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2章 公女 編
香りの呪文
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今日、戦勝祝賀会が開かれる。
お父様は朝早くから皇宮に出かけていた。戦で功労のあった騎士たちの褒賞授与式や、立太子の儀式は朝から催されるからだ。お父様は、帝国の高位貴族の一人として、儀式への列席が義務付けられている。
今夜の夜会で、私と皇子の婚約が発表されることになっている。
それゆえ、マリーとシーラは、いつにもまして張り切っていた。
私はそんな二人に朝方から急き立てられて、慣れないことにいささかぐったりしてしまった。
私は社交が好きではない。
同じ年頃の令嬢たちが、結婚相手を探すために足しげくお茶会や舞踏会に通っているとマリーから聞かされても、自分もそうしようとは露ほども思わなかった。何より私自身、結婚にまったく関心がなかったせいもある。
それに、裕福な高位貴族の令嬢なら、黙っていても政略的な良縁が舞い込んでくるものだ。公女の私もその条件を十分満たしている。
それに何より、社交の場で繰り広げられる、遠回しに皮肉ったり皮肉られたりという陰湿な会話を耳にするたびに、吐きたくなるほど不快でたまらなかった。そんなことに時間を費やすなら、部屋で本でも読んでいたほうがいい。
お父様から婚約を告げられた日から数日後、夜会のためのドレスと靴、アクセサリーの一式が皇宮御用達の衣裳店から贈られてきた。贈り主は、皇后陛下だった。
「お嬢様、本当に美しいドレスですね。皇后様がご用意してくださったなんて、お嬢様が皇宮に上がられるのを歓迎してくれているんですよ!」
マリーの言葉に、シーラもうんうんと何度も頷いて同意した。
実はマリーは、少し心配してくれてもいたのだ。セレスティアン皇子は、皇后に疎まれていることも知っていたから。
「そうだといいんだけどね……」
婚約なんて言われても、私にはいまだまったく実感がない。自分のことじゃないみたいだ。
だが、公女として生まれてその地位を享受してきた以上、政治の駒として流れにまかせていくしかないのだろう。
だいぶ前にお父様に言われて、仕方なく出席した皇宮でのお茶会での、とある伯爵令嬢を思い出した。
私より少し年上の伯爵令嬢は、うっとりした目で周囲に語ったのだ。
「わたしはね、わたしを心から愛してくれる方と結ばれるのが夢なんです。もちろん、わたしもその方を愛します……。お互いに愛し合っているのであれば、わたしは身分の差など問いません。愛されることこそ、生きる意味なんですから……」
一番近くで聞いていた令嬢が呆れたように「ねえ、そのセリフ、先日、劇場で上演されていた演劇にありませんでしたか? 身分違いの恋人のお話でしたわね」と言うと、周囲からくすくすと笑いが起きた。
それでも伯爵令嬢は意に介す様子もなく、「わたしの理想の男性は……」と、酔い痴れたように延々と一人で話し続けていた。
――恋とか愛なんて、どういうものなんでしょう……。そんなに素敵なものなの?
また、頭の中に声が響いた。
――だって、愛されている、って思ったことなんてないし、愛したい、と思ったこともなかった。経験したことがないから、どんな気持ちがそうなのか、わからない……。
だが私は、どういうわけか、その声に初めて抗ってみたくなったのだ。
(いや、私は知っている! わからなくなんてない!)
私の脳裏に浮かんできた、誰かの気配。それも、一人ではない。何人もいる気がする。
それが誰なのか、もう少しで思い出せそう……なのに、思い出せない……。
「どうされました? ご気分が悪くなりましたか? 私がコルセットを少しきつく締めすぎてしまいましたでしょうか……」
心配そうにシーラにのぞき込まれて、私は我に返った。そうだ、ドレスの着付けがすみ、シーラが髪を梳いてくれていたのだ。
「ううん、そうではないの。ちょっと考えたいことがあったから」
「……お嬢様は今夜、正式にご婚約となるのですから、緊張なさっているのですよ。当然です! ご婚約ということは、そのあと結婚されるのですからね! 結婚が近くなったら、急に怖くなったりすることがあるって聞いたことがあります。よくあることらしいですよー。でも、皇子殿下と結婚されるなんて、素敵なことです……。殿下は戦争を勝利に導いた英雄じゃないですか。殿下が出陣した途端、敵兵が皆、恐れおののいて逃げ出した、って聞いてます! そんな方が旦那様になるんですから、きっと皇国中で一番羨ましがられる、幸せなご夫婦になられますよ」
「ふふっ……そうかな……。ありがとう、シーラのおかげで、気分が晴れたわ」
そう、抗わずに流されていれば、すべては何事もなく過ぎていくのだ。
「そういえば、緊張しないようにするには、好きな香りを身にまとうといいらしいですよ。好きな香りを嗅ぐと、守られてる感じがして、ほっとして緊張がほぐれるって聞いたことがあります。香りの呪文、ってやつですね」
「香りの呪文ね……。確かにそうかもしれないわね。香油の瓶を持ってきてくれる? 今日の香りを選ぶわ」
シーラが香油の瓶をあるだけ運んできてくれた。ひとつひとつ、私は香りを確かめていく。
着飾って外出することの少ない私は、滅多に香油をつけることはない。
けれど、その中のひとつに、どこか覚えのある気がするものがあった。
「シーラ、これにしてくれる?」
「はい! ……あれ、これですか?」
その香油瓶のラベルを確認したシーラが、首を傾げた。
「これはマリーさんから、お嬢様が好まれない香りだと聞いていたものですが……本当にいいんですか?」
「そうなの? でも、この香りが一番気に入ったんだけれど……」
「きっと、日によってお好みも変わるんでしょう。マリーさんの勘違い、ってこともありますし。では、髪になじませますね! おまかせください!」
シーラがつけてくれた香油の香りは、言われた通り、ざわつく心を落ち着かせてくれた。
◆ ◆ ◆
日が陰りだす前に、私はマリーと護衛の騎士とともに馬車に乗り込んだ。
公爵家の紋章を掲げた馬車が皇宮に到着すると、私は皇后宮の侍従の案内で応接室に通された。
「こちらでお待ちいただけますか」
夜会の会場であるグランドホールに入る前に、皇子に目通りさせておこうということだろう。
まだ一度も会ったことがない皇子――。
しばらくぼんやりと座っていると、扉が開いた。
お父様は朝早くから皇宮に出かけていた。戦で功労のあった騎士たちの褒賞授与式や、立太子の儀式は朝から催されるからだ。お父様は、帝国の高位貴族の一人として、儀式への列席が義務付けられている。
今夜の夜会で、私と皇子の婚約が発表されることになっている。
それゆえ、マリーとシーラは、いつにもまして張り切っていた。
私はそんな二人に朝方から急き立てられて、慣れないことにいささかぐったりしてしまった。
私は社交が好きではない。
同じ年頃の令嬢たちが、結婚相手を探すために足しげくお茶会や舞踏会に通っているとマリーから聞かされても、自分もそうしようとは露ほども思わなかった。何より私自身、結婚にまったく関心がなかったせいもある。
それに、裕福な高位貴族の令嬢なら、黙っていても政略的な良縁が舞い込んでくるものだ。公女の私もその条件を十分満たしている。
それに何より、社交の場で繰り広げられる、遠回しに皮肉ったり皮肉られたりという陰湿な会話を耳にするたびに、吐きたくなるほど不快でたまらなかった。そんなことに時間を費やすなら、部屋で本でも読んでいたほうがいい。
お父様から婚約を告げられた日から数日後、夜会のためのドレスと靴、アクセサリーの一式が皇宮御用達の衣裳店から贈られてきた。贈り主は、皇后陛下だった。
「お嬢様、本当に美しいドレスですね。皇后様がご用意してくださったなんて、お嬢様が皇宮に上がられるのを歓迎してくれているんですよ!」
マリーの言葉に、シーラもうんうんと何度も頷いて同意した。
実はマリーは、少し心配してくれてもいたのだ。セレスティアン皇子は、皇后に疎まれていることも知っていたから。
「そうだといいんだけどね……」
婚約なんて言われても、私にはいまだまったく実感がない。自分のことじゃないみたいだ。
だが、公女として生まれてその地位を享受してきた以上、政治の駒として流れにまかせていくしかないのだろう。
だいぶ前にお父様に言われて、仕方なく出席した皇宮でのお茶会での、とある伯爵令嬢を思い出した。
私より少し年上の伯爵令嬢は、うっとりした目で周囲に語ったのだ。
「わたしはね、わたしを心から愛してくれる方と結ばれるのが夢なんです。もちろん、わたしもその方を愛します……。お互いに愛し合っているのであれば、わたしは身分の差など問いません。愛されることこそ、生きる意味なんですから……」
一番近くで聞いていた令嬢が呆れたように「ねえ、そのセリフ、先日、劇場で上演されていた演劇にありませんでしたか? 身分違いの恋人のお話でしたわね」と言うと、周囲からくすくすと笑いが起きた。
それでも伯爵令嬢は意に介す様子もなく、「わたしの理想の男性は……」と、酔い痴れたように延々と一人で話し続けていた。
――恋とか愛なんて、どういうものなんでしょう……。そんなに素敵なものなの?
また、頭の中に声が響いた。
――だって、愛されている、って思ったことなんてないし、愛したい、と思ったこともなかった。経験したことがないから、どんな気持ちがそうなのか、わからない……。
だが私は、どういうわけか、その声に初めて抗ってみたくなったのだ。
(いや、私は知っている! わからなくなんてない!)
私の脳裏に浮かんできた、誰かの気配。それも、一人ではない。何人もいる気がする。
それが誰なのか、もう少しで思い出せそう……なのに、思い出せない……。
「どうされました? ご気分が悪くなりましたか? 私がコルセットを少しきつく締めすぎてしまいましたでしょうか……」
心配そうにシーラにのぞき込まれて、私は我に返った。そうだ、ドレスの着付けがすみ、シーラが髪を梳いてくれていたのだ。
「ううん、そうではないの。ちょっと考えたいことがあったから」
「……お嬢様は今夜、正式にご婚約となるのですから、緊張なさっているのですよ。当然です! ご婚約ということは、そのあと結婚されるのですからね! 結婚が近くなったら、急に怖くなったりすることがあるって聞いたことがあります。よくあることらしいですよー。でも、皇子殿下と結婚されるなんて、素敵なことです……。殿下は戦争を勝利に導いた英雄じゃないですか。殿下が出陣した途端、敵兵が皆、恐れおののいて逃げ出した、って聞いてます! そんな方が旦那様になるんですから、きっと皇国中で一番羨ましがられる、幸せなご夫婦になられますよ」
「ふふっ……そうかな……。ありがとう、シーラのおかげで、気分が晴れたわ」
そう、抗わずに流されていれば、すべては何事もなく過ぎていくのだ。
「そういえば、緊張しないようにするには、好きな香りを身にまとうといいらしいですよ。好きな香りを嗅ぐと、守られてる感じがして、ほっとして緊張がほぐれるって聞いたことがあります。香りの呪文、ってやつですね」
「香りの呪文ね……。確かにそうかもしれないわね。香油の瓶を持ってきてくれる? 今日の香りを選ぶわ」
シーラが香油の瓶をあるだけ運んできてくれた。ひとつひとつ、私は香りを確かめていく。
着飾って外出することの少ない私は、滅多に香油をつけることはない。
けれど、その中のひとつに、どこか覚えのある気がするものがあった。
「シーラ、これにしてくれる?」
「はい! ……あれ、これですか?」
その香油瓶のラベルを確認したシーラが、首を傾げた。
「これはマリーさんから、お嬢様が好まれない香りだと聞いていたものですが……本当にいいんですか?」
「そうなの? でも、この香りが一番気に入ったんだけれど……」
「きっと、日によってお好みも変わるんでしょう。マリーさんの勘違い、ってこともありますし。では、髪になじませますね! おまかせください!」
シーラがつけてくれた香油の香りは、言われた通り、ざわつく心を落ち着かせてくれた。
◆ ◆ ◆
日が陰りだす前に、私はマリーと護衛の騎士とともに馬車に乗り込んだ。
公爵家の紋章を掲げた馬車が皇宮に到着すると、私は皇后宮の侍従の案内で応接室に通された。
「こちらでお待ちいただけますか」
夜会の会場であるグランドホールに入る前に、皇子に目通りさせておこうということだろう。
まだ一度も会ったことがない皇子――。
しばらくぼんやりと座っていると、扉が開いた。
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