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妊娠って、思い当たるのはあの一夜の花嫁のあれだけだ。
……父親が誰かも分からない。あの時のあの人だということだけははっきりしているけれど、顏も見えなかったし、名前も知らない。
あの人が誰か知っているクリスはどこかへ行ってしまい調べようもない。
それに……。
北の戦線の噂は街でもちょくちょく耳にする。厳しいと言っていたように、隣国との争いに加え、もともと強い魔獣が多く住む北の山付近が戦地となっている。
敵との闘いに加え、昼夜を問わず魔物を警戒しなくてはならずかなり厳しいと。
生死も分からない。生きていてほしいと願ってはいるけれど……。
両親にも頼れない。伯爵令嬢だった時の友人も。
あれ?どうすればいいんだろう……。
そうだ、お金。お金がかかるんだよね。産んだらしばらく働けないから、生む前にお金を貯めなくちゃ。
乳母を雇わないといけないんだっけ?庶民はどうしてるんだろう?
乳母を雇うなら、いくらかかるのかな。乳母はどこで探すの?
とにかく、お金……そう、お金を……。
医者にお金を払い、ギルドに向かう。
受付のミーニャさんに依頼表を出す。
鈍色札の私が受けられる依頼の中でも一番高いものを選んだ。
「シャリアさん顔色が悪いわ、今日は休んだ方が……」
心配そうなミーニャさんに笑顔を向ける。
「大丈夫です。さっき、医者に行ってきて、病気じゃないとお墨付きをもらいました」
「え?でも、本当に顔色が悪いわよ?」
ミーニャさんが尚も私の心配をする。
「ちょっと吐き気はするけれど、これはつわりらしいんです」
「つ、つ、つ、つわり~?!」
ミーニャさんが驚きの声を上げた。
そして、私がカウンターに置いた依頼表をがっと取り上げポイっと後ろに投げ捨ててしまった。
「何、魔物倒しに行こうとしてるのっ!」
「子供を育てるにはお金がいるんだよね……?働かないと……」
ミーニャさんが私のほっぺたを両手で挟んでむにゅッとする。
「おーばーかーっ!ちょっと、ちょっといらっしゃいっ!」
ミーニャちゃんが私の手を引いてギルド長の部屋へと連れて行く。
「ギルド長!子供が出来ました!」
バンっとドアを開くミーニャちゃん。
「責任を取ってくださいっ」
ギルド長のガルドさんが、持っていた書類をバサバサっと落として棒立ちになっている。
それから、硬直が溶けると、頭を手で押さえた。
「まて、ミーニャ、俺は責任を取るようなこと、した覚えはないが?というか、そういう関係じゃないよな?」
ガルドさんの言葉にミーニャさんがずんずんと部屋の中に進んでいき、ソファ私を腰掛けさせた。
「あったりまえです。私はギルド長じゃなくて、銀色冒険者の……って、私のことはどうでもいいんです。責任、とってくれますよね?」
ガルドさんが、ソファに座らされた私を見る。
「は?え?子供が出来たって、まさか……」
「あ、はい。3か月だって、お医者さんに言われました」
呆然としるガルドさん。
「だから、責任取ってください、ギルド長!」
ミーニャさんの言葉にギルド長が青ざめ首をぶんぶんと横に振った。
「いや、俺は手を出してないぞ?そりゃシャリアはかわいいし、強いし、めちゃくちゃ理想、いや、あー、いい女になるだろうと思っていたが、いや、あー。ばぁちゃんの弟子に手なんか出したら、殺されるぞ?分かるだろ、ミーニャ。シャリアを落とすならばぁちゃんに認められないと」
ミーニャちゃんがあきれた顏をする。
「何を言ってるんですか?責任ってのは、有望な冒険者であるシャリアさんを護る、ギルド長としての責任を取ってくれって話ですけど?」
ギルド長がひょっと息をのんだ。
……父親が誰かも分からない。あの時のあの人だということだけははっきりしているけれど、顏も見えなかったし、名前も知らない。
あの人が誰か知っているクリスはどこかへ行ってしまい調べようもない。
それに……。
北の戦線の噂は街でもちょくちょく耳にする。厳しいと言っていたように、隣国との争いに加え、もともと強い魔獣が多く住む北の山付近が戦地となっている。
敵との闘いに加え、昼夜を問わず魔物を警戒しなくてはならずかなり厳しいと。
生死も分からない。生きていてほしいと願ってはいるけれど……。
両親にも頼れない。伯爵令嬢だった時の友人も。
あれ?どうすればいいんだろう……。
そうだ、お金。お金がかかるんだよね。産んだらしばらく働けないから、生む前にお金を貯めなくちゃ。
乳母を雇わないといけないんだっけ?庶民はどうしてるんだろう?
乳母を雇うなら、いくらかかるのかな。乳母はどこで探すの?
とにかく、お金……そう、お金を……。
医者にお金を払い、ギルドに向かう。
受付のミーニャさんに依頼表を出す。
鈍色札の私が受けられる依頼の中でも一番高いものを選んだ。
「シャリアさん顔色が悪いわ、今日は休んだ方が……」
心配そうなミーニャさんに笑顔を向ける。
「大丈夫です。さっき、医者に行ってきて、病気じゃないとお墨付きをもらいました」
「え?でも、本当に顔色が悪いわよ?」
ミーニャさんが尚も私の心配をする。
「ちょっと吐き気はするけれど、これはつわりらしいんです」
「つ、つ、つ、つわり~?!」
ミーニャさんが驚きの声を上げた。
そして、私がカウンターに置いた依頼表をがっと取り上げポイっと後ろに投げ捨ててしまった。
「何、魔物倒しに行こうとしてるのっ!」
「子供を育てるにはお金がいるんだよね……?働かないと……」
ミーニャさんが私のほっぺたを両手で挟んでむにゅッとする。
「おーばーかーっ!ちょっと、ちょっといらっしゃいっ!」
ミーニャちゃんが私の手を引いてギルド長の部屋へと連れて行く。
「ギルド長!子供が出来ました!」
バンっとドアを開くミーニャちゃん。
「責任を取ってくださいっ」
ギルド長のガルドさんが、持っていた書類をバサバサっと落として棒立ちになっている。
それから、硬直が溶けると、頭を手で押さえた。
「まて、ミーニャ、俺は責任を取るようなこと、した覚えはないが?というか、そういう関係じゃないよな?」
ガルドさんの言葉にミーニャさんがずんずんと部屋の中に進んでいき、ソファ私を腰掛けさせた。
「あったりまえです。私はギルド長じゃなくて、銀色冒険者の……って、私のことはどうでもいいんです。責任、とってくれますよね?」
ガルドさんが、ソファに座らされた私を見る。
「は?え?子供が出来たって、まさか……」
「あ、はい。3か月だって、お医者さんに言われました」
呆然としるガルドさん。
「だから、責任取ってください、ギルド長!」
ミーニャさんの言葉にギルド長が青ざめ首をぶんぶんと横に振った。
「いや、俺は手を出してないぞ?そりゃシャリアはかわいいし、強いし、めちゃくちゃ理想、いや、あー、いい女になるだろうと思っていたが、いや、あー。ばぁちゃんの弟子に手なんか出したら、殺されるぞ?分かるだろ、ミーニャ。シャリアを落とすならばぁちゃんに認められないと」
ミーニャちゃんがあきれた顏をする。
「何を言ってるんですか?責任ってのは、有望な冒険者であるシャリアさんを護る、ギルド長としての責任を取ってくれって話ですけど?」
ギルド長がひょっと息をのんだ。
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