411 / 675
?
「今日もいいのか?」
「はい。本来イービル様は人の世に直接干渉しません。わたくしもそれに準じなくては」
薫が知らないだけで、スカーレットとイービルはたまにこうして様子を見に来ている。この世とは縁を切ったスカーレットなのだ、イービル同様干渉してはならないのは当然のこと。それでもこうして様子を見に来てしまうのは、家族、領と領民、そして育ってきた環境から国の将来が気になってしまうからだろう。
あの時スカーレットに見えたいくつもの魂。最期に一際輝いてその光を失おうとしている姿が何を表しているかなど説明不要だった。スカーレットもまた同じことをする直前なのだ。
急いで選ばないと消えてしまう。でも、次に現れるものがもっと良かったら。しかし、待つ間に自分の光が消えてしまえばそれまでだ。だから、スカーレットにとり一番強く輝いて見えるものを選んだ。そして不思議なことにそれは共鳴した。
本来の世界からスカーレットの選択により逸れてしまった輝く魂。選んでしまった者の責任として、様子を見にくることは当然のことだ。
「七つも必要なかったのではないか」
「わたくしもそう思います。でも、心に余裕を持ってもらう為の保険です」
「どうせ、三つでも五つでも、いざという時に足りなければスカーレットが俺に掛け合ったのだろう」
「そうしない為の七つです」
「まあ、今迄の分もかなり拡大解釈されているがな」
「ふふ、ありがとうございます、イービル様。でも、イービル様も薫さんのことを気に入っていますよね。モンド様とイマージュ様のように」
「さあな、あいつらは気に入っているのではなく面白がっているのだ」
スカーレットは少し前にモンドとイマージュから、少しだけ彼らの方法で薫に干渉したいと言われた。既に薫に夢を見させたと知っていたスカーレットは不思議に思ったが頷くしかなかった。何故なら首を横に振ったところで無意味。モンドとイマージュは『干渉したい』という意思をスカーレットに宣言したのであって、許可を取ろうと質問したのではないからだ。
「この世界には、人の基準で言うところの良い未来はなかっただろう。それを俺が干渉し、異分子を入れたことでどうなるのかあいつらは興味本位で覗いている。その日々の楽しみを与えてくれる薫にそれこそ贈り物をしたかったのだろう、喜ばせる為に。スカーレットがこうして自分が存在しない世界を気に掛けているのを見て、これが人の喜びだと思ったのかもしれない」
「そうだったのですね」
「恐らく。あいつらのことは良く分からない。けれど俺はスカーレットのことは良く分かるから安心して欲しい」
「本来は干渉しないあなたから干渉されてわたくしはとても幸せです」
「スカーレット、今日はもういいだろう。サブリナはああして楽しそうだ。もう我々の世界へ戻ろう。そして互いに干渉し合おう」
イービルは現在仕事を干されている。創造主達から過干渉だと注意を受けたのだ。お陰で暇な分、スカーレットにべったり。
薫同様、元いた世界とは常識も基準も違う空間で生きるスカーレット。恐らく上の立場の創造主達から注意を受けたら反省するのが普通に思えるが、イービルはそうではない。このまま何もすることなく、スカーレットとの仲を深める方が良いと言う始末。
そしてスカーレットは思う。イービルが働かない期間が長ければ、後々植え付ける悪が少なくなる。案外自分達の愛は悪を増長させないのではないかと。
「イービル様、愛しています」
「分かった」
スカーレットの言葉を聞いた瞬間、イービルが自分達の空間へスッと消えたのは言うまでもない。
「はい。本来イービル様は人の世に直接干渉しません。わたくしもそれに準じなくては」
薫が知らないだけで、スカーレットとイービルはたまにこうして様子を見に来ている。この世とは縁を切ったスカーレットなのだ、イービル同様干渉してはならないのは当然のこと。それでもこうして様子を見に来てしまうのは、家族、領と領民、そして育ってきた環境から国の将来が気になってしまうからだろう。
あの時スカーレットに見えたいくつもの魂。最期に一際輝いてその光を失おうとしている姿が何を表しているかなど説明不要だった。スカーレットもまた同じことをする直前なのだ。
急いで選ばないと消えてしまう。でも、次に現れるものがもっと良かったら。しかし、待つ間に自分の光が消えてしまえばそれまでだ。だから、スカーレットにとり一番強く輝いて見えるものを選んだ。そして不思議なことにそれは共鳴した。
本来の世界からスカーレットの選択により逸れてしまった輝く魂。選んでしまった者の責任として、様子を見にくることは当然のことだ。
「七つも必要なかったのではないか」
「わたくしもそう思います。でも、心に余裕を持ってもらう為の保険です」
「どうせ、三つでも五つでも、いざという時に足りなければスカーレットが俺に掛け合ったのだろう」
「そうしない為の七つです」
「まあ、今迄の分もかなり拡大解釈されているがな」
「ふふ、ありがとうございます、イービル様。でも、イービル様も薫さんのことを気に入っていますよね。モンド様とイマージュ様のように」
「さあな、あいつらは気に入っているのではなく面白がっているのだ」
スカーレットは少し前にモンドとイマージュから、少しだけ彼らの方法で薫に干渉したいと言われた。既に薫に夢を見させたと知っていたスカーレットは不思議に思ったが頷くしかなかった。何故なら首を横に振ったところで無意味。モンドとイマージュは『干渉したい』という意思をスカーレットに宣言したのであって、許可を取ろうと質問したのではないからだ。
「この世界には、人の基準で言うところの良い未来はなかっただろう。それを俺が干渉し、異分子を入れたことでどうなるのかあいつらは興味本位で覗いている。その日々の楽しみを与えてくれる薫にそれこそ贈り物をしたかったのだろう、喜ばせる為に。スカーレットがこうして自分が存在しない世界を気に掛けているのを見て、これが人の喜びだと思ったのかもしれない」
「そうだったのですね」
「恐らく。あいつらのことは良く分からない。けれど俺はスカーレットのことは良く分かるから安心して欲しい」
「本来は干渉しないあなたから干渉されてわたくしはとても幸せです」
「スカーレット、今日はもういいだろう。サブリナはああして楽しそうだ。もう我々の世界へ戻ろう。そして互いに干渉し合おう」
イービルは現在仕事を干されている。創造主達から過干渉だと注意を受けたのだ。お陰で暇な分、スカーレットにべったり。
薫同様、元いた世界とは常識も基準も違う空間で生きるスカーレット。恐らく上の立場の創造主達から注意を受けたら反省するのが普通に思えるが、イービルはそうではない。このまま何もすることなく、スカーレットとの仲を深める方が良いと言う始末。
そしてスカーレットは思う。イービルが働かない期間が長ければ、後々植え付ける悪が少なくなる。案外自分達の愛は悪を増長させないのではないかと。
「イービル様、愛しています」
「分かった」
スカーレットの言葉を聞いた瞬間、イービルが自分達の空間へスッと消えたのは言うまでもない。
あなたにおすすめの小説
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
【完結】期間限定聖女ですから、婚約なんて致しません
との
恋愛
第17回恋愛大賞、12位ありがとうございました。そして、奨励賞まで⋯⋯応援してくださった方々皆様に心からの感謝を🤗
「貴様とは婚約破棄だ!」⋯⋯な〜んて、聞き飽きたぁぁ!
あちこちでよく見かける『使い古された感のある婚約破棄』騒動が、目の前ではじまったけど、勘違いも甚だしい王子に笑いが止まらない。
断罪劇? いや、珍喜劇だね。
魔力持ちが産まれなくて危機感を募らせた王国から、多くの魔法士が産まれ続ける聖王国にお願いレターが届いて⋯⋯。
留学生として王国にやって来た『婚約者候補』チームのリーダーをしているのは、私ロクサーナ・バーラム。
私はただの引率者で、本当の任務は別だからね。婚約者でも候補でもないのに、珍喜劇の中心人物になってるのは何で?
治癒魔法の使える女性を婚約者にしたい? 隣にいるレベッカはささくれを治せればラッキーな治癒魔法しか使えないけど良いのかな?
聖女に聖女見習い、魔法士に魔法士見習い。私達は国内だけでなく、魔法で外貨も稼いでいる⋯⋯国でも稼ぎ頭の集団です。
我が国で言う聖女って職種だからね、清廉潔白、献身⋯⋯いやいや、ないわ〜。だって魔物の討伐とか行くし? 殺るし?
面倒事はお断りして、さっさと帰るぞぉぉ。
訳あって、『期間限定銭ゲバ聖女⋯⋯ちょくちょく戦闘狂』やってます。いつもそばにいる子達をモフモフ出来るまで頑張りま〜す。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結まで予約投稿済み
R15は念の為・・
【完結】今さら執着されても困ります
リリー
恋愛
「これから先も、俺が愛するのは彼女だけだ。君と結婚してからも、彼女を手放す気はない」
婚約者・リアムが寝室に連れ込んでいたのは、見知らぬ美しい女だった――
アンドレセン公爵令嬢のユリアナは、「呪われた子」として忌み嫌われながらも、政略結婚によりクロシェード公爵家の嫡男・リアムと婚約し、彼の屋敷に移り住んだ。
いつか家族になれると信じて献身的に尽くすが、リアムの隣にはいつも、彼の幼馴染であり愛人のアリスがいた。
蔑まれ、無視され、愛人の引き立て役として扱われる日々。
ある舞踏会の日、衆前で辱めを受けたユリアナの中で、何かがプツリと切れる。
「わかりました。もう、愛される努力はやめにします」
ユリアナがリアムへの関心を捨て、心を閉ざしたその夜。彼女は庭園で、謎めいた美しい青年・フィンレイと出会う。
彼との出会いが、凍りついていたユリアナの人生を劇的に変えていく。
一方、急に素っ気なくなったユリアナに、リアムは焦りと歪んだ執着を抱き始める。
・全体的に暗い内容です。
・注意喚起を含む章は※を付けています。
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】婚約者取り替えっこしてあげる。子爵令息より王太子の方がいいでしょ?
との
恋愛
「取り替えっこしようね」
またいつもの妹の我儘がはじまりました。
自分勝手な妹にも家族の横暴にも、もう我慢の限界!
逃げ出した先で素敵な出会いを経験しました。
幸せ掴みます。
筋肉ムキムキのオネエ様から一言・・。
「可愛いは正義なの!」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済み
R15は念の為・・