11 / 17
11
しおりを挟む
「殿下……お慕い申し上げております……」
こんなポンコツ、公爵令嬢でなければ絶対に婚約者に選ばれなかったでしょう。
綺麗でなければすぐに捨てられたでしょう。
「レレナ……本当に?僕のこと?……ああ、いや。これは夢だ。都合のいい夢……」
だけれど、好きだから。
好きだから、殿下と結婚したかった。
そばに居たかった。
無能な私が妃になって迷惑をかけてしまうかもしれないと思いながら……。
これで良かったのだ。マリアは成績優秀だという話だ。男爵家ということだけが欠点だろう。
それもきっと、どこかの家が養子に向かえ解決するに違いない。
ああ、もしかすると、ロイド様のハーディー侯爵家の養女ということになるかもしれません。だから、今回この旅行を企画なさったのかも……。
あっと、殿下は何と言いました?
好きだと言う私に、なんて返したのか……聞き逃してしまいました。
レレナは聞き逃したと言ったけれど、本当は怖くて聞きたくなかった。迷惑だと言われたら。
ごめんと謝られたら。
……夢の中でくらい現実を忘れたいと……レレナは思っていた。
「殿下……どうぞ、ゆっくりお休みになって」
ベッドに到着し、掛け布団を上げると、殿下は素直にベッドに寝転んだ。広いベッドの端に。そして、ニコリとわらって、空いている空間をポンポンと叩く。
「おいでレレナ」
「え?」
「何もしないから、おいで」
な、なにもしないからって、でも、そんな。恐れ多くも皇太子殿下の隣に寝るだなんて……!
「だ、だ、だ、駄目です、殿下!できません……」
両手で頬を抑えてレレナは首を横に振った。
「なぜ?やっぱり……僕のこと嫌い?」
ぶんぶんぶんとレレナはさらに激しく頭を横に振る。
「いいえ、いいえ、違います、あのだ……大好きな殿下に嫌われたくないんです、私、私……」
「レレナ、今、僕のこと大好きって言った?それは本当なの?」
あ。つい、いつもの夢の中の調子で……。
「本当は、その……ち、違います。大好きじゃなくて、大大大大大好き」
夢の中の調子で。
「だったら、おいで。ね?」
殿下がいつも以上に甘ったるい声を出す。
やだ、もう、好きすぎる。好き好き大好き。だけど。
「む、無理です、無理無理……あの、私、私……内緒にしていたのですが……ね……ね……寝相が悪いんですっ!この年になってもよくベッドから落ちちゃうくらいっ」
しまった!つい秘密を暴露しちゃいました。
でも、どうせ夢だと思われているから構わないですよね……。
だって……。だって、夢じゃなきゃこんなこと起きるわけないっ!
======
1つ前タイトル番号間違えていたため修正いたしました。
感想ありがとうございます。
こんなポンコツ、公爵令嬢でなければ絶対に婚約者に選ばれなかったでしょう。
綺麗でなければすぐに捨てられたでしょう。
「レレナ……本当に?僕のこと?……ああ、いや。これは夢だ。都合のいい夢……」
だけれど、好きだから。
好きだから、殿下と結婚したかった。
そばに居たかった。
無能な私が妃になって迷惑をかけてしまうかもしれないと思いながら……。
これで良かったのだ。マリアは成績優秀だという話だ。男爵家ということだけが欠点だろう。
それもきっと、どこかの家が養子に向かえ解決するに違いない。
ああ、もしかすると、ロイド様のハーディー侯爵家の養女ということになるかもしれません。だから、今回この旅行を企画なさったのかも……。
あっと、殿下は何と言いました?
好きだと言う私に、なんて返したのか……聞き逃してしまいました。
レレナは聞き逃したと言ったけれど、本当は怖くて聞きたくなかった。迷惑だと言われたら。
ごめんと謝られたら。
……夢の中でくらい現実を忘れたいと……レレナは思っていた。
「殿下……どうぞ、ゆっくりお休みになって」
ベッドに到着し、掛け布団を上げると、殿下は素直にベッドに寝転んだ。広いベッドの端に。そして、ニコリとわらって、空いている空間をポンポンと叩く。
「おいでレレナ」
「え?」
「何もしないから、おいで」
な、なにもしないからって、でも、そんな。恐れ多くも皇太子殿下の隣に寝るだなんて……!
「だ、だ、だ、駄目です、殿下!できません……」
両手で頬を抑えてレレナは首を横に振った。
「なぜ?やっぱり……僕のこと嫌い?」
ぶんぶんぶんとレレナはさらに激しく頭を横に振る。
「いいえ、いいえ、違います、あのだ……大好きな殿下に嫌われたくないんです、私、私……」
「レレナ、今、僕のこと大好きって言った?それは本当なの?」
あ。つい、いつもの夢の中の調子で……。
「本当は、その……ち、違います。大好きじゃなくて、大大大大大好き」
夢の中の調子で。
「だったら、おいで。ね?」
殿下がいつも以上に甘ったるい声を出す。
やだ、もう、好きすぎる。好き好き大好き。だけど。
「む、無理です、無理無理……あの、私、私……内緒にしていたのですが……ね……ね……寝相が悪いんですっ!この年になってもよくベッドから落ちちゃうくらいっ」
しまった!つい秘密を暴露しちゃいました。
でも、どうせ夢だと思われているから構わないですよね……。
だって……。だって、夢じゃなきゃこんなこと起きるわけないっ!
======
1つ前タイトル番号間違えていたため修正いたしました。
感想ありがとうございます。
4
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
婚約破棄された傷心令嬢です。
あんど もあ
ファンタジー
王立学園に在学するコレットは、友人のマデリーヌが退学になった事を知る。マデリーヌは、コレットと親しくしつつコレットの婚約者のフランツを狙っていたのだが……。そして今、フランツの横にはカタリナが。
したたかでたくましいコレットの話。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる