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2話 ミクさん強すぎますよ

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「ほらー朝だよー!」

一際高い声が聞こえる。

「なんだよ…美華…ミクみたいな声出して」

健人がさらに布団の中に顔を埋める。

「私ならここに居るけど」

と別方向から美華の声が聞こえた。

「!!?」

と健人が飛び起きる。

「うにゃあ!」

傍にいたミクも飛び上がった。

「あぁ…そうか僕はこの世界に…」

健人は頭を抱える。

「とりあえず朝食、準備したわ」

美華が腕を組む。

「私より先に起きててねー!私が起きた時びっくりしたよー」

3人は家の階段を降りていくと、机の上にはパンとコーンスープ、皿には目玉焼きと野菜が置かれていた。

「わぁー美味しそう」

ミクが椅子に座ると、2人も連られて椅子に座った。

「それでは、いただきます!」

3人が一斉に食べ始めると、健人があることを思う。

「んー!美味しい!サクサクするこのパン、そして滑らかなスープのこの喉越し……まるでお母さんの懐かしい味だぁー」
「ミクさん!」

健人が喋っているミクに言う、健人が思ったことを全て言われたのだ。

「ごめんね」

ミクがてへぺろ顔をする。

(かっ、可愛ええ!!)

2人はまた顔を赤くして思った。

(ミク×てへぺろ=て・ん・し!)

3人は食事を終わると、食器を洗い、ミクの前まで歩いていく。

「さてと、今日は剣の練習を兼ねて!モンスター退治に行くよー」

ミクが2人に剣を渡す。

[この剣の耐久値は約2000攻撃力300、スキル無しです]

「コンソール勝手に出るのか?」

[疑問を抱けばすぐ解決!それが私コンソールです]

「はいはい…」

健人は頭を抱えた。一体コンソールは何なのだろうか……と。

「場所はここから走って、30分のところに弱いモンスターが出没するの」

ミクが扉を開ける。

「とりあえず行きましょう!」

2人は剣を腰につけ、そのまま走り出した。

「ほら着いたよー」

しばらく走っていると、ミクが止まった。

「ミクさん!早すぎです!おかげで1つ能力走るだけで増えましたよ!」

美華が叫ぶ。

ミクの走るスピードは、そもそもレベル999なので、圧倒的でかつ2人はレベル0の状態なのだ。
無論追いつけるわけが無い。

「早すぎー!」

2人は必死に追いかける。

[瞬間的限界速力に到達しました。これにより2人のスキル『瞬足』を手に入れました]

とコンソールの声が聞こえた。

「えへへごめんね、つい張り切っちゃった」

ミクがまたてへぺろ顔をする。

(だからてへぺろは反則だー!)

2人はまた顔が赤くなった。

[モンスター反応を検知しましたモンスターを分析します]

コンソールが聞こえる。

「モンスターはレベル1のスライムです。あなた達の力では、約10秒で討伐できるでしょう」

健人が頷く。

「色んなところにスライムがいるね」 

美華が周りを見渡す。

「私もずっと昔ここでレベルを上げたのよ」

ミクがVサインをする。

「さぁ始めるよ!」

ミクが剣を取りだした時、周りから水色のオーラ?が現れた。

「ミクさんその武器って…」

美華が、ミクの持っている武器(?)を見つめる。
健人も初めて見た時に、気がついていたのだが……

「ネギだよー」

ミクがネギを振り回す。

「いや……え?」

健人が頭を抱える。

「ここら辺のスライムは、ネギでも倒せるよ」

ミクがドヤ顔をする。

「えい!やっ!」

ミクがネギを片手にドンドン!とモンスターを切る……いや、もはやネギでスライムを地面に叩きつけていると言うべきか。

「ゲームでネギを使って叩き付ける人、初めて見た」
「あぁ、僕もだ」

美華と健人がもはや、呆然とした顔になった。

「とりあえず!私達もレベル上げしないと」
「あっそうだな」

美華と健人も剣を抜くと、目の前にスライムがいる。

「私が行きます!」

美華が飛び出す。

「やぁ!」

バシュ!と音がなりスライムを切る。

[スライム変形確認、スライムからの攻撃が来ます。自動スキル、【全知全能】発動します。発動しました。よってスライムの動きを全て予測します]

コンソールが話した後、スライムがこの後どうするのか……と言うのが線となり全て美華の目に見える。
美華はその通りに避けて攻撃していく。

「美華すげぇ、まるで未来を見ているようだ…」

健人が呟くと、またコンソールが現れる。

[はい、新木美華の能力は全知全能です。全知全能は、戦闘が始まると自動的に発動する能力であり、過去・未来の全てを視て改変する能力があります]

「そりゃすげぇや!負けれないぞ!」

健人も、目の前のスライムに目をつける。

[戦闘モードに入ります。スキル『森羅万象』を使いますか?]

コンソールが呟く。

「はい!お願いします!」

[スキル【森羅万象】を使用しました]

「はぁ!」

健人は手を前に出す。

[森羅万象スキル【風操作】を獲得しました。これにより、風を自在に操ることが出来ます]

「やぁ!」

と健人の手から、巨大な緑色の斬撃が飛び出した。

[【風切り】を獲得しました]

コンソールが呟くと、斬撃がスライムに攻撃が当たる。

【スライムに1000ダメージを与えました。残り体力は500です】

「ウィンドストーム!」

と健人が両手を広げる。
こんなスキルは無いのだが……作れると期待した。

「スキル、【ウィンドストーム】を獲得しました、並びに【多段ウィンドストーム】【ウルトラウィンドストーム】を獲得しました」

スライムの周りから、巨大な竜巻が巻き起こる。

「多段ウィンドストーム!」

健人が叫ぶと、竜巻が無数に分裂し、周りのスライムをまとめて飲み込んだ。

「ふぅ…」

健人が頭を拭う、目の前にはスライムが居なくなっていた。

「さてと美華は…」

振り向くと、美華がものすごいスピードでスライムを倒していた。

「……負けずに頑張るか!」

健人も負けじと、スライムに斬りかかっていった。

「そろそろ終わるよー」

ミクが走ってくる。
気が付いたらもう夕方だった。

「ふぁぁー楽しかったー」

美華が笑いながら歩いてくる。

「うんうん!2人ともレベルも随分と上がったね!」
「おかげさまで」

健人が頭を下げる。
そうこの一日で、約20ほどレベルが上がったのだ。

「!!みんな避けて!」

美華が叫ぶとミクと健人が横に避ける。
その瞬間、猛スピードで、黒い物体が上空から落ちてきて、爆発した。

「なんだ!?」

健人が叫ぶと、同時にキエェー!と何やら鳴き声が聞こえる。

「上だね!」

3人は上を見る。

「なんじゃあれ」

上には大きな鳥?のようなモンスターが現れる。

[はい、あれはブラックバードです。おそらくレベルは50、攻撃はブラックボール、引っ掻き、飛行です。そして……]

「レベル50!?」

コンソールが言い終わらないうちに、美華と健人が驚く。

「私に任せて!」

ミクがネギを持って歩いていく。

キエェーー!と一際甲高い声を発したと思ったら、ミクに向かって思いっきり突進する。

「あれは引っ掻きか!?」

ブラックバードが爪を出すとそのままミクに振り下ろす。
ガキーン!と音がなり周りには爆風が襲いかかる。

「うわぁー!」

2人も吹き飛ばされる寸前だ。

「ミクはすげぇ…」

健人が目を開け前を見た。

そうミクは、ネギで爪を止めているのだ。

「やぁ!」

ミクはそのまま足で、ブラックバードを蹴り飛ばした。

キエェーー!と雄叫びを上げものすごいスピードで吹き飛んでいく……しばらく飛ぶと、山に衝突しそのまま消えてしまった。

[ブラックバードを倒したことにより援軍が来ました]

コンソールが話すと2人は周りを見る。

「うわぁ…」

周りには、ブラックバードだらけになっている。

「うふふ!私の出番だね!」

ミクが宙に浮く。

「ミクさん飛べるの!?」

2人は叫んだ時周りから、黒い光が現れる、どうやらブラックバードの攻撃だろう。
そのままミクに一直線に飛んでいく……がミクはそれを全てネギで跳ね返している。

「うわぁ…野球じゃあるまいし…」

そう全部跳ね返しているのだ。

打った黒い光で見事、周りのブラックバードも数まで減らしている……

「ラストー!」

ミクが最後の光をネギで跳ね返した。
ブラックバードはキエェーー!と大きな雄叫びを上げ消えてしまった。

「いや、ミクさん強すぎですよ」

健人が頭を抱えた。

「あははやりすぎちゃったね」

ミクが笑っている。

「とりあえず帰りましょ!」

2人は剣をしまうと、3人はまた来た道を帰っていった。
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