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〚07〛漏れ出た独り言と我儘な本音
しおりを挟む間違いなく、死ぬ。
自室のベッドに潜り込み、俺は涙を流しながら恐怖に震えていた。食事も喉を通らず、体調不良を理由に部屋に引き籠もっている。
夕方、ジラルドが自宅に面会に訪れてくれたらしいが、「体調が悪い」の一点張りで会いもしなかった。彼にあんな現場を見られて、この先どんな顔をして会えば良いのかわからない。
自室に一人になって、俺は放置していた禁断の書を開いてみた。
魔術師になるなどという真偽不明な妄言を残して辞めた胡散臭い執事が、この屋敷を去るときに「そのうち必要になる知識の詰め合わせです。指南書です」と意味深な笑みを浮かべながら、俺に渡してきたものだ。
「指南」というからには何か魔法でも載ってるのかと、俺は軽い気持ちで開いたのだが。あまりにも生々しい描写に衝撃を受けて、すぐに本を閉じた。
これを実践で教えてやると言ったアホ執事は、絞め殺しておくべきだったと非常に後悔した。
それ以降ずっと禁書扱いし一度も開かずに放置していたのだが、勇気を出して再び開いてみたのだ。
しかし。
「無理……絶対無理……」
指南書には男同士のアレコレが事細かく記されていて、俺の精神は限界をとうに越えていた。
「受け入れて」と王子に言われたからには、俺が受ける側になるのだろう。そして王子は何故か俺とヤル気満々になっている。怖い。超こわい。
とにかく受け側の事前の準備が大変らしい。しかし、そもそも排泄器官にアレを挿入するなんて正気の沙汰ではない。絶対無理だ、死ぬ。王子のアレは見たことないが、どんなに立派でも多分気持ち悪くて吐く。
俺が許して欲しいと泣いてお願いしても、多分あの変態はやめてくれない。むしろ興奮して、無理矢理突っ込んできそうだ。鬼畜過ぎて笑えない。
多分死ぬ。いや、殺される。
絶望的な状況に俺はシーツに包まり嗚咽を零す。父上に婚約解消を望む手紙を書いたが「無理」とだけ返事がきた。やっぱり詰んでる。
家のことは放置して、もう逃げてしまおうか。自由になりたい。そのためには。
「……やっぱり『死ぬ』しかないか」
心の声が、つい音として漏れ出てしまった。ふと思いついたその考えに、俺の気分が少し浮上する。そうだ、それが手っ取り早くて確実だ。
で、あればさっさと準備して、あの変態から無理矢理突っ込まれる前にすぐに決行しなければ。
「ルシア」
俺が覚悟を決めてベッドから起き上がろうとしたときだった。突然背後から名前を呼ばれ、俺は思わず飛び上がる。振り向くとそこに立っていたのは、超絶不機嫌な顔をしている幼馴染だった。
「は?え?何でここに?」
「……そこの、窓から」
「あぁ、なるほど。って、え?窓から?」
ジラルドの返答に俺は思わず窓の方向へ顔を向けた。ちなみに俺の部屋は2階である。子どもの頃、俺はジラルドの部屋に事前予告なく窓から侵入したことが何度もあるが、逆は皆無だったはずだ。何故この超真面目な幼馴染が急にそんなお転婆な真似をしでかしたのか、彼の心境の変化が分からない。
「……不法侵入だ」
俺は思わず思ったことをそのまま呟いた。過去の自分の行動も十分に非常識だが、今は棚に上げておく。
「一応、窓を叩いて声はかけたが、お前に無視された」
「……いや、普通窓から人が訪ねてくるとか思わないだろう。しかも2階だし」
俺は思わず突っ込みを入れてしまう。しかしジラルドは「そうか、悪かった」とだけ答えて、そのまま俺のベッドの傍まで歩み寄った。「お前が言うな!」とツッコミ返してこないところが彼らしい。
「体調が悪いと聞いたが?」
「……別に」
「食事も殆ど摂っていないらしいな」
「……食欲がないだけだ」
何となく彼の顔を見れなくて、俺は再びベッドに潜り込む。ジラルドはそんな俺の反応に、小さく溜息を吐いた。そのままベッドの縁に腰掛けた音が聞こえる。
俺はどう返して良いかわからず、布団の中で息を詰めた。
「ルシア、顔を見せろ」
「嫌だ」
俺は即答する。こんなぐちゃぐちゃに泣き腫らした酷い顔を、見られて堪るものか。布団を強く握り込んだ俺の手に、ジラルドの手が覆い被さった。そのまま布団を引き剥がされて、俺は慌てて両手で自分の顔を隠す。
しかし力の差は歴然としていて、抵抗空しく簡単に両手を掴まれ顔から引き剥がされた。そのまま仰向けにされ、手首をベッドに縫い付けられる。
両手を拘束されて、ベッドに押し倒されている状況に少し混乱する。久し振りに正面から見た幼馴染の顔は、無表情の中に苛立ちのようなものが見て取れた。睨みつけるような視線に背筋が凍る。これは、多分怒っている。
「なんか、この体勢不味くね?」
何となく落ち着かなくて冗談っぽく指摘すると、ジラルドは眉を少し動かして俺を見下ろす。
「何で怒ってんの?」
「……別に」
いや明らかに怒ってるだろう。相変わらず短い言葉で端的にしか喋らない奴だ。昔からこうだっただろうか?俺は彼の反応に少し困惑する。
「……お前が、俺の居ないところで泣くから」
ジラルドの低い声が響いた。俺は思わず目を瞬かせる。何故それで彼が怒り出すのかわからない。
「ジラルドには関係ないだろう?俺がいつ泣こうが、俺の勝手だ。情けない姿を晒したのは謝るが……」
「関係なくは無い。お前が泣くと……俺が苦しい」
俺の言葉を遮り、ジラルドは顔を歪めてそう漏らした。その苦しげな声に、俺は何故か少し動揺してしまう。
「……お前は、アドラシオン殿下を想っているのか?」
「は?何で?」
ジラルドの言葉に、思わず俺は眉を顰める。俺があの変態王子を想っているとか、とんだ誤解だ。むしろ近寄りたくない。王子とはただの政略結婚である。何故そんな発想が出てくるのか理解できない。
「……聖女と殿下との関係に胸を痛めて泣いている、と聞いた」
「………」
思ったより根も葉もない噂が出回っていたらしい。俺はジラルドの言葉に、絶句する。しかし噂の内容は客観的に見れば事実無根ではなく、多分同情されて広まったのでは無いだろうかと察した。周囲が勝手に勘違いしただけだろうけど。
俺が泣いていたのは、王子のセクハラが嫌すぎるのと、突っ込まれるのが恐ろしいからだ、とは流石に口に出せない。王子と結婚する予定なのに、割り切れない自分が情けなさすぎて軽く落ち込む。
「……だが、殿下はお前にも触れてた。お前はそれを受け入れてるんだろう?」
「あー…まあ……、見苦しいものを見せて、悪かった……」
ジラルドの指摘に、俺は思わず視線を彷徨わせた。王子が何故ジラルドに見せつけるように、あんな奇行を働いたのか理解できないが、多分俺が泣いて嫌がる姿を見て楽しんでいたのだろう。本当に悪趣味な男だと改めて実感する。羞恥プレイに巻き込まれたジラルドには同情しかないが、こっちも被害者だと主張したい。王子という身分でなければ多分奴を殴っている。
「とりあえず、心配かけて悪かった。でも全部……耐えられるし、大丈夫だから。ジラルドの手を煩わせる必要はない」
俺は気まずさを感じつつ、そう答えるが、ジラルドからは納得いった気配が感じられなかった。俺は軽く溜息を吐く。こういう話はあまり得意ではないし、正直早く終わらせたいのだが?
「もう俺のことは放っておいてくれ。自分で何とかする」
「……独りで泣いて、死ぬしか方法がないと言ってたのにか?」
俺の言葉に、ジラルドの顔が辛そうに歪められた。思わず口走ってしまった独り言まで聞かれていた事実に舌打ちする。自分の弱さと甘さを指摘されたようで、俺は思わず視線を背けた。
「手を離せ」
俺はジラルドの拘束から逃れようと身を捩ったが、彼は俺を抑え込む手の力を緩めなかった。
「離せよ!」
「断る。お前、逃げるだろう?」
いやもう本当に何なんだコイツ?俺が思わず苛立って声を上げると、ジラルドは真剣な眼差しで俺を見据えてきた。その強い視線に射抜かれて、思わず怯む。
「……少しは俺を頼れ。本音を全部言え」
ジラルドの口から出てきた思わぬ言葉に俺は目を見張る。いつも仏頂面で無表情な彼の目が、切なげに歪められており胸が締め付けられた。けれど、同時に怒りも感じる。
貴族だったら政略結婚は当然のことで、そこに個人的な感情は不必要だとずっと教え込まれてきた。
自分の願いは子どもの頃、既に彼には伝えてある。約束には拘束力はない。それにお互いの立場を考えれば、それを伝えたところで、真面目な彼を困らせるだけだ。泣き言を訴えたところで現実は変えられない。分かっているのに。
「……もう、嫌だ」
目頭が熱くなった。一人、黙って耐えてきたのに。何故蒸し返すのか?俺は思わずジラルドを睨みつけた。
「もう……疲れた」
自分の口から情けない声が漏れたことに驚いたが、一度溢れた本音は止まらなかった。俺の目から涙が溢れるのを見て、ジラルドの目が大きく見開くのが見えたが、構わず言葉を続ける。
「……なら、俺と一緒に逃げてくれよ」
結局、俺は何の覚悟も出来てないのだ。
泣きながら八つ当たりで無責任な言葉を吐き出してるだけだ。無理に決まってる。我儘な俺の望みは優しい幼馴染を困らせるだけだ。自分でも理解しているのに、己の気持ちを止められない自身の醜さに吐き気がしそうだった。
「分かった」
「……………は?え?」
思ったより呆気なく返ってきた答えがすぐに理解できず、俺は間抜けな声をあげてジラルドを見上げる。彼は相変わらず無表情だったが、その目は真っ直ぐ俺を見つめていた。
「……今……なんて?」
「分かったと言った」
聞き間違えではなかったらしい。俺は心底戸惑った。こんなにも幼稚で身勝手な我儘を口にした俺なんかに付き合うつもりなのか?ジラルドはどこまで馬鹿真面目なんだろう。
「今日、今すぐには難しい。少し準備がいる。それまで待てるか?ルシア」
「……意味が分からん」
いつもだけど、彼は彼の中だけで話が完結する。俺は思わずそう呟いたが、ジラルドは気にする様子もなかった。俺の拘束をあっさり解くと、俺の両手を引き上げ、身体を起こしてくれる。そしてそのまま俺の目元の涙を拭う様に口付けた。
「……ずっとそばでお前を守ると約束したからな」
優しく抱き寄せられ、そう囁かれる。久し振りに抱き締められたその腕の中は、相変わらず温かくて、心地が良くて。俺を安心させてくれて。
昔、二人で笑い合っていた幸せな記憶と今の現実が、俺の中で折り重なって。溢れる涙が止まらなかった。
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