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其之九:沢庵和尚
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運が良いやら悪いやら、箱根の関で襲われて以降、ここまでの道中、忍びに襲われる事はなかった。出会ったのは風魔を騙る甲賀者たちだけ。とりあえず、俺を狙っているのは、伊賀者と甲賀者らしい。その理由は全く解らねども。まぁ、これで他の忍びも関わってきたら、ますます事態が不明になってしまう。正直、勘弁してほしいと思っていた。ただでさえ、今の状況に俺の心は混乱しているのだ。
これまでの道中、宿場に入ると向こうから襲ってくる事はなくなったのも不可思議であった。向こうはあくまでも宿場の外で俺を倒したいらしい。つまりは、今回の襲撃は、あまり公になるのは相手にとっても都合の悪い事であると推測できた。しかし、俺はそもそも「廃嫡」の身。宿場で襲いかかっても「斬り捨て御免」で済む話なのだが、なぜ伊賀者も甲賀者もそれを試みないのか。伊賀者と甲賀者に襲われる事といい、そのあたりの理由がよくわからない。
旅すがら、無い頭を振り絞って使って考えているうちに、俺は、江戸は品川宿に建立された東海寺に着いた。門前で静かに掃除をしていた、年の嵩のいった寺男に、和尚の在を伺う。
寺男は何も尋ねず、ただ静かに奥へと案内してくれた。
建立されたばかりからか、心地よい檜の新木の匂いを含んだ風が俺の鼻孔をくすぐる。これは気持ちよい。これなら、さぞ和尚も満足されている事だろう。
寺男に連れられて、俺は東海寺本殿へと辿り着いた。この時間、和尚は本殿にいるのか。寺男は本殿前で一度立ち止まり、静かに「客人、お目通り願います」と声をかけた。すると、本殿の中から小僧が顔を出し、「和尚様は全てお見通しだ。入られよ」と十兵衛の名を小声で言い当てた。
「なんじゃ、珍しい客人じゃの。息災かね。十兵衛殿」
俺が小僧の発言に驚きを隠せぬままに会った沢庵和尚は、子供の頃に見た記憶のままにたたずんでいた。俺の驚いている姿を楽しんでいるようでもあった。さては、あの小僧の件は、和尚の入れ知恵であったのか。
「和尚。久しく不義理をかけまして申し訳ありません」俺は頭を下げる。
「何、おぬしの不義理癖など、とうにわかっておるわ」とカカカカと沢庵和尚は笑った。「しかして、また腕を上げたようじゃが……今なら何人まで斬れるかの?」
「……いや、和尚。もうその話は勘弁してください。あれは若気の至りですので」俺は素直に頭を下げた。和尚相手に問答で勝てるわけがないのだ。ここは一番、先に謝っておく方がいい。第一、今は問答を楽しんでいる時ではないのだ。
「ほうほう」和尚は笑う。「なかなか口も達者になったな。それもまた兵法の一つじゃよ。カカカカ」
……本当に、この御仁に何をどうやったら勝てるのだ。老齢の身なれど、正直、太刀を抜いても勝てる気がしない。
「しかして、不義理を解いてまでここにきたのは何用じゃ?そもそも、ぬしは大和に蟄居しているべきであろうに」俺が実際には「蟄居」していないことを知りながら、和尚は笑って尋ねた。「お主のことじゃ。神仏の加護が欲しくて参りにきたわけでもなかろう?その様子では柳生江戸屋敷に特別、用があったわけでもあるまい」
まったく、沢庵和尚といい、兵庫助殿といい、左門といい、お市といい、俺のまわりには、どうしてこうも聡くて強い人間ばかりいるのだろう。又十郎にも言い返せない自分が、もはや弱い部類なのではないかと思っていた。弱い人間が和尚のような格上相手に下手な小細工をしても無駄なのは、一番、この沢庵和尚自身から痛いほど身をもって教わっている。俺は、素直に現状を話した。沢庵和尚なら、事情を察して、親父殿にも黙っておいてくれるだろう。まぁ、この考えこそが、俺の甘え、弱さの証拠かもしれん。先ほどの小僧が茶を持ってやってきた。俺の困り顔を見て笑っている。俺はこの小僧よりも弱いのかもしれんなぁ。
「……それで、ここに来るまでも、幾人かに襲われたのですがね……それで相手の正体はおおよそわかったのですが、理由が今ひとつ謎なもので……」ここまで来た経緯を和尚に話す。俺は正直に弱音を吐いた。
「お菊――最初に襲ってきた娘の名ですが――の親を助けるためにも、彼奴らの根城が知りたいのですがね。そこで、和尚のお知恵を拝借しようと思いまして……」
「……おぬし、変わったのう」しばらくの沈黙の後、和尚は口を開いた。「以前なら、問答無用でその娘も親をもまとめて斬っていたろうに」
「そりゃ、変わりもしますよ」俺は言った。「和尚。俺にはもう娘がいるんですよ。その自分の娘が斬られることを想像したら、たとえ他人の子であれ、子供に刃を向けるなんて、もう出来やしませんよ。死を賭してかかってくる相手以外には、抜く事すら怖いですから」俺は正直な気持ちを吐露した。和尚の前では俺は弱気である。「……たぶん、剣の腕も落ちたのでしょうね。実際、死を賭して討ちかかってきたお菊を峰打ちに出来たのは、正直、僥倖でしたし」
「いや、逆じゃろ」沢庵和尚の意外な言葉。「子供や女子が斬れぬようになった分だけ、おぬしは強くなったんじゃよ。本当に強いものは、必要なとき以外、刃を見せぬものじゃ。『能ある鷹は~』と昔からいうじゃろ」と言って、和尚は嬉しそうに笑った。こんな和尚の顔を見るのは子供のとき以来じゃないだろうか。和尚の意外な振る舞いに、俺はちょっと吃驚した。
「……しかし、伊賀者と甲賀者が結託、とはなぁ」和尚は首を傾げた。
「えぇ。そこが解せぬのですよ。本来なら仲違いをしている両者なのに……」
「ふむ」和尚は言った。「伊賀者と甲賀者が結託したであるとか、和解して仲良う手を結んだであるとか、誰かが両者を同時に雇った、とかいうような話は、わしも耳にしておらんな。第一、伊賀には又右衛門殿がいるだろうに」
「その又右衛門らしき人物とは出会うたのですが、逃げられ申した」俺はふぅとため息をつく。「……例えば、俺を斬るために、そのために俺を混乱させる策略であるのなら、もっと他の方法があると思うのですよ。そんな意味不明な事をするまでもなく。ところが」俺は懐から、賊から奪った棒手裏剣を取り出した。「この手裏剣は見たところ、甲賀のものも、伊賀のものも、両方とも本物だと思われまして。その特徴は明らか。そして、わざわざ、俺を混乱させるためだけに、手裏剣まで偽造するとも考えにくく……第一、伊賀者の刺客として又右衛門らしき人物もいましたから、伊賀者はおそらく本物かと」
「ふむふむ」
「仮に両者の結託が事実だったとして、その場合、首謀者はどちらであるのか、お菊の親はどちらにいるのか、それがまったく見えませぬ。そもそも、結託が事実であれば、こ度の件の首謀者をめぐって相手が争うのは必定。結託が瓦解するのが見えているのに両者が手を組むとも考えられず」
「ふむふむ」和尚は面白そうに笑った。「襲いかかって来る敵が出てこなくなるまで斬り続けてみればどうじゃ?奥義を駆使して」
「……和尚。ですからその話は勘弁してください。そもそも、お菊の父を捜すのが目的なのですから、見つかるまで相手は一人として斬れませぬ。それに、仮に相手が又右衛門となれば、そもそもそんなことは無理でごさる。そもそもなぜ『俺を斬る』ことが目的なのか、今もってさっぱりわかりませぬゆえ」俺はため息をついた。
「カカカカ、すまぬすまぬ」和尚は笑う。「わしが思うにな、十兵衛、それは『偶然、結託しているように見えている』という事もあり得ると思うぞい」
「偶然?」俺は問い返した。
「そう。偶然」和尚はまだ笑っている。「伊賀者と甲賀者にとって、たまたま、柳生十兵衛、もしくは柳生の家が、同時期に敵になった、ということじゃ。又右衛門殿も伊賀者故、頭領の命には逆らえなかったのであるまいかの?」
「……ということは……裏柳生!そういえば、『風魔』を騙った者も、俺をそのように!」俺の口から自然と解が出た。
和尚は笑ったまま答えない。
「しかし裏柳生の件であれば、それこそ親父殿の件であって、俺は本来、無関係な訳ですが……誤解にも程があります。そうではないことを知っているはずの又右衛門が俺を狙う理由も解りませぬ……」俺は混乱した。裏柳生を相手と見なせば、伊賀者も甲賀者もそれが自分たちの存在を揺るがす敵と見なすだろう。それは確かに自然な答えだ。しかし、なぜ、そこに俺が関わってくるのかがわからない。俺は「裏柳生」などに関わってはいないからだ。何故、俺が狙われるのか。一体どんな勘違いなのか。
「であれば」和尚はまたしても笑った。「直接聞きに行けばよいではないか。聞くべき相手は、実の父親じゃろうに」
……油断した俺が馬鹿だった。和尚のこういう性根の意地悪さは治りそうもない。親父殿も俺も互いに腹を割って話す関係にないということを知りながら、それを促すのだから。困ったものである。
これまでの道中、宿場に入ると向こうから襲ってくる事はなくなったのも不可思議であった。向こうはあくまでも宿場の外で俺を倒したいらしい。つまりは、今回の襲撃は、あまり公になるのは相手にとっても都合の悪い事であると推測できた。しかし、俺はそもそも「廃嫡」の身。宿場で襲いかかっても「斬り捨て御免」で済む話なのだが、なぜ伊賀者も甲賀者もそれを試みないのか。伊賀者と甲賀者に襲われる事といい、そのあたりの理由がよくわからない。
旅すがら、無い頭を振り絞って使って考えているうちに、俺は、江戸は品川宿に建立された東海寺に着いた。門前で静かに掃除をしていた、年の嵩のいった寺男に、和尚の在を伺う。
寺男は何も尋ねず、ただ静かに奥へと案内してくれた。
建立されたばかりからか、心地よい檜の新木の匂いを含んだ風が俺の鼻孔をくすぐる。これは気持ちよい。これなら、さぞ和尚も満足されている事だろう。
寺男に連れられて、俺は東海寺本殿へと辿り着いた。この時間、和尚は本殿にいるのか。寺男は本殿前で一度立ち止まり、静かに「客人、お目通り願います」と声をかけた。すると、本殿の中から小僧が顔を出し、「和尚様は全てお見通しだ。入られよ」と十兵衛の名を小声で言い当てた。
「なんじゃ、珍しい客人じゃの。息災かね。十兵衛殿」
俺が小僧の発言に驚きを隠せぬままに会った沢庵和尚は、子供の頃に見た記憶のままにたたずんでいた。俺の驚いている姿を楽しんでいるようでもあった。さては、あの小僧の件は、和尚の入れ知恵であったのか。
「和尚。久しく不義理をかけまして申し訳ありません」俺は頭を下げる。
「何、おぬしの不義理癖など、とうにわかっておるわ」とカカカカと沢庵和尚は笑った。「しかして、また腕を上げたようじゃが……今なら何人まで斬れるかの?」
「……いや、和尚。もうその話は勘弁してください。あれは若気の至りですので」俺は素直に頭を下げた。和尚相手に問答で勝てるわけがないのだ。ここは一番、先に謝っておく方がいい。第一、今は問答を楽しんでいる時ではないのだ。
「ほうほう」和尚は笑う。「なかなか口も達者になったな。それもまた兵法の一つじゃよ。カカカカ」
……本当に、この御仁に何をどうやったら勝てるのだ。老齢の身なれど、正直、太刀を抜いても勝てる気がしない。
「しかして、不義理を解いてまでここにきたのは何用じゃ?そもそも、ぬしは大和に蟄居しているべきであろうに」俺が実際には「蟄居」していないことを知りながら、和尚は笑って尋ねた。「お主のことじゃ。神仏の加護が欲しくて参りにきたわけでもなかろう?その様子では柳生江戸屋敷に特別、用があったわけでもあるまい」
まったく、沢庵和尚といい、兵庫助殿といい、左門といい、お市といい、俺のまわりには、どうしてこうも聡くて強い人間ばかりいるのだろう。又十郎にも言い返せない自分が、もはや弱い部類なのではないかと思っていた。弱い人間が和尚のような格上相手に下手な小細工をしても無駄なのは、一番、この沢庵和尚自身から痛いほど身をもって教わっている。俺は、素直に現状を話した。沢庵和尚なら、事情を察して、親父殿にも黙っておいてくれるだろう。まぁ、この考えこそが、俺の甘え、弱さの証拠かもしれん。先ほどの小僧が茶を持ってやってきた。俺の困り顔を見て笑っている。俺はこの小僧よりも弱いのかもしれんなぁ。
「……それで、ここに来るまでも、幾人かに襲われたのですがね……それで相手の正体はおおよそわかったのですが、理由が今ひとつ謎なもので……」ここまで来た経緯を和尚に話す。俺は正直に弱音を吐いた。
「お菊――最初に襲ってきた娘の名ですが――の親を助けるためにも、彼奴らの根城が知りたいのですがね。そこで、和尚のお知恵を拝借しようと思いまして……」
「……おぬし、変わったのう」しばらくの沈黙の後、和尚は口を開いた。「以前なら、問答無用でその娘も親をもまとめて斬っていたろうに」
「そりゃ、変わりもしますよ」俺は言った。「和尚。俺にはもう娘がいるんですよ。その自分の娘が斬られることを想像したら、たとえ他人の子であれ、子供に刃を向けるなんて、もう出来やしませんよ。死を賭してかかってくる相手以外には、抜く事すら怖いですから」俺は正直な気持ちを吐露した。和尚の前では俺は弱気である。「……たぶん、剣の腕も落ちたのでしょうね。実際、死を賭して討ちかかってきたお菊を峰打ちに出来たのは、正直、僥倖でしたし」
「いや、逆じゃろ」沢庵和尚の意外な言葉。「子供や女子が斬れぬようになった分だけ、おぬしは強くなったんじゃよ。本当に強いものは、必要なとき以外、刃を見せぬものじゃ。『能ある鷹は~』と昔からいうじゃろ」と言って、和尚は嬉しそうに笑った。こんな和尚の顔を見るのは子供のとき以来じゃないだろうか。和尚の意外な振る舞いに、俺はちょっと吃驚した。
「……しかし、伊賀者と甲賀者が結託、とはなぁ」和尚は首を傾げた。
「えぇ。そこが解せぬのですよ。本来なら仲違いをしている両者なのに……」
「ふむ」和尚は言った。「伊賀者と甲賀者が結託したであるとか、和解して仲良う手を結んだであるとか、誰かが両者を同時に雇った、とかいうような話は、わしも耳にしておらんな。第一、伊賀には又右衛門殿がいるだろうに」
「その又右衛門らしき人物とは出会うたのですが、逃げられ申した」俺はふぅとため息をつく。「……例えば、俺を斬るために、そのために俺を混乱させる策略であるのなら、もっと他の方法があると思うのですよ。そんな意味不明な事をするまでもなく。ところが」俺は懐から、賊から奪った棒手裏剣を取り出した。「この手裏剣は見たところ、甲賀のものも、伊賀のものも、両方とも本物だと思われまして。その特徴は明らか。そして、わざわざ、俺を混乱させるためだけに、手裏剣まで偽造するとも考えにくく……第一、伊賀者の刺客として又右衛門らしき人物もいましたから、伊賀者はおそらく本物かと」
「ふむふむ」
「仮に両者の結託が事実だったとして、その場合、首謀者はどちらであるのか、お菊の親はどちらにいるのか、それがまったく見えませぬ。そもそも、結託が事実であれば、こ度の件の首謀者をめぐって相手が争うのは必定。結託が瓦解するのが見えているのに両者が手を組むとも考えられず」
「ふむふむ」和尚は面白そうに笑った。「襲いかかって来る敵が出てこなくなるまで斬り続けてみればどうじゃ?奥義を駆使して」
「……和尚。ですからその話は勘弁してください。そもそも、お菊の父を捜すのが目的なのですから、見つかるまで相手は一人として斬れませぬ。それに、仮に相手が又右衛門となれば、そもそもそんなことは無理でごさる。そもそもなぜ『俺を斬る』ことが目的なのか、今もってさっぱりわかりませぬゆえ」俺はため息をついた。
「カカカカ、すまぬすまぬ」和尚は笑う。「わしが思うにな、十兵衛、それは『偶然、結託しているように見えている』という事もあり得ると思うぞい」
「偶然?」俺は問い返した。
「そう。偶然」和尚はまだ笑っている。「伊賀者と甲賀者にとって、たまたま、柳生十兵衛、もしくは柳生の家が、同時期に敵になった、ということじゃ。又右衛門殿も伊賀者故、頭領の命には逆らえなかったのであるまいかの?」
「……ということは……裏柳生!そういえば、『風魔』を騙った者も、俺をそのように!」俺の口から自然と解が出た。
和尚は笑ったまま答えない。
「しかし裏柳生の件であれば、それこそ親父殿の件であって、俺は本来、無関係な訳ですが……誤解にも程があります。そうではないことを知っているはずの又右衛門が俺を狙う理由も解りませぬ……」俺は混乱した。裏柳生を相手と見なせば、伊賀者も甲賀者もそれが自分たちの存在を揺るがす敵と見なすだろう。それは確かに自然な答えだ。しかし、なぜ、そこに俺が関わってくるのかがわからない。俺は「裏柳生」などに関わってはいないからだ。何故、俺が狙われるのか。一体どんな勘違いなのか。
「であれば」和尚はまたしても笑った。「直接聞きに行けばよいではないか。聞くべき相手は、実の父親じゃろうに」
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