クズ男を完堕ちさせるまで【BL小説】

片羽セイ

文字の大きさ
6 / 15

6話目 逃げても捕まる

しおりを挟む
 その出来事以来、藤村はカイトを避けるようになった。

 父親に尻の中を触られた記憶を塗りつぶしたくて、テキトーな行きずりの男の部屋を転々とした。

 完全な職務怠慢だというのにクビにしない絹川が謎だが、金に困っている身としては、契約を打ち切られなくて正直助かっている。

 しかしカイトからの逃避生活三日を経過した辺りから、施設にいる人間誰もが藤村を相手にしなくなった。
 相手にしないどころか、目も合わせないし近づくと逃げていく始末。

「こらカイト!また他の職員と被験者ボコボコにしたんだって?喧嘩はダメだと、あれほど言っただろうが!!」

「だって、あのゴミどもが、ボクのユーサクさんに触るんだもん」

 …なるほど、避けられた理由がよーく分かった。

 カイトと絹川の姿を見かけ、藤村は咄嗟に物陰へと隠れた。

 どうやらカイトは藤村を匿った人間の部屋に押し入り、自分と寝た男に至っては例外なくボコボコにして回っているらしい。

「藤村は元々、女なら見境なしのクズ野郎です。そんなに大事ならうまくしつけるか、名前でも書いて囲っときなさい」

「うん、分かった!」

 ……ん?今なんか、不穏な会話が聞こえなかったか。

 しつける?名前を書いて囲う?『うん、分かった』……?

「ユーサクさん、みーつけた!!」

「うおぼぅあふぺっぺ!!?」

 自分でも意味不明な言葉が飛び出た。

 いつの間に背後に回っていたのだろう。不意にカイトに肩を捕まれ、藤村は盛大に尻もちをついた。

「お前は忍者か!?いつ移動したんだ、俺がさっき目を擦った一瞬か?にしても、気配なさすぎだろお前!!」

「さ、ユーサクさん。行こっか」

「…なんで、俺の居場所が分かったんだよ?」

「だってその腕のやつ、発信機だもん」

「……あー、そうだったわ」

 なんとなくそんな気はしてた。そうでもなければ、遊んだ相手を全員、例外なくボコボコにするなんてできるわけがない。

「このたった三日で五人なんて、ユーサクさんは絶倫なんだね」

「あ?……ま、まぁな」

 (あれから後ろで感じるようになったなんて、口が裂けても言えない。)

「ボクね、少し勉強したんだ。ボクは好きな人としかセックスしたくないけど、そうじゃない人もいるって。で、ユーサクさんは誰とでもセックスできるんだよね」

「お、おお…ようやく分かってくれたか、ガキンチョよ」

「でも、気持ちよくなかったらセックスしたくないでしょ」

「そりゃ当たり前だろ。気持ちよくなきゃ、やる意味がないからな」

「だよね。だから、ボク以外で気持ちよくなれないようにしてあげる」

「……はい?」

「じゃ、研究室へレッツゴー!!」

 カイトにヒョイと小脇に担がれ、藤村は目を白黒させながら思った。

 (俺、体重七十キロ以上あるはずだけどな。……バケモンだろ、こいつ。)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい
BL
 若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。  昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。  年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。  リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。  

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...