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第110話「バニーの中で、堕ちる」
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昼過ぎ。
ベッドの上で、私はぼんやりと天井を見上げていた。
あの夜の光景が、
頭の中でぐるぐる回ってる。
スマホ。
フラッシュ。
人の視線。
声。
笑い。
(……もう、戻れへん)
ベッドの脇に落ちたバニーの衣装が、
ちらりと視界に入った。
胸が、ぎゅうっと締めつけられる。
手が、勝手に動いた。
黒く光るレオタードに指先を這わせる。
ひんやりとした感触が、肌をゾクゾクさせた。
(あかん……)
(あかんって、わかってるのに……)
でも。
私は、
ゆっくりと、バニーを身体にまとった。
肩にストラップをかけ、
レオタードを引き上げ、
背中のチャックを自分で上げる。
むき出しの脚。
ぴったり張りつく黒い生地。
それだけで、
息が浅くなった。
鏡の前に立つ。
そこには、
昨日と同じ──いや、それ以上に淫らな、
バニー姿の私がいた。
網タイツも、耳もない。
でも、
鏡の中の私は、
たった一人で、
また「見られるための姿」に、なってた。
(……見てほしい)
誰もいないのに、
私は小さくささやいた。
(また、見て……)
(もっと、もっと、晒して……)
頭の中に、昨夜の人混みが蘇る。
びっくりした顔。
笑う顔。
スマホを向ける顔。
想像するだけで、
喉が渇いた。
手が、勝手に胸元に伸びた。
レオタードの上から、
震える指で自分を撫でる。
(ナナ、……壊れたんやな……)
涙が滲んだ。
でも、指は止まらなかった。
レオタード越しに、
ゆっくりと自分を慰める。
つるりとした生地越しに、
自分の熱を感じた。
肩が震える。
脚が勝手にこすれる。
鏡に映るバニー姿の自分が、
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、笑ってた。
(こんな自分、最低や)
(最低やのに……)
(……気持ちいい……)
指先が、何度も何度も、
自分をなぞるたびに、
身体の奥がじわじわと熱くなる。
脳がふわふわして、
現実感がどんどん溶けていった。
見てるのは自分だけ。
でも、
まるで繁華街のど真ん中に立たされてるみたいに、
全身が晒される快感で満たされてた。
(ナナ、見られてる──)
(もっと、もっと、見られて──)
身体を抱きしめるように丸めて、
私は、
バニー姿のまま、
自分の中で溺れた。
最後には、
びくびく震えながら、
崩れるようにベッドに倒れ込んだ。
目の端に、
鏡に映る自分が見えた。
汗で乱れた髪。
レオタードが少しずり落ちた肩。
泣きそうな顔で、
でも、
どこか快楽に濡れた笑顔をしてた。
(……もう戻られへん)
私の心は、
確かに、もう、壊れてた。
──つづく。
ベッドの上で、私はぼんやりと天井を見上げていた。
あの夜の光景が、
頭の中でぐるぐる回ってる。
スマホ。
フラッシュ。
人の視線。
声。
笑い。
(……もう、戻れへん)
ベッドの脇に落ちたバニーの衣装が、
ちらりと視界に入った。
胸が、ぎゅうっと締めつけられる。
手が、勝手に動いた。
黒く光るレオタードに指先を這わせる。
ひんやりとした感触が、肌をゾクゾクさせた。
(あかん……)
(あかんって、わかってるのに……)
でも。
私は、
ゆっくりと、バニーを身体にまとった。
肩にストラップをかけ、
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むき出しの脚。
ぴったり張りつく黒い生地。
それだけで、
息が浅くなった。
鏡の前に立つ。
そこには、
昨日と同じ──いや、それ以上に淫らな、
バニー姿の私がいた。
網タイツも、耳もない。
でも、
鏡の中の私は、
たった一人で、
また「見られるための姿」に、なってた。
(……見てほしい)
誰もいないのに、
私は小さくささやいた。
(また、見て……)
(もっと、もっと、晒して……)
頭の中に、昨夜の人混みが蘇る。
びっくりした顔。
笑う顔。
スマホを向ける顔。
想像するだけで、
喉が渇いた。
手が、勝手に胸元に伸びた。
レオタードの上から、
震える指で自分を撫でる。
(ナナ、……壊れたんやな……)
涙が滲んだ。
でも、指は止まらなかった。
レオタード越しに、
ゆっくりと自分を慰める。
つるりとした生地越しに、
自分の熱を感じた。
肩が震える。
脚が勝手にこすれる。
鏡に映るバニー姿の自分が、
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、笑ってた。
(こんな自分、最低や)
(最低やのに……)
(……気持ちいい……)
指先が、何度も何度も、
自分をなぞるたびに、
身体の奥がじわじわと熱くなる。
脳がふわふわして、
現実感がどんどん溶けていった。
見てるのは自分だけ。
でも、
まるで繁華街のど真ん中に立たされてるみたいに、
全身が晒される快感で満たされてた。
(ナナ、見られてる──)
(もっと、もっと、見られて──)
身体を抱きしめるように丸めて、
私は、
バニー姿のまま、
自分の中で溺れた。
最後には、
びくびく震えながら、
崩れるようにベッドに倒れ込んだ。
目の端に、
鏡に映る自分が見えた。
汗で乱れた髪。
レオタードが少しずり落ちた肩。
泣きそうな顔で、
でも、
どこか快楽に濡れた笑顔をしてた。
(……もう戻られへん)
私の心は、
確かに、もう、壊れてた。
──つづく。
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