衣食住に満たされた異世界で愛されて過ごしました

風巻ユウ

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三柱の世界

緑よ私を癒しておくれ

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 初キスを奪われて傷心な私は引き篭った。隠れる家があって良かった。
 怒って物を撒き散らかしてみたり、地団駄踏んでみたり、ベッドの上で体育座りしつつボ~としたりして引き篭った。でも腹が減ったのでキッチンへ行く。
 そこはもう人間だからしょうがない。腹減るもんは減るのだ。

「可哀想なハツネちゃん。ご飯つくったから食べてねえん」

 と、出されたアザレアさんの手料理が、思いのほか私を癒してくれる。
 メニューは海辺の町でもらった海の幸を使った様々なお料理だ。
 きちんとお出汁がとられている。美味しい。ずずーと海鮮汁をすする。
 お刺身まである。聖霊王国では魚を生で食べるのだろうか。日本人との嬉しい共通点に胸熱だ。涙が出るのは鼻にツンとくるワサビに似た何かの薬味であって、決して傷ついた心が悲鳴を上げているわけではない。

「泣かないでえハツネちゃんっ」
「アザレアさん……」

 アザレアさんが抱きしめてくれる。
 なんだかお母さんみたいに安心する胸の中だ。胸ナイけど。厚き胸板だけど。
 ハッとするような美形で股間にアレもついてるけど、まるでおかんみたいに安心できる胸の中で、私は静かに涙した。

 ああ、この天ぷら旨い…。
 海老天、烏賊天、海苔天に蟹天と豪華な合わせ盛りに感動している。
 こちらの世界でも揚げ物は大人気だそうで、特に聖霊王国では勇者が好んで食べたとかでレシピが豊富にあるらしい。
 …探せば米やら味噌やらありそうだな。でもこの国、冬は雪で埋まるらしいので寒すぎて稲作には向いてなさそう。南に行けばあるだろうか。いつか南へ行こう。
 楽しみだ。わくわくしながらマグロステーキをお箸でつついた。

 そうそう、お箸や食器類は木製で、この家に付随している。
 キッチンの棚を開ければ一揃えの調理器具まで仕舞われていた。調理器具は現代日本のものである。よく切れる包丁にアザレアさんは感動していた。
 この家をくれた人、サービス良いねえ。こんなとこでポイント稼いでくるのはなかなか小賢しいともとれるけど。

 美味しいご飯の後はサロンでクッション群に埋まってダラダラごろごろ過ごした。
 窓から見える森の緑にも癒されている。時折、小鳥が急いて飛んでるのを目撃しては、それにも癒されている。いいね。自然は…。

「今は緑いっぱいだけど、あと半年もすればここも雪に埋まっちゃうわよ」
「この家が雪国仕様なのも、それが原因でしょうね」

 冬が来たら本格的に引き篭ろう。いやむしろ南下しようかな。米を求めて。
 まあ、それ以前に何かあった時の為に備蓄は確保しないとね。そろそろ買い物に行かねば。

「お洋服も取りに行かなきゃねん」
「ですね。ついでに色々と買い物して、備蓄用品はアザレアさんの聖霊ボックスに保存していいですか?」
「いいわよーん。容量まだまだいっぱいあるからあ」

 助かります聖霊ボックスとやら。この家には冷蔵庫ないからね。なぜか。
 こんなにサービス満点なのにこの一点だけ惜しいよね。
 ───まるで冷蔵庫に変わる何かが手に入るかのような…陰謀を感じる。

 一週間以上、実に十日近くも海鮮三昧で引き篭ってた私は、ようやく外に出た。
 ふう、お日様眩しい。ふたつも出やがって輝きすぎだコノヤロー。
 そそくさとダサいローブのフードを被ってUVカットだコノヤロー。

 天馬なアザレアさんに跨って、服を受け取りに町へ行く。
 そういや町の名前ってなんだっけ。
 看板探す気もなくて今まで気にしてなかった。

緑煙の町ワイネフーモよ。覚えときなさいナ」

 アザレアさんが教えてくれる。へえ。そういえば緑色した家が多かったね。外壁に色塗ったとかじゃなくて、緑色した煉瓦の家が多かった。
 緑煉瓦が特産なのかねえ。渋くていい感じである。

 緑煙の町ワイネフーモに着いてからは緑煉瓦の家々を眺めながら、必要な物を探した。
 雑貨屋ではお財布とオーナメントなど生活の細々したものを、布屋では厚地の遮光カーテンを買った。地図を売ってるとこ探したんだけど、どこにも地図は売ってなかった。探し方が悪かったのだろうか…。
 最後にフォレスト・ミザリー服飾店を訪れる。店員さんに引換券を渡した。

「あ、お客様。お洋服の方、仕上がってますよ。少々お待ちくださいませ」

 接客してくれたのは、前にも会った金髪ショートボブの可憐な店員さんだった。
 今日のお召し物は赤いギンガムチェックのワンピースですか。ほう。キュートだねえ。パニエっぽいフリフリスカートを翻し、店員さんは私の服を取りに行った。
 ほう。白の紐パンですか。白という清純なイメージの中に漂うお色気がたまらないですねえ。

「ハツネちゃん、今、あの子のおパンティーみてたでしょ」
「気づきましたかアザレアさん。あの店員さんの下着、紐パンです。えろ可愛いですわ」
「元気になってくれたのは嬉しいけど、方向が親父化するのはどうかと思うのん」

 いやあ~見えちゃったもんはしょうがないよね。
 可愛い子には可愛いものを着せろって言葉もあるでしょ。
 あの店員さんが可憐な美少女なのが悪い。
 スタイルも良いし、たいへんけしからんおっぱいの持ち主でもある。
 私はこっそり乳比べをして負けていることに気づく。ただでさえ傷ついてる心へと塩を塗り込んでまで乳を比べたのである。半端ない残念感。

「女は胸だけじゃないはずよ。たとえ貧乳でもそれはそれで価値があるものなの。私は処女ならボインでも壁胸でもどんとこいだし」

 ばれてーら。アザレアさんは私の心でも読めるんかい。
 つか、おめーさんは処女ならなんでもいいんだな。さすがセクハラ馬。
 女を処女性で判断する馬のくせに、私をそんな可哀想な子を見るような生暖かい瞳で見つめないでおくれ。

「お待たせしました」と、やって来たのは店員さんではなく茶巻毛のミザリー店長さんだった。今日のお召し物は、緑色のタータンチェック柄フレアワンピと若草色のエプロンですね。まるで赤毛のアンみたいなテイストで茶毛を左右三つ編みにして前に垂らしている。大変キュートですね。

「ご注文のお品、こちらに揃っております。ご確認くださませ」
「ありがとうございます。先日は貨幣について不勉強で大変失礼しました。これ、代金です」

 そう言って私は赤銭一枚と黄銭一枚、それから青銭五枚を渡した。これで大丈夫なはず。先程、雑貨屋で購入した小袋に支払額を入れてミザリー店長さんに渡す。

「はい、確かに…あの、こんなこと聞くのも失礼かもしれませんが、この国には初めていらしたのですよね?」

 おっと、やはり疑われてしまうよね。貨幣価値が分かってない客なんて…。
 この世界は通貨が統一されてる。珍しいもので貝貨があるが、これはもっと南の方、主に海南商人が使う貨幣だ。だから統一通貨を知らないってことは、南の方の国、しかも海辺の出身ではないかと疑われているわけである。
 ここで「そうです」と答えた場合、海南商人だと思われて知らない南の国の話をしてくれとせがまれたら厄介である。
 しかし「いいえ」と答えても、じゃあどっから来た田舎もんだおめーと思われるのがオチである。だからって異世界から来ましたと言っても突拍子のない話だ。
 どう答えたもんやら…。

「あの、あの…以前、試着された時に…気になってしまったんです。その、お洋服が変わってるなあって」

 アウトだ。見られてしまっていたのかい。
 気をつけてたつもりだったんだけどなあ。

「良かったら今日のお召し物も見せていただけませんか?」

 そうきたかー。服を見せれば説明もしやすいし納得してもらえるだろう。
 私が異世界から来た人間だということを。おそらくミザリーさんは服にだけ興味を持っていて、私の正体にはつっこまないでいてくれるとは思う。
 私としては見せてもいいが…どうしたもんかね。と、困ったときのアザレアさん。
 横にいる聖霊の彼に視線を送れば、頷き返してくれた。

「いいんじゃなあい。見せておやりよ」
「アザレアさんならそう言ってくれると思いました」

 もし困ったことになってもアザレアさんが一緒だ。なんとかなる。
 私はフードを取って黒髪を晒す。「え…」とミザリーさんの息を飲む声が聞こえた。次いで麻のローブを脱いで今日着てきた服を露わにすれば、ミザリーさんが「これは…」と呟いた。

 きっと馴染みのない服の素材なんだと思う。
 ミザリーさんの瞳は輝き、キラキラ好奇心はとどまるところを知らないようだ。

「さ、ささささ触って良いですかああああ」
「どうぞ。多分、デニム生地が珍しい…?んだよね」

 こくこくこくこく頷いてるミザリーさん。
 頬が紅潮して大変興奮してらっしゃるご様子。
 今日のコーデのイチオシはデニムのスカートなんである。上はストライプのシャツで、デニムスカートはハイウエストに着こなしてみた。

「こ、ここここれはデニムと言うのですか…見たことないですね…すごい伸縮性…色合いも鮮やかで…丈夫そう…」

 ひあっ、匂いまで嗅ぎだしたよこの人!そして舐めたああああ
 服の生地に対する情熱を感じます。さすが自分の名前でお店出すだけある。
 この人の情熱は本物だ。

「良かったら脱ぎますよ。買った服に着替えていいですか?」
「まあ嬉しい!早速こちらへ…!ああマリエナ、お客様にお茶をお出ししておもてなしなさい。真心込めてね」
「はいっ!店長!」と後ろで見てた金髪ボイン店員さんが駆け出していく。

 マリエナちゃんと言うんだね。
 そんなに慌てなくて大丈夫ですよー私逃げませんからね。
 そして店長ミザリーさんには容赦なく手首を掴まれ試着室へと引っ張られていく。真心どこいった。
 容赦なくデニムスカートをひん剥かれる私。買ったスカートと合わせてみたけど、現代服とのちぐはぐがおかしかったので、結局、聖霊ボックスに入ってたサロペットと合わせた。なぜ聖霊ボックスに着替えを入れているのかというと、アザレアさんが出来る天馬だからに他ならない。…ということにしておこう。
 実際、私もよく分かってない。

 試着室を出ても、店長のミザリーさんは私のデニムスカートを手に取って食い入るように見つめていた。

「お茶どうぞです。ああなると店長とことん追求すると思います」

 マリエナさんがお茶を給仕してくれた。ハーブティーだ。
 お茶請けに出てきたのは何かの果物を干したもの。見た目はアプリコットに見えるけど、味はパインみたいだ。とても素朴な味がする。

「別にいいですけど…ただ、匂い嗅がれるのだけはちょっと……」
「私もそう思います」

 苦笑いなマリエナちゃん。アナタも同じことされたことあるのね。

「お客様、すみませんがしばらくこのスカートを貸していただいても大丈夫でしょうか」
「いいですよ。もし端切れが欲しかったら、裾のとこ切っても大丈夫なので、匂いだけは嗅がないでくださいお願いします」
「は…!すみません私ったら素敵な生地を見たら嗅いでしまう癖がありまして…!それにしてもこの生地は本当に初めて見ました。どこで手に入れたか…お聞きしても宜しいでしょうか」

 あーそうくるよね。ここはアザレアさんにパスしよう。
 聖霊様が説明した方が説得力あると思うし。

「ハツネちゃんはねえ異世界人なのよ~ん」

 非常に軽いノリで暴露である。

「やはり、そうですか」

 ミザリーさんの方は至って冷静である。金髪ボインちゃんは「えええ?!」とリアクションオーバーに驚いている。いいね、素直な反応あざーす。

「店長さんは驚かないんですか?」
「いえ、とても驚いてますよ。異世界から人が来るというのは聞いたことありますし、実際にこうしてお話できるなんて大変光栄に思います」

 キリッと言われた。この人はあれだね。服みるとバカになるけど、普段はとても落ち着いた大人な女性だ。

「そうですか異世界から…異世界の服…異世界人が着てる服…ふくへへへ」

 おお壊れた。ここまでくるともう愉快な人である。
 この後もミザリー店長さんと質疑応答。これでもかってくらい質問されたよ。

「素材は綿ですよね。どうやって作るかご存知?織物のはずなのに、とても密がありますから、特殊な技法なのでしょうか?」
「えーと、織物でしょうねえ。作り方?青いタテ糸と白いヨコ糸を合わせてだと思いますけど、密なのは機械で織ってるからじゃないかなあ」
「機械ってどういうものですか?それが無ければ織れないの?私には織れないのかしら。それにこの色…何かの顔料な気が致しますけど、どのようなものかご存知?」
「機械は織物を自動で織ってくれる自動織機っていうのがありまして、それだと手で織るより数百倍早いです」
「数百倍…太刀打ちできませんわね…」
「そうですね。色は青色の顔料ですね。昔は天然の藍を使ってたのかな。なんでも藍には虫除け効果があるからとか…。今は化学的に合成されたものを使ってると思います」

 知ってる知識総動員だ。ほとんどテレビで観た受け売りだけど。
 藍の虫除け効果実験の番組観といて良かった。結果、あまり効果なしだったけど。
 ああインターネットが無いのが焦れったい。スマホはあれど繋がらないしなあ。
 スマホはね肩掛けバックに入ってた。でもご臨終してた。起動さえしないよ。

「ハツネちゃん、私、お買い物してくるわねん」
「あ。すみませんアザレアさん、放ったらかしにしちゃって」
「いいのいいの。気にしないで店長さんとお話してなさいナ。私は食料買い込んでくるわねん」

 バチンとウインクかましてアザレアさんは買い物しようと町まで出かけてしまったが財布を渡しそびれた。お金大丈夫かなあ。気にはなったがアザレアさんを見送った。持ってなかったら私のとこに取りに来るでしょ。

 話を続ける。生地についてもだけど、初めて来店した時の服装のことや、逆にこの世界のファッションについても私から聞いた。
 初来店で着てたのは今も履いているサロペットだったが、これもデニム生地で、珍しい生地に加えて女の私がズボンを履いていることにも衝撃を受けたのだそうだ。

「ズボンなのに女の子らしく見えて、こういう着こなしもあるんだって思ったの」
「ああ、この世界の女性はスカートばかりですよね」
「そうなの。女性は女性らしくスカートを履けって風潮なのよね。でもスカートで女性らしく魅せるための努力は、もう出し尽くした感があるわ。そこでズボンよ」
「いいと思います。私が持ってるデニム素材のズボンはインディゴ系ばかりだけど、華やかな色合いのデニムもありますから」
「カラーを変えるのも有りね。染色にはツテがあるからそこに頼んでみるわ」

 どうやらミザリーさんはこの世界のファッションに革命を起こす気でいるようだ。
 女性だけの職場としてこの店舗を開いたミザリーさんであるが、更に上を目指そうというのか。凄い女性に出会えたもんだ。素晴らしい。

 そんなこんなでミザリー店長さんと話し込んでたら結構な時間が経ってたみたい。外はまだ明るいが、そろそろ夕食の時間である。
 時間にして夕方六時近い。お暇しようと話を切り上げた。ちなみにこの世界の時間に関する事柄は現代日本と同じである。

「すみませんがしばらく服をお借りします」
「うん。いいよいよ、また取りに来るね」

 すっかりミザリーさんと打ち解けてしまった私は軽く返事をする。

「嬉しいです。私…こんなに他人と楽しくお話できたの初めてで…」
「あー私もです。女友達と群れたりするの苦手だし、ここまで普通に話し込んだのも初めてですよ」

 友達と漫画やアニメの話をしたことはあるけどね。普通の会話…今回だとファッションの話で、ここまで話し込んだのは本当に初めてだ。なんだか新鮮。

「またいらしてください。今度はお店に出してない服も取り揃えてお待ちしてますから」
「ありがとう。私も、持ってる服とりあえず全部持ってくるよ。なんかインスピレーション湧くといいねえ」
「はい」とにこやかに笑う彼女が、とても愛らしく見えた。女友達っていいなあ。胸の大きさも同じくらいだし。思考も似てるんだよね。だから話が弾む。

 またね~と軽く手を振って店を出た。
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