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本編
揺れる心 重なる唇
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ポネル爺さんの顛末をノエリオが聞いたのは翌朝のことだ。
ナニの翌朝かというと、スカイと身も心も結ばれて一夜明けた朝のことだ。
必然的にスカイはノエリオの部屋にお泊りしていたので、朝食を二人一緒に『苔庭のイタチ亭』のカウンター席で食べた。
モーニングはテイクアウトと軽い飲み物くらいしか提供していない。ランチとディナータイムがメインのこのお店、この時間帯の客はまばらである。むしろ客は来ないといっていい。
常ならスカイはまだ出勤時間ではないけれど、事情が情事であるため、本日の朝はノエリオと一緒だ。一緒というか、くっついてお神酒徳利状態というか、二人カウンター席に並んで椅子寄せてまで距離縮めたまま朝食を摂っている。
そんな二人の仲睦まじい様子を、微笑ましいと口元をニヤつかせながら、テオは萌豆を使った料理を振る舞っていた。萌豆は炊き込みご飯にすると白米が萌色に染まり華やかなので、お祝い膳に使われる傾向にある。代表的なのが萌豆の赤飯。萌色に染まるのに赤飯と呼ぶのはどうしてなのか、料理研究家の中でも紛糾重ねる議論だ。
「ほえー。じゃあ、じー様は警邏隊に連行されちゃったんか…」
昨日の出来事をウィルから聞いて、萌豆サラダをフォークでつっつきながらノエリオが言う。焦りも批難も窺えないとぼけた表情で、真剣みが足りないなとスカイは思った。だから、
「いいのかよ。うさぬい無くて夜寝れるのかピノちゃんは」
と、半分以上揶揄い口調で突っ込んでしまう。好きな子ほど構いたくなるというやつである。
その点スカイより大人なノエリオは、にっこりしながら答えた。
「スカイがいれば大丈夫なんだぞ」
これまでは、うさぎのぬいぐるみが唯一の肉親が残した物で、ある意味依存しているかのように手放すのが嫌だった。目の届く場所に置いておきたかったし、夜寝る時など寂しい時に抱き寄せて眠るのは心を安定させるために必要だった。
けれど今は違う。
「これからはスカイをぎゅってするから、ぬいぐるみなんか要らないんだぞ」
臆面なく言いのけて、ノエリオは萌豆ポタージュを匙で掬う。鼻唄雑じりで。
この発言には一同が面食らう。ノエリオが、あのノエリオが、じー様じー様と人恋しくうさぎのぬいぐるみを手放さなかったノエリオが、急激に心の成長を果たしたようだ。
(照れもせず堂々と惚気た恐ろしい子…!)
(これではスカイもひとたまりもないんじゃないですかねえ)
二人に朝食プレートを給仕してあげてたウィルと、カウンターの向こうで仕込みをしていたテオの心の声である。
スカイはポカーンと口を開いている。ひとたまりもなさそうな様子である。そして次の瞬間、顔面が真っ赤になった。特に目の下が赤くなったのをノエリオは見逃さなかった。黒猫の赤面顔可愛いんだぞと萌豆パンケーキを頬張る白兎の垂れ兎耳はご機嫌に揺れている。
「…くっ、ピノのくせに…!」
悔しそうな声を上げて、スカイは赤面顔を手にしていたグラスの中に映した。
台詞は粗暴であったが、黒猫尻尾はふらりとノエリオの方へ向かい、ノエリオの兎尻尾を撫でてから腰へと巻きつく。
獣の体は大変正直なのだ。
食事をしながら自然と寄り添い、その内に視線でも会話しながら、二人仲良く朝食を食べた。
その日も一日働いて、仕事が終われば自室へとノエリオは店の階段を上がろうとする。
いつもならここでスカイともお別れだ。「お疲れ様なんだぞーまた明日」そう言って別れるのが常だったけれど、恋人同士になった今、それだけだと何だか味気なくてこのまま別れるのが名残惜しい。
二人は階段下のところで抱き合っていた。
「…ピノ」
「スカイ…」
ハグだけじゃ足りなくてキスをした。くっついた唇同士は別れがたく、まだまだと求め合う。
そうこうしている内に獣の体内は情欲に満たされ熱くなる。この場だけの触れ合いじゃ効かなくなる。
二人はまたベッドで睦み合った。
*
昼間は店員として働いて、夜は恋人の語らい。休日にはデートをしてと二人の仲は良好だ。
気が合ったからこそ二人は付き合っているわけだし、体の面でも二人の相性は良かった。
スカイはノエリオの体力も鑑みて無茶な性交を強いることはなく、ノエリオはノエリオで己の体の貧弱さを把握しており、満足したらスカイに甘えて「眠いんだぞおやすみ~」と体を休めた。
適度な触れ合い、適度な性交は、長く快適に恋人生活を送る上で重要なことだ。その点、二人はお互いに労りの心を持ち押し付け合わない。毎日、充実した性活を送っていた。
そんな或る日、テオがノエリオに相談事をもちかける。それは、「ポネルの方が片付きましたけど、ノエリオはどうしますか?」という切り出しから始まった。
場所は苔庭のイタチ亭二階。居住区のリビングだ。
「え? あー俺ぇ……そうだった。俺、じー様が行方不明になったからここへ来たんだったぞ」
テオから質問を投げかけられて、ノエリオは自分の立場を思い出した。
じー様が見つかった今、じー様の事情が緩和されたような今の状況だと、自分の立場はどうなるんだろうと考え始める。
「ポネルからは孫を頼むと言われました。これまでは貴方を匿うという目的の為だけに、貴方の庇護者の気分でここへ留めてましたが…今は保護者──親代わりでいたいと思います」
「テオじー……」
じー様がいなくなり、突然に保護者を失くしたノエリオの面倒を進んで引き受けてくれ、庇護してくれたテオ。じー様がみつかった今でさえ、彼が新しい保護者になってくれるという。親代わり──実の両親とすら暮らせない状況で赤の他人なのに──実の両親より親らしいとノエリオは密かに感動した。
「それでですね、親代わりな私の意見を述べさせていただきますとね、これからは貴方の意思で、貴方がこれからどうしたいか決めるべきです。ポネルの意思など介在させずに。
…前に、退学した学校のことで悔いていましたよね?」
ノエリオは素直に頷いた。テオの言うことは何でも聞こうと思っている。そして確かに以前、テオとそんな話をした。あの時もこの場所、リビングルームのソファに座って、だ。
親元を離れて祖父と暮らしていたノエリオ。ノエリオの世界は祖父の意向に支えられていた。だからこそ祖父が行方不明になった時、祖父を見つければ学校へまた通えると思っていた。
けれど、テオは自立しろと言っているわけだ。ポネルの考えやポネルの事情など大したことではない。ノエリオはノエリオで自由にしていいのだと言われた気がした。
ノエリオにしても、本来なら学校を卒業したら自活する予定だった。それがポネルの騒ぎで遅れてしまっただけで、今からでも学校で学び直して良いのだと促されて嬉しい気分だ。
だけどそうすると、ここには居られない。ここ『苔庭のイタチ亭』があるメルクマールは学校のある都市とかなり離れているから。メルクマールから学校へ毎日通うことは不可能なのだ。
「テオじー俺ぇ、学校行きたいけど、でも…」
ノエリオが逡巡する気持ちはテオにも分かる。
やっとスカイと両想いになれたのだ。二人を引き離すような提案をしてしまって、テオだって悪いと思っている。
「答えは急ぎませんよ。じっくり考えてみて下さいね」
それでも敢えて考えさせるよう仕向けたのは保護者の責任だ。
ちゃらんぽらんポネルには任せておけないという気概もある。
今頃どこでどうしてるやらあの爺白兎……。
(恨みますよ。見返りはいただきますからね)とテオは心の中で計算高く思惑した。
ノエリオがきちんと独り立ちした暁には、メルクマールのダイヤモンドをもう一個、要求してやるつもりだ。
*
ノエリオは悩んだ。いっぱい悩んだ。
学校へ通う決心をしてしまったら、スカイとは遠距離恋愛になるだろう。毎日会えなくなる。
今はこうして同じ店員をしている立場で、住んでいるところもそんなに離れていない。ノエリオは店の二階に居候していて、スカイは冒険者ギルドの宿舎に寝泊まりしているのだ。
店で働く時に毎日顔を合わせ、感情が昂ればお互いに慰め和えれる程よい距離。これが遠距離恋愛になってしまったら、どうなるんだろう…。
スカイは浮気とかしないだろうか…。
不安ばかりが募る。
勿論、離れていても二人の心は一緒だとか、恋愛の熱が冷めるわけがないという自尊心も湧き出てくる。スカイに愛されてる自信もある。けど、それでも不安になってしまい、いっそのこと学校へ行くのやめようかとも思ってしまう。
弱気になってしまったノエリオは、かなり浮かない顔をしていたらしい。
普段通りの笑顔で接客してはいるが、ふと時折に見せる不安げな顔と小さな溜息が、スカイの猫目に止まる。
「ピノ、疲れてんじゃね? 今客いねえから休憩行けよ」
「スカイ……」
スカイが優しい。甘い恋人だといえばその通りだし、素っ気ない言い草がスカイらしいといえばその通りで、どちらにしろ気遣われているのが分かったから、ノエリオの心は軋んで痛む。
胸が、ぎゅううぅっとした。
それを堪えるかのように胸へと手を当てたもんだから、スカイはノエリオがどこか具合悪いのだと思った。
「体調悪いんなら我慢すんなよ。あ…と、まさかヤりすぎた、か?」
「ヤり……えや、あ、だ、だいじょおぶなんだぞ。スカイは、いつも優しい」
「そうか? この辺とか酷使してるだろ。ちゃんと労わってやんねーと…」
スカイの腕がノエリオの腰に回った。まるで今から労わってやるとばかりに手首から先の掌はノエリオの尻を撫でる。
ノエリオは「み?!」と短い悲鳴を上げてスカイの胸元に頬を寄せた。お尻を可愛がられたら自ら抱きつきに行ってしまうのはもう癖だ。
「はい、そこ。仕事中」
と、割って入るウィルの声がなければ、おそらく二人の世界に入り込んでしまっていただろう。
「スカイ、煙草休憩にどこか行くのなくなったのいいけど代わりにノエリオ持ってくのやめてよ。二人してサボられたら俺大変。俺の体一つしかないからさあ、あっちからもこっちからも(オーダーを)突っ込まれて(ホール中を)回されちゃったら俺壊れる」
ウィルが言うとなんだか意味深なんだぞとノエリオは思いながらも苦笑い。
「ごめんウィル。スカイも…。俺別にどっか悪いわけじゃないから気にしないで」
苦笑いのまま歯切れ悪く謝って、それからノエリオはスカイに背を向けた。垂れ兎耳が、遠心力でくるっと円を描く。
丁度お客さんが入って来て、ノエリオはそちらへ向かって行った。
ディナータイムは恙なく過ぎ、最後の清掃中にテオがノエリオを呼んだ。
「学校の件ですが」と前置きをしてから、スカイの方をチラッと見やる。スカイも、ウィルも清掃中なのでこの場にいた。苔庭のイタチ亭スタッフ全員が揃う前で、テオはノエリオに話を切り出したのである。
「学校の理事長に連絡したら、直ぐにでも迎えに来たいと申しましてね。じっくり考えてと言いましたが、あれから十日は経ってます。どうですか? 決心つきました?」
「あう…。テオじー、俺が決めていいって…」
「ええ勿論です。学校へ行くか行かないかはノエリオが決める事ですよ。ですがね、学校へ戻りたいという意思はずっと以前から聞かせていただいてましたからね。保護者として、学びたいという意欲的な若者のことで学校に連絡を入れるのは当然のことでしょう。理事長も、そりゃもう喜んでました。優秀な生徒を一人迎えに行くのは厭わないと返してきましてねえ」
弁舌爽やかにおっしゃるテオは、どことなく誇らしげである。テオ自身も、まさか理事長が好反応を示しここまでトントン拍子に話が進むとは思っていなかった様子だ。ノエリオが魔法使いだということは知っていたテオ。だが、ここまで優秀で期待されている生徒だとは知らなかったから、思いがけず庇護下に置いた白兎を自慢したい気持ちでいっぱいだった。
「あう、あう…でも、俺ぇ……」
対してノエリオの方は乗り気じゃないようだ。ちらっちらとスカイの方を横目で見ながら、テオにどう返事しようか考えあぐねている。
学校へは行きたい。でもスカイが…と、心を揺らしている間にもスカイのピカピカ猫目がノエリオに向く。
「学校行きたいんだろピノは」
そう言って、スカイはノエリオの前に立つ。
「ピノの魔法は凄かったからな。まだ学びたいことあんなら、学校に戻れよ」
ポネル探しの時に見た魔法を使うノエリオの姿を、スカイは思い出していた。純粋に、あの時の姿は華麗で美しかった。
あれだけ多才に魔法を操れるのだ。その才能を伸ばすべきだとスカイは主張する。
「スカイ、は…俺と離れてもいいの、か…?」
「そんなこと言ってないだろ。ただ、学ぶチャンスがあるなら掴むべきだと思うぜ」
元より学ぶことが出来なかったスカイの言である。ノエリオの背中を押すのは、自分が出来なかったことをやれる恋人に頑張って欲しいからだ。ノエリオの才能は純粋に凄いと思うし、ノエリオのやりたいことをやらせてあげたいとも思っている。その結果、遠距離恋愛になったとしても仕方ない。
もし離れ離れで暮らすとして、我慢できるかどうかは実際になってみないと分からない。もしかしたら耐えきれなくてノエリオを追いかけるかもしれない。
恋に溺れて白兎に執着する己を想像し、スカイはつい笑ってしまった。
「ううぅ…っ、スカイは平気なんだ…俺、俺は────そんなん嫌なんだぞ…!」
「え、ピノ?!」
突如、走り出し階段を昇っていってしまったノエリオ。白兎は見た目弱そうで実際に弱くて、でも足だけは達者で速いのだ。脱兎とはこういう時に使われる言葉なのだと、傍観者に徹していたウィルはしみじみ思った。
「追いかけなくていいの?」ともウィルはスカイを促す。
スカイは「お、おう……」と唸りつつ猫目をパチクリさせ、頭を掻いた。どうしてこうなった?という表情ではあるが、のろのろとノエリオを追って二階への階段を上がっていく。
その背中をテオの言葉が追いかけた。
「ちゃんとノエリオの気持ちを聞いてあげるんですよ~」
と、大変のんびりとした声だったが。わざと全員が揃う場所でこの話題を出して二人の仲を拗れさせた張本人なのに、なんとも危機感のないことである。
「テオが仲介に入った方が良くない? このままじゃ喧嘩別れになるよあの二人」とウィル。
「ええ、まあ、でもねえ、こんなピンチくらいこれからの人生山あり谷ありで一杯出てきますよ。ここで自力で乗り越えてこそ、二人の絆は深まるってもんです」
「含蓄ある言葉だけど、その思いやりは持てないし不細工だよね」
「……どういう意味です?」
「思いやりは重い槍で持てない。モテないから不細工ってこと。……ぷふっ…やば、ウケる…」
ウィルは両手で顔を覆った。これは自分で披露したギャグを自分で説明した羞恥に耐えているのではなくて、ただ単純にうまいこと言った己のギャグセンスに酔ってるだけだ。相変わらず可愛い仕草をする水色兎だと、肉食獣イタチのテオはその手でウィルの手首を掴んだ。
*
私室に逃げ帰ったノエリオ。扉を閉めて扉を後ろ手にしたら、涙が目尻から溢れてしまった。
「ふぐ…、うぅぅ…、嫌だ、嫌だ、ここ離れるの、嫌なんだぞお……」
殺風景な自分の部屋を涙目に映す。ここで、この部屋で、もう一年も過ごしている。来たばかりの当初は寂しい時もあった。うさぬい抱えて涙で綿を濡らす日もあった。けれど慣れてきてからは…特にスカイと仲良くなってからは、この部屋で何度も肌を重ねて寂しさなんて吹っ飛んだ。
思い出がいっぱいの部屋だった。愛された記憶がこびりついていて離れ難い。
「ピノ、いるか?」
ノックの音とスカイの声。ベッドに伏せていたノエリオの兎耳にも聞こえていたけれど、返事はしなかった。
部屋のドアが開く。
返事を待たずに開けるとはマナー違反だ。しかし咎める者は誰も居ない。部屋の主であるはずのノエリオは枕に泣き顔を埋めて、その肩をひっくひっくとしゃっくりで震わせている。
「なに泣いてんだよ」
ぶっきらぼうな言葉を吐くくせに、スカイがノエリオに伸ばしたその手は優しかった。お気に入りであるノエリオの垂れ兎耳をそっと撫でて耳朶の後ろを擽る。後れ毛を手梳いて首の後ろも指先でなぞる。
そのくすぐったさにノエリオは首を振った。
「うぅー…ふえぇ、ぅぇえんんん」
「バーカ、ピノ」
「ぴぃ…っ」
露わになった首にスカイの唇が降った。ノエリオの変な啼き声がスカイの心を震わせる。なんだってこの白兎はこうも愛らしい声で啼くのか…。
「平気なわけ、ねえだろうが」
呟き声まで震えた。
「スカイぃぃ一緒に、いたい」
「ああ、俺も」
「一緒に、ここで」
「ああ……」
「ここに、いたい…スカイ、スカイ…っ!」
二人は情熱的に求め合い、お互いの唇を貪った。これまでにも幾度となく重ねてきた唇であるが、これまでの比じゃない吸いつきで、それは正に食い合っていると表現した方が良いくらいの激しさだった。
ナニの翌朝かというと、スカイと身も心も結ばれて一夜明けた朝のことだ。
必然的にスカイはノエリオの部屋にお泊りしていたので、朝食を二人一緒に『苔庭のイタチ亭』のカウンター席で食べた。
モーニングはテイクアウトと軽い飲み物くらいしか提供していない。ランチとディナータイムがメインのこのお店、この時間帯の客はまばらである。むしろ客は来ないといっていい。
常ならスカイはまだ出勤時間ではないけれど、事情が情事であるため、本日の朝はノエリオと一緒だ。一緒というか、くっついてお神酒徳利状態というか、二人カウンター席に並んで椅子寄せてまで距離縮めたまま朝食を摂っている。
そんな二人の仲睦まじい様子を、微笑ましいと口元をニヤつかせながら、テオは萌豆を使った料理を振る舞っていた。萌豆は炊き込みご飯にすると白米が萌色に染まり華やかなので、お祝い膳に使われる傾向にある。代表的なのが萌豆の赤飯。萌色に染まるのに赤飯と呼ぶのはどうしてなのか、料理研究家の中でも紛糾重ねる議論だ。
「ほえー。じゃあ、じー様は警邏隊に連行されちゃったんか…」
昨日の出来事をウィルから聞いて、萌豆サラダをフォークでつっつきながらノエリオが言う。焦りも批難も窺えないとぼけた表情で、真剣みが足りないなとスカイは思った。だから、
「いいのかよ。うさぬい無くて夜寝れるのかピノちゃんは」
と、半分以上揶揄い口調で突っ込んでしまう。好きな子ほど構いたくなるというやつである。
その点スカイより大人なノエリオは、にっこりしながら答えた。
「スカイがいれば大丈夫なんだぞ」
これまでは、うさぎのぬいぐるみが唯一の肉親が残した物で、ある意味依存しているかのように手放すのが嫌だった。目の届く場所に置いておきたかったし、夜寝る時など寂しい時に抱き寄せて眠るのは心を安定させるために必要だった。
けれど今は違う。
「これからはスカイをぎゅってするから、ぬいぐるみなんか要らないんだぞ」
臆面なく言いのけて、ノエリオは萌豆ポタージュを匙で掬う。鼻唄雑じりで。
この発言には一同が面食らう。ノエリオが、あのノエリオが、じー様じー様と人恋しくうさぎのぬいぐるみを手放さなかったノエリオが、急激に心の成長を果たしたようだ。
(照れもせず堂々と惚気た恐ろしい子…!)
(これではスカイもひとたまりもないんじゃないですかねえ)
二人に朝食プレートを給仕してあげてたウィルと、カウンターの向こうで仕込みをしていたテオの心の声である。
スカイはポカーンと口を開いている。ひとたまりもなさそうな様子である。そして次の瞬間、顔面が真っ赤になった。特に目の下が赤くなったのをノエリオは見逃さなかった。黒猫の赤面顔可愛いんだぞと萌豆パンケーキを頬張る白兎の垂れ兎耳はご機嫌に揺れている。
「…くっ、ピノのくせに…!」
悔しそうな声を上げて、スカイは赤面顔を手にしていたグラスの中に映した。
台詞は粗暴であったが、黒猫尻尾はふらりとノエリオの方へ向かい、ノエリオの兎尻尾を撫でてから腰へと巻きつく。
獣の体は大変正直なのだ。
食事をしながら自然と寄り添い、その内に視線でも会話しながら、二人仲良く朝食を食べた。
その日も一日働いて、仕事が終われば自室へとノエリオは店の階段を上がろうとする。
いつもならここでスカイともお別れだ。「お疲れ様なんだぞーまた明日」そう言って別れるのが常だったけれど、恋人同士になった今、それだけだと何だか味気なくてこのまま別れるのが名残惜しい。
二人は階段下のところで抱き合っていた。
「…ピノ」
「スカイ…」
ハグだけじゃ足りなくてキスをした。くっついた唇同士は別れがたく、まだまだと求め合う。
そうこうしている内に獣の体内は情欲に満たされ熱くなる。この場だけの触れ合いじゃ効かなくなる。
二人はまたベッドで睦み合った。
*
昼間は店員として働いて、夜は恋人の語らい。休日にはデートをしてと二人の仲は良好だ。
気が合ったからこそ二人は付き合っているわけだし、体の面でも二人の相性は良かった。
スカイはノエリオの体力も鑑みて無茶な性交を強いることはなく、ノエリオはノエリオで己の体の貧弱さを把握しており、満足したらスカイに甘えて「眠いんだぞおやすみ~」と体を休めた。
適度な触れ合い、適度な性交は、長く快適に恋人生活を送る上で重要なことだ。その点、二人はお互いに労りの心を持ち押し付け合わない。毎日、充実した性活を送っていた。
そんな或る日、テオがノエリオに相談事をもちかける。それは、「ポネルの方が片付きましたけど、ノエリオはどうしますか?」という切り出しから始まった。
場所は苔庭のイタチ亭二階。居住区のリビングだ。
「え? あー俺ぇ……そうだった。俺、じー様が行方不明になったからここへ来たんだったぞ」
テオから質問を投げかけられて、ノエリオは自分の立場を思い出した。
じー様が見つかった今、じー様の事情が緩和されたような今の状況だと、自分の立場はどうなるんだろうと考え始める。
「ポネルからは孫を頼むと言われました。これまでは貴方を匿うという目的の為だけに、貴方の庇護者の気分でここへ留めてましたが…今は保護者──親代わりでいたいと思います」
「テオじー……」
じー様がいなくなり、突然に保護者を失くしたノエリオの面倒を進んで引き受けてくれ、庇護してくれたテオ。じー様がみつかった今でさえ、彼が新しい保護者になってくれるという。親代わり──実の両親とすら暮らせない状況で赤の他人なのに──実の両親より親らしいとノエリオは密かに感動した。
「それでですね、親代わりな私の意見を述べさせていただきますとね、これからは貴方の意思で、貴方がこれからどうしたいか決めるべきです。ポネルの意思など介在させずに。
…前に、退学した学校のことで悔いていましたよね?」
ノエリオは素直に頷いた。テオの言うことは何でも聞こうと思っている。そして確かに以前、テオとそんな話をした。あの時もこの場所、リビングルームのソファに座って、だ。
親元を離れて祖父と暮らしていたノエリオ。ノエリオの世界は祖父の意向に支えられていた。だからこそ祖父が行方不明になった時、祖父を見つければ学校へまた通えると思っていた。
けれど、テオは自立しろと言っているわけだ。ポネルの考えやポネルの事情など大したことではない。ノエリオはノエリオで自由にしていいのだと言われた気がした。
ノエリオにしても、本来なら学校を卒業したら自活する予定だった。それがポネルの騒ぎで遅れてしまっただけで、今からでも学校で学び直して良いのだと促されて嬉しい気分だ。
だけどそうすると、ここには居られない。ここ『苔庭のイタチ亭』があるメルクマールは学校のある都市とかなり離れているから。メルクマールから学校へ毎日通うことは不可能なのだ。
「テオじー俺ぇ、学校行きたいけど、でも…」
ノエリオが逡巡する気持ちはテオにも分かる。
やっとスカイと両想いになれたのだ。二人を引き離すような提案をしてしまって、テオだって悪いと思っている。
「答えは急ぎませんよ。じっくり考えてみて下さいね」
それでも敢えて考えさせるよう仕向けたのは保護者の責任だ。
ちゃらんぽらんポネルには任せておけないという気概もある。
今頃どこでどうしてるやらあの爺白兎……。
(恨みますよ。見返りはいただきますからね)とテオは心の中で計算高く思惑した。
ノエリオがきちんと独り立ちした暁には、メルクマールのダイヤモンドをもう一個、要求してやるつもりだ。
*
ノエリオは悩んだ。いっぱい悩んだ。
学校へ通う決心をしてしまったら、スカイとは遠距離恋愛になるだろう。毎日会えなくなる。
今はこうして同じ店員をしている立場で、住んでいるところもそんなに離れていない。ノエリオは店の二階に居候していて、スカイは冒険者ギルドの宿舎に寝泊まりしているのだ。
店で働く時に毎日顔を合わせ、感情が昂ればお互いに慰め和えれる程よい距離。これが遠距離恋愛になってしまったら、どうなるんだろう…。
スカイは浮気とかしないだろうか…。
不安ばかりが募る。
勿論、離れていても二人の心は一緒だとか、恋愛の熱が冷めるわけがないという自尊心も湧き出てくる。スカイに愛されてる自信もある。けど、それでも不安になってしまい、いっそのこと学校へ行くのやめようかとも思ってしまう。
弱気になってしまったノエリオは、かなり浮かない顔をしていたらしい。
普段通りの笑顔で接客してはいるが、ふと時折に見せる不安げな顔と小さな溜息が、スカイの猫目に止まる。
「ピノ、疲れてんじゃね? 今客いねえから休憩行けよ」
「スカイ……」
スカイが優しい。甘い恋人だといえばその通りだし、素っ気ない言い草がスカイらしいといえばその通りで、どちらにしろ気遣われているのが分かったから、ノエリオの心は軋んで痛む。
胸が、ぎゅううぅっとした。
それを堪えるかのように胸へと手を当てたもんだから、スカイはノエリオがどこか具合悪いのだと思った。
「体調悪いんなら我慢すんなよ。あ…と、まさかヤりすぎた、か?」
「ヤり……えや、あ、だ、だいじょおぶなんだぞ。スカイは、いつも優しい」
「そうか? この辺とか酷使してるだろ。ちゃんと労わってやんねーと…」
スカイの腕がノエリオの腰に回った。まるで今から労わってやるとばかりに手首から先の掌はノエリオの尻を撫でる。
ノエリオは「み?!」と短い悲鳴を上げてスカイの胸元に頬を寄せた。お尻を可愛がられたら自ら抱きつきに行ってしまうのはもう癖だ。
「はい、そこ。仕事中」
と、割って入るウィルの声がなければ、おそらく二人の世界に入り込んでしまっていただろう。
「スカイ、煙草休憩にどこか行くのなくなったのいいけど代わりにノエリオ持ってくのやめてよ。二人してサボられたら俺大変。俺の体一つしかないからさあ、あっちからもこっちからも(オーダーを)突っ込まれて(ホール中を)回されちゃったら俺壊れる」
ウィルが言うとなんだか意味深なんだぞとノエリオは思いながらも苦笑い。
「ごめんウィル。スカイも…。俺別にどっか悪いわけじゃないから気にしないで」
苦笑いのまま歯切れ悪く謝って、それからノエリオはスカイに背を向けた。垂れ兎耳が、遠心力でくるっと円を描く。
丁度お客さんが入って来て、ノエリオはそちらへ向かって行った。
ディナータイムは恙なく過ぎ、最後の清掃中にテオがノエリオを呼んだ。
「学校の件ですが」と前置きをしてから、スカイの方をチラッと見やる。スカイも、ウィルも清掃中なのでこの場にいた。苔庭のイタチ亭スタッフ全員が揃う前で、テオはノエリオに話を切り出したのである。
「学校の理事長に連絡したら、直ぐにでも迎えに来たいと申しましてね。じっくり考えてと言いましたが、あれから十日は経ってます。どうですか? 決心つきました?」
「あう…。テオじー、俺が決めていいって…」
「ええ勿論です。学校へ行くか行かないかはノエリオが決める事ですよ。ですがね、学校へ戻りたいという意思はずっと以前から聞かせていただいてましたからね。保護者として、学びたいという意欲的な若者のことで学校に連絡を入れるのは当然のことでしょう。理事長も、そりゃもう喜んでました。優秀な生徒を一人迎えに行くのは厭わないと返してきましてねえ」
弁舌爽やかにおっしゃるテオは、どことなく誇らしげである。テオ自身も、まさか理事長が好反応を示しここまでトントン拍子に話が進むとは思っていなかった様子だ。ノエリオが魔法使いだということは知っていたテオ。だが、ここまで優秀で期待されている生徒だとは知らなかったから、思いがけず庇護下に置いた白兎を自慢したい気持ちでいっぱいだった。
「あう、あう…でも、俺ぇ……」
対してノエリオの方は乗り気じゃないようだ。ちらっちらとスカイの方を横目で見ながら、テオにどう返事しようか考えあぐねている。
学校へは行きたい。でもスカイが…と、心を揺らしている間にもスカイのピカピカ猫目がノエリオに向く。
「学校行きたいんだろピノは」
そう言って、スカイはノエリオの前に立つ。
「ピノの魔法は凄かったからな。まだ学びたいことあんなら、学校に戻れよ」
ポネル探しの時に見た魔法を使うノエリオの姿を、スカイは思い出していた。純粋に、あの時の姿は華麗で美しかった。
あれだけ多才に魔法を操れるのだ。その才能を伸ばすべきだとスカイは主張する。
「スカイ、は…俺と離れてもいいの、か…?」
「そんなこと言ってないだろ。ただ、学ぶチャンスがあるなら掴むべきだと思うぜ」
元より学ぶことが出来なかったスカイの言である。ノエリオの背中を押すのは、自分が出来なかったことをやれる恋人に頑張って欲しいからだ。ノエリオの才能は純粋に凄いと思うし、ノエリオのやりたいことをやらせてあげたいとも思っている。その結果、遠距離恋愛になったとしても仕方ない。
もし離れ離れで暮らすとして、我慢できるかどうかは実際になってみないと分からない。もしかしたら耐えきれなくてノエリオを追いかけるかもしれない。
恋に溺れて白兎に執着する己を想像し、スカイはつい笑ってしまった。
「ううぅ…っ、スカイは平気なんだ…俺、俺は────そんなん嫌なんだぞ…!」
「え、ピノ?!」
突如、走り出し階段を昇っていってしまったノエリオ。白兎は見た目弱そうで実際に弱くて、でも足だけは達者で速いのだ。脱兎とはこういう時に使われる言葉なのだと、傍観者に徹していたウィルはしみじみ思った。
「追いかけなくていいの?」ともウィルはスカイを促す。
スカイは「お、おう……」と唸りつつ猫目をパチクリさせ、頭を掻いた。どうしてこうなった?という表情ではあるが、のろのろとノエリオを追って二階への階段を上がっていく。
その背中をテオの言葉が追いかけた。
「ちゃんとノエリオの気持ちを聞いてあげるんですよ~」
と、大変のんびりとした声だったが。わざと全員が揃う場所でこの話題を出して二人の仲を拗れさせた張本人なのに、なんとも危機感のないことである。
「テオが仲介に入った方が良くない? このままじゃ喧嘩別れになるよあの二人」とウィル。
「ええ、まあ、でもねえ、こんなピンチくらいこれからの人生山あり谷ありで一杯出てきますよ。ここで自力で乗り越えてこそ、二人の絆は深まるってもんです」
「含蓄ある言葉だけど、その思いやりは持てないし不細工だよね」
「……どういう意味です?」
「思いやりは重い槍で持てない。モテないから不細工ってこと。……ぷふっ…やば、ウケる…」
ウィルは両手で顔を覆った。これは自分で披露したギャグを自分で説明した羞恥に耐えているのではなくて、ただ単純にうまいこと言った己のギャグセンスに酔ってるだけだ。相変わらず可愛い仕草をする水色兎だと、肉食獣イタチのテオはその手でウィルの手首を掴んだ。
*
私室に逃げ帰ったノエリオ。扉を閉めて扉を後ろ手にしたら、涙が目尻から溢れてしまった。
「ふぐ…、うぅぅ…、嫌だ、嫌だ、ここ離れるの、嫌なんだぞお……」
殺風景な自分の部屋を涙目に映す。ここで、この部屋で、もう一年も過ごしている。来たばかりの当初は寂しい時もあった。うさぬい抱えて涙で綿を濡らす日もあった。けれど慣れてきてからは…特にスカイと仲良くなってからは、この部屋で何度も肌を重ねて寂しさなんて吹っ飛んだ。
思い出がいっぱいの部屋だった。愛された記憶がこびりついていて離れ難い。
「ピノ、いるか?」
ノックの音とスカイの声。ベッドに伏せていたノエリオの兎耳にも聞こえていたけれど、返事はしなかった。
部屋のドアが開く。
返事を待たずに開けるとはマナー違反だ。しかし咎める者は誰も居ない。部屋の主であるはずのノエリオは枕に泣き顔を埋めて、その肩をひっくひっくとしゃっくりで震わせている。
「なに泣いてんだよ」
ぶっきらぼうな言葉を吐くくせに、スカイがノエリオに伸ばしたその手は優しかった。お気に入りであるノエリオの垂れ兎耳をそっと撫でて耳朶の後ろを擽る。後れ毛を手梳いて首の後ろも指先でなぞる。
そのくすぐったさにノエリオは首を振った。
「うぅー…ふえぇ、ぅぇえんんん」
「バーカ、ピノ」
「ぴぃ…っ」
露わになった首にスカイの唇が降った。ノエリオの変な啼き声がスカイの心を震わせる。なんだってこの白兎はこうも愛らしい声で啼くのか…。
「平気なわけ、ねえだろうが」
呟き声まで震えた。
「スカイぃぃ一緒に、いたい」
「ああ、俺も」
「一緒に、ここで」
「ああ……」
「ここに、いたい…スカイ、スカイ…っ!」
二人は情熱的に求め合い、お互いの唇を貪った。これまでにも幾度となく重ねてきた唇であるが、これまでの比じゃない吸いつきで、それは正に食い合っていると表現した方が良いくらいの激しさだった。
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