176 / 452
冒険者
事件
しおりを挟む
エレの冒険者証を受け取って、パーティ登録も済ませる。
「お前らが仕事をし易い様に鉄級にしておいたぞ」
「お気遣いありがとうございます」
こういうところは気が利くバルドル。
「ありがとうございます!」
エレも早速冒険者証を首に掛けて嬉しそうだ。
「バルドルの旦那、ちょっといいかい?」
「おう、どうした?」
声を掛けてきたのは私達が初めて依頼を受けた時にここで会ったジェイドという男だった。
「今から例の事件の捜査に行くんだが、俺一人だと不安でな。このルーキー達をちょいと貸してくんねぇかな?」
「確かお前は鋼級だったな。コイツらも同じだから連れて行っても問題ねえぞ」
二人で勝手に話を進めている。
「ま、行く行かないはお前ら次第だがな」
「なあ、俺の勘が一人じゃ危ないって言ってるんだ。手伝ってもらえないか?」
さてどうしたものか?
「午後からは訓練をする予定だったけど、どうする?」
「まず、どんな仕事なのかと報酬がどうなるかを教えてもらったらどうかな?」
セロがみんなに聞くと芽依が早速提案する。
ちゃんと冒険者らしくなってきたわね。
「俺が受けている依頼は、最近多発している変死事件の調査だ。聞いた事ないか?カラカラに干からびた死体が見つかっているんだが。それでこの依頼は段階で報酬が変わる仕組みになっているんだ」
ジェイドの説明では、聞き込み調査で有力な手掛かりを得られれば五百エルズ。
犯人を特定できれば五千エルズ、逮捕できれば一万エルズが支払われるらしい。
「あとは驚異度に応じて報酬が上乗せされるそうだ」
「ジェイドさんはどこまでやるおつもりですか?」
「無理のない程度。相手が確実に格上なら戦わない」
条件としては悪くはないと思う。
ただ、無理して働く必要がないのも事実だ。あとは皆のやる気次第だが。
「俺はやってもいいですよ」
「私もいいよ!」
セロと芽依はやる気の様だ。
「セロとメイさんがやるって言うなら」
「私も」
リンとミラも受ける方向だ。
「エレはいい?」
「はい。皆さんについていきます!」
「私もジェイドさんの仕事を手伝うのに賛成です」
「よし、決まりだな。手続きはこっちでやっておくからジェイドと調査に行ってこい」
「はい!」
私達が受けた仕事の手続きはバルドルに任せてギルドを出る。
「改めて宜しくな。セロ達とは何度か話した事があったな。ハル達とはこれで二度目か。そちらは?」
「エレネージュといいます。今日からセロさんのパーティに入りました」
「よろしく。改めてになるが、俺はジェイド。探索や調査が得意なソロの冒険者だ」
ジェイドは鎧は着ずに腰には小剣と短剣を下げていた。
「戦闘はあまり得意じゃないが、剣以外には少々格闘術が使える」
彼は討伐の仕事は殆ど受けないらしい。
私達も得意武器や戦闘スタイルをそれぞれ話していく。
「今回の事件だが、被害者は現在四人。全員干からびた姿で発見されている。うち一人はバラバラになっていたんだが、まあそれは取り敢えず置いておこう」
干からびたバラバラの遺体。
恐らくラティーシアを保護した時に足元にあったものだろう。
彼女は自分がやったのではないと言っていた。
今は彼女の言う事を信じてジェイドには話さないでおこう。
「今から行くのは四人目の死体が見つかった現場だ。主にやる事は二つ。聞き込み調査と犯人の痕跡がないか捜索する事。手分けしてやろう」
ジェイド、セロ、リン、ミラが痕跡の捜索。私達は聞き込みをする事になった。
現場は広場から少し行った人通りの少ない通り。
…そういえばロザリアの姿を見失ったのはこちらの方向だった気がするが。
いや、考えすぎだろう。
そう思いつつも心の片隅に留めておいて、聞き込みを始める事にした。
「お前らが仕事をし易い様に鉄級にしておいたぞ」
「お気遣いありがとうございます」
こういうところは気が利くバルドル。
「ありがとうございます!」
エレも早速冒険者証を首に掛けて嬉しそうだ。
「バルドルの旦那、ちょっといいかい?」
「おう、どうした?」
声を掛けてきたのは私達が初めて依頼を受けた時にここで会ったジェイドという男だった。
「今から例の事件の捜査に行くんだが、俺一人だと不安でな。このルーキー達をちょいと貸してくんねぇかな?」
「確かお前は鋼級だったな。コイツらも同じだから連れて行っても問題ねえぞ」
二人で勝手に話を進めている。
「ま、行く行かないはお前ら次第だがな」
「なあ、俺の勘が一人じゃ危ないって言ってるんだ。手伝ってもらえないか?」
さてどうしたものか?
「午後からは訓練をする予定だったけど、どうする?」
「まず、どんな仕事なのかと報酬がどうなるかを教えてもらったらどうかな?」
セロがみんなに聞くと芽依が早速提案する。
ちゃんと冒険者らしくなってきたわね。
「俺が受けている依頼は、最近多発している変死事件の調査だ。聞いた事ないか?カラカラに干からびた死体が見つかっているんだが。それでこの依頼は段階で報酬が変わる仕組みになっているんだ」
ジェイドの説明では、聞き込み調査で有力な手掛かりを得られれば五百エルズ。
犯人を特定できれば五千エルズ、逮捕できれば一万エルズが支払われるらしい。
「あとは驚異度に応じて報酬が上乗せされるそうだ」
「ジェイドさんはどこまでやるおつもりですか?」
「無理のない程度。相手が確実に格上なら戦わない」
条件としては悪くはないと思う。
ただ、無理して働く必要がないのも事実だ。あとは皆のやる気次第だが。
「俺はやってもいいですよ」
「私もいいよ!」
セロと芽依はやる気の様だ。
「セロとメイさんがやるって言うなら」
「私も」
リンとミラも受ける方向だ。
「エレはいい?」
「はい。皆さんについていきます!」
「私もジェイドさんの仕事を手伝うのに賛成です」
「よし、決まりだな。手続きはこっちでやっておくからジェイドと調査に行ってこい」
「はい!」
私達が受けた仕事の手続きはバルドルに任せてギルドを出る。
「改めて宜しくな。セロ達とは何度か話した事があったな。ハル達とはこれで二度目か。そちらは?」
「エレネージュといいます。今日からセロさんのパーティに入りました」
「よろしく。改めてになるが、俺はジェイド。探索や調査が得意なソロの冒険者だ」
ジェイドは鎧は着ずに腰には小剣と短剣を下げていた。
「戦闘はあまり得意じゃないが、剣以外には少々格闘術が使える」
彼は討伐の仕事は殆ど受けないらしい。
私達も得意武器や戦闘スタイルをそれぞれ話していく。
「今回の事件だが、被害者は現在四人。全員干からびた姿で発見されている。うち一人はバラバラになっていたんだが、まあそれは取り敢えず置いておこう」
干からびたバラバラの遺体。
恐らくラティーシアを保護した時に足元にあったものだろう。
彼女は自分がやったのではないと言っていた。
今は彼女の言う事を信じてジェイドには話さないでおこう。
「今から行くのは四人目の死体が見つかった現場だ。主にやる事は二つ。聞き込み調査と犯人の痕跡がないか捜索する事。手分けしてやろう」
ジェイド、セロ、リン、ミラが痕跡の捜索。私達は聞き込みをする事になった。
現場は広場から少し行った人通りの少ない通り。
…そういえばロザリアの姿を見失ったのはこちらの方向だった気がするが。
いや、考えすぎだろう。
そう思いつつも心の片隅に留めておいて、聞き込みを始める事にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
432
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる