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いくら好きではない婚約者でも、鞭を打つなど……よほど憎んでいるか嫌っていなければできないだろう。
私はやはり、殿下にとってはどうでもいい人間だったのだ……。
鞭を打たれる覚悟はしたものの、悲しみに支配された。
「あまり……痛くしないでくださいませ……」
せめて。
あまりに憎くて思い切り鞭を打たれるよりも、多少は手加減してもらえれば……まだ、私に対して情くらいはあったのだと思えるのに。
と、レレナは殿下に涙目で訴えた。
「ああ、レレナ!そんな顔をされたら……」
殿下がフルフルと頭を横に振った。
「大丈夫、できる限り優しくするから……ね?」
ほっとレレナは息を吐く。殿下には多少なりとも私に情がある……。だけれど、鞭は打ちを回避してくれるほどの愛情はない……。
鞭を打たれれば……鞭の跡が残るだろう。
「綺麗な体ではいられない……のですね……」
綺麗なだけが私の取り柄だったのに。体に人に見せられない見にくい傷跡がつく。
唯一の取り柄がなくなってしまう。
綺麗だと殿下に言われるたびに、幸せな気持ちになれたのに。
もう、綺麗だと言ってもらえなくなる……。
マリアが殿下の隣に並ぶことになったら、私のことを見ることさえなくなるのだろうから……関係ないというのに。
殿下が綺麗だと言ってくれた私は亡くなる。殿下の手で……。
手違いとはいえ、毒を飲ませてしまった私への罰。
「綺麗なままでいたかった……」
殿下に褒めてもらった私で……せめて。
涙目になったレレナが殿下に訴えると、殿下が顔を手で覆ってしまった。
「あああ、レレナ!僕が、僕が悪かったよ。我慢が足りなかった。ごめん。怖がらせてしまった……」
殿下がぐっと奥歯を噛みしめてレレナを見た。
「今日はいつもよりずっとかわいくて……レレナ、今すぐ僕のものにしたくなってしまった」
はい?
「夢だと分かっていても……それでも、君が嫌がることはしたくないんだ。待ってほしいというなら、我慢するよ……」
レレナは混乱していた。
かわいいなんて言われることが信じられない。
僕のものにしたいとはどういう意味なのでしょう。
婚約破棄した後も、自分のそばに置きたいという意味でしょうか?なぜ?
待つとは、何を待つのでしょうか?きちんと婚約を破棄したうえで、自分のそばにいてもらえることを了承するまで?
……もしかすると、男爵令嬢の教育係をしてほしいとか、そういうことを言われるのでしょうか。
でも、無理なのです。
3時間しか猫をかぶれないし、いろいろとできないことばかりなので。教育係なんてとんでもない。
私のようなぽんこつ、見た目以外殿下の役に立てることなど何もなくて……。
何も……そう。
=============
何を見せられているのだ、我々は……。
という気持ちになってきましたね。
私はやはり、殿下にとってはどうでもいい人間だったのだ……。
鞭を打たれる覚悟はしたものの、悲しみに支配された。
「あまり……痛くしないでくださいませ……」
せめて。
あまりに憎くて思い切り鞭を打たれるよりも、多少は手加減してもらえれば……まだ、私に対して情くらいはあったのだと思えるのに。
と、レレナは殿下に涙目で訴えた。
「ああ、レレナ!そんな顔をされたら……」
殿下がフルフルと頭を横に振った。
「大丈夫、できる限り優しくするから……ね?」
ほっとレレナは息を吐く。殿下には多少なりとも私に情がある……。だけれど、鞭は打ちを回避してくれるほどの愛情はない……。
鞭を打たれれば……鞭の跡が残るだろう。
「綺麗な体ではいられない……のですね……」
綺麗なだけが私の取り柄だったのに。体に人に見せられない見にくい傷跡がつく。
唯一の取り柄がなくなってしまう。
綺麗だと殿下に言われるたびに、幸せな気持ちになれたのに。
もう、綺麗だと言ってもらえなくなる……。
マリアが殿下の隣に並ぶことになったら、私のことを見ることさえなくなるのだろうから……関係ないというのに。
殿下が綺麗だと言ってくれた私は亡くなる。殿下の手で……。
手違いとはいえ、毒を飲ませてしまった私への罰。
「綺麗なままでいたかった……」
殿下に褒めてもらった私で……せめて。
涙目になったレレナが殿下に訴えると、殿下が顔を手で覆ってしまった。
「あああ、レレナ!僕が、僕が悪かったよ。我慢が足りなかった。ごめん。怖がらせてしまった……」
殿下がぐっと奥歯を噛みしめてレレナを見た。
「今日はいつもよりずっとかわいくて……レレナ、今すぐ僕のものにしたくなってしまった」
はい?
「夢だと分かっていても……それでも、君が嫌がることはしたくないんだ。待ってほしいというなら、我慢するよ……」
レレナは混乱していた。
かわいいなんて言われることが信じられない。
僕のものにしたいとはどういう意味なのでしょう。
婚約破棄した後も、自分のそばに置きたいという意味でしょうか?なぜ?
待つとは、何を待つのでしょうか?きちんと婚約を破棄したうえで、自分のそばにいてもらえることを了承するまで?
……もしかすると、男爵令嬢の教育係をしてほしいとか、そういうことを言われるのでしょうか。
でも、無理なのです。
3時間しか猫をかぶれないし、いろいろとできないことばかりなので。教育係なんてとんでもない。
私のようなぽんこつ、見た目以外殿下の役に立てることなど何もなくて……。
何も……そう。
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何を見せられているのだ、我々は……。
という気持ちになってきましたね。
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