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特別編3:異世界
騙された王国
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王様の状態を確認すると、骨と皮だけになった老人が横たわっていた。胸が微かに上下しているので辛うじて生きているのは分かる。
リオさんが状態を確認して、丁寧に治療魔法をかけ始める。
私は《洗浄》を掛けて王様と部屋を清潔な状態にする。
〈ミナさん、この者の中に微弱ながらエランシルの反応があります〉
エランシルが何かしているって事?すぐ取り除かないと。
〈私が除去します。彼の胸に手を当ててください〉
リオさんにレナトゥスの言った事を伝えて胸に手を当てる。
〈同期を確認。こちらに吸収しましたのでもう大丈夫です〉
「終わったわね?それじゃ治療を加速させるわよ」
リオさんが丁寧にやっていた治療魔法をやめて《リフレッシュ》をかける。
始めから《リフレッシュ》じゃ駄目なんだよね?
[《レナータ》の様に元に戻すのではなく、回復を促進させるので、一度に治すと反動があります]
なるほど。って、結構ポンポン使ってたけど危なかったんじゃ…?
[ショック死する様な事があれば《リザレクション》をかける事をお勧めします]
そういう問題じゃないんだけど…まあいいや。それで王様はどうかな?
ミイラの様な姿はあまり変わっていないけど呼吸は大きくなっている。
ゆっくりと目を開いた。
「陛下!」
詰め寄るグラバムさんを見ながら小さな掠れた声で何かを言っている。
「ワシを殺せ…」
「な、なにを…」
「国王陛下、あなたの治療は済んだわ。取り憑いていたものも除去したから安心して」
リオさんが間に入って説明する。
「そうではないのだ。そうでは…」
「…もしかして勇者なの?」
「うむ」
だから殺せって言ってるんだね。でも治しちゃったし…。衰弱状態はゆっくり治してもらいたいんだけど。
「仕方ないわね。《デススペル》」
ちょっ…リオさん!?
光になって消える王様。
「何をした?」
「死んでもらったわ」
「…おのれ!」
「ま、待ってください!国王陛下は勇者だったんです。多分どこかで復活してますから」
剣を抜こうとするグラバムさんを必死で押さえる。
「た、大変です!国王陛下が!!」
部屋に飛び込んできて叫ぶ兵士の人。
ーーーーー
「助かったぞ!礼を言う」
ガウン姿で玉座に座っている王様が元気な声で感謝を言う。
味方だと認識された私達12人は玉座の間に通されていた。
その姿は先ほどのミイラとはかけ離れた筋骨隆々のおじさんだった。
「勇者王だー」
「うむ。ワシは王であり勇者である!此度は大変世話になったな!」
王様が勇者だという事は誰も知らなかったらしく、本人も意図的に明かさなかったのだとか。
「エランシルは勇者だと見抜いて生かさず殺さずの状態にしていた訳ね」
「はあ、せめて側近には言っておくべきだろ」
納得しているリオさんと呆れ顔のテュケ君。
「すまんな。これも政治の一環なのだ」
何やら事情があるみたいだね。
「改めて名乗ろう。ワシはゼレイア国王グランディウス=ゼランシル・ゼレイアだ。そなた達のお陰で国の脅威を取り除く事が出来た」
エランシルはとても優秀な文官だったらしく政治にも明るいため重用していたそう。王様は出自に拘りはなく優秀な人材を宰相として登用したのだとか。
「そばに置くなら身辺調査くらいはするべきだな」
「面目ない」
ヒサメさんに言われて申し訳なさそうに返す王様。
「ワシがどうにかなるだけなら笑っていられたのだが…ディルダンには迷惑をかけてしまったな。ありのままを伝えて謝罪するしかあるまい」
王様はディルダンの王とは仲が良かったそうで、努めて友好的に接してきたのだと言う。
「魔王復活云々は宰相が言い出したんですか?」
「魔皇国との友好を反対する派閥があってな、其奴らが宰相と共謀したのだろう。馬鹿な話だ…魔皇国は魔王復活阻止の為に彼の地を監視しているというのに…」
全然真逆だった。
「しかしディルダンに魔王復活を望む勢力があるのは確かだ。それらを抑え、万が一に備えているのがクライツヴォルン魔皇王だ」
「向こうは向こうで苦労しているのね」
話を聞いてリオさんは深く溜め息を吐く。
「して此度の件、諸君らには何か褒美をと思っているのだが」
「それなら協力をお願いしたいです」
セラさんが内容を説明していく。
私達が白銀の悪鬼を追っている事を話し、山岳部の地図の提供、街の防衛戦力を除いた展開している部隊の即時撤退をお願いした。
「白銀の悪鬼とやらと相対するのであれば戦力が多い方が良かろうに」
「はっきり言って邪魔なんですよね~」
「ん、この戦いにはついていけない」
王様が援軍をと言う前にレフィさんとソラちゃんがキッパリと断る。
地図をもらったらすぐに城から出る事にした。
王様は「もてなしを~」と言っていたけどゼレイアも私達もそんな事をしている場合じゃない。作戦会議をする為に宿屋に戻った。
〈吸収したエランシルの情報を整理しました〉
レナトゥスが話してくれたのは、宰相として潜り込んでいたエランシルがディルダンに潜んでいるエランシルを吸収しようと画策していた時の記憶で、どうやらディルダンのエランシルが特殊な空間断裂を起こす能力に覚醒している事を知ったらしい。その能力欲しさにゼレイアとディルダンを戦争状態にして追い込み、逃げ場を無くして吸収するのが計画だったみたい。
「その特殊な空間断裂ってのが可能性の境界を越える能力って事か」
「そんな能力があれば好き放題できそうだね」
と、レイナスさんとシルヴァさん。
「その能力コピーしたらユキさんを助けられるんじゃないですかね~?」
「使う前にレフィが消滅する事になりそう」
レフィさんにアンネさんがポツリと呟く。レフィさんは「じょ、冗談ですよ~」と言って笑っていた。
『ミナ殿、準備が整ったぞ』
「虚空の覇者さん!」
『魂を安全に取り除く装置を持たせた増援をそちらに送る』
「ありがとうございます!」
転移してきたのは──
リオさんが状態を確認して、丁寧に治療魔法をかけ始める。
私は《洗浄》を掛けて王様と部屋を清潔な状態にする。
〈ミナさん、この者の中に微弱ながらエランシルの反応があります〉
エランシルが何かしているって事?すぐ取り除かないと。
〈私が除去します。彼の胸に手を当ててください〉
リオさんにレナトゥスの言った事を伝えて胸に手を当てる。
〈同期を確認。こちらに吸収しましたのでもう大丈夫です〉
「終わったわね?それじゃ治療を加速させるわよ」
リオさんが丁寧にやっていた治療魔法をやめて《リフレッシュ》をかける。
始めから《リフレッシュ》じゃ駄目なんだよね?
[《レナータ》の様に元に戻すのではなく、回復を促進させるので、一度に治すと反動があります]
なるほど。って、結構ポンポン使ってたけど危なかったんじゃ…?
[ショック死する様な事があれば《リザレクション》をかける事をお勧めします]
そういう問題じゃないんだけど…まあいいや。それで王様はどうかな?
ミイラの様な姿はあまり変わっていないけど呼吸は大きくなっている。
ゆっくりと目を開いた。
「陛下!」
詰め寄るグラバムさんを見ながら小さな掠れた声で何かを言っている。
「ワシを殺せ…」
「な、なにを…」
「国王陛下、あなたの治療は済んだわ。取り憑いていたものも除去したから安心して」
リオさんが間に入って説明する。
「そうではないのだ。そうでは…」
「…もしかして勇者なの?」
「うむ」
だから殺せって言ってるんだね。でも治しちゃったし…。衰弱状態はゆっくり治してもらいたいんだけど。
「仕方ないわね。《デススペル》」
ちょっ…リオさん!?
光になって消える王様。
「何をした?」
「死んでもらったわ」
「…おのれ!」
「ま、待ってください!国王陛下は勇者だったんです。多分どこかで復活してますから」
剣を抜こうとするグラバムさんを必死で押さえる。
「た、大変です!国王陛下が!!」
部屋に飛び込んできて叫ぶ兵士の人。
ーーーーー
「助かったぞ!礼を言う」
ガウン姿で玉座に座っている王様が元気な声で感謝を言う。
味方だと認識された私達12人は玉座の間に通されていた。
その姿は先ほどのミイラとはかけ離れた筋骨隆々のおじさんだった。
「勇者王だー」
「うむ。ワシは王であり勇者である!此度は大変世話になったな!」
王様が勇者だという事は誰も知らなかったらしく、本人も意図的に明かさなかったのだとか。
「エランシルは勇者だと見抜いて生かさず殺さずの状態にしていた訳ね」
「はあ、せめて側近には言っておくべきだろ」
納得しているリオさんと呆れ顔のテュケ君。
「すまんな。これも政治の一環なのだ」
何やら事情があるみたいだね。
「改めて名乗ろう。ワシはゼレイア国王グランディウス=ゼランシル・ゼレイアだ。そなた達のお陰で国の脅威を取り除く事が出来た」
エランシルはとても優秀な文官だったらしく政治にも明るいため重用していたそう。王様は出自に拘りはなく優秀な人材を宰相として登用したのだとか。
「そばに置くなら身辺調査くらいはするべきだな」
「面目ない」
ヒサメさんに言われて申し訳なさそうに返す王様。
「ワシがどうにかなるだけなら笑っていられたのだが…ディルダンには迷惑をかけてしまったな。ありのままを伝えて謝罪するしかあるまい」
王様はディルダンの王とは仲が良かったそうで、努めて友好的に接してきたのだと言う。
「魔王復活云々は宰相が言い出したんですか?」
「魔皇国との友好を反対する派閥があってな、其奴らが宰相と共謀したのだろう。馬鹿な話だ…魔皇国は魔王復活阻止の為に彼の地を監視しているというのに…」
全然真逆だった。
「しかしディルダンに魔王復活を望む勢力があるのは確かだ。それらを抑え、万が一に備えているのがクライツヴォルン魔皇王だ」
「向こうは向こうで苦労しているのね」
話を聞いてリオさんは深く溜め息を吐く。
「して此度の件、諸君らには何か褒美をと思っているのだが」
「それなら協力をお願いしたいです」
セラさんが内容を説明していく。
私達が白銀の悪鬼を追っている事を話し、山岳部の地図の提供、街の防衛戦力を除いた展開している部隊の即時撤退をお願いした。
「白銀の悪鬼とやらと相対するのであれば戦力が多い方が良かろうに」
「はっきり言って邪魔なんですよね~」
「ん、この戦いにはついていけない」
王様が援軍をと言う前にレフィさんとソラちゃんがキッパリと断る。
地図をもらったらすぐに城から出る事にした。
王様は「もてなしを~」と言っていたけどゼレイアも私達もそんな事をしている場合じゃない。作戦会議をする為に宿屋に戻った。
〈吸収したエランシルの情報を整理しました〉
レナトゥスが話してくれたのは、宰相として潜り込んでいたエランシルがディルダンに潜んでいるエランシルを吸収しようと画策していた時の記憶で、どうやらディルダンのエランシルが特殊な空間断裂を起こす能力に覚醒している事を知ったらしい。その能力欲しさにゼレイアとディルダンを戦争状態にして追い込み、逃げ場を無くして吸収するのが計画だったみたい。
「その特殊な空間断裂ってのが可能性の境界を越える能力って事か」
「そんな能力があれば好き放題できそうだね」
と、レイナスさんとシルヴァさん。
「その能力コピーしたらユキさんを助けられるんじゃないですかね~?」
「使う前にレフィが消滅する事になりそう」
レフィさんにアンネさんがポツリと呟く。レフィさんは「じょ、冗談ですよ~」と言って笑っていた。
『ミナ殿、準備が整ったぞ』
「虚空の覇者さん!」
『魂を安全に取り除く装置を持たせた増援をそちらに送る』
「ありがとうございます!」
転移してきたのは──
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