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「待て、待て、レシピを教えるなんてそんなこと、それぞれの調合レシピはみな秘密にしているはずで……」
「あ、うん。おじさんは信用できそうですし、その、おじさんは秘密にしてください。あ、レシピだけじゃなくて僕から教えられたということも内緒にしてください。えーっと、孤児院を助けたいんです」
ここまでは本当の話。
「その、同じように孤児院を助けたいという人が、レシピをお金に換えられないかと教えてくれました。それで、えっと、おじさんも協力してくれませんか?」
これは嘘。
本当と嘘を織り交ぜると、人は信用すると言います。
「わかった……」
おじさんを孤児院の裏庭に連れいきました。
「ここで、栽培してるんです。ですから、その栽培したものを買ってもらえるとうれしいです。見ての通り、小銀貨3枚でもとても助かりますから」
小銀貨3枚でパンが20~30個は買える。育ち盛りの子供たちにお代わりができるくらいのお金にはなる。
おじさんが大きく頷いた。
「これはいい。新鮮な葉が必要な時に必要な分手に入るのはありがたい。10枚で小銀貨3枚が精いっぱいだが、毎週お願いしよう。それから、教えてもらったニリリ草とコールアのレシピも試してみて、うまく行ったら3種類とも頼むよ」
と、早速おじさんは、銅貨と引き換えに葉っぱを持って帰っていきました。
「あ……ご寄付をありがとうございます」
お金を受け取ったシスターが唖然としています。
「寄付じゃないですよ、これは取引です。彼らの稼ぎです」
子供たちを手招きして、目線を合わせて話をします。
「いいですか、ニリリ草と、コールアと、スージマ草、ちゃんと育てるんですよ。そうしたら、さっきのおじさんが毎週買いに来てくれます」
週に小銀貨9枚……全然大した金額じゃないけれど……。
おじさんはいい人でした。もし孤児院の子どもたちが重い病気になったらポーションで助けてくれるかもしれません。おじさんのポーションが評判になって忙しくなったら、お手伝いに子供たちの誰かを雇ってくれるようになるかもしれません。
何かが何かにつながるかもしれません……そんな手助けしかできないですけれど。
他に何か私にできることはないでしょうか……。
そうだ。
ポーション屋とのつながりもあれば何か役に立つかもしれないですね。
ジョーンさん、確か4番通りの6番宿に泊まっているって言っていましたね?
ニリリ草とスージマ草とコールアを必要としているポーション製作者が他にいるかもしれません。聞いてみましょう。
この世界の街は、京都のようです。
マス目のように街が整備されています。通りには順番に番号が振られていて、そこに並んでいる店にも順番に番号が割り当てられています。もちろん、店には店の名前もあるんですが、場所が分かりやすいので店の名前を番号で言うことが多いようです。
孤児院は街の真ん中の広場の近くにありました。広場の西側の通りが12番になっていますから、ジョーンさんの宿は東に8つ移動した通りですね。
移動しながら、目についた人を鑑定して歩きます。
お金も稼がないといけません。悩みがある人、困っている人を検索した情報で助けて依頼料をいただくようにしています。
人助けにもなりますし、ウインウインのお仕事です。
一番簡単な悩みごと解決と言えば、恋のキューピッドです。好きな人にどうアタックしていいか分からない人に恋の橋渡しをする。
さすがに銀貨はもらえませんが、小銀貨1枚なら依頼してくれる人は結構います。
「あ、うん。おじさんは信用できそうですし、その、おじさんは秘密にしてください。あ、レシピだけじゃなくて僕から教えられたということも内緒にしてください。えーっと、孤児院を助けたいんです」
ここまでは本当の話。
「その、同じように孤児院を助けたいという人が、レシピをお金に換えられないかと教えてくれました。それで、えっと、おじさんも協力してくれませんか?」
これは嘘。
本当と嘘を織り交ぜると、人は信用すると言います。
「わかった……」
おじさんを孤児院の裏庭に連れいきました。
「ここで、栽培してるんです。ですから、その栽培したものを買ってもらえるとうれしいです。見ての通り、小銀貨3枚でもとても助かりますから」
小銀貨3枚でパンが20~30個は買える。育ち盛りの子供たちにお代わりができるくらいのお金にはなる。
おじさんが大きく頷いた。
「これはいい。新鮮な葉が必要な時に必要な分手に入るのはありがたい。10枚で小銀貨3枚が精いっぱいだが、毎週お願いしよう。それから、教えてもらったニリリ草とコールアのレシピも試してみて、うまく行ったら3種類とも頼むよ」
と、早速おじさんは、銅貨と引き換えに葉っぱを持って帰っていきました。
「あ……ご寄付をありがとうございます」
お金を受け取ったシスターが唖然としています。
「寄付じゃないですよ、これは取引です。彼らの稼ぎです」
子供たちを手招きして、目線を合わせて話をします。
「いいですか、ニリリ草と、コールアと、スージマ草、ちゃんと育てるんですよ。そうしたら、さっきのおじさんが毎週買いに来てくれます」
週に小銀貨9枚……全然大した金額じゃないけれど……。
おじさんはいい人でした。もし孤児院の子どもたちが重い病気になったらポーションで助けてくれるかもしれません。おじさんのポーションが評判になって忙しくなったら、お手伝いに子供たちの誰かを雇ってくれるようになるかもしれません。
何かが何かにつながるかもしれません……そんな手助けしかできないですけれど。
他に何か私にできることはないでしょうか……。
そうだ。
ポーション屋とのつながりもあれば何か役に立つかもしれないですね。
ジョーンさん、確か4番通りの6番宿に泊まっているって言っていましたね?
ニリリ草とスージマ草とコールアを必要としているポーション製作者が他にいるかもしれません。聞いてみましょう。
この世界の街は、京都のようです。
マス目のように街が整備されています。通りには順番に番号が振られていて、そこに並んでいる店にも順番に番号が割り当てられています。もちろん、店には店の名前もあるんですが、場所が分かりやすいので店の名前を番号で言うことが多いようです。
孤児院は街の真ん中の広場の近くにありました。広場の西側の通りが12番になっていますから、ジョーンさんの宿は東に8つ移動した通りですね。
移動しながら、目についた人を鑑定して歩きます。
お金も稼がないといけません。悩みがある人、困っている人を検索した情報で助けて依頼料をいただくようにしています。
人助けにもなりますし、ウインウインのお仕事です。
一番簡単な悩みごと解決と言えば、恋のキューピッドです。好きな人にどうアタックしていいか分からない人に恋の橋渡しをする。
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