44 / 187
約束の場所へ
しおりを挟む
差し出された手を無視するわけにはいかないようだ。手を伸ばして手袋越しにちょこっとふれたとたん。
ぶわっと、羽虫が全身に止まったような気持ち悪さ。
「くしゅんっ、くしゅんっ」
ああ、これ、やばいやつ。
「無理することはないよ、少し休むといい。ロイホール公爵夫人に部屋を用意してもらおう。休んでいる間に馬車を呼んであげるから」
親切な人だ。
お兄様も、いいやつだとほめていただけのことはある。
だけど、私的には、ダメな人だ。やばい人だ。この人と長時間いたら命の危険が。
「あの、大丈夫ですから……手を、離してくださ……くしゅっ」
「遠慮することはない」
遠慮じゃなーい。
本当に、まずい。どうしよう。名を明かせばいい?お兄様に助けを求めようか。
「ディック様、その方なら大丈夫ですわよ。そうして仮病を使って男性の目を引きたいだけでしょうから」
え?
「そうなのかい?とても仮病には見えないが……」
「あら、ディック様は、私の言葉が嘘だと?酷いですわ……」
ああ、もう、くらくらして息も苦しくなってきた。
ディック様に話しかけているこの声には聞き覚えがある。
エカテリーゼ様だろう。
吐きそうになってきて顔を上げることができない。
「ほら、見てくださいませ。顔を上げて否定することもできないようですわよ?」
「仮病を使ってお優しいディック様の気を引こうなんてなんてあさましいのかしら」
「この間ピンクのヒラヒラを来ていた恥知らずですわよね」
「あの手この手でよくもまぁ……」
周りの人たちがエカテリーゼ様の言葉に同調して色々噂を始める。
ディック様が、エカテリーゼ様の話が本当なのだろうかと思い始めたのか、私の手を握る力が弱った。
そのすきに、手を抜き出すと、貴族令嬢としてはとてもみっともないのだけれど、小走りで会場を抜け、窓から庭に飛び出した。
吐く、全身にぶつぶつ出る、やばい。
「すー、はー、すー、はー」
息ができないくらい苦しくはならなかったことに感謝。
そして、結果としてエカテリーゼ様に助けてもらった形になる。
あれ?お兄様はどこにいたのだろう。お手洗いにでも行ったのかしら?
まぁいいか。結果的に、私は無事。
全身を羽虫が止まったような気持ち悪さも収まって来た。
「エミリー……」
もう、来てるかな。
まだ薔薇の咲いていない薔薇の迷路を潜り抜ける。噴水の場所まで来て、愕然とする。
その先、あづまやへと続くはずの道が薔薇の垣根でふさがっているのだ。
「え?どうして?何故ふさがれちゃったの……?」
どうしよう。使用禁止?
何か理由があるの?あづまやを取り壊すとか、改築するとか……。
どうしようかしばらく垣根の前で立ち止まって考える。
===========
まさかの通行止め!
二人の運命は!
こうして、邪魔が入るのは、見えない力……
そう、見えない力が、二人の邪魔を!ひゃはははははー!
(´・ω・`)ま、理由はあるし、犯人はあいつだし。全然見えない力じゃなくて、見える欲望だかんな。
ぶわっと、羽虫が全身に止まったような気持ち悪さ。
「くしゅんっ、くしゅんっ」
ああ、これ、やばいやつ。
「無理することはないよ、少し休むといい。ロイホール公爵夫人に部屋を用意してもらおう。休んでいる間に馬車を呼んであげるから」
親切な人だ。
お兄様も、いいやつだとほめていただけのことはある。
だけど、私的には、ダメな人だ。やばい人だ。この人と長時間いたら命の危険が。
「あの、大丈夫ですから……手を、離してくださ……くしゅっ」
「遠慮することはない」
遠慮じゃなーい。
本当に、まずい。どうしよう。名を明かせばいい?お兄様に助けを求めようか。
「ディック様、その方なら大丈夫ですわよ。そうして仮病を使って男性の目を引きたいだけでしょうから」
え?
「そうなのかい?とても仮病には見えないが……」
「あら、ディック様は、私の言葉が嘘だと?酷いですわ……」
ああ、もう、くらくらして息も苦しくなってきた。
ディック様に話しかけているこの声には聞き覚えがある。
エカテリーゼ様だろう。
吐きそうになってきて顔を上げることができない。
「ほら、見てくださいませ。顔を上げて否定することもできないようですわよ?」
「仮病を使ってお優しいディック様の気を引こうなんてなんてあさましいのかしら」
「この間ピンクのヒラヒラを来ていた恥知らずですわよね」
「あの手この手でよくもまぁ……」
周りの人たちがエカテリーゼ様の言葉に同調して色々噂を始める。
ディック様が、エカテリーゼ様の話が本当なのだろうかと思い始めたのか、私の手を握る力が弱った。
そのすきに、手を抜き出すと、貴族令嬢としてはとてもみっともないのだけれど、小走りで会場を抜け、窓から庭に飛び出した。
吐く、全身にぶつぶつ出る、やばい。
「すー、はー、すー、はー」
息ができないくらい苦しくはならなかったことに感謝。
そして、結果としてエカテリーゼ様に助けてもらった形になる。
あれ?お兄様はどこにいたのだろう。お手洗いにでも行ったのかしら?
まぁいいか。結果的に、私は無事。
全身を羽虫が止まったような気持ち悪さも収まって来た。
「エミリー……」
もう、来てるかな。
まだ薔薇の咲いていない薔薇の迷路を潜り抜ける。噴水の場所まで来て、愕然とする。
その先、あづまやへと続くはずの道が薔薇の垣根でふさがっているのだ。
「え?どうして?何故ふさがれちゃったの……?」
どうしよう。使用禁止?
何か理由があるの?あづまやを取り壊すとか、改築するとか……。
どうしようかしばらく垣根の前で立ち止まって考える。
===========
まさかの通行止め!
二人の運命は!
こうして、邪魔が入るのは、見えない力……
そう、見えない力が、二人の邪魔を!ひゃはははははー!
(´・ω・`)ま、理由はあるし、犯人はあいつだし。全然見えない力じゃなくて、見える欲望だかんな。
5
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。
サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる