“新しい主”が、私を欲しがる夜

nana

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【第81話】 「“言葉じゃない従属”を記録されるとき、  私は、体の内側から“誰かのもの”になっていく音を聞いてた」

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音声を再生した翌日。
彼女の部屋に行くと、
もう何も言わなくても、お茶が出された。

「どうやった? 昨夜の“自分の声”」

「……犯された感じした」
「誰にも触られてないのに、
 自分の中の“いちばん触れたくない部分”だけが
 えぐられた気がしてた」

彼女は頷いた。

「うん、じゃあ次いこか」
「“言葉じゃない従属”を記録しよ」

「声も、顔も、姿も出さへん。
 でも、“あ、この人は服従したあとやな”って
 見る人に分かる記録」

「たとえば──」
「椅子の座面についた、湿った跡」
「下着のクロッチに残る熱の形」
「背中のシャツに浮かんだ汗の地図」
「ベッドに落ちた髪の絡み具合」

「**“従属の痕”って、
 言葉より正確に“何があったか”を語るんやよ」」

私は思わず、
自分の太ももをぎゅっと閉じた。

「それを、撮るの?」

「うん。
 しかも、ミオが撮るんよ」
「“自分がどんなふうに染みてるか”を、
 自分の手で記録してほしい」

「私はそのデータを、“匂いとして保存する”から」
「言葉も音も要らん。ただ、ミオの“存在の残り香”だけあればいい」

私は、ゆっくりと頷いた。

羞恥が、もう**音や視線の刺激じゃなくて──
“自分がそこにいたという証拠”**に変わっていくのを感じていた。

「分かった。
 今夜、ひとりになったら撮る」

「……“消したくない恥”として、残す」

彼女は満足そうに言った。

「ええ子やね」
「ミオ、ちゃんと“身体の記録”になってきた」

「もう、“晒すこと”が目的やなくて──
 “存在が、従ってた事実の保存媒体”になってるもんね」

私はその夜、
脱ぎたての下着を、
触れた跡が残るソファを、
照明もぼかしたスマホで、そっと撮影した。

そこには、何の声もなかった。

でも──
画面越しに、私が“誰のものだったか”が滲んでいた。

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