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新しい時代
相入れない者
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まず、エルフ達に話をした方が良さそうだ。私と颯太が実体化して、カナエも連れてトコヤミの背中にのせてもらう。
4人のエルフの子供達も一緒だ。
トコヤミは静かに羽ばたき、ゆっくりと空を飛んでくれる。
『ハル様、ソータ様、乗り心地は如何でしょうか?』
「ええ、とても快適よ。ありがとう」
私の言葉に気を良くしたのか少し速度が上がった気がする。
「ほら、調子に乗らない!あまり速度を出すとハル様達が苦しいでしょ!」
『申し訳ありません!』
カナエに怒られて速度を落とすトコヤミ。
ゆっくりと飛んでいたのだけど、北の山にはあっという間に到着した。
「エルフの住処はどこにあるの?」
「あの辺りがそうです」
アルカに聞いたら指を差して教えてくれた。
トコヤミに向かってもらうと、そこは森の中。大きな木が立ち並んでいるが、その木を切り倒す事なく自分達の家を作り上げていた。
上からその様子を観察してから降りられそうな場所を探す。
集落から少し離れた所に開けた原っぱがあったのでそこに着地した。
森からエルフが数名やって来る。
「黒竜様……どうか怒りをお鎮め下さい」
代表らしき男性が跪きながら言っている。
その後ろには五人のエルフの男女。皆弓矢を持っている。いざと言う時は戦うつもりなのだろう。
「お待ちなさい、私はここより南にある泉の精霊のハルです。この黒竜、トコヤミは私の眷属です」
「何と……黒竜の主人様、失礼を致しました。私は族長のローウェンと申します。」
ローウェンは跪いたままで名乗った。
「今日は話をしに来ました。立って下さい」
私はローウェンを立たせると、トコヤミが供物を必要としていないという事、この地に住む事を許している事を説明した。
「そうでしたか……誠にありがとうございます」
「それで、一つ確認をしたい事があります。供物として寄越したこの子供達に意識を混濁させる薬を使ったのは何故ですか?」
「それは……贄となるのです。せめて苦しまないようにと薬を与えました」
尤もな言い分だ。だが本当にそうだろうか?この子達には相当な量の薬が使われていた。
「トコヤミに薬漬けの子供達を食べさせて弱らせようとしたのではないの?」
だからここに来て開口一番「怒りを鎮めてくれ」だったのではないか?
「……く。仕方ない、この娘を捕らえよ!」
ローウェンが叫ぶと後ろの五人が矢を私に目掛けて放って来る。
それを予期していたのか、カナエが風の魔法を放って矢を跳ね返した。
颯太はすぐに私と所に駆け寄り私を護ってくれた。
『愚か者め!』
トコヤミが怒りの咆哮を上げると、その場にいたエルフ全員が身を縮こまらせて動きを止めた。
震えた手で次の矢を番えようする者や、逃げ出そうとしている者など、既に統率は取れていない。
『如何しますか?』
「焼いてしまいなさい」
「なっ!?お待ちください!!」
ローウェンは慌てて声を上げるがもう遅い。
トコヤミが口を大きく開けると巨大な炎を吹き出して六人を焼いていく。
絶叫の様な悲鳴が聞こえてくるが構いはしない。全員が焼け死ぬのを私は見届けた。
私が守れるものは少ないのだ。良き隣人になれないものは排除するしかない。
残念だがこのエルフという種族は、私達に友好的ではなかった。
森の中から数十人のエルフが出てきて全員が矢を射かけて来る。
『あれらも焼いて宜しいですか?』
「森を燃やすのは駄目よ。颯太、カナエ、お願いできる?」
「大丈夫だよ。母さん。」
「お任せください!」
カナエが風の魔法で矢を全て跳ね返し、颯太は森の木を動かして次々とエルフを倒していく。
暫く矢を射掛けたりと抵抗はしていたが、カナエも魔法で攻撃を加える様になると殆どの者が魔法で倒された。
仕方ないのよ。でも、謝りはしない。
4人のエルフの子供達も一緒だ。
トコヤミは静かに羽ばたき、ゆっくりと空を飛んでくれる。
『ハル様、ソータ様、乗り心地は如何でしょうか?』
「ええ、とても快適よ。ありがとう」
私の言葉に気を良くしたのか少し速度が上がった気がする。
「ほら、調子に乗らない!あまり速度を出すとハル様達が苦しいでしょ!」
『申し訳ありません!』
カナエに怒られて速度を落とすトコヤミ。
ゆっくりと飛んでいたのだけど、北の山にはあっという間に到着した。
「エルフの住処はどこにあるの?」
「あの辺りがそうです」
アルカに聞いたら指を差して教えてくれた。
トコヤミに向かってもらうと、そこは森の中。大きな木が立ち並んでいるが、その木を切り倒す事なく自分達の家を作り上げていた。
上からその様子を観察してから降りられそうな場所を探す。
集落から少し離れた所に開けた原っぱがあったのでそこに着地した。
森からエルフが数名やって来る。
「黒竜様……どうか怒りをお鎮め下さい」
代表らしき男性が跪きながら言っている。
その後ろには五人のエルフの男女。皆弓矢を持っている。いざと言う時は戦うつもりなのだろう。
「お待ちなさい、私はここより南にある泉の精霊のハルです。この黒竜、トコヤミは私の眷属です」
「何と……黒竜の主人様、失礼を致しました。私は族長のローウェンと申します。」
ローウェンは跪いたままで名乗った。
「今日は話をしに来ました。立って下さい」
私はローウェンを立たせると、トコヤミが供物を必要としていないという事、この地に住む事を許している事を説明した。
「そうでしたか……誠にありがとうございます」
「それで、一つ確認をしたい事があります。供物として寄越したこの子供達に意識を混濁させる薬を使ったのは何故ですか?」
「それは……贄となるのです。せめて苦しまないようにと薬を与えました」
尤もな言い分だ。だが本当にそうだろうか?この子達には相当な量の薬が使われていた。
「トコヤミに薬漬けの子供達を食べさせて弱らせようとしたのではないの?」
だからここに来て開口一番「怒りを鎮めてくれ」だったのではないか?
「……く。仕方ない、この娘を捕らえよ!」
ローウェンが叫ぶと後ろの五人が矢を私に目掛けて放って来る。
それを予期していたのか、カナエが風の魔法を放って矢を跳ね返した。
颯太はすぐに私と所に駆け寄り私を護ってくれた。
『愚か者め!』
トコヤミが怒りの咆哮を上げると、その場にいたエルフ全員が身を縮こまらせて動きを止めた。
震えた手で次の矢を番えようする者や、逃げ出そうとしている者など、既に統率は取れていない。
『如何しますか?』
「焼いてしまいなさい」
「なっ!?お待ちください!!」
ローウェンは慌てて声を上げるがもう遅い。
トコヤミが口を大きく開けると巨大な炎を吹き出して六人を焼いていく。
絶叫の様な悲鳴が聞こえてくるが構いはしない。全員が焼け死ぬのを私は見届けた。
私が守れるものは少ないのだ。良き隣人になれないものは排除するしかない。
残念だがこのエルフという種族は、私達に友好的ではなかった。
森の中から数十人のエルフが出てきて全員が矢を射かけて来る。
『あれらも焼いて宜しいですか?』
「森を燃やすのは駄目よ。颯太、カナエ、お願いできる?」
「大丈夫だよ。母さん。」
「お任せください!」
カナエが風の魔法で矢を全て跳ね返し、颯太は森の木を動かして次々とエルフを倒していく。
暫く矢を射掛けたりと抵抗はしていたが、カナエも魔法で攻撃を加える様になると殆どの者が魔法で倒された。
仕方ないのよ。でも、謝りはしない。
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