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6話目 逃げても捕まる
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その出来事以来、藤村はカイトを避けるようになった。
父親に尻の中を触られた記憶を塗りつぶしたくて、テキトーな行きずりの男の部屋を転々とした。
完全な職務怠慢だというのにクビにしない絹川が謎だが、金に困っている身としては、契約を打ち切られなくて正直助かっている。
しかしカイトからの逃避生活三日を経過した辺りから、施設にいる人間誰もが藤村を相手にしなくなった。
相手にしないどころか、目も合わせないし近づくと逃げていく始末。
「こらカイト!また他の職員と被験者ボコボコにしたんだって?喧嘩はダメだと、あれほど言っただろうが!!」
「だって、あのゴミどもが、ボクのユーサクさんに触るんだもん」
…なるほど、避けられた理由がよーく分かった。
カイトと絹川の姿を見かけ、藤村は咄嗟に物陰へと隠れた。
どうやらカイトは藤村を匿った人間の部屋に押し入り、自分と寝た男に至っては例外なくボコボコにして回っているらしい。
「藤村は元々、女なら見境なしのクズ野郎です。そんなに大事ならうまくしつけるか、名前でも書いて囲っときなさい」
「うん、分かった!」
……ん?今なんか、不穏な会話が聞こえなかったか。
しつける?名前を書いて囲う?『うん、分かった』……?
「ユーサクさん、みーつけた!!」
「うおぼぅあふぺっぺ!!?」
自分でも意味不明な言葉が飛び出た。
いつの間に背後に回っていたのだろう。不意にカイトに肩を捕まれ、藤村は盛大に尻もちをついた。
「お前は忍者か!?いつ移動したんだ、俺がさっき目を擦った一瞬か?にしても、気配なさすぎだろお前!!」
「さ、ユーサクさん。行こっか」
「…なんで、俺の居場所が分かったんだよ?」
「だってその腕のやつ、発信機だもん」
「……あー、そうだったわ」
なんとなくそんな気はしてた。そうでもなければ、遊んだ相手を全員、例外なくボコボコにするなんてできるわけがない。
「このたった三日で五人なんて、ユーサクさんは絶倫なんだね」
「あ?……ま、まぁな」
(あれから後ろで感じるようになったなんて、口が裂けても言えない。)
「ボクね、少し勉強したんだ。ボクは好きな人としかセックスしたくないけど、そうじゃない人もいるって。で、ユーサクさんは誰とでもセックスできるんだよね」
「お、おお…ようやく分かってくれたか、ガキンチョよ」
「でも、気持ちよくなかったらセックスしたくないでしょ」
「そりゃ当たり前だろ。気持ちよくなきゃ、やる意味がないからな」
「だよね。だから、ボク以外で気持ちよくなれないようにしてあげる」
「……はい?」
「じゃ、研究室へレッツゴー!!」
カイトにヒョイと小脇に担がれ、藤村は目を白黒させながら思った。
(俺、体重七十キロ以上あるはずだけどな。……バケモンだろ、こいつ。)
父親に尻の中を触られた記憶を塗りつぶしたくて、テキトーな行きずりの男の部屋を転々とした。
完全な職務怠慢だというのにクビにしない絹川が謎だが、金に困っている身としては、契約を打ち切られなくて正直助かっている。
しかしカイトからの逃避生活三日を経過した辺りから、施設にいる人間誰もが藤村を相手にしなくなった。
相手にしないどころか、目も合わせないし近づくと逃げていく始末。
「こらカイト!また他の職員と被験者ボコボコにしたんだって?喧嘩はダメだと、あれほど言っただろうが!!」
「だって、あのゴミどもが、ボクのユーサクさんに触るんだもん」
…なるほど、避けられた理由がよーく分かった。
カイトと絹川の姿を見かけ、藤村は咄嗟に物陰へと隠れた。
どうやらカイトは藤村を匿った人間の部屋に押し入り、自分と寝た男に至っては例外なくボコボコにして回っているらしい。
「藤村は元々、女なら見境なしのクズ野郎です。そんなに大事ならうまくしつけるか、名前でも書いて囲っときなさい」
「うん、分かった!」
……ん?今なんか、不穏な会話が聞こえなかったか。
しつける?名前を書いて囲う?『うん、分かった』……?
「ユーサクさん、みーつけた!!」
「うおぼぅあふぺっぺ!!?」
自分でも意味不明な言葉が飛び出た。
いつの間に背後に回っていたのだろう。不意にカイトに肩を捕まれ、藤村は盛大に尻もちをついた。
「お前は忍者か!?いつ移動したんだ、俺がさっき目を擦った一瞬か?にしても、気配なさすぎだろお前!!」
「さ、ユーサクさん。行こっか」
「…なんで、俺の居場所が分かったんだよ?」
「だってその腕のやつ、発信機だもん」
「……あー、そうだったわ」
なんとなくそんな気はしてた。そうでもなければ、遊んだ相手を全員、例外なくボコボコにするなんてできるわけがない。
「このたった三日で五人なんて、ユーサクさんは絶倫なんだね」
「あ?……ま、まぁな」
(あれから後ろで感じるようになったなんて、口が裂けても言えない。)
「ボクね、少し勉強したんだ。ボクは好きな人としかセックスしたくないけど、そうじゃない人もいるって。で、ユーサクさんは誰とでもセックスできるんだよね」
「お、おお…ようやく分かってくれたか、ガキンチョよ」
「でも、気持ちよくなかったらセックスしたくないでしょ」
「そりゃ当たり前だろ。気持ちよくなきゃ、やる意味がないからな」
「だよね。だから、ボク以外で気持ちよくなれないようにしてあげる」
「……はい?」
「じゃ、研究室へレッツゴー!!」
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