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【第10話】 『顔を晒してるのは、私だけやのに』
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──ずるいよな、って思う。
私は、
今日もメイクをして、
照明を整えて、
カメラの位置を1ミリ単位で調整して、
“見られる準備”をしてるのに。
あなたたちは、
何もしないまま、
暗い部屋で、口元も見せずに、
私の声でだけ、反応してくる。
「今日のナナ、なんか色っぽかった」
「あの表情、何回もリピートした」
「目が潤んだ瞬間で抜いた」
──顔を晒してるのは、私だけやのに。
なんで、あんたらが勝ったような顔してるん。
配信中、ふと鏡に映る自分を見て、
笑ってしまいそうになった。
ああ、私、今日も“演じてる”。
でもそれ以上に、
今日も“観察されること”を演じてるんやなって。
息を吸うタイミング、
目線の揺らぎ、
汗が浮くまでの秒数。
全部、測られてる。
でも、誰が測ってるのかは、分からない。
そんな不安定な夜に、
彼から、こんなメッセージが来た。
「ナナの顔って、
自分でコントロールできない瞬間が一番、色っぽいな」
鏡の前で言われた気がした。
ああ、見られてた。
私の“崩れかけた顔”を、ちゃんと見られてた。
照明を消しても、
部屋のどこかに、まだ“見てる目”が残ってる気がした。
私はカーテンを閉めた。
でも、
閉めたあとに、
また少しだけ開け直した。
その隙間から、
誰かが覗いてる“気がする”ことが、
ちょっとだけ、心地よかった。
私は今日も、
顔を出す。
名前も、声も、表情も、
すべてを晒す。
でもそれはもう、
晒されることへの服従じゃなくて──
晒すことで、見えない誰かを逆に縛る手段やと思ってる。
見せることで、支配する。
晒すことで、コントロールする。
そう思い込みながら、
私はカメラのスイッチを入れる。
私は、
今日もメイクをして、
照明を整えて、
カメラの位置を1ミリ単位で調整して、
“見られる準備”をしてるのに。
あなたたちは、
何もしないまま、
暗い部屋で、口元も見せずに、
私の声でだけ、反応してくる。
「今日のナナ、なんか色っぽかった」
「あの表情、何回もリピートした」
「目が潤んだ瞬間で抜いた」
──顔を晒してるのは、私だけやのに。
なんで、あんたらが勝ったような顔してるん。
配信中、ふと鏡に映る自分を見て、
笑ってしまいそうになった。
ああ、私、今日も“演じてる”。
でもそれ以上に、
今日も“観察されること”を演じてるんやなって。
息を吸うタイミング、
目線の揺らぎ、
汗が浮くまでの秒数。
全部、測られてる。
でも、誰が測ってるのかは、分からない。
そんな不安定な夜に、
彼から、こんなメッセージが来た。
「ナナの顔って、
自分でコントロールできない瞬間が一番、色っぽいな」
鏡の前で言われた気がした。
ああ、見られてた。
私の“崩れかけた顔”を、ちゃんと見られてた。
照明を消しても、
部屋のどこかに、まだ“見てる目”が残ってる気がした。
私はカーテンを閉めた。
でも、
閉めたあとに、
また少しだけ開け直した。
その隙間から、
誰かが覗いてる“気がする”ことが、
ちょっとだけ、心地よかった。
私は今日も、
顔を出す。
名前も、声も、表情も、
すべてを晒す。
でもそれはもう、
晒されることへの服従じゃなくて──
晒すことで、見えない誰かを逆に縛る手段やと思ってる。
見せることで、支配する。
晒すことで、コントロールする。
そう思い込みながら、
私はカメラのスイッチを入れる。
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