Girl tha make stronger!

珊螺

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第3騎士団

第3騎士団の始まり2

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外を見たままのハルはそのまま話し始めた。

「第3騎士団の役目は取り締まりだ。表に出ることなく問題を処理しろ。
時期を見て、公表されるが今は仮に行く各部署でそれぞれ過ごしてほしい。
第3騎士団には適任とされて選ばれているから胸をはり、仕事をしてほしい。
各自別行動になるが、そこで聞いたこと思ったことを報告してほしい。
私がそれを聞き、処理を行う。」

静かに聞いていた団員がそれぞれに顔を見合わせたり、目を泳がしているとサベルが挙手した。

「ハル様、よろしいでしょうか。
我らは第3騎士団所属で問題ありません。が、実力はあるようですがハル様を信用できません。」

初めて会ったばかりの人間をすべて信用し、従うことに抵抗があった。

しかも、男の中に女の子が一人入ってきていきなりの団長やこれからの動きにちょっとついていけなかった。

「わかった。ちょうど訓練があったから皆一緒に来ると良い。」

そういうとハルは皆を連れて部屋を出た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
皆を連れてやってきたのは城内の訓練場。

そこには誰も居なかった。ハルが連れてきたので、団員誰かと対戦して実力を見せるのかと思っていると・・・

「早いですね、ハル様。」

訓練場に来たのはカイルの護衛騎士ゼスだった。

たまにゼスに訓練をつけるのにこの訓練場が使われていた。

団員皆を危なくないところへ移動させると、ハルとゼスは中央へ移動し対峙した。

ゼスは剣を構えて、ハルは帯剣しているものの抜刀はしないまま始まった。

ゼスは容赦もなく振り下ろしているが、ハルには掠りもしない、余裕でかわされている。

「ゼス、踏み込みが半歩甘い。振り下ろすのに躊躇しいている。」

剣先を触れそうな所でハルが話しているのに、その剣はハルには届かない。

その内にゼスが息も絶え絶えになってきた所で誰かが訓練場に入ってきた。

マディルを先頭にカイルが入ってきた。団員がぎょっとすると敬礼は必要ないと手で制する。

ハルとゼスは対戦しているのでこちらには気付いていないようだ。

「ハル、案外優しいんだね~。俺もそんな扱いされてみたいもんだよ。」

カイルが一人称を俺にして、砕けたように話す姿を見て団員はまたぎょっとした。

ゼスの一振りを手で払い落とすと、視線をカイルの方へ向けて

「うるさい。そんな扱いは好きじゃないだろう。」

聞こえていたのかと、カイルはわざとらしく困った顔をする。

その後ろでマディルがもっと困った顔をしていた。

落とされた剣を拾うことなく、肩で息をするゼスが呼吸を整えてハルに向き合う。

「・・・ハル様、最後は対峙をお願いします。」

つまり、ハルにも剣を抜いてもらい最後一戦を申し込んできた。

「了解。」

一気に空気が変わり、ゼスに向かうハルの気配が変わった。

ハルが剣を抜く姿は凛々しいものだった。

「ゼス、最後だけど倒れないでよ?面倒だから。」

「了解です、ハル様。感謝します。」

その後、すぐに始まった一戦は先程とは違って痛々しいほどにハルからの一撃がゼスに与えられているようでひたすらにゼスが耐えているようだ。

「耐えていても攻撃は出来ない。仕掛けてこないと。」

ハルの声をきっかけにゼスが踏み込んでくる。

が、ゼスの目の前にはハルが居ない。ハッとゼスが思ったときには遅かった・・・。

ハルはゼスの後ろに居て、首に剣を当てていたからだ。

「ここまでだね。今日はまだよくなってたよ。」

ハルがゼスに終了を告げると、剣をしまう。

その瞬間、ゼスは膝から崩れ落ちそうになったところをハルが支える。

小柄なのに大きいゼスを完全に支えていた。

「最近、うろちょろしててちょっと迷惑なんですけど。」

ハルがカイルの方に向かって言うと、そばにいた団員がおろおろし始める。

「だってハルが来るって言うから見に行かないとって思って。」

カイルも迷惑と言われたのに、気にしないことに団員が動揺するが横でマディルが団員に大丈夫だと視線を送る。

息も絶え絶えなゼスを支えながらハルは団員、カイル、マディルのそばにくるとゼスをゆっくりを座らせた。

「王太子も暇じゃないと思うんで、いちいち姿を見せなくてもいいです。」

ハルは一段と邪険にカイルに向かう。

「今日はゼスの稽古だったはずでは?」

「さっきも言ったけど、ハルが来てるから見に来たよ。ゼスだけ良くて俺はダメってなにかな?」

一応に困った顔をするカイルがハルに向けてそう言うがハルには効いてないようだった。

より一層めんどくさそうな顔になるハルに団員が青ざめるような動揺するような感じになった。

この言い合いに団員もゼスも入っていけないので見守ることしか出来ないところに救世主が・・・

「カイル殿下、ハル様も嫌がってます。自重を。」

マディルがカイルの後ろからしぶしぶ声をかけることにしたらしい。

すごくめんどくさそうにカイルを見るマディルと困った顔をしてみせているカイル、嫌気な顔をするハルの構図ができあがった。

「まぁ、いいです。ゼス、今日は休みなさい。代わりの護衛はイアンにしてもらうから。」

さらっとハルが護衛の代役を新人に指示する。

「いやいや、俺の護衛騎士なのにハルが指示しちゃうのなんでかな?・・・あ!俺の事を思っての采配だね!」

「別にそんなんじゃないです。」

カイルの突っ込みにハルは流す。またしても団員がおろおろする。

カイルの頭の切れる感じからの今の砕けた感じは団員が信じがたい光景だった。

「護衛騎士ならハルがしてくれたらいいじゃないか。」

カイルの一言にハルが鋭い視線を送った。

「私では黙っていない者が現れます。お止めください。」

そう言うとハルは出口に向かって歩き出す。

カイルとマディル、ゼスとイアンを残して団員はハルの後をついていった。

その後ろ姿にカイルが呟く。

「ハルの実力はこの世界最強だよ、自信を持ってればいいのに。」

新人団員のイアンはカイルの呟きが聞こえていた。

『今の状態でも見たが、ハル様の実力は本物だ。だが、所詮女と言われるのを分かってなのか・・・。』

口には出さないが、イアンは密かにハルへの尊敬を高め、この先の騎士団生活を面白いと感じていた。




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