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第68話 忍び寄る彼女達の策略 ACT5
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「あ、あのさ」
「は、はい」
「何脅えてんのよ。一度やったからって、束縛なんてしないから。それに、愛華だって、あなたの事本当に好きでいるんだから。……それ裏切ることできないでしょ。――――でも、やちゃったね」
そう改めて言われると、なんだか後ろめたさが。
でも事実戸鞠と関係を持ってしまったことは、逃れることは出来ない。
本人はなんか別にぃと言う感じでいるけど、これってただの行為として流していいんだろうか。
友達以上恋人未満。
そんな関係であるていうことになるわけだけど。
もしかしたら、戸鞠は……でも好きだということは言っていた。
そしてあんなにも激しく……。
「ふぅ―、雨降ってるね。外」
「みたいだね」
「あのさ、そんなに気にしなくたっていいよ。だから」
「そんなこと言ったって」
戸鞠はそっと僕を抱きしめた。
彼女の肌のぬくもりが伝わる。
まだドクンドクンと心臓の鼓動が高鳴っていた。
「私さ、セックス依存症……みたいんだよね。たまにさ、無性にしたくなる時あってさ。それ、我慢できなくなちゃうとしちゃうんだよね」
「もしかして誰でもいいって」
「そんなときもちょっとあったかな。でもさ、そんなとき一つ分かったことがあるんだ」
「何? 分かったことって」
「うん、本当はさ、セックスしたいんじゃなくて、こうしてぎゅっと抱きしめてもらいただけだって言うこと」
僕を抱く彼女の力が増していく。
「それじゃ、何も無理しなくたって――――よかったんじゃない?」
「そう言ってもらえるの多分笹崎君だけかもしれないね。それでもしちゃう私が逝けないんだよ。それをお母さんに知られちゃってさ。ていうか前にちょっと失敗しちゃって……それから、お薬も渡されちゃっているんだ」
「アフターピル?」
「うん、中学んときに付き合った人いてさ、その人の子妊娠しちゃったんだ。避妊なんてしてなかったのが悪かったんだけど、それから学校中に噂がひろまちゃってさ。……私逃げてきたんだ。あの高校に」
その話を聞いた僕を見て戸鞠はきょとんとしていた。
「ねぇ、驚かないの? それとも嫌になった?」
「別に、それこそ別にだよ。でもなんかあるとは思っていたけど」
「ああ、やっぱり、笹崎君。私の事探っていたんでしょ」
「そんなことないよ。ただ」
「ただ、どうしたのよ?」
「ずいぶん離れたところから通学しているんだなって、ちょっと不思議に思っていたから」
「ふぅーん、そうなんだ。でも気にかけてはくれていたんだね。なんだかちょっと嬉しいかも」
そう言いながら、戸鞠は唇を重ねてきた。
そして「私みたいな女。好きじゃないでしょ」そう言った。
その言葉に返事は出来なかった。
「黙っているっていうことはそうなんだよね」
そして僕はただ「そうじゃない」とだけ、答えた。
それがどんな意味を成すのか。まだ僕らにはわからない答えなんだと思う。
戸鞠からの宿題はまだ、全部を提出しきれないでいるのかもしれない。
二人の女性から想いをかけられ、その想いに僕自身は答えを出し切っていない。
そして……。
僕自身が想い入れる人への答えも未だ出ていない。
全てがまだ。
Unrequited love(片思い)のままだ。
「は、はい」
「何脅えてんのよ。一度やったからって、束縛なんてしないから。それに、愛華だって、あなたの事本当に好きでいるんだから。……それ裏切ることできないでしょ。――――でも、やちゃったね」
そう改めて言われると、なんだか後ろめたさが。
でも事実戸鞠と関係を持ってしまったことは、逃れることは出来ない。
本人はなんか別にぃと言う感じでいるけど、これってただの行為として流していいんだろうか。
友達以上恋人未満。
そんな関係であるていうことになるわけだけど。
もしかしたら、戸鞠は……でも好きだということは言っていた。
そしてあんなにも激しく……。
「ふぅ―、雨降ってるね。外」
「みたいだね」
「あのさ、そんなに気にしなくたっていいよ。だから」
「そんなこと言ったって」
戸鞠はそっと僕を抱きしめた。
彼女の肌のぬくもりが伝わる。
まだドクンドクンと心臓の鼓動が高鳴っていた。
「私さ、セックス依存症……みたいんだよね。たまにさ、無性にしたくなる時あってさ。それ、我慢できなくなちゃうとしちゃうんだよね」
「もしかして誰でもいいって」
「そんなときもちょっとあったかな。でもさ、そんなとき一つ分かったことがあるんだ」
「何? 分かったことって」
「うん、本当はさ、セックスしたいんじゃなくて、こうしてぎゅっと抱きしめてもらいただけだって言うこと」
僕を抱く彼女の力が増していく。
「それじゃ、何も無理しなくたって――――よかったんじゃない?」
「そう言ってもらえるの多分笹崎君だけかもしれないね。それでもしちゃう私が逝けないんだよ。それをお母さんに知られちゃってさ。ていうか前にちょっと失敗しちゃって……それから、お薬も渡されちゃっているんだ」
「アフターピル?」
「うん、中学んときに付き合った人いてさ、その人の子妊娠しちゃったんだ。避妊なんてしてなかったのが悪かったんだけど、それから学校中に噂がひろまちゃってさ。……私逃げてきたんだ。あの高校に」
その話を聞いた僕を見て戸鞠はきょとんとしていた。
「ねぇ、驚かないの? それとも嫌になった?」
「別に、それこそ別にだよ。でもなんかあるとは思っていたけど」
「ああ、やっぱり、笹崎君。私の事探っていたんでしょ」
「そんなことないよ。ただ」
「ただ、どうしたのよ?」
「ずいぶん離れたところから通学しているんだなって、ちょっと不思議に思っていたから」
「ふぅーん、そうなんだ。でも気にかけてはくれていたんだね。なんだかちょっと嬉しいかも」
そう言いながら、戸鞠は唇を重ねてきた。
そして「私みたいな女。好きじゃないでしょ」そう言った。
その言葉に返事は出来なかった。
「黙っているっていうことはそうなんだよね」
そして僕はただ「そうじゃない」とだけ、答えた。
それがどんな意味を成すのか。まだ僕らにはわからない答えなんだと思う。
戸鞠からの宿題はまだ、全部を提出しきれないでいるのかもしれない。
二人の女性から想いをかけられ、その想いに僕自身は答えを出し切っていない。
そして……。
僕自身が想い入れる人への答えも未だ出ていない。
全てがまだ。
Unrequited love(片思い)のままだ。
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