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小岩さんちの家族会議
いざ崩壊へ その2
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「どないしたん亜美?」
通話を切って戻ると亜希子がストローを口にくわえながら、私の顔色をうかがうように聞いた。
「うん、今すぐ帰ってこいだって」
「なんでや、なにかあったん」
「よくわかんないけど、美代ねぇからとにかく帰って来て言われた」
まさか、これから家族会議があるなんて言えない。
家族会議なんてうちでは初めての事。何があっての事なのかも想像もつかない。
「そっかぁ、それじゃ今日はもうお開きにしよ」
亜希子のその一言を聞いて、ほっと一息付いたような表情を真っ先にしたのは、真由美の方だった。
カラオケ店を出て、3人で駅前通りを歩いた。
「いやー、楽しかったなぁ」
亜希子がそういうと「そうですね」と、珍しく真由美が答えた。
「真由美さぁ、歌えたやん。上手かったで」
「そ、そんなことないです。ただ一生懸命に歌っていただけです」
「そっかぁ、また行こぜ、この3人で」
「ええ、あ、私本屋さんに寄っていくんで」
真由美は本屋の前で止まり、私たちと別れた。
「それじゃ」軽く手を振って私は、真由美が本屋に入る後姿を見つめていた。
亜希子が、そんな私の手を握ってきた。
彼女の顔を見ると少しはにかんだような感じで「さ、行こうか」。
私たちの足は動き始めた。
「ねぇ、ちょっと恥ずかしくない」
「何が?」
「て、手つないでるの」
「いいじゃん。私は恥ずかしくなんかないよ。亜美とだったら」
商店街を抜けると次第にあたりは薄暗くなる。
亜希子の体が私の体に寄り添うようにくっついてくる。
「暑いから離れてよ」
「ヤダ」
蒸し蒸しとした暑さが、また体をべとつかせる。
亜希子の体から、少ししっとりとした感じが伝わってくる。
「亜美、夏休み二人でどこかに行こうか。亜美はどこか行きたいところある?」
「ん、夏休みかぁ。そうだなぁ、海行きたいかな」
「海かぁ、いいねぇ。亜美の水着姿見られるし」
「んじゃ、やめ。動機が不純」
「ケチ! 減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃないの」
住宅街の中、T字路で亜希子の足がぴたりと止まった。
そして私の肩に手をやり、亜希子の唇が私の唇と重なった。
ゆっくりと亜希子の舌が私の中に入り込んでいく。
自分の舌と触れ合いながら亜希子の唾液が注がれる。それをごくりと飲み込み、私の舌と共に亜希子の中に唾液を注ぎ込む。
それを飲み込んだ亜希子が一言。
「今日はこれで我慢しておく」耳元でそっとささやいた。
体が熱くなっていくのを感じる。
そのまま亜希子は私の体から離れて「それじゃまた明日」と、自分の家の方に向かい歩き始めた。
その姿を見ないように私も家への道を歩き出した。
「まったく勝手に火つけて、「それじゃ」はないんじゃない」
蒸し暑さに体のほてりが加わって、不快指数は上がる一方だった。
「ただいま」
家のドアを開けると中は、異様なほど静まり返っていた。
リビングには誰もいない。
「家族会議? なんだかわかんないけど、誰もいないじゃん」
お母さんの気配さえないように感じる。
「もう、とっくに仕事終わって帰ってきている……あ、今日はお母さん休みだったか」
冷蔵庫から牛乳をコップに注いで一気に飲み干した。
「ふう、生き返る」
ふとカラオケの時に、亜希子が言っていたのと同じだと思いだして苦笑いをした。
まずはお母さんを探そう。一息ついて思いついた事だった。
ノックして寝室のドアを開けたけど、誰もいない。
浴室をのぞいてみたけど、誰か入っている様子もない。
「どっかに出かけたのかなぁ」
お父さんはいないのは今や前提項目だ。
仕方ないから、美代ねぇの部屋のドアをノックした。
返事も無いからそっとドアを開けると、ヘッドホンをつけ下着姿で、大きな椅子の上に膝をか囲むようにしてパソコンに向かい執筆の真っ最中。カタカタとキーボードを打つ音だけが、響いていた。
「美代ねぇ」と呼び掛けても無駄なことは分かっている。
そっと近寄り、ブラの肩ひもをパチン。
ビクンと体を震わせ私の顔を見るなり、ヘッドホンを外して
「ミーちゃん」と目を大きくして私を呼んだ。
「へへ、びっくりした?」
「もう、びっくりした」
「ごめんね、ヘッドホンしてたから聞こえないと思ってさ」
「ン、もう。もっと別なやり方あるでしょ」
「そぅお、例えばどんな……」
美代ねぇの腕が私を引き寄せ、二人の唇が重なった。
美代ねぇが私の中に入ってくる。
さっき亜希子とキスして少しもやもやしてたから、いっぱい美代ねぇの中に私の唾液を注いでやった。
「ミーちゃん、ミルクの味がする」
美代ねぇが私の胸に顔をうずめて。
「家族会議終わっちゃったよ」と小さな声で言った。
「ねぇ、家族会って何よ」
「あのね」美代ねぇの手が制服のネクタイをほどき、ブラウスのボタンを上から外していく。
ブラウスが床に落ちた。
手を後ろに回しブラのホックを外して、直接私の胸にその顔をうずめ。
「……あのね。お父さんとお母さん、離婚するんだって」と、つぶやいた。
「え!」
嘘、それほんと?
思いもつかないことを美代ねぇから聞いて、心臓がドクンとはねた。
「今ミーちゃんの心臓ドクンといったね」
美代ねぇは耳を私の胸にあて。
「ドクンドクンいっているよミーちゃんの心臓」
「離婚ってそれ本当なの? 美代ねぇはどうしてそんなに落ちついていられるの」
ふぅっと美代ねぇの息が胸に触れる。
「だって今さらでしょ、あの人たちもうとっくに終わっていたんだもの。それにね。お母さん知ってたよ、私たちの事」
私たちの事って……。
世間様には言えない、美代ねぇと私の特別な姉妹の関係を……。
通話を切って戻ると亜希子がストローを口にくわえながら、私の顔色をうかがうように聞いた。
「うん、今すぐ帰ってこいだって」
「なんでや、なにかあったん」
「よくわかんないけど、美代ねぇからとにかく帰って来て言われた」
まさか、これから家族会議があるなんて言えない。
家族会議なんてうちでは初めての事。何があっての事なのかも想像もつかない。
「そっかぁ、それじゃ今日はもうお開きにしよ」
亜希子のその一言を聞いて、ほっと一息付いたような表情を真っ先にしたのは、真由美の方だった。
カラオケ店を出て、3人で駅前通りを歩いた。
「いやー、楽しかったなぁ」
亜希子がそういうと「そうですね」と、珍しく真由美が答えた。
「真由美さぁ、歌えたやん。上手かったで」
「そ、そんなことないです。ただ一生懸命に歌っていただけです」
「そっかぁ、また行こぜ、この3人で」
「ええ、あ、私本屋さんに寄っていくんで」
真由美は本屋の前で止まり、私たちと別れた。
「それじゃ」軽く手を振って私は、真由美が本屋に入る後姿を見つめていた。
亜希子が、そんな私の手を握ってきた。
彼女の顔を見ると少しはにかんだような感じで「さ、行こうか」。
私たちの足は動き始めた。
「ねぇ、ちょっと恥ずかしくない」
「何が?」
「て、手つないでるの」
「いいじゃん。私は恥ずかしくなんかないよ。亜美とだったら」
商店街を抜けると次第にあたりは薄暗くなる。
亜希子の体が私の体に寄り添うようにくっついてくる。
「暑いから離れてよ」
「ヤダ」
蒸し蒸しとした暑さが、また体をべとつかせる。
亜希子の体から、少ししっとりとした感じが伝わってくる。
「亜美、夏休み二人でどこかに行こうか。亜美はどこか行きたいところある?」
「ん、夏休みかぁ。そうだなぁ、海行きたいかな」
「海かぁ、いいねぇ。亜美の水着姿見られるし」
「んじゃ、やめ。動機が不純」
「ケチ! 減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃないの」
住宅街の中、T字路で亜希子の足がぴたりと止まった。
そして私の肩に手をやり、亜希子の唇が私の唇と重なった。
ゆっくりと亜希子の舌が私の中に入り込んでいく。
自分の舌と触れ合いながら亜希子の唾液が注がれる。それをごくりと飲み込み、私の舌と共に亜希子の中に唾液を注ぎ込む。
それを飲み込んだ亜希子が一言。
「今日はこれで我慢しておく」耳元でそっとささやいた。
体が熱くなっていくのを感じる。
そのまま亜希子は私の体から離れて「それじゃまた明日」と、自分の家の方に向かい歩き始めた。
その姿を見ないように私も家への道を歩き出した。
「まったく勝手に火つけて、「それじゃ」はないんじゃない」
蒸し暑さに体のほてりが加わって、不快指数は上がる一方だった。
「ただいま」
家のドアを開けると中は、異様なほど静まり返っていた。
リビングには誰もいない。
「家族会議? なんだかわかんないけど、誰もいないじゃん」
お母さんの気配さえないように感じる。
「もう、とっくに仕事終わって帰ってきている……あ、今日はお母さん休みだったか」
冷蔵庫から牛乳をコップに注いで一気に飲み干した。
「ふう、生き返る」
ふとカラオケの時に、亜希子が言っていたのと同じだと思いだして苦笑いをした。
まずはお母さんを探そう。一息ついて思いついた事だった。
ノックして寝室のドアを開けたけど、誰もいない。
浴室をのぞいてみたけど、誰か入っている様子もない。
「どっかに出かけたのかなぁ」
お父さんはいないのは今や前提項目だ。
仕方ないから、美代ねぇの部屋のドアをノックした。
返事も無いからそっとドアを開けると、ヘッドホンをつけ下着姿で、大きな椅子の上に膝をか囲むようにしてパソコンに向かい執筆の真っ最中。カタカタとキーボードを打つ音だけが、響いていた。
「美代ねぇ」と呼び掛けても無駄なことは分かっている。
そっと近寄り、ブラの肩ひもをパチン。
ビクンと体を震わせ私の顔を見るなり、ヘッドホンを外して
「ミーちゃん」と目を大きくして私を呼んだ。
「へへ、びっくりした?」
「もう、びっくりした」
「ごめんね、ヘッドホンしてたから聞こえないと思ってさ」
「ン、もう。もっと別なやり方あるでしょ」
「そぅお、例えばどんな……」
美代ねぇの腕が私を引き寄せ、二人の唇が重なった。
美代ねぇが私の中に入ってくる。
さっき亜希子とキスして少しもやもやしてたから、いっぱい美代ねぇの中に私の唾液を注いでやった。
「ミーちゃん、ミルクの味がする」
美代ねぇが私の胸に顔をうずめて。
「家族会議終わっちゃったよ」と小さな声で言った。
「ねぇ、家族会って何よ」
「あのね」美代ねぇの手が制服のネクタイをほどき、ブラウスのボタンを上から外していく。
ブラウスが床に落ちた。
手を後ろに回しブラのホックを外して、直接私の胸にその顔をうずめ。
「……あのね。お父さんとお母さん、離婚するんだって」と、つぶやいた。
「え!」
嘘、それほんと?
思いもつかないことを美代ねぇから聞いて、心臓がドクンとはねた。
「今ミーちゃんの心臓ドクンといったね」
美代ねぇは耳を私の胸にあて。
「ドクンドクンいっているよミーちゃんの心臓」
「離婚ってそれ本当なの? 美代ねぇはどうしてそんなに落ちついていられるの」
ふぅっと美代ねぇの息が胸に触れる。
「だって今さらでしょ、あの人たちもうとっくに終わっていたんだもの。それにね。お母さん知ってたよ、私たちの事」
私たちの事って……。
世間様には言えない、美代ねぇと私の特別な姉妹の関係を……。
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