば、その姿勢で立っていた。
誰もこちらを見ていない。
けれど、“見られているかもしれない”という意識が、
脚の間を熱くする。
そして何より、
彼女の「よし、かわいい」という声が、
羞恥に“価値”を与えてしまった。
帰り道。
彼女はさらっと言った。
「今後、“羞恥の顔”したらポイント加算な」
「ちゃんと、“見られてることに反応してるミオ”が、
わたしの一番の見せ場やから」
私は頷きながら思った。
恥ずかしがることが義務になった瞬間、
もう私は──“誰かに見られてる場”がないと、満たされなくなっていた。
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