王道異世界ファンタジー【ドラゴンライダー】〜Dragon Knights 世界の空を制する者〜

語 群青

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第十三話: 最後の斧

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 マルクス・オーグとの死闘は、まさに極限の戦いとなっていた。

 傷ついたドラゴンナイツたちの前で、天空城の将軍はさらなる闇の力を解放し、圧倒的な威圧感を放っていた。
 クローとカイが放った漆黒の炎により、マルクス・オーグの鎧はひび割れ、その防御力にほころびが生じていたが、マルクスも負けじと闇の力を解放し、その戦斧に黒い雷が纏い始めていた。

「ここで終わりだ、ドラゴンナイツ…お前たちをここで叩き潰し、この地を我が主のものとする!」

 マルクスは戦斧を高々と掲げ漆黒の闇を纏わせる。戦斧を地面に叩きつけと、周囲に轟音と共に闇の衝撃波が広がり、地面には深い亀裂が走った。

「みんな、散開しろ!」
 ブレインが叫び、ドラゴンナイツたちはそれぞれの竜を操りながらマルクスの攻撃を避ける。

***

 マルクスの闇の力は圧倒的だった。ゴーレムたちはその力に引き寄せられるように彼の周囲に集まり、黒いオーラを纏った兵士たちが再びドラゴンナイツたちに襲いかかった。

「このゴーレムども、いつまで湧いてくるんだよ!」
 ウイングが槍を振り回しながら叫ぶ。その背中でゼルフィードが素早い動きで敵の攻撃を避けるが、数が多すぎて次第に追い詰められていく。

「ウイング、後ろ!」
 ハートが叫びながら杖を振り、光の魔法でゴーレムの動きを封じる。

「助かった! ハート、そっちも気をつけろよ!」
 ウイングは息を整えながら、再び槍を構えてゴーレムたちに向かう。

***

 一方、ブレインはマルクスに正面から挑んでいた。彼の剣とマルクスの戦斧が激しくぶつかり合い、その度に火花が散る。

「貴様のような指揮官では、この地を守り抜くことなどできん!」
 マルクスが嘲笑しながら戦斧を振り回す。

「それはどうかな!」
 ブレインは巧みに剣を操り、マルクスの攻撃をかわしながら反撃の一撃を放つ。しかし、マルクスの鎧が完全に壊れることはなく、戦いは膠着状態に陥っていた。

 クローはカイの背中で呼吸を整えながら、マルクスの姿を見つめていた。カイは体から漆黒の炎を放ちながら低い唸り声を上げた。その瞳には決意が宿っている。

「カイ…今が勝負時だ、お前の力を信じる!俺たちの全力で、あの鎧を完全に打ち破る!天国にいるママに見せてやろうぜ、お前のその、勇姿ってやつをな!」

 カイが力強く鳴き声を上げ、それに応える。クローは彼の背中を軽く叩き、笑みを浮かべた。カイは翼を広げ、マルクスに向けて一気に特攻する。その動きにマルクスも気付き、戦斧を振り上げて迎え撃とうとする。

「小僧、その竜ごと叩き潰してやる!」
 マルクスの戦斧から放たれる闇の雷がカイを狙う。しかし、クローはカイを巧みに操り、その攻撃をギリギリでかわし続けた。

「カイ、今だ!」
 クローの叫びに応えるように、カイは漆黒の炎を纏った爪を突き出し、マルクスの鎧のひび割れた箇所に渾身の一撃を叩き込む。

「何っ!?ぐああああっ!」
 マルクスの体が大きく揺れ、その鎧がついに完全に砕け散った。

「ブレイン!」
 クローが叫ぶと同時に、ブレインが剣を高く掲げた。その剣が光を帯び、まるでドラゴンナイツの力の象徴であるかのように輝き始める。

「これで終わりだ、マルクス!」
 ブレインが渾身の力を込めて剣を振り下ろす。その一撃がマルクスの胸に深々と突き刺さり、闇の力を完全に断ち切った。

「ぐっ…これが…ドラゴンナイツの力か…!」
 マルクスはその場に膝をつき、崩れ落ちるように倒れた。そして、その体から闇の力が霧散し、ゴーレムたちも次々と動きを止めていった。

***

 戦場に静寂が訪れた。ドラゴンナイツたちはそれぞれの竜を操りながら地上に降り立ち、勝利を確信した。

「やった…やったぞ!」
 ウイングが歓声を上げ、槍を高く掲げる。

「終わったわ…本当に。みんな無事で良かった。」
 ハートがリンドの背中から降り、鼻先を撫でて安堵の息をつく。

 クローはカイの背中から降り立ち、その顔には疲労と達成感が滲んでいた。
「カイ…本当にありがとう。お前がいなかったら勝てなかった。すげぇもん持ってんだな、お前」

 カイは優しく鳴き声を上げ、その翼を広げてクローの体に軽く触れた。その仕草に、クローは微笑みを浮かべた。

「フレイア…俺たちはやったよ。お前の意志は、ちゃんとカイが継いでくれた。」
 その言葉は静かに風に乗り、どこか遠くへと運ばれていくようだった。

 しかし、ブレインの表情は晴れることはなかった。彼は戦場の遥か彼方を見つめ、静かに呟いた。
「天空城が本気で動き出した。マルクス・オーグですらただの前哨戦だった…本当の戦いはこれからだ。」
 その言葉に、ナイツたちは再び身を引き締めた。彼らの戦いは終わりを迎えるどころか、より苛烈なものへと突き進もうとしていた――。
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