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「好きな子が出来たんだ」
「え? どういう・・・?」
息が詰まった。最後まで言えなかったけど、意味は通じたみたいだった。
「二ヶ月前、男友達で集まってた時に、他校の女友達を呼んだ奴がいてさ。何人か女の子が合流したんだけど、そん時の流れで、その内の一人と連絡先交換する事になってさ」
いや、どんな流れだよ? お前が交換しなきゃ良かっただけの話じゃないのか? そう突っ込みたいのに、心臓がバクバクし過ぎて言葉に出来ない。
「それからたまに連絡してたんだけど、すごい気が合ってさ。お前の事が嫌いになったわけじゃないんだけど・・・―――――」
そういうつもりじゃなかった、まだ二回しか二人で会ったことないんだ、一応お前がいるからって思ったんだけど・・・・・・・・言い訳、言い訳! 言い訳!!
そういうつもりが無かったら、そもそも二人っきりで会わないし、連絡も頻繁に取らねぇんだよっ!!! 気持ち悪い、いつから裏切ってた? その子が好きと思いながら、私ともデートしてた?
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い・・・!!!!
喧嘩したわけじゃなかった、穏やかに幸せに過ごせてると思ってた。でも、それは私だけで、平気な顔で笑いながら裏切ってたんだって考えたら、怖くなった!
好きな人が出来るのは仕方がない、冷静な自分がそう言うけれど、でも突然の裏切りがショックで、怖くて、悔しくて・・・それでも好きだと思ってしまうのが哀しくて―――
男なんて信じられない、現実の男なんていらない、もっと誠実で、嘘なんかつかなくて――――
あぁ、だから私は・・・―――――――
ズキ、ズキ、ズキ・・・。
後頭部が、なんだかズキズキする。
「う~ん・・・っ」
寝苦しさを感じて上半身を起こすと、目の前には見知らぬイケメンがいた。
「うひゃっ!?」
「御遣い様?」
額に手を伸されて、思わずそれをはたき落とした。
だ、誰だ!? この積極的なイケメンはっ!?
濃藍の髪に、ラピスラズリのように美しい、吸い込まれそうな深く青い瞳。有りそうで無い、髪と瞳の色に釘付けになる。こんな男前の知り合いなんていないのに、妙なデジャブ感があった。
「どうしたんだよ、プリンセス? 頭ぶつけたから、混乱してるのか?」
子供という程ではないが、大人の男よりは若干高い、透明感のある声がすぐ隣でした。
頬に手を当てられて、くるりと顔の向きを変えられた先には、オレンジの髪と瞳の美少年が!
「虎太郎!?」
思わず、叫んでいた。
この特徴的な髪と、自然にはあり得ない瞳の色。そして、お前はアイドルか!? って言いたくなる、この色気! 間違いない、乙女ゲーム【1000年の恋文】の虎太郎君だ!
―――となると、さっきのイイ男は、【恋の輪廻は時の彼方】の
「青藍様っ!?」
私は、先程の男性の顔をマジマジと見つめた。
キャラ絵では、ポニーテール?だったからすぐに気付けなかったけど、この凜々しくも端正なお顔立ちは、まさしく誇り高き武士である青藍様だ! 唖然とした表情のせいで、いつもの厳しい雰囲気が崩れて少し幼く見える。
「ちょっと、虎太郎って誰だよ、プリンセス!?」
無視した形になってしまった虎太郎に、再び顔の向きを変えられる。なんてリアルな夢なんだ。ムッとしちゃって可愛いなぁ♡
「誰って、虎太郎はあなたでしょう?」
笑って返すと、虎太郎は驚いたように顔を強張らせた。
「御遣い様・・・?」
青藍までが、何故か目を瞠っている。どうしたんだろう? 不思議に思っていると、第三の声が聞こえた。
「御遣い様、ボク達のこと・・・覚えてない?」
少し離れた場所で立っていた白いコートの青年が、頭に被っていたフードをゆっくりと外した。
現われたのは、ウェーブのかかった銀色の髪と、アメジスト色の瞳。少し気弱そうで儚げな顔立ちは、【あなたにラブソングを】の音宇 鷹矢君だ。
あれ?
でも、鷹矢君は学園モノで、衣装は紺色のブレザーだったはず。こんなロングの白コートは、私服イベでも見たことがない。髪の長さも耳下程度で、目の前の彼みたいに胸までなんて無かった。
・・・微妙?な相違点に首を傾げる。
不思議に思っていると、青藍様が何故か私の前で膝をついた。
「御遣い様。私は、月ヶ瀬 白夜。貴女の護り人の一人です。覚えていらっしゃいませんか?」
白夜? 誰、それ―――そう言おうとした途端、細切れの映像がいくつも脳内を走った。
呼び出された白亜の間、今と同じように膝をつく青藍、異形のモノから私を護って敵を切り倒していく姿―――映像がリアル過ぎて、五感の感覚まで想像できてしまう。
「プリンセス、オレはアーランジュだっ、思い出せ!!」
褐色の両手に顔を挟まれて、虎太郎に視線を捕えられる。同時に、彼との記憶まで頭に流れ込んできた。
何、これ!? 知らないっ、知らないのに知っている!? 覚えがないはずなのに、蘇る記憶は鮮やかすぎて、現実にあった事だと信じてしまいそうになる! 溢れ出す記憶に、頭がおかしくなるっ!!?
「アーランジュッ、離して!」
手を叩き落としてくれたのは、音宇 鷹矢君?だった。
「御遣い様、混乱されてる・・・少し様子をみよう」
「だが、こんな状態の御遣い様を放っておくわけには・・・っ」
「御遣い様、傍にいた方がいい?」
青藍?を制して尋ねてきた鷹矢?に、私を首を横に振った。
後頭部は、ズキズキとしてまだ痛い。それ以上に、頭の中はパニックだ。ここは夢、のはずなのにリアル過ぎて気持ち悪い。吐き気までしてくる。
「・・・一人にして」
それだけの台詞を、やっと喉から絞り出せた。
三人が、遠ざかっていく気配がした。
私は、冷静になろうと辺りを見回した。
ゴツゴツとした岩肌に囲まれていて、どうやら洞窟のような場所にいるのだと知る。松明が壁に立てかけられいるので、薄暗くはあるが視界はきいた。
私が寝ていたのは、土の上に大量の枯葉を集めて、その上に布を敷いた簡易布団だった。他には無いので、私の為に作ってくれたのかもしれない。
―――こんな場所に、見覚えは無い。ただの夢じゃないと、警戒音が頭の中で鳴り響いている。
すう、ハァーーッ
意識して、呼吸を深くした。大丈夫、落ち着け、きっと何とかなる! 根拠の無い言葉を、呪文のように心の中で繰り返す。
まず考えるのは、彼等は何者なのか?
ゲームキャラのようで、そうじゃない。目の前の彼等はあまりにもリアルで、五感の感覚を伴っていた。ゲームでは存在しなかったシナリオ映像が、いとも簡単に脳裏に浮かぶのだ。
・・・もし、万が一、あり得ないが、漫画やゲームのように、私がゲーム世界に入り込んでいたとしたら?
自分の考えにゾッとすると同時に、疑問点も浮かぶ。
だとしたら、どのゲーム?
乙女ゲームマニアの私だから分かる。彼等は、【1000年の恋文】【恋の輪廻は時の彼方】【あなたにラブソングを】に出てくる、それぞれのキャラクターだ。類似キャラはいたとしても、あんなにそっくりな三人が一度に出てくるゲームはない。ちなみに、メーカーも違うはずだ。
それに、彼等は似ているようで違う。髪型も、服装も、名前すら同じじゃない。まだ、似ているだけの別人と言われた方がしっくりきた。
・・・駄目だ、答えが出ない。出るわけがない、頭の中は?だらけなんだから!
「うあーーーーーっ、何なんだコレ!?」
うおーっと髪を掻きむしっていると、洞窟の奥の方でボウッと白い光が突然生まれた。
光は段々近付いて来て、逃げる間もなく、私の目の前で姿を変えた。
「だっ、誰!?」
その正体は、宙に浮く白狐だった。目の縁は赤く色付いており、本物の狐でない事はいとも簡単に察せられる。
《御遣いの手助けをしておる、コンコンじゃ。忘れたのか?》
狐の言葉は、脳内に直接響いてきた。動物の鳴き声じゃない、意味の分かる人語でだ!
驚きつつも、私はやっぱりこの感覚を知っていた。
恐ろしいと思うと同時に、サポートキャラのコンコンだ、と受け入れている私がいる。まだ、この世界に慣れていない私に、様々なルールや習わしを教えてくれた記憶があるのだ。
何て答えていいのか分からず、私は警戒心丸出しでコンコンを見つめた。人外で表情が読めない分、先程の三人とは比べようもなく恐ろしい。
ジッと見ていると、フッとコンコンが鼻で笑ったような気がした。
そして一転、さっきのお爺さん口調とは違う、重厚で低い声が脳内に突然響いた。
《フン、頭を打ったショックで、一部の記憶を呼び覚ましたか》
声というより、音に近いかもしれない。一言一言発する度に、身体中の細胞が振動で震える気がした。
《まぁ、良い。お前がする事は変わらない、これはこれで面白かろう》
クククッと、不規則な振動が響く。笑っているんだろうか?
「す、する事って何?」
《御遣いとして魔物を倒し―――――する事だ、お前は我と契約をした。――――――――たければ、肝に銘じよ。記憶の混乱は一時的なものだ、朝になれば幾分落ち着くだろう》
声は脳内に反響し、肝心の部分は聞こえなかった。いや、聞こえないように精神的なブロックが働いたのかもしれない。
コンコン?が言い終わると同時に、私の意識は急速に遠のいていった。
「え? どういう・・・?」
息が詰まった。最後まで言えなかったけど、意味は通じたみたいだった。
「二ヶ月前、男友達で集まってた時に、他校の女友達を呼んだ奴がいてさ。何人か女の子が合流したんだけど、そん時の流れで、その内の一人と連絡先交換する事になってさ」
いや、どんな流れだよ? お前が交換しなきゃ良かっただけの話じゃないのか? そう突っ込みたいのに、心臓がバクバクし過ぎて言葉に出来ない。
「それからたまに連絡してたんだけど、すごい気が合ってさ。お前の事が嫌いになったわけじゃないんだけど・・・―――――」
そういうつもりじゃなかった、まだ二回しか二人で会ったことないんだ、一応お前がいるからって思ったんだけど・・・・・・・・言い訳、言い訳! 言い訳!!
そういうつもりが無かったら、そもそも二人っきりで会わないし、連絡も頻繁に取らねぇんだよっ!!! 気持ち悪い、いつから裏切ってた? その子が好きと思いながら、私ともデートしてた?
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い・・・!!!!
喧嘩したわけじゃなかった、穏やかに幸せに過ごせてると思ってた。でも、それは私だけで、平気な顔で笑いながら裏切ってたんだって考えたら、怖くなった!
好きな人が出来るのは仕方がない、冷静な自分がそう言うけれど、でも突然の裏切りがショックで、怖くて、悔しくて・・・それでも好きだと思ってしまうのが哀しくて―――
男なんて信じられない、現実の男なんていらない、もっと誠実で、嘘なんかつかなくて――――
あぁ、だから私は・・・―――――――
ズキ、ズキ、ズキ・・・。
後頭部が、なんだかズキズキする。
「う~ん・・・っ」
寝苦しさを感じて上半身を起こすと、目の前には見知らぬイケメンがいた。
「うひゃっ!?」
「御遣い様?」
額に手を伸されて、思わずそれをはたき落とした。
だ、誰だ!? この積極的なイケメンはっ!?
濃藍の髪に、ラピスラズリのように美しい、吸い込まれそうな深く青い瞳。有りそうで無い、髪と瞳の色に釘付けになる。こんな男前の知り合いなんていないのに、妙なデジャブ感があった。
「どうしたんだよ、プリンセス? 頭ぶつけたから、混乱してるのか?」
子供という程ではないが、大人の男よりは若干高い、透明感のある声がすぐ隣でした。
頬に手を当てられて、くるりと顔の向きを変えられた先には、オレンジの髪と瞳の美少年が!
「虎太郎!?」
思わず、叫んでいた。
この特徴的な髪と、自然にはあり得ない瞳の色。そして、お前はアイドルか!? って言いたくなる、この色気! 間違いない、乙女ゲーム【1000年の恋文】の虎太郎君だ!
―――となると、さっきのイイ男は、【恋の輪廻は時の彼方】の
「青藍様っ!?」
私は、先程の男性の顔をマジマジと見つめた。
キャラ絵では、ポニーテール?だったからすぐに気付けなかったけど、この凜々しくも端正なお顔立ちは、まさしく誇り高き武士である青藍様だ! 唖然とした表情のせいで、いつもの厳しい雰囲気が崩れて少し幼く見える。
「ちょっと、虎太郎って誰だよ、プリンセス!?」
無視した形になってしまった虎太郎に、再び顔の向きを変えられる。なんてリアルな夢なんだ。ムッとしちゃって可愛いなぁ♡
「誰って、虎太郎はあなたでしょう?」
笑って返すと、虎太郎は驚いたように顔を強張らせた。
「御遣い様・・・?」
青藍までが、何故か目を瞠っている。どうしたんだろう? 不思議に思っていると、第三の声が聞こえた。
「御遣い様、ボク達のこと・・・覚えてない?」
少し離れた場所で立っていた白いコートの青年が、頭に被っていたフードをゆっくりと外した。
現われたのは、ウェーブのかかった銀色の髪と、アメジスト色の瞳。少し気弱そうで儚げな顔立ちは、【あなたにラブソングを】の音宇 鷹矢君だ。
あれ?
でも、鷹矢君は学園モノで、衣装は紺色のブレザーだったはず。こんなロングの白コートは、私服イベでも見たことがない。髪の長さも耳下程度で、目の前の彼みたいに胸までなんて無かった。
・・・微妙?な相違点に首を傾げる。
不思議に思っていると、青藍様が何故か私の前で膝をついた。
「御遣い様。私は、月ヶ瀬 白夜。貴女の護り人の一人です。覚えていらっしゃいませんか?」
白夜? 誰、それ―――そう言おうとした途端、細切れの映像がいくつも脳内を走った。
呼び出された白亜の間、今と同じように膝をつく青藍、異形のモノから私を護って敵を切り倒していく姿―――映像がリアル過ぎて、五感の感覚まで想像できてしまう。
「プリンセス、オレはアーランジュだっ、思い出せ!!」
褐色の両手に顔を挟まれて、虎太郎に視線を捕えられる。同時に、彼との記憶まで頭に流れ込んできた。
何、これ!? 知らないっ、知らないのに知っている!? 覚えがないはずなのに、蘇る記憶は鮮やかすぎて、現実にあった事だと信じてしまいそうになる! 溢れ出す記憶に、頭がおかしくなるっ!!?
「アーランジュッ、離して!」
手を叩き落としてくれたのは、音宇 鷹矢君?だった。
「御遣い様、混乱されてる・・・少し様子をみよう」
「だが、こんな状態の御遣い様を放っておくわけには・・・っ」
「御遣い様、傍にいた方がいい?」
青藍?を制して尋ねてきた鷹矢?に、私を首を横に振った。
後頭部は、ズキズキとしてまだ痛い。それ以上に、頭の中はパニックだ。ここは夢、のはずなのにリアル過ぎて気持ち悪い。吐き気までしてくる。
「・・・一人にして」
それだけの台詞を、やっと喉から絞り出せた。
三人が、遠ざかっていく気配がした。
私は、冷静になろうと辺りを見回した。
ゴツゴツとした岩肌に囲まれていて、どうやら洞窟のような場所にいるのだと知る。松明が壁に立てかけられいるので、薄暗くはあるが視界はきいた。
私が寝ていたのは、土の上に大量の枯葉を集めて、その上に布を敷いた簡易布団だった。他には無いので、私の為に作ってくれたのかもしれない。
―――こんな場所に、見覚えは無い。ただの夢じゃないと、警戒音が頭の中で鳴り響いている。
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意識して、呼吸を深くした。大丈夫、落ち着け、きっと何とかなる! 根拠の無い言葉を、呪文のように心の中で繰り返す。
まず考えるのは、彼等は何者なのか?
ゲームキャラのようで、そうじゃない。目の前の彼等はあまりにもリアルで、五感の感覚を伴っていた。ゲームでは存在しなかったシナリオ映像が、いとも簡単に脳裏に浮かぶのだ。
・・・もし、万が一、あり得ないが、漫画やゲームのように、私がゲーム世界に入り込んでいたとしたら?
自分の考えにゾッとすると同時に、疑問点も浮かぶ。
だとしたら、どのゲーム?
乙女ゲームマニアの私だから分かる。彼等は、【1000年の恋文】【恋の輪廻は時の彼方】【あなたにラブソングを】に出てくる、それぞれのキャラクターだ。類似キャラはいたとしても、あんなにそっくりな三人が一度に出てくるゲームはない。ちなみに、メーカーも違うはずだ。
それに、彼等は似ているようで違う。髪型も、服装も、名前すら同じじゃない。まだ、似ているだけの別人と言われた方がしっくりきた。
・・・駄目だ、答えが出ない。出るわけがない、頭の中は?だらけなんだから!
「うあーーーーーっ、何なんだコレ!?」
うおーっと髪を掻きむしっていると、洞窟の奥の方でボウッと白い光が突然生まれた。
光は段々近付いて来て、逃げる間もなく、私の目の前で姿を変えた。
「だっ、誰!?」
その正体は、宙に浮く白狐だった。目の縁は赤く色付いており、本物の狐でない事はいとも簡単に察せられる。
《御遣いの手助けをしておる、コンコンじゃ。忘れたのか?》
狐の言葉は、脳内に直接響いてきた。動物の鳴き声じゃない、意味の分かる人語でだ!
驚きつつも、私はやっぱりこの感覚を知っていた。
恐ろしいと思うと同時に、サポートキャラのコンコンだ、と受け入れている私がいる。まだ、この世界に慣れていない私に、様々なルールや習わしを教えてくれた記憶があるのだ。
何て答えていいのか分からず、私は警戒心丸出しでコンコンを見つめた。人外で表情が読めない分、先程の三人とは比べようもなく恐ろしい。
ジッと見ていると、フッとコンコンが鼻で笑ったような気がした。
そして一転、さっきのお爺さん口調とは違う、重厚で低い声が脳内に突然響いた。
《フン、頭を打ったショックで、一部の記憶を呼び覚ましたか》
声というより、音に近いかもしれない。一言一言発する度に、身体中の細胞が振動で震える気がした。
《まぁ、良い。お前がする事は変わらない、これはこれで面白かろう》
クククッと、不規則な振動が響く。笑っているんだろうか?
「す、する事って何?」
《御遣いとして魔物を倒し―――――する事だ、お前は我と契約をした。――――――――たければ、肝に銘じよ。記憶の混乱は一時的なものだ、朝になれば幾分落ち着くだろう》
声は脳内に反響し、肝心の部分は聞こえなかった。いや、聞こえないように精神的なブロックが働いたのかもしれない。
コンコン?が言い終わると同時に、私の意識は急速に遠のいていった。
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