魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど

富士とまと

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すっきりー

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 意地悪を言ったことを反省する。ごめん、ノームじいちゃん。
『って、なんじゃ、人間、魔力が枯渇しておるではないか!うおお、あっちの人間も魔力がない。ほんの小さな魔力さえも持っておらぬとは、どういうことじゃ、好きなだけ持って行けと言ったのに、ワシ、ワシ……』
 手の平の上で両手両ひざをついてがっかりするノームじいちゃん。
「あの、私たち魔力なしなので。ごめんなさい。えーっと、魔力を使った分を回復したいのなら、……これをどうぞ」
 申し訳なくなって、収納鞄から魔力回復薬を取り出す。
 うん。瓶の方が大きいなぁ。
『これは、人間の飲み物じゃないか。ワシらは飲めないのも知らんのか』
 飲めないかな?精霊には無理かな?
「ちょっと待ってください」
 手の平の上の小さなおじいさんを丁寧に地面に降ろす。
 それから、葉っぱを一つちぎり取り、その上に魔力回復薬を数滴垂らす。ノームさんのサイズでは瓶から飲むことができなさそうだったので。
「お供えいたします。お召し上がりください」
 仏さまにするように手を合わせる。
『む?先ほどまでとは違い、匂いがし始めたぞ?まさか……ワシに飲めるというのか?』
 ノームさんが葉っぱを持ち上げ、ごくりと魔力回復薬を飲んだ。
『うおおう、なんじゃこりゃ、本当に魔力が戻ってくる』
 ほっ。これで、魔力は渡したことの代わりになるよね。
『おかわりじゃ!おかわり!』
 ずいぶん気に入ったよう。
「どうぞ。この瓶は差し上げますから好きなだけ飲んでください」
 といっても、自分では中身が出せないだろうから、収納袋から小さな皿を取り出し魔力回復薬を注ぐ。ひしゃくのように救えそうな小さな枝を見つけてお皿に置いておく。これなら、自分で葉っぱのコップに移して飲めるよね?コップというか、盃のような感じですが。
『うむ。礼を言うぞ』
 それにしても……。
 地面に転がる無数のマナナの実を見る。
 本当は少しずつ運ぶつもりだったけれど仕方がない。収納鞄に今回は頼りますか。
「綺麗な樽出てこい、さ、ネウス君ここに実を集めて入れよう」
 ネウス君はすでにマナナの実を拾って1か所に集め始めていた。
「えーっと、ネウス君は突然私が独り言言い出して驚いたりしないの?」
 集めたマナナの実を一緒に樽に入れながら訪ねてみる。
「精霊様がいるんだろ?」
 にこっと笑うネウス君。
「え?なんでわかるの?見えてる?」
 ネウス君が首を横に振る。
「木が揺れたの、びっくりしたけど精霊様の力だろ?一瞬にして実が落ちてすごいよなぁ」
 ああ、そうか。魔法が使えないのに不思議なことが起きたからか。それにディラは精霊ってことにしたから、精霊のお力ということに……?
 いや、ディラは幽霊で、なぁーーーーーーーんにも力ないですけどね。
 樽の中に集めた実を入れていく。
「どうせつぶすから、つぶれちゃってもいいよ」
 丁寧に作業してたネウス君に声をかける。


=========
そうなんじゃよ
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