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特別編2:神様はじめました

今後のライオアール

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──〔god side〕──

アスティアの神界に戻ってきて、フラウリア様に会いに行く。

みんなで行くのも良くないので、同行者はリオさん、ルーティアさん、レアさんのみになった。

「こんにちはフラウリア様」
「ミナ様、どうかなさいましたか?」
「実は……」

リヴェルティア様を倒してライオアールワールドコアへのアクセス権限を手に入れた事を説明する。

「──という訳で、フラウリア様にライオアールをお返しできるのですが…」

静かに聞いていたフラウリア様の表情は暗い。

「ライオアールに帰らないといけませんか…?」
「帰りたくないのかい?」

不安そうに聞くフラウリア様にルーティアさんが優しく問いかける。

「はい…ご迷惑でなければこちらに置いていただきたいのです」
「私は構いませんがフラウリア様は本当にそれで宜しいのですか?」
「はい。人として生きていきたいです」

魂の破損がそう言わせているかも知れないからアウラさんに解析してもらって様子を見る。

[魂の破損が思考を惑わせている可能性は低いです。これは本人の意志によるものと判断します]

ご本人がそうしたいというのなら私達に止める権利はないし、アスティアに保護したのだからフラウリア様がここで生きていく権利もある。

「分かりました。フラウリア様の意志を尊重します」
「ありがとうございます」

そうなるとライオアールをどうするか。

「ミナが作っちゃう?」
「えぇ…それは流石にどうなんでしょう…」

そうリオさんが提案する。
私はアスティアの神だからライオアールを作り直すのは…。

「でも現状それができるのはミナさんだけですよ」
「そうですけど…」

レアさんもリオさんと同じ考えなのかな?

「とりあえず今すぐにライオアールをどうにかするのはやめておきましょう。まずは今回巻き込まれた世界の神様達にことの顛末を説明しようと思うのですが」
「そうだな。フリースフィアはともかく、メルオメルカとエルムンドには説明しておいた方がいいだろう」

メルオメルカのシルヴェリオ様とエルムンドのヴェスタル様は今回完全に被害者なのだから全て話しておかなければならない。
フリースフィアのマリージョア様にもだけど。

その場で3つの世界と交信して一度に説明を済ませる。

『なるほど。ライオアールについてはアスティア殿にお任せしてしまってよろしいかな?』
「はい。私が預からせてもらいます」
『僕もそれでいいからね。これでうちの子達が暴走しないなら何でもいいよ』
「ありがとうございます」

シルヴェリオ様とヴェスタル様は全面的に支持してくれた。

『どーせ滅ぶ世界ならさぁ、既存の神をリソースに戻して山分けするのはどうかしらぁ?』

マリージョア様がとんでもない事を提案してきた。

「それは流石にどうかと思います」

たとえ自我が無くても物のように扱うのはいけないよ。

『フリースフィア殿は有効利用としての提案をされたのだろうが、私も反対だよ』
『僕はどっちでもいいかな。自分のトコにマイナスはない訳だし』
『あらぁ、部が悪いみたいねぇ…まあ、あたしたちが話していても最終決定はミナちゃんがするんだし』

マリージョア様も引いてくれた。

「ではライオアールについては保留としておきますのでよろしくお願いします」
『ああ』『りょーかい』『はぁい』

交信を終了する。

「まあ、今すぐ決めないといけない訳じゃないさね。ミナがいいと思ったことをすればいい」
「はい。少し考えてみます」

ルーティアさん達は私の意志を尊重してくれる。
間違っていたら正してくれる。
だから私は止まらないで動き続けられるんだ。

──〔human side〕──

「で、1人でイルメイアに行ってハルさんを連れて神界の救援に行ってたと」
「はい…」
「何で起こさなかったの?」
「みんな疲れてるかと思って…」
「そんな大事になってるなら起こしなさいよ」
「ごめんなさい」

お婆ちゃんを送って旅館に戻ってきたらみんな起きていて、大騒ぎになっていた。

帰って来るなりに寝室で正座させられてリオさんに怒られてます。

今は神界での出来事を根掘り葉掘り聞かれているところ。

「ドゥームを介して状況は知ってるんですよね?」
「ミナが反省する為に聞いてるのよ?」
「はい…」

腰に手を当てて覗き込むようにして言ってくるリオさん。

「こんなに近くに仲間がいるのに1人で突っ走るなんてなあ」

ダキアさんが遠くに座って笑っていた。

「笑い事じゃないぞ。私達はミナに頼りにされてないって事だぞ」
「そだねー。大事な時に起こしてももらえないんだもんねー」

そう言うルーティアさんとアリソンさんも苦笑しながら話している。

「うぅ…そんなつもりじゃ…」

「もう戦いは終わったなら寝直すですよ~」
「おやすみです~」

眠たそうに目を擦りながら部屋に帰っていく兎人族ダシュプーシェン4姉妹。

起こしちゃってゴメンね。

「ミナ、私は置いて行かれた事に怒っているんじゃないの。あなたが1人で危険に飛び込んでいく事を心配してるのよ。これからはまず私達を必ず起こしなさい。遠慮なんかしないのいいわね?」
「はい」
「今度やったらデコピンよ。ソラがやるから」

それは実質死刑なんじゃ…?

「ミナさん心配したんですよ」
「もう置いていかないでね」
「ユキさん、ソラちゃん…うん。ごめんね」

「よし、ミナも反省した事だし寝直すか」

そう言って解散していくみんな。

「まったく、用意したサンドイッチも食べないで。今日は力を使いすぎて倒れたんだから、これ以上無理しないの。ほら、寝るよ」
「はい」

リオさんに言われて布団に入る。

…って、なんかみんな近くない?

「ミナがどこかに行かないように捕まえておく」
「そうですね。こうしておけばどこかに行けませんからね」

ソラちゃんとユキさんに抱きつかれる形で眠る事に。
アリソンさんとルーティアさんも布団に入って眠りにつく。

私も心地よい温かさに包まれて眠りについた。
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