転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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平穏

尻尾

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私は奴隷の人達に説明する。

「私達はまだやる事がありますので暫くはここで生活してください。」
「待ってくれ…いや、待ってください!ここで生活ってどうすればいいんですか?」
「ここにいるアウラさんが皆さんの身の回りのお世話をしてくれますのでご安心ください。」

多少の混乱はあったけど、困りごとがあればアウラさんに相談してもらえれば大抵の事は解決できるのでお任せする事に。
食事から着ているものの交換までアウラさん達がテキパキとこなしてくれている。
今回の仕事が終わったら改めて身の振り方を決めてもらおう。

情報も手に入ったし、一度マサキさん達と合流して次の行動を決めようと思う。

お昼ご飯も兼ねてレストランの一室を借りて情報を整理する。

私達が手に入れたのは違法な取引を斡旋してくれる組織の情報。金属でできた割符を使って取引相手を確認する様にしているそうで、割符を購入する方法も教えてくれた。

マサキさん達は他の奴隷商からある貴族の使いがかなりの頻度で奴隷を買いに来ていて、自分の所に長く置いていないという話を聞いてきたそう。

それでその貴族の身辺を調べてみたら最近随分と羽振りが良く、珍しい鉱石を高く売って大儲けしているとか。その鉱石はアダマンタイトと言って、今までに見た事もない鉱物なのだとか。

「定番の鉱石ではあるけどアスティアには無いのかと思っていたわ。」

リオさんがそう言うと、マサキさん、ネネさん、ソラちゃんも頷いていた。

有名なんだ?

[アダマンタイトはオリハルコンに次ぐ硬度をもつ魔法金属で、現在中央大陸では産出されていません。]

アウラさんの説明は全員に伝わる様にしておいた。

「確かにアダマンタイトという金属は聞いた事はないな。」

ルーティアさんがそう言うなら本当に希少な鉱石なのかも知れない。
ちょっと現物を見てみたい気もするけど、今は奴隷の話が先だ。

「さて、奴隷を大量に買って行く貴族と、この辺りで手に入らない希少な金属を取り扱う様になったと言う話、結び付けるならどういう筋書きが必要かしら?」
「まさか奴隷を材料に?」

ソラちゃんそれは流石に無理があるかな。

「アフターギフト因子みたいにですか?」
「そんなどこぞの賢者の石じゃあるまいし。」

ユキさんが言ったけど私もそれを思い浮かべた。幾ら何でも突飛過ぎるかな。
マサキさんの言っているのは某錬金術師の物語の事だよね?

まあ今はそれはいいとして。

「はあ…私とした事が最も安全で簡単で早い方法があったのになんでこんな回りくどい事をしていたのかしら…」

突然頭を抱えるリオさん。

どうしたの?

「ミナ、オーバーブースト鑑定でリアード国内を調べて。奴隷の分布と、何か変わったものがないか探してみて。」
「なるほど!分かりました!」

そうだよね。聞き込みしなくても自分で調べられるんだ。

「……私は意図的にやらない様にしていたのかと思っていたのだけど違ったんだねぇ。」

苦笑いをしながらルーティアさんが呟いていた。

気を取り直してオーバーブーストを掛けて鑑定をしてみる。

特に変わった所はない様な…おや?

「東の海上、奴隷を大量に乗せた船がいます。これは…座礁してる?」

イメージをここにいる全員にリンクさせて見せる。船はかなり大型みたいで船員が20人、労働奴隷が20人、奴隷が…180人。労働奴隷というのは操船を行う奴隷らしい。
更に詳しく調べると船員20人の内16人は竜人族ドラゴニュート4人は半竜人族ドラゴンハーフだった。

半竜人族ドラゴンハーフってどんな種族ですか?」
「ミナ達は見た事ないか。名前の通り竜人族ドラゴニュートと人間のハーフだよ。見た目は人間にかなり近い。違うのはドラゴンの尻尾が生えているくらいで、華奢な容姿の者が多くて非力だけど恐ろしく頑丈で魔力が高い。北の村にも数人いるけど、容姿の美しさのせいで拐われる心配があるから人前には滅多に現れないぞ。」

マサキさんが丁寧に教えてくれた。
竜人族ドラゴニュートとの間に子供ってできるんだ…。全然違う生き物に見えるから無理だと思ってたんだけど。

「北の村は人と交わった竜人族ドラゴニュートがいるのね。」
「ああ、元々あの村の者じゃないらしい。東の国から逃げて来たとか言っていたような。」

話を戻そう。今、岩礁で立ち往生している船はその東の国から来た可能性が高いと言う事だよね。

「リアードは奴隷を外国に売り渡すのは合法ですか?」
「禁止はされていない筈だ。だが東のエジダイハン…竜人族ドラゴニュートの国とは交易自体を禁じているな。」

クロウさんが答えてくれた。流石大手クランのリーダーだけあって詳しい。

「じゃあその船を拿捕してもいいって事でしょうか?」
「船員と船を国に返せばいいんじゃない?」

ユキさんの質問にリオさんが答えている。

「一応国王には言っておこうか。事後で。」

マサキさんは笑いながら言う。事後でいいのかな?最悪戦争にでもなったら大変だよ。

「俺達を利用したその仕返しみたいなもんだ。それにリアード国内では違法な行為だしな。」
「私達を利用すると想像の斜め上どころか捻りまで加えてくるのだと思い知らせてやればいい。」

ソラちゃんも乗り気だ。
最悪そのエジダイハンが攻めてきたら私達が何とかしよう。

ご飯も美味しくいただいて午後からはどうしようか?

「それじゃ、お昼も済んだし船に行ってみる?」
「そんな散歩に行くみたいな言い方…結構好きよ。」

リオさんが軽い口調で言うとネネさんが反応していた。

2人は結構仲良いよね。

奴隷を大量に乗せた船を調べにいく事になった。

予め《レビテーション》を全員に掛けて、私は念の為《アドラステア》を作動させてから《ハイパークレアボイアンス》と《テレポート》で転移する。

転移した先は船の上空。見ればかなり大きな帆船が大陸からかなり離れたところにある浅瀬に乗り上げて危険なほど傾斜していた。甲板には竜人族ドラゴニュートや船員と思しき人間や尻尾の生えた人、半竜人族ドラゴンハーフ達がマストや縁に掴まって必死に堪えていた。

「あのままじゃ転覆しちゃいます。助けましょう。」

私は《リージョナルテレポート》で船を浅瀬から転移させた。

「助かったのか…?」
「何者だ!」
「私達はリアード国の命により奴隷の売買について取締りを許可されている者よ。あなた達の船にリアードから買った奴隷が乗っているわね。臨検させてもらうわよ。」

「おい!今はそれどころじゃあないぞ!船底に穴が空いた!」

それはマズい。

《ラッキーシュート》を掛けて《修復リペアー》で修復する。

「船は直しました。これで話は聞いてもらえますか?」

更に混乱する船員達。
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