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2部
2-8 邂逅、再び
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翌日の日曜日。
便利屋ブルーヘブンに、イブキがやってきた。
奏斗は、昨日の今日で来るとはと驚きつつも店内に招き入れ、パイプ椅子に座らせる。イブキはダウンジャケットにデニムというラフな格好だが、オーラがあった。
お茶を淹れようとしたところで、天が外から帰ってきて、開口一番、呆れ声を上げる。
「おいおい、またこりゃ、厄介なやつが来たもんだぜえ」
イブキの顔を見るなり唸る大天狗は、日課であるダイキチ――近所で飼われている柴犬――の散歩を終えたところに違いない。手首に小さなトートバッグを提げており、
「こんにちは。まさか大天狗に会えるとは。僥倖です」
丁寧な口調で挨拶したイブキを、天は遠慮なくぎろりと睨む。
まさに神社に立っている天狗の石像みたいだ、と奏斗は天の迫力にぶるりと身を震わせた。いつもニヤけている気の良い店主から打って変わって、恐ろしいぐらいだ。
「天さん、知り合い、ですか?」
「知り合いってほどでもねえよ。何しにきた。酒呑の差し金か?」
物騒な単語が出てきたので、奏斗はまさしく飛び上がった。お茶を湯呑みに注ぐ前でよかった、と一人で胸をなで下ろす。
「酒呑?」
ところがイブキは、首を傾げるだけだ。
「とぼけんな。嫌な匂いがぷんぷんすらぁ」
「とぼけてなど。私は、力を失ったままなんです。視ても構いませんよ」
「……そうかよ」
大天狗の神通力を示唆した、ということまでは分かったが、話が全く見えない奏斗は、いよいよ苛立つ。
「ったく、昨日から、なにがなんだかさっぱり分からないんですけど!」
憤った奏斗に対して、イブキが立ち上がって軽く頭を下げる。
「申し訳ない。ホストになって、人間らしい会話に慣れたと思ったのですが、大天狗に会って気が緩んでしまいました」
「人間、らしい……?」
「はい。君も、仲間ですよね。私は、牛鬼です」
「ぎゅう、き?」
天が、がりがりと後頭部を掻く。
「立ち話もなんだ。ねこしょカフェ行こうぜ」
◇
ねこしょカフェは、常連客で賑わっていた。
シオンの特等席である、店の最奥の、百合の形をしたテーブルランプの置いてあるテーブル席へ向かった奏斗は、カウンターの中から発せられる蓮花の強い視線を背中に受けている。
(うええ。刺さってる)
店内を見回せば、猫と戯れる客と、古書に集中している客、それから二神の姿があった。
目を合わせると、軽く手を挙げた挨拶を返される。
「貴様。なぜここに」
トレーに水の入ったグラスを持ってきた蓮花が、早速イブキへ凄むので、奏斗は慌てて弁解した。
「俺が、教えたんす」
「っ」
蓮花は憤懣やる方ない様子で、グラスを乱雑にテーブルへ並べていく。
天と奏斗が並んで座り、奏斗の正面にイブキが腰掛けたところで、テーブルの主がやってきて、来訪客の姿を確かめるなりびょんっと飛び跳ねた。
「にゃ!?」
「こんにちは、可愛い猫又くん」
「いくらなんでも、天狗と鬼に囲まれる勇気はないよ!?」
脱兎のごとく――猫だけれど――逃げ出そうとしたシオンの二の腕を、すかさず蓮花が捕まえて止めた。
「シオンさん。居てください」
「あああもおおおお。そうね、分かったよ」
今は人間の姿であるものの、シオンの頭頂にイカ耳が見える気がした奏斗は、申し訳なさに頭を下げた。
「すんません、シオンさん」
「いいっていいって。カナトは悪くないよ。レンカ、覚悟できたの?」
「……ああ」
店内はそこそこ混んでいるが、皆に注文の品物は行き渡りきっている様子だ。光晴一人で対応できなくもない状況なのを確かめてから、蓮花は隣のテーブルから椅子を引き寄せ、奏斗の隣に座る。
「イブキと言ったか。店では分からなかったが……貴様は人間ではない、な」
「うん。力は失っているけれど。私は牛鬼だよ」
「っ! ならば、濡女がいるということか!」
座ったばかりだというのに、蓮花は警戒して腰を浮かせる。
ところが、天がのんびりとした声で蓮花を牽制した。
「いねえよ。力失ってるって言ってるだろが。落ち着け」
「だが」
「あのなぁ。俺様大天狗よ? 牛鬼の十匹二十匹、ピーンよ」
奏斗はかなり失礼な物言いではとハラハラしたが、指で何かを弾くふりをした大天狗に、イブキは呆気に取られた後笑い出した。
「あはは! その通りです。力があったとしても、私では大天狗に敵いませんよ」
「ええ? 鬼、なんですよね?」
奏斗の言葉と同時に、光晴がさっと妖怪辞典のようなものを横から差し出してくれた。
鬼の頭に、土蜘蛛の体を持つ、なかなかグロテスクな絵が描かれているページが開かれている。
目の前のイブキは、端正な顔立ちに均整の取れた体つきで、ホストと言われて納得のルックスだから、違和感が拭えない。
「はい。濡女がいないと、食事すらままならない。弱い鬼です。そこに書いてあるでしょう?」
イブキに促された奏斗が、声に出して文章を読んでみる。説明が長いので、ところどころ適当に割愛しながら。
「ええと。『非常に残忍・獰猛な性格で、毒を吐き、人を喰う。頭は鬼で体は土蜘蛛、もしくは頭は牛で胴体は鬼の姿。美しい女が、通りすがりの人間に赤ん坊を抱いていて欲しいなどと言って呼び止め、相手が赤ん坊を抱くと石のように重くなって身動きがとれなくなる。その隙に、どこからか現れた牛鬼に喰われる』……どこが弱いんすか!?」
「ふふ。読んで分かるだろう? 私は濡女がいないと、何もできないんだよ」
奏斗は、自身に宿る怪力を思う。鬼の力があれば、わざわざ女に頼らずとも、人間など捕って喰ってしまえそうだ。
「残忍や獰猛っていうのは、人見知りだから。本当は、気弱なんだ」
気弱が、人間を喰うだろうか? と首をひねると、またイブキに笑われた。
「君だって、牛を喰うだろう? 自分で捕まえるかい?」
「いえ」
「捌いてもらったのを料理してもらって、初めて喰える。それと同じだよ」
納得したようなしないような。奏斗がううんと両腕を組んだところで、蓮花が口を開いた。
「半身を失っている、というのは、濡女のことなんだな」
「うん、そうだよ」
「それと、あたしの過去がどう繋がるんだ」
天とシオンは、何も言わず黙っている。つまり、二人とも把握しているということだ。
あとは本人次第なのだろう。二人は押し黙ったまま、蓮花を見つめている。
「まずは、ごめん。まさか忘れているなんて思わなかった。そして、今からも、ごめん。きっとすごく辛いと思う」
気遣うイブキに対して、蓮花は揺るぎない態度で見つめ返すだけだ。
「いい。元から覚悟はしている」
「そっか。君は退魔師だもんね。私のことが気に入らなければ……倒してくれていいよ」
「うるさい。御託はいい」
「分かった。じゃあそうだね、君が十六歳の時」
「待て」
蓮花が話を遮り、遠くのテーブルで書物に目を落としている二神に視線を投げる。
「二神」
呼ばれた二神は、驚きで目を見開いて固まっている。
「何してる。来い」
「っはい!」
ここはねこしょカフェだけれど、二神は犬みたいだ、と奏斗が失礼なことを思っていると、二神は珍しくおどおどした態度で隣のテーブルに腰掛け直した。
「あの、良いんですか」
「関係性を調整すればいいんだろ?」
蓮花が放ったのは、昨夜、タクシーに乗る直前の二神のセリフだ。
「っ、はい」
「へえ。いいねその考え方」
コーヒーを一口飲んでから、イブキは再び口を開いた。
「では改めて。君が十六歳の時。霞家は、困窮にあえいでいた――」
便利屋ブルーヘブンに、イブキがやってきた。
奏斗は、昨日の今日で来るとはと驚きつつも店内に招き入れ、パイプ椅子に座らせる。イブキはダウンジャケットにデニムというラフな格好だが、オーラがあった。
お茶を淹れようとしたところで、天が外から帰ってきて、開口一番、呆れ声を上げる。
「おいおい、またこりゃ、厄介なやつが来たもんだぜえ」
イブキの顔を見るなり唸る大天狗は、日課であるダイキチ――近所で飼われている柴犬――の散歩を終えたところに違いない。手首に小さなトートバッグを提げており、
「こんにちは。まさか大天狗に会えるとは。僥倖です」
丁寧な口調で挨拶したイブキを、天は遠慮なくぎろりと睨む。
まさに神社に立っている天狗の石像みたいだ、と奏斗は天の迫力にぶるりと身を震わせた。いつもニヤけている気の良い店主から打って変わって、恐ろしいぐらいだ。
「天さん、知り合い、ですか?」
「知り合いってほどでもねえよ。何しにきた。酒呑の差し金か?」
物騒な単語が出てきたので、奏斗はまさしく飛び上がった。お茶を湯呑みに注ぐ前でよかった、と一人で胸をなで下ろす。
「酒呑?」
ところがイブキは、首を傾げるだけだ。
「とぼけんな。嫌な匂いがぷんぷんすらぁ」
「とぼけてなど。私は、力を失ったままなんです。視ても構いませんよ」
「……そうかよ」
大天狗の神通力を示唆した、ということまでは分かったが、話が全く見えない奏斗は、いよいよ苛立つ。
「ったく、昨日から、なにがなんだかさっぱり分からないんですけど!」
憤った奏斗に対して、イブキが立ち上がって軽く頭を下げる。
「申し訳ない。ホストになって、人間らしい会話に慣れたと思ったのですが、大天狗に会って気が緩んでしまいました」
「人間、らしい……?」
「はい。君も、仲間ですよね。私は、牛鬼です」
「ぎゅう、き?」
天が、がりがりと後頭部を掻く。
「立ち話もなんだ。ねこしょカフェ行こうぜ」
◇
ねこしょカフェは、常連客で賑わっていた。
シオンの特等席である、店の最奥の、百合の形をしたテーブルランプの置いてあるテーブル席へ向かった奏斗は、カウンターの中から発せられる蓮花の強い視線を背中に受けている。
(うええ。刺さってる)
店内を見回せば、猫と戯れる客と、古書に集中している客、それから二神の姿があった。
目を合わせると、軽く手を挙げた挨拶を返される。
「貴様。なぜここに」
トレーに水の入ったグラスを持ってきた蓮花が、早速イブキへ凄むので、奏斗は慌てて弁解した。
「俺が、教えたんす」
「っ」
蓮花は憤懣やる方ない様子で、グラスを乱雑にテーブルへ並べていく。
天と奏斗が並んで座り、奏斗の正面にイブキが腰掛けたところで、テーブルの主がやってきて、来訪客の姿を確かめるなりびょんっと飛び跳ねた。
「にゃ!?」
「こんにちは、可愛い猫又くん」
「いくらなんでも、天狗と鬼に囲まれる勇気はないよ!?」
脱兎のごとく――猫だけれど――逃げ出そうとしたシオンの二の腕を、すかさず蓮花が捕まえて止めた。
「シオンさん。居てください」
「あああもおおおお。そうね、分かったよ」
今は人間の姿であるものの、シオンの頭頂にイカ耳が見える気がした奏斗は、申し訳なさに頭を下げた。
「すんません、シオンさん」
「いいっていいって。カナトは悪くないよ。レンカ、覚悟できたの?」
「……ああ」
店内はそこそこ混んでいるが、皆に注文の品物は行き渡りきっている様子だ。光晴一人で対応できなくもない状況なのを確かめてから、蓮花は隣のテーブルから椅子を引き寄せ、奏斗の隣に座る。
「イブキと言ったか。店では分からなかったが……貴様は人間ではない、な」
「うん。力は失っているけれど。私は牛鬼だよ」
「っ! ならば、濡女がいるということか!」
座ったばかりだというのに、蓮花は警戒して腰を浮かせる。
ところが、天がのんびりとした声で蓮花を牽制した。
「いねえよ。力失ってるって言ってるだろが。落ち着け」
「だが」
「あのなぁ。俺様大天狗よ? 牛鬼の十匹二十匹、ピーンよ」
奏斗はかなり失礼な物言いではとハラハラしたが、指で何かを弾くふりをした大天狗に、イブキは呆気に取られた後笑い出した。
「あはは! その通りです。力があったとしても、私では大天狗に敵いませんよ」
「ええ? 鬼、なんですよね?」
奏斗の言葉と同時に、光晴がさっと妖怪辞典のようなものを横から差し出してくれた。
鬼の頭に、土蜘蛛の体を持つ、なかなかグロテスクな絵が描かれているページが開かれている。
目の前のイブキは、端正な顔立ちに均整の取れた体つきで、ホストと言われて納得のルックスだから、違和感が拭えない。
「はい。濡女がいないと、食事すらままならない。弱い鬼です。そこに書いてあるでしょう?」
イブキに促された奏斗が、声に出して文章を読んでみる。説明が長いので、ところどころ適当に割愛しながら。
「ええと。『非常に残忍・獰猛な性格で、毒を吐き、人を喰う。頭は鬼で体は土蜘蛛、もしくは頭は牛で胴体は鬼の姿。美しい女が、通りすがりの人間に赤ん坊を抱いていて欲しいなどと言って呼び止め、相手が赤ん坊を抱くと石のように重くなって身動きがとれなくなる。その隙に、どこからか現れた牛鬼に喰われる』……どこが弱いんすか!?」
「ふふ。読んで分かるだろう? 私は濡女がいないと、何もできないんだよ」
奏斗は、自身に宿る怪力を思う。鬼の力があれば、わざわざ女に頼らずとも、人間など捕って喰ってしまえそうだ。
「残忍や獰猛っていうのは、人見知りだから。本当は、気弱なんだ」
気弱が、人間を喰うだろうか? と首をひねると、またイブキに笑われた。
「君だって、牛を喰うだろう? 自分で捕まえるかい?」
「いえ」
「捌いてもらったのを料理してもらって、初めて喰える。それと同じだよ」
納得したようなしないような。奏斗がううんと両腕を組んだところで、蓮花が口を開いた。
「半身を失っている、というのは、濡女のことなんだな」
「うん、そうだよ」
「それと、あたしの過去がどう繋がるんだ」
天とシオンは、何も言わず黙っている。つまり、二人とも把握しているということだ。
あとは本人次第なのだろう。二人は押し黙ったまま、蓮花を見つめている。
「まずは、ごめん。まさか忘れているなんて思わなかった。そして、今からも、ごめん。きっとすごく辛いと思う」
気遣うイブキに対して、蓮花は揺るぎない態度で見つめ返すだけだ。
「いい。元から覚悟はしている」
「そっか。君は退魔師だもんね。私のことが気に入らなければ……倒してくれていいよ」
「うるさい。御託はいい」
「分かった。じゃあそうだね、君が十六歳の時」
「待て」
蓮花が話を遮り、遠くのテーブルで書物に目を落としている二神に視線を投げる。
「二神」
呼ばれた二神は、驚きで目を見開いて固まっている。
「何してる。来い」
「っはい!」
ここはねこしょカフェだけれど、二神は犬みたいだ、と奏斗が失礼なことを思っていると、二神は珍しくおどおどした態度で隣のテーブルに腰掛け直した。
「あの、良いんですか」
「関係性を調整すればいいんだろ?」
蓮花が放ったのは、昨夜、タクシーに乗る直前の二神のセリフだ。
「っ、はい」
「へえ。いいねその考え方」
コーヒーを一口飲んでから、イブキは再び口を開いた。
「では改めて。君が十六歳の時。霞家は、困窮にあえいでいた――」
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