29 / 43
ミュージック・ワールド
2話、ミューホール・フェスティバル
しおりを挟む
「ミューホール・フェスティバルねぇ…」英美里がパンフレットを持ちながら歩いている「出演者は…」と出演者を見る「良かった…アイツらは居ないのね…」さらに下に読み進めると一番下に聞き覚えがあるバンド名が…『第148組目、Angel Happy Party』「え!?」英美里が走り出した。
「すいません!2ヶ月後のミューホールフェスティバルの本ありますか!?」急に飛び込んで来た為に店主は驚いた顔をする「おぉ…英美里かびっくりした…あるけど」店主が本を持ってくる「どれどれ…」英美里がページをめくる「Angel Happy Party曲名は…灼熱世界?」英美里にはもちろん聞き覚えがない曲だった。
「違う!ここはこうよ!」サンダルフォンがキリエルのギターを教えている「相変わらず怖いですよサンダルフォン」ヒリエルがベースの練習をしている。
「それでスペースワールド祭でデス・ロック達の本性をさらけ出すにはどうすれば良いのよ」キリエルが亜美に聞くと亜美はにやけながら答える「これよ!」亜美が何枚もの紙を広げると床を軽く叩いた。
「これは…」サンダルフォンとヒリエルが目を丸くする「えぇ…『奇跡』フルバージョンよ」亜美が見上げると3人は紙を手に取り回していく「…それにしても…難しい曲ね…」「そりゃそうですよこの『奇跡』って曲はお姉ちゃんが人生を費やして書いたもの…お姉ちゃんは自分で書いたのに難しすぎて短縮させたんだけどね、たまたま引き出しの中から見つけたのよ」
そう、姉がいなくなった1週間後に部屋を掃除しに行った時、机の引き出しの中に束になった紙が出てきたのだ「これは…」亜美はそのままずっとその紙は持っていたのだ「『奇跡』フルバージョンの時間はおよそ8分、しかもテンポも途中で速さが変わるから、灼熱世界よりも数倍は難しいと思ってくれたらいいわ」亜美が呟く「私たちが演奏したのはおよそ1分半…」サンダルフォンが言うとヒリエルは驚いた。
「じゃあと7分くらい長いのね、あとここのゆっくりになる所には何が入るの?」キリエルが歌詞が書いていない1枚を見つけた「ここには私達の自由な台詞を入れるのよ」「なるほど話し言葉ね…」サンダルフォンが頷く「歌に台詞なんて初めて聞いたわよ」ヒリエルが首を傾げた。
「ふふっ…それが面白いんじゃない」サンダルフォンが笑っている「スペースワールド祭の時間は何分?」亜美がキリエルに聞く「えっと…確か20分はあるって書いてあったわ」亜美が大きく頷く「アンコールはこの曲で行くわ!」床を叩く「『灼熱世界』で約3分『奇跡』で約8分…」キリエルがつぶやくと「えぇ…私たちは2曲で勝負します」亜美が見上げる「亜美の声は持つの?」キリエルが恐る恐る聞くと亜美が首を傾げる。
「分かりません…しかし…やるしかないです」「そうね…今の私達のリーダーは亜美だもん」サンダルフォンが亜美の肩を持つ「絶対成功させましょう!」ヒリエルが言うと4人は「おー!」と叫んだ。
「だいぶ出来てきたじゃない!キリエル!」サンダルフォンが褒めている「そりゃ私かなり自習しましたから」キリエルがギターを引きながら答える「『灼熱世界』の特徴はイントロとBメロがかなり早くてAメロは遅いリズムになっているの」サンダルフォンが紙を見せながら説明を始める。
「全バンドの中ではかなり早い部類の曲になるんじゃないかしら」ヒリエルが言う「亜美ちゃん、ちょっと歌ってみてくれる?私達もドラムとベースするから」サンダルフォンがドラムセットに行く「分かりました!」亜美が立つとマイクを持つ「せーの!いちにっさんはい!」曲のイントロが始まるとしばらくしてリズムが遅くなる「亜美ちゃん!」サンダルフォンが叫ぶと亜美が口を開ける「このそらは…確実に、私を呼んでいるのだろう、灼熱に燃えているこの光は、確実に、私を呼んでいるのだろうか?」ここで一気にペースが上がった。
「私は1人でもその周りには皆が繋がっている『ありがとう、さようなら』なんて言葉は聞きたくないからさ、ずっと私たちの傍で、一緒にいて欲しいそう思っていた。必ず信じてると、さぁ!灼熱のそらへと飛べー!」ここでさらにリズムが加速する「亜美!サビだよ!行ける!?」ヒリエルが言うと亜美が手を伸ばして止める「はぁ…はあ…」亜美が膝をついた。
「あのスピードで歌って噛まないのがすごいわ…」サンダルフォンが水を持ってくる「それにしても、リズムが変わるのはなかなか辛いわね…」ヒリエルも水を飲んでいる「まだマシですよ…『奇跡』のフルはこのスピードでの掛け合いがあるので」亜美が話す「掛け合い?」サンダルフォンが言うと亜美が歌詞カードを持ってくる「ここよ」3人が見る「私を置いていかないで」「だけどあなたはどこに行ってしまうの」「必ずここに戻ってきて」「必ずまた会おう」「そんな奇跡を信じていた」「ずっと思っている君のことを」「願えば届くから」亜美が息を切らして読んだ。
「このフレーズを掛け合いをスピード的に約5秒で言わないといけないのよね」亜美が呟く「6人分あるのね…」ヒリエルが言うと亜美が首を横に振る「『願えば届く!』この部分は全員だから5人分だね…」「しかもここからまた更にリズムがかなり遅くなるのね」サンダルフォンがその後を見る「この『奇跡』自体、全短調だから余計に難しいのよね…」ヒリエルが言うと亜美が紙を片付ける「とりあえず私が作った『灼熱世界』が良い練習になると思います。この曲も全短調なので」亜美が言うとまた3人はドラムの周りに立ち、練習を再開した。
ミューホールフェスまで残り2ヶ月を切っていた。
「今日がいよいよミューホールフェス本番ね…」英美里が歩きながらタクシーに乗る「すいません!ミューホールまでお願いします!」英美里が言うとタクシーの人が笑った。
「英美里さんチケット当たったんですね」運転手が英美里の方をバックミラーでチラ見する「ええ!?あの時の運転手さん!?まぁ…そうです、はい…もらいました」英美里は驚いた。
そうその運転手は前のライブの時に連れて行ってくれた人なのだ「お久しぶりです、英美里さんの引退宣言はニュースになっていますよ」運転手が話し始める「そうですか…」「まぁ…曲を奪われたのなら仕方あるまいな…」「えっ!?」英美里が運転手の方を向いた。
「ちゃんと私はあなたを乗せた後ライブ見ましたからね、あなたの声とても良く響いてましたよ『これが最後のサプライズです!』って言った後の『奇跡』は素晴らしかった」運転手が赤信号で止まる「どれ…」運転手がカセットを入れる「この曲は…」英美里が驚く「はいあなた達本家の『奇跡』ですよ」英美里の目から涙が出る「曲を奪われたのなら奪い返したら良いのですよ。あなたの曲だということは、少なくともあのライブにいた人は全員知っています。忘れもしませんよ」運転手がまた走り出した。
「運転手さん」英美里が話しかける「どうしたんだ?」運転手がバックミラーで英美里の様子を見る「今日ミューホールフェスにAngel Happy Partyが出るんです」運転手は驚いた「それは本当かね!?うわぁ!チケット買っとけばよかった!」運転手がハンドルを叩く「大丈夫ですよ、はい!」英美里がチケットを渡す「いや…ですがこれはあなたの!」赤信号で止まると運転手が振り向く「実は…間違えて2枚貰っちゃったんです」英美里が舌を出した。
「本当に良いのですか!?」運転手が目を輝かせる「はい!一緒に見ましょう?」英美里が運転手の手にチケットを乗せる「私の妹が…Angel Happy Partyのボーカルになっているんです」英美里が言うと運転手がタクシーを発進させながらまたミラーを見る「英美里さんはもう戻らないのかね?」英美里は下を向く。
「そう言えば、サンダルフォンさんから、たまたまあなたにこの手紙もらってね」運転手が英美里に手紙を渡す「サンダルフォンから?」英美里が受け取ると手紙を開く「これは…」中にはボイスレコーダーが入っていた「ここで聞いてみるといい、まだあとここから1時間ほどかかりますから」運転手が言うと英美里がボイスレコーダーをオンにする。
「……亜美ちゃんはどうしてお姉さんを探しているの?」サンダルフォンの声が聞こえた「私は…姉と一緒にいたいってずっと思ってたの…急にいなくなるし…もちろん歌も私のお姉ちゃんのおかげで好きになることが出来た。私にとってお姉ちゃんは大切な家族だから…」どうやら外でで歩きながら話しているようだ「…そして私はお姉ちゃんとここで有名なバンドを作りたいの」亜美の声が聞こえる英美里は、徐々に視界が失っていく。
「私は決して物覚えが早いわけでも無いし…お姉ちゃんがいたから負けないように努力したの…いつか一緒に歌って踊れるように」「それが全て?」サンダルフォンが聞く「もう…サンダルフォン…それ以上聞かなくても…」英美里が小さく呟くと「んじゃあ最後に私はお姉ちゃんが大好き!」亜美の声が大きく聞こえた。
英美里はもう涙を抑えることができなくなっていた「聞いてたー?英美里!」サンダルフォンの声が聞こえる「えっちょっ!?サンダルフォンさん!何録画しているのですか!?」亜美の慌てている声が聞こえた「何よ、あなたの思いを伝えるのに、これしかないでしょ!」ここで音声は途切れた。
「英美里は良い妹を持ったもんだ…」運転手も半泣きしている「英美里…俺からもお願いがある」運転手がバックミラーを見る「Angel Happy Partyに戻ってくれないか?」英美里はずっとティッシュを持ちながらずっと泣き続けている。
そう…私はもう音楽ができない…そう思っていたから「…帰りあそこによってくれませんか?」前のライブの時もこの運転手さんと一緒にそこで色々見て回ったのだ「もちろんです。そろそろ着きますよ」目の前にはミューホールが見えてきた。
「もうすぐ着きます」運転手が中に入っていく「いやぁ久しぶりですねぇ」2人はタクシーを降りると、そのまま中に入っていった。
「亜美ちゃん!カワイイ!」キリエルが楽屋で着替え終わった亜美を見る「えへへ…でも誰がこんな服を……」「私が用意したのよ」外から楽屋に入ってくる女の人がいた「あなたは?」亜美が首を傾げる「お姉ちゃん!久しぶりー!!」サンダルフォンが手を挙げる「プロデューサーさん!」ヒリエルも頭を下げる「Angel Happy Partyが再活動と聞いて…お願いしてもらったのよ。あなた達2人は初めまして私は、Angel Happy Partyのプロデューサーのメタトロンよ、サンダルフォンとは姉妹なの、その衣装は灼熱をイメージして作ってもらったのよ」メタトロンが親指を立てる「そうだったのですか」亜美が服を見る。
服の色はオレンジと白…いかにも灼熱のような色…そして服の裾は切れていて花のドレスのような服になっていた「亜美と言ったわね」メタトロンが詰め寄ってくる「今、英美里がいないこのAngel Happy Partyはあなたがリーダーなのこの舞台でAngel Happy Partyの知名度を上げるのよ!そうすればデス・ロック達と戦える力になる、頑張って!」メタトロンが亜美の背中を押した。
「はい!」亜美が大きく返事をする「皆も!頑張るのよ!」「はい!」「Angel Happy Partyのみなさーん!そろそろ舞台裏まで来てください!」奥から走ってくる「亜美ちゃん緊張してるの?」キリエルが背中に手を添える「はい…私、人前に立つのが初めてで…」「大丈夫よ説明は私が言うわ」サンダルフォンがマイクを持つと4人は歩き出した。
舞台裏に着くと舞台にはダンスを踊っている10人組がいた「凄い……」「あれは…今回の優勝候補…パラレルダンスチームね…」メタトロンが呟く「ただし!あなたたちの実力や知名度はかなり上よ、あなた達はいつもの練習の成果を出せばいいの!」メタトロンがまた親指をあげるとパラレルダンスチームは一礼をし、奥の所に消えていった。
「さぁ!急いで準備するよ!」幕が下がると4人は急いで舞台中央に設置をする「さぁー!次はあの!女の子バンド達が帰ってきた!その名もAngel Happy Partyの皆さんだぁぁ!」司会者が言うと幕が上がっていく「あれ?Angel Happy Partyは解散したんじゃなかったのか!?」「しかも2人知らない人がいるわ!」観客から声が盛れると「皆さーん!私たちAngel Happy Partyです!」サンダルフォンが手を振るながら言う「私はドラム担当のサンダルフォンです、今回は、新しい2人と共に4人で活動することになりました!まずは新人2人を紹介します!ボーカル担当、相良亜美とギター担当のキリエルさんでーす!」サンダルフォンの言葉にヒリエルが拍手をすると二人はお辞儀をする。
「おいおい!本当にその2人で大丈夫なのか!?」「私はリーダーが見たいのよ!」観客からは沢山の声が聞こえてくる「サンダルフォンさん…」亜美が下がると後ろに手が添えられる「大丈夫!演奏で見せつけてあげましょう」サンダルフォンがまたマイクを持つ「新しくなったAngel Happy Partyを聞かせてあげるわ!Angel Happy Party新曲『灼熱世界』行きます!」サンダルフォンが叫ぶと一気に周りが静まる「321!」サンダルフォンがとてつもなく早いドラムを叩く「はい!」そのスピードに乗せてベース担当のヒリエル、そしてギター担当のキリエルが弾き始める「あのスピードで引けるのか、すげぇ」観客が驚いた瞬間また音が下がる。
「この世界が全て冷たい世界になったとしても私は負けない!さぁ!皆!行くよ!」亜美が言った途端またリズムが上がる「冷たい世界、それが良い世界だと言うのだろうか?私達、あなた達は、一緒に暮らしているのだろうか?」(そんなの決まってる)ヒリエルとキリエルが弾きながら歌っている。
今度は亜美とサンダルフォンが「この世界は全て暑く!そして優しく!必ず私が求めている世界にするんだ!はいはいはいはい!」ここから亜美が歌う「必ず変える、この手で変えるさ私が死ぬまで自分の世界を守るさたとえ1人でも、1人でなくても必ず!」(そんな人が欲しい)「1番好きだった」(大好きな人)「この世界も全て!」(大切にしたい)「この全てを灼熱のように熱く!燃えろー!」亜美が叫ぶと4人の周りにオレンジのような灼熱色のオーラが出てくると4人が歌う「この世界がたとえ冷たくなったとしても、1人になって抱え込んでもいつか笑顔になる日が来る!軌跡を信じることが全てさ!そう!信じて灼熱の場所へー!飛べよBurningWorld!」ここからさらにテンポが早くなる。
「さぁー!皆!行くよ!」亜美が人差し指をつきあげる。
亜美「その場で」サンダルフォン「必ず」ヒリエル「突き動かすよ」キリエル「世界の扉を」全員「開けていこう!!」亜美「そして奇跡を」ヒリエル「掴み取れ!」キリエル「必ず!」サンダルフォン「あの先へ!」全員「進めー!」4人の高速掛け合いが終わると今度はサンダルフォンのドラムソロパートになる「さぁ!ここからドラムとギターとベースの掛け合いよ!」亜美が叫ぶと3人が掛け合っていく「嘘だろ…ドラム、ギター、ベース全ての掛け合いかよしかも…このスピードで…」観客がザワつくと掛け合いが終わり全員でまた歌い始めた。
「この世界がたとえ冷たくなったとしても、1人になって抱え込んでもいつか笑顔になる日が来る!軌跡を信じることが全てさ!そう!信じて灼熱の場所へー さぁー!飛べー!」ここから追い上げのスピードアップからの「叫べBurningWorld!」3人が演奏を止めると周りから大歓声が湧く「ブラボー!」「良かったわぁ!!」「Angel Happy Party再復活おめでとう!」など声が溢れる「ありがとうございました!」4人は頭を下げると幕が下り急いで片付けた。
「亜美ちゃーん!」キリエルが後ろから抱きつきに行く「良かったよ!キリエル!」亜美がキリエルの頭を撫でる「ふぇぇーん!初めてパートの掛け合い成功したよぉ!!」キリエルが泣きながら亜美の肩で泣いている「良かったよ!Angel Happy Party」奥から声をかけてくれた「あなた方は優勝候補のパラレルダンスチームさん」亜美が一礼する。
「いやぁ…見てたけどとても凄かったよ…しかしあのスピードの曲で掛け合いはなかなか思い切りましたね」男の人が歩いてくる「俺はパラレルダンスチームリーダーのアクレンだ」亜美に手を伸ばす「はっ…はじめまして」亜美が手を握る「お前らこれ終わったら飯でもどうだ?」アクレンが言う「どう言うつもりですか?」キリエルが亜美の前に立つ「まぁ何だ少し気になる事があってな」アクレンが座りながら話した。
「まぁこの後すぐ結果発表だとりあえず解散まで待とうじゃないか」アクレンが言うと4人はお辞儀をしながら楽屋に戻る「1時間後結果発表よ」メタトロンが言うと楽屋の扉を閉めた。
「あの人何なのでしょう?」キリエルが楽屋の椅子に座りながら呟く「さぁ…分からないですね…とりあえず結果発表だわ…そう言えばここで1位を取ると次2ヶ月後にあるスペースワールド祭予選免除らしいわよ」ヒリエルがチラシをめくる「つまり飛び入りで2日目に行けるってこと?」亜美が目を見開いた。
そうスペースワールド祭は予選、そして準決勝と決勝の2日に別れているのだ「でもここの1位は予選より厳しいわ無いに等しいんじゃないかしら、私達もまだ人数は揃ってないですし…」サンダルフォンが笑う「まぁここで1位を取るとかなり有利にはなるわね」キリエルが唸っている。
「行けない!もうあと10分だわ!」4人は舞台裏まで軽く走るとなんと人数の多さに驚いた「こんなに組がいるなんて…」亜美が呟く「まぁそりゃあ…140組超えの組達が出場してるのよ…」反対の方から舞台に4人が歩いてきた「えー!これから全152組の結果発表を始めます!」「きゃー!わー!」観客が盛り上がっている「すごい盛り上がってるわね」キリエル達が舞台裏の廊下に立っている。
人が多すぎて舞台裏に収まらないのだ「さぁー!運命の結果発表です!皆さんモニターをご覧下さい!上位5組を表彰します!そして見事1位になった組がいたら…」司会者が言うと沈黙が走る「次回第155回スペースワールド祭予選が免除が与えられるぞぉぉー!」
「まじか…」「やべぇー」待機している組達もざわついている「以上!モニターに順位が流れるので5位以下の人達は申し訳ありませんがこのホールに入るかそのまま帰るかして頂きたいです!上位5組の感想そしてアドバイスがあるので見逃さないように!そして今回なんと…ミューホールフェス初の同点1位の2組がいました!」司会者が言うと観客から歓声が湧いた「マジで!?2組!?」「これは来たな!」待機中の組が興奮している。
モニターを見ると下から順位が流れている「私達は何位だろう」亜美が呟きながらモニターを見た。
「100位!Superbee!41点」待機していた組も泣きながら帰っていく「私達はまだのようね」サンダルフォンが目を凝らしながら大きなスクリーンを舞台裏から見つめる「50位来たわ…ここまで来るなら1位取りたい…」キリエルが亜美の手を握る。
奥には優勝候補のパラレルダンスチー厶が立っている「20位…まだ私達が来ないわ…もしかするかも!」キリエルが目を凝らした。
ついに残り5位まで来た「さぁここからは私が発表したいと思います!」モニターが消え司会者が舞台に上がる「呼ばれた順に出てきてください!」司会者がマイクを持つ「まず第5位!」4人はハラハラしながら見ている「本格派ロックバンドのストリングアームズ!85点!」「よっしゃぁぁ!」4人の前にいた人達が声を上げ舞台に上がっていった。
「そして第4位!」亜美の心臓がバクバクする「バラードが持ち味シンガーソングライターのリネ!86点!」「やったわ!」1人の女性が歩きながら上がっていく「あと…3組…このうち2組が1位…」亜美の手が震えている「さぁー!念願の第3位!」司会者が手を伸ばすと歓声が沸く「独特な歌が持ち味のデスパイア・ロックチーム!87点!」後ろにいた5人が舞台に上がっていった。
「さぁー!ここから3組です!誰が1位になるのか!」司会者が言う「残りの3組を発表します!1組目は本格派ダンスのパラレルダンスチーム!」観客がおおー!と叫ぶ。
「2組目は今日初参加女性バンド5人組Angel Happy Party!」さらに歓声が大きくなった。
「そしてラスト3組目がみんなを魅了する歌姫リリスさん!さぁー!ここからの点数が凄いですよー!では惜しくも予選免除を逃してしまったが堂々の第2位はー!」司会者が言うと亜美達は手を握るだけだった。
「第2位は皆を魅了する歌姫のリリスさん!なんと92点!」亜美は一瞬ポカンとしたが直ぐにサンダルフォンの方を振り向く「そして堂々の優勝は本格派ダンスのパラレルダンスチーム!なんと歴代最高得点の99点!そして同じく同点の1位は今日初参加女性バンドのAngel Happy Party!」
司会者の言葉を聞いた亜美達4人はお互いに抱きしめ合った。
「やった!やったよ!」泣きながら4人は舞台に上がっていった「さぁー皆さん主役の6組が揃いましたよ!ここからは見事!スペースワールド祭1日免除を獲得したパラレルダンスチームとAngel Happy Partyの表彰そして5組の評価、アドバイスそして最後にスペースワールド祭の抱負を2組に聞きたいと思います!」司会者が下がると1人の男が何やら表彰状を持って歩いてきた。
「5位!ストリングアームズ!」「はい!」5人は歩きながら男の前に立ち一礼する「5位、ストリングアームズ!今回は260回ミューホールフェスティバルにおいて上位の結果になったことを表彰する!おめでとう!」男が表彰状を渡すと観客から歓声が沸いた。
「次は4位のリネ!」「はい!」1人の女性が歩いていって一礼する「4位、シンガーソングライターのリネ、以下同文です」さらに歓声が沸く「3位のデスパイア・ロックチーム!」5人がまた同じく表彰を貰う「2位!歌姫リリス!」この人の名前が呼ばれた瞬間ものすごい歓声が沸く「そこまですごい人なのね…」亜美が小さく呟くとサンダルフォンが隣で「リリスさんはとても有名な人でね…知らない人はいないって言われているの」話終わると順番が回ってきた。
「では次!1位が同じのため2組出てきて貰えますか?」司会者が縦長に2列に並ばせる「それでは2組の代表でAngel Happy Partyボーカルの亜相良美、前にどうぞ」亜美が男の人の前に誘導されて礼をする「1位!Angel Happy Party!今回は260回ミューホールフェスティバルにおいて輝かしい成績を残したことをここに表彰する!おめでとう!」亜美に表彰状を渡し何かの封筒も渡すと一礼すした後また観客の方を向いた。
「皆さん!この1位の2組に盛大な拍手をお願い致します!」司会者が言うと周りからは大きな拍手と歓声が巻き起こった。
「やったぁー!!」楽屋に帰ると亜美がはしゃぐ「まさか99点も取るとはね」サンダルフォンも驚いている「皆!1位おめでとう!」ドアが開きメタトロンが走ってくる「お姉さん!」亜美が抱きついた。
「やはりあなた達は私が認めたバンドね!さぁ1日免除を貰ったのよこれからはスペースワールド祭2日目の練習に専念しなさい!スペースワールド祭2日目は全国から強豪が揃うの、ミューホールフェスティバルよりさらに厳しくなるわ、それでもいい!?」「はい!!」メタトロンの意気込みに4人は大きく返事をした。
「そう言えばリーダーは今回のフェスティバル見てたのでしょうか?」ヒリエルが聞くとサンダルフォンが一旦悩むも頷いた「あの英美里なら確実に見ているわ」と言い残した「なら良かった!じゃあ私達も帰りますか!」亜美が伸びをしながら話す「じゃあ車準備してるから乗りましょうか」サンダルフォンが玄関前にあるセレナを指さした。
「家まで送ってください」サンダルフォンが運転手に告げると笑いながら車を発進させた「そう言えば2人とも…」サンダルフォンが振り向くとヒリエルが口に指を当てている「寝るのが早いのね2人とも…」そう出発してすぐにもう亜美とキリエルが寝ていたのだ。
「え!?Angel Happy Partyが1位!?」英美里が司会者の発表に驚く「こりゃたまげたわい!見に来たかいがあったのぉ!」タクシー運転手も興奮していた。
「確かにあの『灼熱世界』は難しいけど成功出来ればとても強みになる曲…成功するだけでこんなにになるなんて…」英美里がまた泣いている「さぁ英美里さんよ、そろそろ行きますか。寄るところがあるのでしょう?」「そうですね」運転手が言うと英美里は涙を拭き歩き始めた。
タクシーに揺られること1時間半「着きましたよ英美里さん」目の前にはサンダルフォンと別れたあの音楽屋だったのだ「行ってきます」英美里はタクシーを降りるとそのままドアを開ける「へいいら…」店主は英美里を見るや否や奥に消えていった「あんたの探し物はこれかい?」店主が再び現れるとあのマイクを持ってきた「それは……」英美里が驚いた顔でそのマイクを見る。
「いつか取りに来るかなと思ってな保管していました。手入れはしているから安心せい無論お金も要らないぞ。そういえばテレビの生放送見ましたよAngel Happy Partyミューホールフェスティバルで1位って…英美里…あなたはずっとAngel Happy Partyのギター&ボーカルそしてリーダーでだよ。2度とこれは手放さないように」店主は英美里両手に優しく手を添えるとマイクを持たせた。
「英美里は1人じゃないんだ行ってこい!Angel Happy Partyリーダー!!」店主が言うと英美里は笑いながら店を出た「もういいのかい?」タクシー運転手が言うと英美里は笑いながら「はい!家までお願いします!」そのまま帰っていった。
「すいません!2ヶ月後のミューホールフェスティバルの本ありますか!?」急に飛び込んで来た為に店主は驚いた顔をする「おぉ…英美里かびっくりした…あるけど」店主が本を持ってくる「どれどれ…」英美里がページをめくる「Angel Happy Party曲名は…灼熱世界?」英美里にはもちろん聞き覚えがない曲だった。
「違う!ここはこうよ!」サンダルフォンがキリエルのギターを教えている「相変わらず怖いですよサンダルフォン」ヒリエルがベースの練習をしている。
「それでスペースワールド祭でデス・ロック達の本性をさらけ出すにはどうすれば良いのよ」キリエルが亜美に聞くと亜美はにやけながら答える「これよ!」亜美が何枚もの紙を広げると床を軽く叩いた。
「これは…」サンダルフォンとヒリエルが目を丸くする「えぇ…『奇跡』フルバージョンよ」亜美が見上げると3人は紙を手に取り回していく「…それにしても…難しい曲ね…」「そりゃそうですよこの『奇跡』って曲はお姉ちゃんが人生を費やして書いたもの…お姉ちゃんは自分で書いたのに難しすぎて短縮させたんだけどね、たまたま引き出しの中から見つけたのよ」
そう、姉がいなくなった1週間後に部屋を掃除しに行った時、机の引き出しの中に束になった紙が出てきたのだ「これは…」亜美はそのままずっとその紙は持っていたのだ「『奇跡』フルバージョンの時間はおよそ8分、しかもテンポも途中で速さが変わるから、灼熱世界よりも数倍は難しいと思ってくれたらいいわ」亜美が呟く「私たちが演奏したのはおよそ1分半…」サンダルフォンが言うとヒリエルは驚いた。
「じゃあと7分くらい長いのね、あとここのゆっくりになる所には何が入るの?」キリエルが歌詞が書いていない1枚を見つけた「ここには私達の自由な台詞を入れるのよ」「なるほど話し言葉ね…」サンダルフォンが頷く「歌に台詞なんて初めて聞いたわよ」ヒリエルが首を傾げた。
「ふふっ…それが面白いんじゃない」サンダルフォンが笑っている「スペースワールド祭の時間は何分?」亜美がキリエルに聞く「えっと…確か20分はあるって書いてあったわ」亜美が大きく頷く「アンコールはこの曲で行くわ!」床を叩く「『灼熱世界』で約3分『奇跡』で約8分…」キリエルがつぶやくと「えぇ…私たちは2曲で勝負します」亜美が見上げる「亜美の声は持つの?」キリエルが恐る恐る聞くと亜美が首を傾げる。
「分かりません…しかし…やるしかないです」「そうね…今の私達のリーダーは亜美だもん」サンダルフォンが亜美の肩を持つ「絶対成功させましょう!」ヒリエルが言うと4人は「おー!」と叫んだ。
「だいぶ出来てきたじゃない!キリエル!」サンダルフォンが褒めている「そりゃ私かなり自習しましたから」キリエルがギターを引きながら答える「『灼熱世界』の特徴はイントロとBメロがかなり早くてAメロは遅いリズムになっているの」サンダルフォンが紙を見せながら説明を始める。
「全バンドの中ではかなり早い部類の曲になるんじゃないかしら」ヒリエルが言う「亜美ちゃん、ちょっと歌ってみてくれる?私達もドラムとベースするから」サンダルフォンがドラムセットに行く「分かりました!」亜美が立つとマイクを持つ「せーの!いちにっさんはい!」曲のイントロが始まるとしばらくしてリズムが遅くなる「亜美ちゃん!」サンダルフォンが叫ぶと亜美が口を開ける「このそらは…確実に、私を呼んでいるのだろう、灼熱に燃えているこの光は、確実に、私を呼んでいるのだろうか?」ここで一気にペースが上がった。
「私は1人でもその周りには皆が繋がっている『ありがとう、さようなら』なんて言葉は聞きたくないからさ、ずっと私たちの傍で、一緒にいて欲しいそう思っていた。必ず信じてると、さぁ!灼熱のそらへと飛べー!」ここでさらにリズムが加速する「亜美!サビだよ!行ける!?」ヒリエルが言うと亜美が手を伸ばして止める「はぁ…はあ…」亜美が膝をついた。
「あのスピードで歌って噛まないのがすごいわ…」サンダルフォンが水を持ってくる「それにしても、リズムが変わるのはなかなか辛いわね…」ヒリエルも水を飲んでいる「まだマシですよ…『奇跡』のフルはこのスピードでの掛け合いがあるので」亜美が話す「掛け合い?」サンダルフォンが言うと亜美が歌詞カードを持ってくる「ここよ」3人が見る「私を置いていかないで」「だけどあなたはどこに行ってしまうの」「必ずここに戻ってきて」「必ずまた会おう」「そんな奇跡を信じていた」「ずっと思っている君のことを」「願えば届くから」亜美が息を切らして読んだ。
「このフレーズを掛け合いをスピード的に約5秒で言わないといけないのよね」亜美が呟く「6人分あるのね…」ヒリエルが言うと亜美が首を横に振る「『願えば届く!』この部分は全員だから5人分だね…」「しかもここからまた更にリズムがかなり遅くなるのね」サンダルフォンがその後を見る「この『奇跡』自体、全短調だから余計に難しいのよね…」ヒリエルが言うと亜美が紙を片付ける「とりあえず私が作った『灼熱世界』が良い練習になると思います。この曲も全短調なので」亜美が言うとまた3人はドラムの周りに立ち、練習を再開した。
ミューホールフェスまで残り2ヶ月を切っていた。
「今日がいよいよミューホールフェス本番ね…」英美里が歩きながらタクシーに乗る「すいません!ミューホールまでお願いします!」英美里が言うとタクシーの人が笑った。
「英美里さんチケット当たったんですね」運転手が英美里の方をバックミラーでチラ見する「ええ!?あの時の運転手さん!?まぁ…そうです、はい…もらいました」英美里は驚いた。
そうその運転手は前のライブの時に連れて行ってくれた人なのだ「お久しぶりです、英美里さんの引退宣言はニュースになっていますよ」運転手が話し始める「そうですか…」「まぁ…曲を奪われたのなら仕方あるまいな…」「えっ!?」英美里が運転手の方を向いた。
「ちゃんと私はあなたを乗せた後ライブ見ましたからね、あなたの声とても良く響いてましたよ『これが最後のサプライズです!』って言った後の『奇跡』は素晴らしかった」運転手が赤信号で止まる「どれ…」運転手がカセットを入れる「この曲は…」英美里が驚く「はいあなた達本家の『奇跡』ですよ」英美里の目から涙が出る「曲を奪われたのなら奪い返したら良いのですよ。あなたの曲だということは、少なくともあのライブにいた人は全員知っています。忘れもしませんよ」運転手がまた走り出した。
「運転手さん」英美里が話しかける「どうしたんだ?」運転手がバックミラーで英美里の様子を見る「今日ミューホールフェスにAngel Happy Partyが出るんです」運転手は驚いた「それは本当かね!?うわぁ!チケット買っとけばよかった!」運転手がハンドルを叩く「大丈夫ですよ、はい!」英美里がチケットを渡す「いや…ですがこれはあなたの!」赤信号で止まると運転手が振り向く「実は…間違えて2枚貰っちゃったんです」英美里が舌を出した。
「本当に良いのですか!?」運転手が目を輝かせる「はい!一緒に見ましょう?」英美里が運転手の手にチケットを乗せる「私の妹が…Angel Happy Partyのボーカルになっているんです」英美里が言うと運転手がタクシーを発進させながらまたミラーを見る「英美里さんはもう戻らないのかね?」英美里は下を向く。
「そう言えば、サンダルフォンさんから、たまたまあなたにこの手紙もらってね」運転手が英美里に手紙を渡す「サンダルフォンから?」英美里が受け取ると手紙を開く「これは…」中にはボイスレコーダーが入っていた「ここで聞いてみるといい、まだあとここから1時間ほどかかりますから」運転手が言うと英美里がボイスレコーダーをオンにする。
「……亜美ちゃんはどうしてお姉さんを探しているの?」サンダルフォンの声が聞こえた「私は…姉と一緒にいたいってずっと思ってたの…急にいなくなるし…もちろん歌も私のお姉ちゃんのおかげで好きになることが出来た。私にとってお姉ちゃんは大切な家族だから…」どうやら外でで歩きながら話しているようだ「…そして私はお姉ちゃんとここで有名なバンドを作りたいの」亜美の声が聞こえる英美里は、徐々に視界が失っていく。
「私は決して物覚えが早いわけでも無いし…お姉ちゃんがいたから負けないように努力したの…いつか一緒に歌って踊れるように」「それが全て?」サンダルフォンが聞く「もう…サンダルフォン…それ以上聞かなくても…」英美里が小さく呟くと「んじゃあ最後に私はお姉ちゃんが大好き!」亜美の声が大きく聞こえた。
英美里はもう涙を抑えることができなくなっていた「聞いてたー?英美里!」サンダルフォンの声が聞こえる「えっちょっ!?サンダルフォンさん!何録画しているのですか!?」亜美の慌てている声が聞こえた「何よ、あなたの思いを伝えるのに、これしかないでしょ!」ここで音声は途切れた。
「英美里は良い妹を持ったもんだ…」運転手も半泣きしている「英美里…俺からもお願いがある」運転手がバックミラーを見る「Angel Happy Partyに戻ってくれないか?」英美里はずっとティッシュを持ちながらずっと泣き続けている。
そう…私はもう音楽ができない…そう思っていたから「…帰りあそこによってくれませんか?」前のライブの時もこの運転手さんと一緒にそこで色々見て回ったのだ「もちろんです。そろそろ着きますよ」目の前にはミューホールが見えてきた。
「もうすぐ着きます」運転手が中に入っていく「いやぁ久しぶりですねぇ」2人はタクシーを降りると、そのまま中に入っていった。
「亜美ちゃん!カワイイ!」キリエルが楽屋で着替え終わった亜美を見る「えへへ…でも誰がこんな服を……」「私が用意したのよ」外から楽屋に入ってくる女の人がいた「あなたは?」亜美が首を傾げる「お姉ちゃん!久しぶりー!!」サンダルフォンが手を挙げる「プロデューサーさん!」ヒリエルも頭を下げる「Angel Happy Partyが再活動と聞いて…お願いしてもらったのよ。あなた達2人は初めまして私は、Angel Happy Partyのプロデューサーのメタトロンよ、サンダルフォンとは姉妹なの、その衣装は灼熱をイメージして作ってもらったのよ」メタトロンが親指を立てる「そうだったのですか」亜美が服を見る。
服の色はオレンジと白…いかにも灼熱のような色…そして服の裾は切れていて花のドレスのような服になっていた「亜美と言ったわね」メタトロンが詰め寄ってくる「今、英美里がいないこのAngel Happy Partyはあなたがリーダーなのこの舞台でAngel Happy Partyの知名度を上げるのよ!そうすればデス・ロック達と戦える力になる、頑張って!」メタトロンが亜美の背中を押した。
「はい!」亜美が大きく返事をする「皆も!頑張るのよ!」「はい!」「Angel Happy Partyのみなさーん!そろそろ舞台裏まで来てください!」奥から走ってくる「亜美ちゃん緊張してるの?」キリエルが背中に手を添える「はい…私、人前に立つのが初めてで…」「大丈夫よ説明は私が言うわ」サンダルフォンがマイクを持つと4人は歩き出した。
舞台裏に着くと舞台にはダンスを踊っている10人組がいた「凄い……」「あれは…今回の優勝候補…パラレルダンスチームね…」メタトロンが呟く「ただし!あなたたちの実力や知名度はかなり上よ、あなた達はいつもの練習の成果を出せばいいの!」メタトロンがまた親指をあげるとパラレルダンスチームは一礼をし、奥の所に消えていった。
「さぁ!急いで準備するよ!」幕が下がると4人は急いで舞台中央に設置をする「さぁー!次はあの!女の子バンド達が帰ってきた!その名もAngel Happy Partyの皆さんだぁぁ!」司会者が言うと幕が上がっていく「あれ?Angel Happy Partyは解散したんじゃなかったのか!?」「しかも2人知らない人がいるわ!」観客から声が盛れると「皆さーん!私たちAngel Happy Partyです!」サンダルフォンが手を振るながら言う「私はドラム担当のサンダルフォンです、今回は、新しい2人と共に4人で活動することになりました!まずは新人2人を紹介します!ボーカル担当、相良亜美とギター担当のキリエルさんでーす!」サンダルフォンの言葉にヒリエルが拍手をすると二人はお辞儀をする。
「おいおい!本当にその2人で大丈夫なのか!?」「私はリーダーが見たいのよ!」観客からは沢山の声が聞こえてくる「サンダルフォンさん…」亜美が下がると後ろに手が添えられる「大丈夫!演奏で見せつけてあげましょう」サンダルフォンがまたマイクを持つ「新しくなったAngel Happy Partyを聞かせてあげるわ!Angel Happy Party新曲『灼熱世界』行きます!」サンダルフォンが叫ぶと一気に周りが静まる「321!」サンダルフォンがとてつもなく早いドラムを叩く「はい!」そのスピードに乗せてベース担当のヒリエル、そしてギター担当のキリエルが弾き始める「あのスピードで引けるのか、すげぇ」観客が驚いた瞬間また音が下がる。
「この世界が全て冷たい世界になったとしても私は負けない!さぁ!皆!行くよ!」亜美が言った途端またリズムが上がる「冷たい世界、それが良い世界だと言うのだろうか?私達、あなた達は、一緒に暮らしているのだろうか?」(そんなの決まってる)ヒリエルとキリエルが弾きながら歌っている。
今度は亜美とサンダルフォンが「この世界は全て暑く!そして優しく!必ず私が求めている世界にするんだ!はいはいはいはい!」ここから亜美が歌う「必ず変える、この手で変えるさ私が死ぬまで自分の世界を守るさたとえ1人でも、1人でなくても必ず!」(そんな人が欲しい)「1番好きだった」(大好きな人)「この世界も全て!」(大切にしたい)「この全てを灼熱のように熱く!燃えろー!」亜美が叫ぶと4人の周りにオレンジのような灼熱色のオーラが出てくると4人が歌う「この世界がたとえ冷たくなったとしても、1人になって抱え込んでもいつか笑顔になる日が来る!軌跡を信じることが全てさ!そう!信じて灼熱の場所へー!飛べよBurningWorld!」ここからさらにテンポが早くなる。
「さぁー!皆!行くよ!」亜美が人差し指をつきあげる。
亜美「その場で」サンダルフォン「必ず」ヒリエル「突き動かすよ」キリエル「世界の扉を」全員「開けていこう!!」亜美「そして奇跡を」ヒリエル「掴み取れ!」キリエル「必ず!」サンダルフォン「あの先へ!」全員「進めー!」4人の高速掛け合いが終わると今度はサンダルフォンのドラムソロパートになる「さぁ!ここからドラムとギターとベースの掛け合いよ!」亜美が叫ぶと3人が掛け合っていく「嘘だろ…ドラム、ギター、ベース全ての掛け合いかよしかも…このスピードで…」観客がザワつくと掛け合いが終わり全員でまた歌い始めた。
「この世界がたとえ冷たくなったとしても、1人になって抱え込んでもいつか笑顔になる日が来る!軌跡を信じることが全てさ!そう!信じて灼熱の場所へー さぁー!飛べー!」ここから追い上げのスピードアップからの「叫べBurningWorld!」3人が演奏を止めると周りから大歓声が湧く「ブラボー!」「良かったわぁ!!」「Angel Happy Party再復活おめでとう!」など声が溢れる「ありがとうございました!」4人は頭を下げると幕が下り急いで片付けた。
「亜美ちゃーん!」キリエルが後ろから抱きつきに行く「良かったよ!キリエル!」亜美がキリエルの頭を撫でる「ふぇぇーん!初めてパートの掛け合い成功したよぉ!!」キリエルが泣きながら亜美の肩で泣いている「良かったよ!Angel Happy Party」奥から声をかけてくれた「あなた方は優勝候補のパラレルダンスチームさん」亜美が一礼する。
「いやぁ…見てたけどとても凄かったよ…しかしあのスピードの曲で掛け合いはなかなか思い切りましたね」男の人が歩いてくる「俺はパラレルダンスチームリーダーのアクレンだ」亜美に手を伸ばす「はっ…はじめまして」亜美が手を握る「お前らこれ終わったら飯でもどうだ?」アクレンが言う「どう言うつもりですか?」キリエルが亜美の前に立つ「まぁ何だ少し気になる事があってな」アクレンが座りながら話した。
「まぁこの後すぐ結果発表だとりあえず解散まで待とうじゃないか」アクレンが言うと4人はお辞儀をしながら楽屋に戻る「1時間後結果発表よ」メタトロンが言うと楽屋の扉を閉めた。
「あの人何なのでしょう?」キリエルが楽屋の椅子に座りながら呟く「さぁ…分からないですね…とりあえず結果発表だわ…そう言えばここで1位を取ると次2ヶ月後にあるスペースワールド祭予選免除らしいわよ」ヒリエルがチラシをめくる「つまり飛び入りで2日目に行けるってこと?」亜美が目を見開いた。
そうスペースワールド祭は予選、そして準決勝と決勝の2日に別れているのだ「でもここの1位は予選より厳しいわ無いに等しいんじゃないかしら、私達もまだ人数は揃ってないですし…」サンダルフォンが笑う「まぁここで1位を取るとかなり有利にはなるわね」キリエルが唸っている。
「行けない!もうあと10分だわ!」4人は舞台裏まで軽く走るとなんと人数の多さに驚いた「こんなに組がいるなんて…」亜美が呟く「まぁそりゃあ…140組超えの組達が出場してるのよ…」反対の方から舞台に4人が歩いてきた「えー!これから全152組の結果発表を始めます!」「きゃー!わー!」観客が盛り上がっている「すごい盛り上がってるわね」キリエル達が舞台裏の廊下に立っている。
人が多すぎて舞台裏に収まらないのだ「さぁー!運命の結果発表です!皆さんモニターをご覧下さい!上位5組を表彰します!そして見事1位になった組がいたら…」司会者が言うと沈黙が走る「次回第155回スペースワールド祭予選が免除が与えられるぞぉぉー!」
「まじか…」「やべぇー」待機している組達もざわついている「以上!モニターに順位が流れるので5位以下の人達は申し訳ありませんがこのホールに入るかそのまま帰るかして頂きたいです!上位5組の感想そしてアドバイスがあるので見逃さないように!そして今回なんと…ミューホールフェス初の同点1位の2組がいました!」司会者が言うと観客から歓声が湧いた「マジで!?2組!?」「これは来たな!」待機中の組が興奮している。
モニターを見ると下から順位が流れている「私達は何位だろう」亜美が呟きながらモニターを見た。
「100位!Superbee!41点」待機していた組も泣きながら帰っていく「私達はまだのようね」サンダルフォンが目を凝らしながら大きなスクリーンを舞台裏から見つめる「50位来たわ…ここまで来るなら1位取りたい…」キリエルが亜美の手を握る。
奥には優勝候補のパラレルダンスチー厶が立っている「20位…まだ私達が来ないわ…もしかするかも!」キリエルが目を凝らした。
ついに残り5位まで来た「さぁここからは私が発表したいと思います!」モニターが消え司会者が舞台に上がる「呼ばれた順に出てきてください!」司会者がマイクを持つ「まず第5位!」4人はハラハラしながら見ている「本格派ロックバンドのストリングアームズ!85点!」「よっしゃぁぁ!」4人の前にいた人達が声を上げ舞台に上がっていった。
「そして第4位!」亜美の心臓がバクバクする「バラードが持ち味シンガーソングライターのリネ!86点!」「やったわ!」1人の女性が歩きながら上がっていく「あと…3組…このうち2組が1位…」亜美の手が震えている「さぁー!念願の第3位!」司会者が手を伸ばすと歓声が沸く「独特な歌が持ち味のデスパイア・ロックチーム!87点!」後ろにいた5人が舞台に上がっていった。
「さぁー!ここから3組です!誰が1位になるのか!」司会者が言う「残りの3組を発表します!1組目は本格派ダンスのパラレルダンスチーム!」観客がおおー!と叫ぶ。
「2組目は今日初参加女性バンド5人組Angel Happy Party!」さらに歓声が大きくなった。
「そしてラスト3組目がみんなを魅了する歌姫リリスさん!さぁー!ここからの点数が凄いですよー!では惜しくも予選免除を逃してしまったが堂々の第2位はー!」司会者が言うと亜美達は手を握るだけだった。
「第2位は皆を魅了する歌姫のリリスさん!なんと92点!」亜美は一瞬ポカンとしたが直ぐにサンダルフォンの方を振り向く「そして堂々の優勝は本格派ダンスのパラレルダンスチーム!なんと歴代最高得点の99点!そして同じく同点の1位は今日初参加女性バンドのAngel Happy Party!」
司会者の言葉を聞いた亜美達4人はお互いに抱きしめ合った。
「やった!やったよ!」泣きながら4人は舞台に上がっていった「さぁー皆さん主役の6組が揃いましたよ!ここからは見事!スペースワールド祭1日免除を獲得したパラレルダンスチームとAngel Happy Partyの表彰そして5組の評価、アドバイスそして最後にスペースワールド祭の抱負を2組に聞きたいと思います!」司会者が下がると1人の男が何やら表彰状を持って歩いてきた。
「5位!ストリングアームズ!」「はい!」5人は歩きながら男の前に立ち一礼する「5位、ストリングアームズ!今回は260回ミューホールフェスティバルにおいて上位の結果になったことを表彰する!おめでとう!」男が表彰状を渡すと観客から歓声が沸いた。
「次は4位のリネ!」「はい!」1人の女性が歩いていって一礼する「4位、シンガーソングライターのリネ、以下同文です」さらに歓声が沸く「3位のデスパイア・ロックチーム!」5人がまた同じく表彰を貰う「2位!歌姫リリス!」この人の名前が呼ばれた瞬間ものすごい歓声が沸く「そこまですごい人なのね…」亜美が小さく呟くとサンダルフォンが隣で「リリスさんはとても有名な人でね…知らない人はいないって言われているの」話終わると順番が回ってきた。
「では次!1位が同じのため2組出てきて貰えますか?」司会者が縦長に2列に並ばせる「それでは2組の代表でAngel Happy Partyボーカルの亜相良美、前にどうぞ」亜美が男の人の前に誘導されて礼をする「1位!Angel Happy Party!今回は260回ミューホールフェスティバルにおいて輝かしい成績を残したことをここに表彰する!おめでとう!」亜美に表彰状を渡し何かの封筒も渡すと一礼すした後また観客の方を向いた。
「皆さん!この1位の2組に盛大な拍手をお願い致します!」司会者が言うと周りからは大きな拍手と歓声が巻き起こった。
「やったぁー!!」楽屋に帰ると亜美がはしゃぐ「まさか99点も取るとはね」サンダルフォンも驚いている「皆!1位おめでとう!」ドアが開きメタトロンが走ってくる「お姉さん!」亜美が抱きついた。
「やはりあなた達は私が認めたバンドね!さぁ1日免除を貰ったのよこれからはスペースワールド祭2日目の練習に専念しなさい!スペースワールド祭2日目は全国から強豪が揃うの、ミューホールフェスティバルよりさらに厳しくなるわ、それでもいい!?」「はい!!」メタトロンの意気込みに4人は大きく返事をした。
「そう言えばリーダーは今回のフェスティバル見てたのでしょうか?」ヒリエルが聞くとサンダルフォンが一旦悩むも頷いた「あの英美里なら確実に見ているわ」と言い残した「なら良かった!じゃあ私達も帰りますか!」亜美が伸びをしながら話す「じゃあ車準備してるから乗りましょうか」サンダルフォンが玄関前にあるセレナを指さした。
「家まで送ってください」サンダルフォンが運転手に告げると笑いながら車を発進させた「そう言えば2人とも…」サンダルフォンが振り向くとヒリエルが口に指を当てている「寝るのが早いのね2人とも…」そう出発してすぐにもう亜美とキリエルが寝ていたのだ。
「え!?Angel Happy Partyが1位!?」英美里が司会者の発表に驚く「こりゃたまげたわい!見に来たかいがあったのぉ!」タクシー運転手も興奮していた。
「確かにあの『灼熱世界』は難しいけど成功出来ればとても強みになる曲…成功するだけでこんなにになるなんて…」英美里がまた泣いている「さぁ英美里さんよ、そろそろ行きますか。寄るところがあるのでしょう?」「そうですね」運転手が言うと英美里は涙を拭き歩き始めた。
タクシーに揺られること1時間半「着きましたよ英美里さん」目の前にはサンダルフォンと別れたあの音楽屋だったのだ「行ってきます」英美里はタクシーを降りるとそのままドアを開ける「へいいら…」店主は英美里を見るや否や奥に消えていった「あんたの探し物はこれかい?」店主が再び現れるとあのマイクを持ってきた「それは……」英美里が驚いた顔でそのマイクを見る。
「いつか取りに来るかなと思ってな保管していました。手入れはしているから安心せい無論お金も要らないぞ。そういえばテレビの生放送見ましたよAngel Happy Partyミューホールフェスティバルで1位って…英美里…あなたはずっとAngel Happy Partyのギター&ボーカルそしてリーダーでだよ。2度とこれは手放さないように」店主は英美里両手に優しく手を添えるとマイクを持たせた。
「英美里は1人じゃないんだ行ってこい!Angel Happy Partyリーダー!!」店主が言うと英美里は笑いながら店を出た「もういいのかい?」タクシー運転手が言うと英美里は笑いながら「はい!家までお願いします!」そのまま帰っていった。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?
行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。
貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。
元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。
これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。
※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑)
※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。
※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる