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ミュージック・ワールド
1話、お姉ちゃんは何処に?
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英美里は外の椅子に座りながらコーヒーを飲んでいる「英美里!こんな所にいたの!?」奥から羽が生えた天使が飛んでくる「サンダルフォン…ごめんね」「もう!私達のリーダーなのにこんな所で…私達のライブを期待している人だって沢山居るのよ?」サンダルフォンが前の椅子に座る「あなたが居ないと私達も練習出来ないのよ」サンダルフォンがじっと英美里を見つめた。
「私は昔から才能が無くて、妹にもすぐに抜かされるし何をやっても上手くいかないし…どうすればいいのか分からないのよ!」英美里が腕に顔を埋める「亜美もあなたがこういう事を言うのは望んでないと思いますよ」サンダルフォンが呟く「あなたに何がわかるのよ!」英美里が机を叩くと周りの人達が振り向いた。
「すいません…」英美里が謝るとまた話し始める「私は…もうAngel Happy Partyを抜けます」英美里は立つとそのまま歩いていった「ちょっと待ってよ!」サンダルフォンが追いかける「後はサンダルフォン、ヒリエルの2人でバンドお願いね…」英美里とサンダルフォンがカランコロンと音楽店に入った。
「はいいらっしゃい!これはこれは!Angel Happy Partyの英美里さんとサンダルフォンさん!どんな御用でしょうか!?」お店の店主が言うと英美里はマイクを渡す「私は…Angel Happy Partyを抜けます…今までありがとうございました」一礼をするとマイクを渡し歩いていった。
「それと!」英美里が振り返る「この曲をかけてちょうだい」店主に渡すと店主は良いのか?と言うふうに見るも「分かりました!」笑顔で返事をした。
英美里はまた振り返り歩いていった「本当に良いのね?」サンダルフォンが横を歩きながら英美里の方を向く「えぇ…私にはこのバンドのリーダーをやる資格は無いの、あの曲が私達の曲だってことを…教えたいから」サンダルフォンが足を止める「絶対!」サンダルフォンが後ろから叫ぶと英美里は振り向く「絶対!戻ってきてくださいよ!」サンダルフォンが泣きながら言うと英美里はそのまま歩いていった。
「きゃぁぁ」亜美とキリエルが謎の黒い空間を落ちている「なんでこんなことになってるのよー!」キリエルが叫びながら手足をばたつかせていると2人の足が地面につく「ここは…」2人は見回すとそこには夜だが周りはすごく明るい場所に出た。
「ここがミュージック・ワールド?」キリエルが呟くと亜美が歩き始める「ここにお姉ちゃんが…」時々音楽も聞こえてくる「それで亜美ちゃんこれからどうするの?」キリエルが隣を歩く「とりあえず…聞き込みするしかないですね…」亜美が周りを見渡し2人は手がかりを掴むべく歩き始めた。
しばらく歩いていると「泣いても~泣いても~きっと笑顔になるさ~」聞き覚えがある声と歌が聞こえてきた「この曲って…」キリエルが亜美の方を見ると亜美が走り出す「お姉ちゃんの声!」「でもどこから流れてるのか分からないわよ!」キリエルもついでに走る、そう周りには巨大なビルが立ち並んでいるのだ。
「あそこの音楽店よ!」亜美が前に見えているマイク形の看板の音楽店を見つける「とりあえず入りましょうか」キリエルと亜美が扉を開くカランコロン…と中に入る。
「いらっしゃい!おやおや?見ない顔ですね」奥から店主が歩いてくる「ここは音楽店ですか?」亜美が聞くと店主は笑いながら頷く「そりゃもちろんさ!ここには沢山バンドのシングル曲やら何やら取り揃えてるぜ」店主が周りを見る「この音楽は…『奇跡』…」店内に流れている曲だ「姉ちゃん良く分かったね!そうあの人気バンドAngel Happy Partyのデビュー曲だよ」店長が言うと亜美が周りを見渡す「ピアノありますか?」店主が驚いた顔で亜美を見る「ありますよ!こちらです」店主が案内してくれると亜美が座る「軽く弾いてもいいですか?」亜美が店主の顔を見ると笑顔で店主は頷いた。
亜美はゆっくりとピアノに手を添える「あら?お客さん?」キリエルの後ろから誰かが歩いてくる「サンダルフォンさん、はい…この子がピアノを弾きたいという事で」店主が言う「私も見てていいかしら?」隣の椅子に座るとサンダルフォンはキリエルを隣の椅子に誘導する「行きます…」亜美が曲の始まりと同時にピアノを弾く「……!?」3人は目を丸くする「凄い…綺麗…」亜美が流れている曲に合わせピアノを弾く「私も見たことない…こんなにピアノが上手い…いや…優しく弾く人がいるなんて…」亜美は小さく弾んだり強弱をつけたり音楽に合わせてピアノを弾く「ねぇ…これ…何?」キリエルが落ちてくる花を見る「これは…リズムフラワー…周りの人達が1つにならないと出せないのよ…」サンダルフォンが呟いている。
「凄く綺麗…」キリエルが亜美から放出されている花弁を掴もうとするが、手に触れた瞬間消えてしまった「サビ来るよ…」サンダルフォンが言うとさらに花束が大きくなる「まさかこの子って…」サンダルフォンは目を見開かせると亜美が口を開ける「泣いても~泣いても~きっと笑顔になるさ~あなたに会えなくてもきっと会えるさ~」気付いたら周りとサンダルフォンも歌っている「…必ずここへ必ずそこへ…私の傍にずっと!」亜美が大きな声で歌うとジャーン!ピアノを鳴らすとそのまま終わる。
しばらくの静寂があると周りから大歓声と拍手が巻き起こった。
扉が開いていた為溢れんばかりの人が押し寄せていた「最高だよ!」「ねぇねぇ!歌手にならないの!?」など沢山の人が押し付けている「ありがとうございました」亜美が一礼するとキリエルの傍に着く「とりあえず行きましょうか」亜美が言うとサンダルフォンが亜美の腕を掴む「ちょっと良いかな?」サンダルフォンが聞くと2人は軽く頷ぬ「……」観客のうち1人がそそくさとその場を立ち去って行った。
「Angel Happy Party副リーダーで音楽の天使サンダルフォン?」亜美が聞くとサンダルフォンが「はい」と1つ返事をした。
3人はどこかのカフェで座っている「あなたはもしかして…相良亜美さんですか?」亜美が見知らぬ天使に名前を呼ばれ驚く「どうして私の名を!?」サンダルフォンが笑う「あの歌い方…そしてあのリズムフラワー…正しく私達のリーダーそのものです」「私達のリーダー?」亜美が首を曲げる「はい!このバンドのリーダーは相良英美里さんです」「え!?」亜美が机を叩き立ち上がった。
「亜美ちゃんの姉さんがリーダー!?」キリエルも驚いている「はい、英美里さんから聞きました。私には妹がいると」サンダルフォンが話し始める「ですが…英美里さんは今日にて…私達のバンドの引退宣言をしました…」亜美とキリエルがまた驚く「ですが!1つ!方法があります!」サンダルフォンが身を乗り出すと2人の耳元で囁いた。
「良いのですか!?」亜美が言うとサンダルフォンはそのまま笑った。
「この人だかりは一体…?」英美里があの音楽店の前に来る、微かにピアノが聞こえくる「誰か引いてるのね…」英美里が通り過ぎようとしたその時、英美里の目の前に引いている人物が映る「えっ!?」英美里が軽く目を見開いた。
「あの娘上手いなぁー!」「このリズムフラワーなんか見に覚えがない?」など周りから聞こえる「亜美…ちゃん…どうしてここに…」英美里が驚くと歌声が聞こえてきた「本当に…あなたに敵わないわ…」英美里が呟くと亜美の演奏が終わり歩いていく…英美里の瞳からは1粒の涙が落ちていった。
「サンダルフォン様!と…?」大きなビルの入り口に立っている男の人が、2人をみながら驚いている「今は練習していますか?」サンダルフォンが聞くと男の人は頷く「はっ!一応1人はもう待機しています!」男の人は扉のところまで案内してくれる「お待たせー!」サンダルフォンが入っていく「広いー」扉の奥は広い部屋になっていて奥にはバンド1式揃っていた。
「サンダルフォンおかえりーあら?その人達は?」奥にギターを持っている人がいた「英美里さんの妹さんです」サンダルフォンが言うと1人はギターを置き亜美の方に歩いて行く「へぇー!あの!」1人は亜美の顔を覗き込む「ちょっと!ヒリエル!」サンダルフォンが止める「ごめんなさい、私バンドのベースを担当しているヒリエルです。気軽に話してくださいね」ヒリエルが頭を下げる「そう言えばあの『奇跡』って曲…」亜美が2人に聞くと「えぇ…私たちのデビュー曲よ1回歌ったきり歌ってないけどね…」サンダルフォンが話す。
「ここでは大会があると聞きました」亜美が言うとヒリエルが笑う「ワールド音楽祭ね、あんな大会目標にしたところで無理なのよね」ヒリエルが言うと亜美が歩き出す「行きます!そして優勝します!」亜美が断言する「あなた本気!?あの大会にはこのミュージック・ワールド全てから強力なバンド達が来るのよ?」ヒリエルが驚いた顔で見ている。
「でも不可能では無いのよね?」亜美が笑っている「1ヶ月後開催のワールド祭予選を1位2位突破して、さらに3ヶ月後の準決勝を1位、2位突破したら進めるわ」サンダルフォンが言うと亜美が軽く頷いた。
「英美里さんがリーダーを脱退したのはある事件があるの…」サンダルフォンが呟く「え?」亜美が振り向くとサンダルフォンはテレビをつける「これはデビュー曲を出した1ヶ月後の予選よ…私達は出てないけどどんなバンドが出てるのか見ていたの」サンダルフォンが3組目まで早送りする「これは、本格的バンドのデス・ロックよ…」サンダルフォンとヒリエルが俯きながらスタートボタンを押す「さぁ!!始まりました!スペースワールド祭予選!第3組目は!また予選を1位で上がるのか!?デス・ロックだー!」と下から飛び上がる「うぇぇぇい!皆ー!1曲目はァー!俺たちの新曲で行くぜー!」画面の奥で叫んでいると音楽が始まる「あれ?この曲って…」亜美が驚いた。
「そう…『奇跡』よ」ヒリエルが手を握る「え?どういう事ですか?」亜美が言うとサンダルフォンは「奪われたのよ私達の曲…いえ…英美里さんの曲をね…」亜美が驚く「信じられない!」キリエルも叫んでいる「こんな奴らがスペースワールド祭に出ているのがおかしいのよ」ヒリエルの顔付きも変わってくる「そう言えば…あの時も…」亜美が部屋で英美里が泣いている姿を見た時を思い出す、そうちょうど失踪する1ヶ月前だった…。
「お姉ちゃんどうしたの?」亜美が聞くと英美里は顔を上げて「奪われちゃった…私の全てを…」と言っただけだったが…。
「なるほど全てが分かった…」亜美が手を握る「お姉ちゃん…なんでそれを言わなかったの…」亜美から涙が零れ落ちる「この事を話してしまうとあなたに迷惑がかかるから」キリエルが後ろで亜美の方を見る「だったら余計に出るしかないわね」亜美が顔を上げた「1ヶ月でしたよね?」亜美が聞くとサンダルフォンは首を振る「1ヶ月では無理です…なので半年後にもう1回今度は冬予選があるので、その時に応募しましょ」サンダルフォンがチラシを持ってきた。
「ちょっと?サンダルフォンさん!?本当に出るんですか!?」ヒリエルが驚く「このまま英美里の曲を奪われたままで続けてられない!あの人達の素性を暴くわ!」サンダルフォンが真剣な顔で話した。
「いつか…私達の元にも英美里さん…リーダーが再び戻って来るように…」4人が手を合わせる「えい!えい!おー!」手を挙げた。
「ところでキリエルさんは音楽は…」亜美が聞くとキリエルはもちろんと言った顔で「未経験よ!」3人は呆れるも笑っていた。
「ここが『ド』よ。そしてこれが『レ』」サンダルフォンがキリエルにギターを教えている「へぇーこうね…」弾くも変な音が鳴る「ちゃんと右手でこうやって押さないとダメ」サンダルフォンがジェスチャーしてくれる「頑張ってますね」ヒリエルが練習の休憩に入ったのか2人に歩いてくる「1から教えるのは久しぶりだわ」サンダルフォンとキリエルは笑っている。
「亜美ちゃんは?」キリエルが聞くとヒリエルは「あそこで歌う新しい曲作ってるわ」と奥を見た。
そこには沢山の荷物が置いてあり真ん中に亜美が本とペンを持ちながら座っている「『奇跡』が歌えないことによって私達は新しい曲で有名になるしか無いもんね…」キリエルが下を向く「安心して!私に考えがあるの」亜美が3人の方を振り向く「私達がデス・ロック達と同じくらい有名になれば良いのよね?」亜美がコンコンとペンを鳴らしている。
「小さいけど2ヶ月後にこのミューホールって言う場所でフェスがあるみたいだよ」亜美が何やらパンフレットを持ってきた。
「へぇー」3人はパンフレットを見る「ここで演奏して有名になるってわけね?そんな簡単に行くかしら…」サンダルフォンが呟く「分からない…でもこのフェスにはデス・ロックは参加しないらしいです」亜美が携帯を持ってきた「聞いたの?」キリエルが言うと亜美は笑って「もちろん!あっそれと出演決定したよ!」亜美は手をVの字にした。
しばらくの沈黙の後「えええー!?」3人は驚いた「あと2ヶ月でしょ!?」キリエルが亜美に詰め寄る「キリエルの成長を見てたら2ヶ月で行ける気がしてきたの」亜美がパンフレットをカバンの中に入れると紙を持ってきた「とりあえず曲の半分完成したわ」床に置くと周りが覗き込んだ。
「灼熱世界?」サンダルフォンが首を横に曲げる「えぇ…『奇跡』のようなバラード系ではなく別のジャンルで勝負をかける、ただこの曲はこのメンバー全員が息を合わせないと出来ない曲よ」亜美が顔を上げる「どういう事ですか?」ヒリエルが聞くと亜美がピアノの方へ歩いていく「とりあえずこんな感じよ」ピアノを弾き始める「なっ!?」3人が驚く、そうスピードがかなり速いのだ「サビになると私でも歌えるか分からないくらいのスピードになるわ、そのスピードについて来れるようにして欲しいの。この曲のイメージは灼熱のように駆け抜けていく、そして時折穏やかに…」亜美がピアノを引き終わる「なるほど早く遅くの緩急が激しい曲なのね…」いわゆるバラードとスピードが速い曲が混じったような曲だ「この曲は上手く行けば物凄くかっこいい…でも1人間違えると全てが台無しになってしまう曲だから、キリエルさんには少し辛いかも知れません…」亜美が頭を下げる。
「良いわ!やります!」キリエルがギターを持つ「私達も間違える訳には行かないわね…」サンダルフォンがヒリエルの顔を見る「私もこんなスピードの曲は初めて弾くわ」ヒリエルがベースを持って来る「とりあえずイントロだけでも1週間で揃えられるようにしましょう!イントロもかなり速いですよ」亜美が言うと3人は頷いた。
ミューホールフェスまで残り2ヶ月と15日。
「私は昔から才能が無くて、妹にもすぐに抜かされるし何をやっても上手くいかないし…どうすればいいのか分からないのよ!」英美里が腕に顔を埋める「亜美もあなたがこういう事を言うのは望んでないと思いますよ」サンダルフォンが呟く「あなたに何がわかるのよ!」英美里が机を叩くと周りの人達が振り向いた。
「すいません…」英美里が謝るとまた話し始める「私は…もうAngel Happy Partyを抜けます」英美里は立つとそのまま歩いていった「ちょっと待ってよ!」サンダルフォンが追いかける「後はサンダルフォン、ヒリエルの2人でバンドお願いね…」英美里とサンダルフォンがカランコロンと音楽店に入った。
「はいいらっしゃい!これはこれは!Angel Happy Partyの英美里さんとサンダルフォンさん!どんな御用でしょうか!?」お店の店主が言うと英美里はマイクを渡す「私は…Angel Happy Partyを抜けます…今までありがとうございました」一礼をするとマイクを渡し歩いていった。
「それと!」英美里が振り返る「この曲をかけてちょうだい」店主に渡すと店主は良いのか?と言うふうに見るも「分かりました!」笑顔で返事をした。
英美里はまた振り返り歩いていった「本当に良いのね?」サンダルフォンが横を歩きながら英美里の方を向く「えぇ…私にはこのバンドのリーダーをやる資格は無いの、あの曲が私達の曲だってことを…教えたいから」サンダルフォンが足を止める「絶対!」サンダルフォンが後ろから叫ぶと英美里は振り向く「絶対!戻ってきてくださいよ!」サンダルフォンが泣きながら言うと英美里はそのまま歩いていった。
「きゃぁぁ」亜美とキリエルが謎の黒い空間を落ちている「なんでこんなことになってるのよー!」キリエルが叫びながら手足をばたつかせていると2人の足が地面につく「ここは…」2人は見回すとそこには夜だが周りはすごく明るい場所に出た。
「ここがミュージック・ワールド?」キリエルが呟くと亜美が歩き始める「ここにお姉ちゃんが…」時々音楽も聞こえてくる「それで亜美ちゃんこれからどうするの?」キリエルが隣を歩く「とりあえず…聞き込みするしかないですね…」亜美が周りを見渡し2人は手がかりを掴むべく歩き始めた。
しばらく歩いていると「泣いても~泣いても~きっと笑顔になるさ~」聞き覚えがある声と歌が聞こえてきた「この曲って…」キリエルが亜美の方を見ると亜美が走り出す「お姉ちゃんの声!」「でもどこから流れてるのか分からないわよ!」キリエルもついでに走る、そう周りには巨大なビルが立ち並んでいるのだ。
「あそこの音楽店よ!」亜美が前に見えているマイク形の看板の音楽店を見つける「とりあえず入りましょうか」キリエルと亜美が扉を開くカランコロン…と中に入る。
「いらっしゃい!おやおや?見ない顔ですね」奥から店主が歩いてくる「ここは音楽店ですか?」亜美が聞くと店主は笑いながら頷く「そりゃもちろんさ!ここには沢山バンドのシングル曲やら何やら取り揃えてるぜ」店主が周りを見る「この音楽は…『奇跡』…」店内に流れている曲だ「姉ちゃん良く分かったね!そうあの人気バンドAngel Happy Partyのデビュー曲だよ」店長が言うと亜美が周りを見渡す「ピアノありますか?」店主が驚いた顔で亜美を見る「ありますよ!こちらです」店主が案内してくれると亜美が座る「軽く弾いてもいいですか?」亜美が店主の顔を見ると笑顔で店主は頷いた。
亜美はゆっくりとピアノに手を添える「あら?お客さん?」キリエルの後ろから誰かが歩いてくる「サンダルフォンさん、はい…この子がピアノを弾きたいという事で」店主が言う「私も見てていいかしら?」隣の椅子に座るとサンダルフォンはキリエルを隣の椅子に誘導する「行きます…」亜美が曲の始まりと同時にピアノを弾く「……!?」3人は目を丸くする「凄い…綺麗…」亜美が流れている曲に合わせピアノを弾く「私も見たことない…こんなにピアノが上手い…いや…優しく弾く人がいるなんて…」亜美は小さく弾んだり強弱をつけたり音楽に合わせてピアノを弾く「ねぇ…これ…何?」キリエルが落ちてくる花を見る「これは…リズムフラワー…周りの人達が1つにならないと出せないのよ…」サンダルフォンが呟いている。
「凄く綺麗…」キリエルが亜美から放出されている花弁を掴もうとするが、手に触れた瞬間消えてしまった「サビ来るよ…」サンダルフォンが言うとさらに花束が大きくなる「まさかこの子って…」サンダルフォンは目を見開かせると亜美が口を開ける「泣いても~泣いても~きっと笑顔になるさ~あなたに会えなくてもきっと会えるさ~」気付いたら周りとサンダルフォンも歌っている「…必ずここへ必ずそこへ…私の傍にずっと!」亜美が大きな声で歌うとジャーン!ピアノを鳴らすとそのまま終わる。
しばらくの静寂があると周りから大歓声と拍手が巻き起こった。
扉が開いていた為溢れんばかりの人が押し寄せていた「最高だよ!」「ねぇねぇ!歌手にならないの!?」など沢山の人が押し付けている「ありがとうございました」亜美が一礼するとキリエルの傍に着く「とりあえず行きましょうか」亜美が言うとサンダルフォンが亜美の腕を掴む「ちょっと良いかな?」サンダルフォンが聞くと2人は軽く頷ぬ「……」観客のうち1人がそそくさとその場を立ち去って行った。
「Angel Happy Party副リーダーで音楽の天使サンダルフォン?」亜美が聞くとサンダルフォンが「はい」と1つ返事をした。
3人はどこかのカフェで座っている「あなたはもしかして…相良亜美さんですか?」亜美が見知らぬ天使に名前を呼ばれ驚く「どうして私の名を!?」サンダルフォンが笑う「あの歌い方…そしてあのリズムフラワー…正しく私達のリーダーそのものです」「私達のリーダー?」亜美が首を曲げる「はい!このバンドのリーダーは相良英美里さんです」「え!?」亜美が机を叩き立ち上がった。
「亜美ちゃんの姉さんがリーダー!?」キリエルも驚いている「はい、英美里さんから聞きました。私には妹がいると」サンダルフォンが話し始める「ですが…英美里さんは今日にて…私達のバンドの引退宣言をしました…」亜美とキリエルがまた驚く「ですが!1つ!方法があります!」サンダルフォンが身を乗り出すと2人の耳元で囁いた。
「良いのですか!?」亜美が言うとサンダルフォンはそのまま笑った。
「この人だかりは一体…?」英美里があの音楽店の前に来る、微かにピアノが聞こえくる「誰か引いてるのね…」英美里が通り過ぎようとしたその時、英美里の目の前に引いている人物が映る「えっ!?」英美里が軽く目を見開いた。
「あの娘上手いなぁー!」「このリズムフラワーなんか見に覚えがない?」など周りから聞こえる「亜美…ちゃん…どうしてここに…」英美里が驚くと歌声が聞こえてきた「本当に…あなたに敵わないわ…」英美里が呟くと亜美の演奏が終わり歩いていく…英美里の瞳からは1粒の涙が落ちていった。
「サンダルフォン様!と…?」大きなビルの入り口に立っている男の人が、2人をみながら驚いている「今は練習していますか?」サンダルフォンが聞くと男の人は頷く「はっ!一応1人はもう待機しています!」男の人は扉のところまで案内してくれる「お待たせー!」サンダルフォンが入っていく「広いー」扉の奥は広い部屋になっていて奥にはバンド1式揃っていた。
「サンダルフォンおかえりーあら?その人達は?」奥にギターを持っている人がいた「英美里さんの妹さんです」サンダルフォンが言うと1人はギターを置き亜美の方に歩いて行く「へぇー!あの!」1人は亜美の顔を覗き込む「ちょっと!ヒリエル!」サンダルフォンが止める「ごめんなさい、私バンドのベースを担当しているヒリエルです。気軽に話してくださいね」ヒリエルが頭を下げる「そう言えばあの『奇跡』って曲…」亜美が2人に聞くと「えぇ…私たちのデビュー曲よ1回歌ったきり歌ってないけどね…」サンダルフォンが話す。
「ここでは大会があると聞きました」亜美が言うとヒリエルが笑う「ワールド音楽祭ね、あんな大会目標にしたところで無理なのよね」ヒリエルが言うと亜美が歩き出す「行きます!そして優勝します!」亜美が断言する「あなた本気!?あの大会にはこのミュージック・ワールド全てから強力なバンド達が来るのよ?」ヒリエルが驚いた顔で見ている。
「でも不可能では無いのよね?」亜美が笑っている「1ヶ月後開催のワールド祭予選を1位2位突破して、さらに3ヶ月後の準決勝を1位、2位突破したら進めるわ」サンダルフォンが言うと亜美が軽く頷いた。
「英美里さんがリーダーを脱退したのはある事件があるの…」サンダルフォンが呟く「え?」亜美が振り向くとサンダルフォンはテレビをつける「これはデビュー曲を出した1ヶ月後の予選よ…私達は出てないけどどんなバンドが出てるのか見ていたの」サンダルフォンが3組目まで早送りする「これは、本格的バンドのデス・ロックよ…」サンダルフォンとヒリエルが俯きながらスタートボタンを押す「さぁ!!始まりました!スペースワールド祭予選!第3組目は!また予選を1位で上がるのか!?デス・ロックだー!」と下から飛び上がる「うぇぇぇい!皆ー!1曲目はァー!俺たちの新曲で行くぜー!」画面の奥で叫んでいると音楽が始まる「あれ?この曲って…」亜美が驚いた。
「そう…『奇跡』よ」ヒリエルが手を握る「え?どういう事ですか?」亜美が言うとサンダルフォンは「奪われたのよ私達の曲…いえ…英美里さんの曲をね…」亜美が驚く「信じられない!」キリエルも叫んでいる「こんな奴らがスペースワールド祭に出ているのがおかしいのよ」ヒリエルの顔付きも変わってくる「そう言えば…あの時も…」亜美が部屋で英美里が泣いている姿を見た時を思い出す、そうちょうど失踪する1ヶ月前だった…。
「お姉ちゃんどうしたの?」亜美が聞くと英美里は顔を上げて「奪われちゃった…私の全てを…」と言っただけだったが…。
「なるほど全てが分かった…」亜美が手を握る「お姉ちゃん…なんでそれを言わなかったの…」亜美から涙が零れ落ちる「この事を話してしまうとあなたに迷惑がかかるから」キリエルが後ろで亜美の方を見る「だったら余計に出るしかないわね」亜美が顔を上げた「1ヶ月でしたよね?」亜美が聞くとサンダルフォンは首を振る「1ヶ月では無理です…なので半年後にもう1回今度は冬予選があるので、その時に応募しましょ」サンダルフォンがチラシを持ってきた。
「ちょっと?サンダルフォンさん!?本当に出るんですか!?」ヒリエルが驚く「このまま英美里の曲を奪われたままで続けてられない!あの人達の素性を暴くわ!」サンダルフォンが真剣な顔で話した。
「いつか…私達の元にも英美里さん…リーダーが再び戻って来るように…」4人が手を合わせる「えい!えい!おー!」手を挙げた。
「ところでキリエルさんは音楽は…」亜美が聞くとキリエルはもちろんと言った顔で「未経験よ!」3人は呆れるも笑っていた。
「ここが『ド』よ。そしてこれが『レ』」サンダルフォンがキリエルにギターを教えている「へぇーこうね…」弾くも変な音が鳴る「ちゃんと右手でこうやって押さないとダメ」サンダルフォンがジェスチャーしてくれる「頑張ってますね」ヒリエルが練習の休憩に入ったのか2人に歩いてくる「1から教えるのは久しぶりだわ」サンダルフォンとキリエルは笑っている。
「亜美ちゃんは?」キリエルが聞くとヒリエルは「あそこで歌う新しい曲作ってるわ」と奥を見た。
そこには沢山の荷物が置いてあり真ん中に亜美が本とペンを持ちながら座っている「『奇跡』が歌えないことによって私達は新しい曲で有名になるしか無いもんね…」キリエルが下を向く「安心して!私に考えがあるの」亜美が3人の方を振り向く「私達がデス・ロック達と同じくらい有名になれば良いのよね?」亜美がコンコンとペンを鳴らしている。
「小さいけど2ヶ月後にこのミューホールって言う場所でフェスがあるみたいだよ」亜美が何やらパンフレットを持ってきた。
「へぇー」3人はパンフレットを見る「ここで演奏して有名になるってわけね?そんな簡単に行くかしら…」サンダルフォンが呟く「分からない…でもこのフェスにはデス・ロックは参加しないらしいです」亜美が携帯を持ってきた「聞いたの?」キリエルが言うと亜美は笑って「もちろん!あっそれと出演決定したよ!」亜美は手をVの字にした。
しばらくの沈黙の後「えええー!?」3人は驚いた「あと2ヶ月でしょ!?」キリエルが亜美に詰め寄る「キリエルの成長を見てたら2ヶ月で行ける気がしてきたの」亜美がパンフレットをカバンの中に入れると紙を持ってきた「とりあえず曲の半分完成したわ」床に置くと周りが覗き込んだ。
「灼熱世界?」サンダルフォンが首を横に曲げる「えぇ…『奇跡』のようなバラード系ではなく別のジャンルで勝負をかける、ただこの曲はこのメンバー全員が息を合わせないと出来ない曲よ」亜美が顔を上げる「どういう事ですか?」ヒリエルが聞くと亜美がピアノの方へ歩いていく「とりあえずこんな感じよ」ピアノを弾き始める「なっ!?」3人が驚く、そうスピードがかなり速いのだ「サビになると私でも歌えるか分からないくらいのスピードになるわ、そのスピードについて来れるようにして欲しいの。この曲のイメージは灼熱のように駆け抜けていく、そして時折穏やかに…」亜美がピアノを引き終わる「なるほど早く遅くの緩急が激しい曲なのね…」いわゆるバラードとスピードが速い曲が混じったような曲だ「この曲は上手く行けば物凄くかっこいい…でも1人間違えると全てが台無しになってしまう曲だから、キリエルさんには少し辛いかも知れません…」亜美が頭を下げる。
「良いわ!やります!」キリエルがギターを持つ「私達も間違える訳には行かないわね…」サンダルフォンがヒリエルの顔を見る「私もこんなスピードの曲は初めて弾くわ」ヒリエルがベースを持って来る「とりあえずイントロだけでも1週間で揃えられるようにしましょう!イントロもかなり速いですよ」亜美が言うと3人は頷いた。
ミューホールフェスまで残り2ヶ月と15日。
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彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
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