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平穏
拿捕
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さて、大人しく応じてくれるかな?
「人間如きが舐めるなよ!」
吠える竜人族。声がすごく大きい。迫力あるなぁ。
おや…?
竜人族の中に姿が少し違う個体がいる。
背中に翼が生えているのが4人、それも他の竜人族よりも一回り大きい。サイズは普通だけど背中に翼の生えた個体も2人、他の個体よりも随分と小さいのも1人いる。あとは一際体の大きいのも2人、個人差なのかな?
[竜人族は6氏族に分かれていて、筋力に優れるドラーク氏、身体が大きくより頑丈なヴォアル氏、筋力量が少なく敏捷に優れるバルード氏、翼が生えているフェヴェス氏、小柄になった代わりに知能が発達し様々なブレスを吐ける様になったガルビル氏、あらゆる氏族の特性を兼ね揃えたハウト氏に分かれます。]
竜人族と言っても色んな種類がいるんだね。北の村にいるのはバルード氏なんだ。
「脆弱な人間など蹴散らしてくれる!」
竜人族が6人、翼のある人達が空に上がってくる。
「相手の数は少ないわ。さっさと蹴散らして大人しくしてもらいましょう。」
特に気にする訳でもなく言うリオさん。
「聞こえたぞ人間!どちらが強者か思い知らせてくれる!」
リオさんの言葉に熱り立つ竜人族の人。
そうは言われても正直負ける気がしない。
ダキアさんが使っている大剣と同じサイズの剣を2本軽々と両手に下げていたり、全長5メートルはあろうかというソードランスを持っていたりと迫力はすごい。
翼を羽ばたかせてかなりの速度で上昇してくる。
「遊んでいる暇はありません。大人しくしてください。《ライトニングボルト》」
私は戦闘の竜人達の翼を雷撃で撃ち抜いて撃墜する。
やっぱり魔法の耐性は低い。
ユキさん、ソラちゃん、マサキさん、テュケ君がそれぞれ1人ずつを難なく倒していた。
「なんて強さだ…人間のくせに!おい!援護しろ!」
残った1人が船上にいる人に声を掛ける。
甲板では半竜人達4人が集まって魔法を詠唱している。
「攻撃魔法が来るわね。」
「私が跳ね返します。」
みんなの前に出て《ヴェンデッタ》を起動して攻撃に備える。
「敵を前にして動きを止めるとは迂闊な奴め!」
最後の1人が私目掛けて斬り込んでくる。もの凄い大きな剣を一振り、振りかざして飛んできた。
うーん…悪いけど。
刃は私には届かない。
勢いよく振り下ろした瞬間、斬り裂かれたのは竜人達の方だった。
《ヴェンデッタ》の効果でダメージを跳ね返していた。自分の大剣で斬り裂かれて力なくゆっくり落下していく。
あのまま落ちたら流石にマズいかなぁ。
「《テレポートアザー》。」
ネネさんが落ちていく竜人達に転移魔法を掛けて甲板に移動させてくれた。
ナイスフォローです。
甲板上では半竜人族達が魔法を完成させていた。
「《デスペラシオンラディウス》」
光線が無数に撃ち出されて一人ひとりに向かって飛んでくる。
まあ、跳ね返るんだけどね。
跳ね返って甲板にいる竜人達達に魔法が突き刺さる。
生きてるかな…?
《レナータ》を作動させて人も船も修復する。
「抵抗は無意味です。大人しくしてください。」
「おのれぇ…人間め…」
悔しそうに呻いている小柄な竜人族。どうやら諦めてくれたみたいだ。
「さて、これ以上何かされても面倒だから船ごと陸に上げてしまいましょう。《リージョナルテレポート》。」
リオさんが転移魔法を発動させて船ごと移動させた。
ここは…停戦交渉をしたリリエンタの南端の平原だ。お城は既に聖国の町に移設してあるので何もないのだけど。
「なんだ…一体何が…?」
「大人しくしてくれればこれ以上怪我はせずに済みます。」
「ぐう……」
船員は全員降りてもらってルーティアさん達に監視してもらっておいて船の中を見せてもらう。
船倉には人間が敷き詰められていた。
こんなギッシリ詰め込まれて船旅なんて大丈夫なの?エジダイハンってこの船で行ったら何日かかるんだろう…?
[この船は魔動力船です。悪天候でなければ通常航行で1ヶ月程で着きます。]
一月もこの状態なんて…無理だよ。
「半分位は死ぬかもしれないわね。疫病でも発生したらほとんど生きてないと思うわ。」
「そんな…」
とにかくみんな降ろそう。
「貴様ら…こんな事をしてただで済むと思っているのか?」
「何かくれるの?」
「ちがうわ!」
ソラちゃん、わざと言ってるよね。
「あなた達はこの人達をどうするつもりだったのですか?」
ユキさんが小柄な竜人達に聞いている。
「それは…用途は様々だ。」
言葉を濁しているのは食用だったりするからかも知れない。
「この奴隷の人達は返してもらいます。」
「ふざけるな!俺達はこの国の人間と取引をして手に入れたのだ!」
「分かってます。お金でお返しします。」
「金などいらん!」
「そう言われても…何か欲しいものはありますか?」
お金じゃなくて欲しいものがあるなら教えてもらおう。人とか言ったら船に押し込んで転移で国に帰してしまおう。
「金をよこせ。」
「金?金って黄金の事ですか?」
「そうだ。」
それならダンジョンから持ってくれば幾らでも用意できるし。
アウラさんに送ってもらって人の代わりに船倉に敷き詰めておこう。
「これで宜しいですか?」
「こんなに…良いのか?」
「ええ。」
[重量過多です。航行は不可能です。]
それならエジダイハンに直接送り返してしまおう。
「それではみなさん、船に乗ってください。」
「ここでか?お前らは見たことのない魔法を使うがあれは何だ?」
「転移魔法ですよ。今から皆さんを国に送り返します。」
「ちょっとまて!」
小柄な竜人族に止められる。
「何ですか?」
「その魔法を教えてもらえんか?」
「駄目ですね。」
「欲しいものがあれば用意する。何が望みだ?」
無視して《ハイパークレアボイアンス》と《テレポートアザー》を使ってエジダイハンの港っぽい所に転移させてしまった。
「人間如きが舐めるなよ!」
吠える竜人族。声がすごく大きい。迫力あるなぁ。
おや…?
竜人族の中に姿が少し違う個体がいる。
背中に翼が生えているのが4人、それも他の竜人族よりも一回り大きい。サイズは普通だけど背中に翼の生えた個体も2人、他の個体よりも随分と小さいのも1人いる。あとは一際体の大きいのも2人、個人差なのかな?
[竜人族は6氏族に分かれていて、筋力に優れるドラーク氏、身体が大きくより頑丈なヴォアル氏、筋力量が少なく敏捷に優れるバルード氏、翼が生えているフェヴェス氏、小柄になった代わりに知能が発達し様々なブレスを吐ける様になったガルビル氏、あらゆる氏族の特性を兼ね揃えたハウト氏に分かれます。]
竜人族と言っても色んな種類がいるんだね。北の村にいるのはバルード氏なんだ。
「脆弱な人間など蹴散らしてくれる!」
竜人族が6人、翼のある人達が空に上がってくる。
「相手の数は少ないわ。さっさと蹴散らして大人しくしてもらいましょう。」
特に気にする訳でもなく言うリオさん。
「聞こえたぞ人間!どちらが強者か思い知らせてくれる!」
リオさんの言葉に熱り立つ竜人族の人。
そうは言われても正直負ける気がしない。
ダキアさんが使っている大剣と同じサイズの剣を2本軽々と両手に下げていたり、全長5メートルはあろうかというソードランスを持っていたりと迫力はすごい。
翼を羽ばたかせてかなりの速度で上昇してくる。
「遊んでいる暇はありません。大人しくしてください。《ライトニングボルト》」
私は戦闘の竜人達の翼を雷撃で撃ち抜いて撃墜する。
やっぱり魔法の耐性は低い。
ユキさん、ソラちゃん、マサキさん、テュケ君がそれぞれ1人ずつを難なく倒していた。
「なんて強さだ…人間のくせに!おい!援護しろ!」
残った1人が船上にいる人に声を掛ける。
甲板では半竜人達4人が集まって魔法を詠唱している。
「攻撃魔法が来るわね。」
「私が跳ね返します。」
みんなの前に出て《ヴェンデッタ》を起動して攻撃に備える。
「敵を前にして動きを止めるとは迂闊な奴め!」
最後の1人が私目掛けて斬り込んでくる。もの凄い大きな剣を一振り、振りかざして飛んできた。
うーん…悪いけど。
刃は私には届かない。
勢いよく振り下ろした瞬間、斬り裂かれたのは竜人達の方だった。
《ヴェンデッタ》の効果でダメージを跳ね返していた。自分の大剣で斬り裂かれて力なくゆっくり落下していく。
あのまま落ちたら流石にマズいかなぁ。
「《テレポートアザー》。」
ネネさんが落ちていく竜人達に転移魔法を掛けて甲板に移動させてくれた。
ナイスフォローです。
甲板上では半竜人族達が魔法を完成させていた。
「《デスペラシオンラディウス》」
光線が無数に撃ち出されて一人ひとりに向かって飛んでくる。
まあ、跳ね返るんだけどね。
跳ね返って甲板にいる竜人達達に魔法が突き刺さる。
生きてるかな…?
《レナータ》を作動させて人も船も修復する。
「抵抗は無意味です。大人しくしてください。」
「おのれぇ…人間め…」
悔しそうに呻いている小柄な竜人族。どうやら諦めてくれたみたいだ。
「さて、これ以上何かされても面倒だから船ごと陸に上げてしまいましょう。《リージョナルテレポート》。」
リオさんが転移魔法を発動させて船ごと移動させた。
ここは…停戦交渉をしたリリエンタの南端の平原だ。お城は既に聖国の町に移設してあるので何もないのだけど。
「なんだ…一体何が…?」
「大人しくしてくれればこれ以上怪我はせずに済みます。」
「ぐう……」
船員は全員降りてもらってルーティアさん達に監視してもらっておいて船の中を見せてもらう。
船倉には人間が敷き詰められていた。
こんなギッシリ詰め込まれて船旅なんて大丈夫なの?エジダイハンってこの船で行ったら何日かかるんだろう…?
[この船は魔動力船です。悪天候でなければ通常航行で1ヶ月程で着きます。]
一月もこの状態なんて…無理だよ。
「半分位は死ぬかもしれないわね。疫病でも発生したらほとんど生きてないと思うわ。」
「そんな…」
とにかくみんな降ろそう。
「貴様ら…こんな事をしてただで済むと思っているのか?」
「何かくれるの?」
「ちがうわ!」
ソラちゃん、わざと言ってるよね。
「あなた達はこの人達をどうするつもりだったのですか?」
ユキさんが小柄な竜人達に聞いている。
「それは…用途は様々だ。」
言葉を濁しているのは食用だったりするからかも知れない。
「この奴隷の人達は返してもらいます。」
「ふざけるな!俺達はこの国の人間と取引をして手に入れたのだ!」
「分かってます。お金でお返しします。」
「金などいらん!」
「そう言われても…何か欲しいものはありますか?」
お金じゃなくて欲しいものがあるなら教えてもらおう。人とか言ったら船に押し込んで転移で国に帰してしまおう。
「金をよこせ。」
「金?金って黄金の事ですか?」
「そうだ。」
それならダンジョンから持ってくれば幾らでも用意できるし。
アウラさんに送ってもらって人の代わりに船倉に敷き詰めておこう。
「これで宜しいですか?」
「こんなに…良いのか?」
「ええ。」
[重量過多です。航行は不可能です。]
それならエジダイハンに直接送り返してしまおう。
「それではみなさん、船に乗ってください。」
「ここでか?お前らは見たことのない魔法を使うがあれは何だ?」
「転移魔法ですよ。今から皆さんを国に送り返します。」
「ちょっとまて!」
小柄な竜人族に止められる。
「何ですか?」
「その魔法を教えてもらえんか?」
「駄目ですね。」
「欲しいものがあれば用意する。何が望みだ?」
無視して《ハイパークレアボイアンス》と《テレポートアザー》を使ってエジダイハンの港っぽい所に転移させてしまった。
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