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提案?
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確か買い取った中で一番高い剣だと言っていました。
でも、納得したくありません。
誰よりも危険な場所で、誰よりも活躍したバーヌが報われないなんて……。
「フィーネさん、士気が下がるとは思いませんか?」
「え?士気?」
この世界の常識なんて知りません。
だから、私は日本で生きてきて、知っている常識でしか物事を語れません。
「バーヌのように冒険者並みに戦える奴隷が他にもいたとしても……戦っても何の褒美ももらえないのに、本気で戦うと思いますか?」
フィーネさんが黙って私の話を聞いています。思うことがあるのでしょう。
「ご主人様に命令されて、いやいや戦うことがあったときに、奴隷で一生を終えるならこのまま死んでもいいかと思うことはないと思いますか?ご主人様が自分を守れと命令したとしても、死んでもいいかと思っている奴隷が守り切れると思いますか?」
ふぅっと息を吐く。
「士気があがる、やる気がでる、目標を持って生きる……どれも、やる気も目標もない人が同じことをするよりも成果が出ます」
力でねじ伏せ支配して無理やり働かせるようなブラック企業より、福利厚生を整え、褒めて褒美を出す企業のほうが業績は上がります。
「まぁ、そうだろうなぁ。冒険者も、今回のような強制依頼……貢献度に応じて褒賞が出なかったら、こっそり遠くから攻撃する振りだけしたほうが楽だもんなぁ」
いつの間にかジョジョリんさんとクラノルさんがフィーネさんの後ろに立っていました。
「だけど、奴隷は奴隷ですし……。冒険者と一緒というわけには。それに、主人が奴隷の行いのすべての権利を有して……」
ぎゅっと手を握り締めます。
「今回は、ユーキがバーヌを貸してくれたという形になって、主人であるユーキにバーヌの手柄がすべて行くことになるのよ……そういうもので……」
「ボクが、バーヌをギルドに……貸す?」
それって、私の知っている言葉で置き換えるならば……。
「人材派遣」
そう、人材派遣です。
「人材、はけん?」
「そう、私は派遣主の会社として、お金をもらいます。ですが、派遣された人間もお金をもらいます。両方お金をもらえる仕組み……そうすれば、派遣された奴隷だって、お金にためにと一生懸命働くでしょう?お金をためれば解放されて奴隷じゃなくなるんでしょう?それを目標にすれば、生きる意味も見いだせるでしょう?主人だって、自分は働かずに、奴隷を派遣するだけでお金が入ってくるんだから楽して儲けられるでしょう?ギルドだって、必要な時に人材を派遣してもらえれば助かるし、目標のある人間のほうが真面目に働いてくれるし、気に入らなければ主人に返すだけだから得でしょう?」
フィーネさんが頭を押さえました。
========
誤解される方がいらっしゃるといけないので言葉を添えておきます。
派遣社員は奴隷みたいなものだというそういう意味で書いてはいません……。
むしろ、ブラック企業の正社員の方が奴隷的なこともありますよね(´・ω・`)
別の作品ですが、「福利厚生」について考える内容書きました。
「福利厚生」って、社員の「幸福」と「利益」、「心と体が健康で生きられる」ためのお金なんですよ。
つまり、会社は本来社員の幸せも健康も考えてあげる親みたいな存在なんです。
と、話がそれました。
念のため。派遣社員は奴隷じゃないです。正社員も奴隷じゃないです。労働者は奴隷じゃないです。
そしてそもそも奴隷はよくないです。
でも、納得したくありません。
誰よりも危険な場所で、誰よりも活躍したバーヌが報われないなんて……。
「フィーネさん、士気が下がるとは思いませんか?」
「え?士気?」
この世界の常識なんて知りません。
だから、私は日本で生きてきて、知っている常識でしか物事を語れません。
「バーヌのように冒険者並みに戦える奴隷が他にもいたとしても……戦っても何の褒美ももらえないのに、本気で戦うと思いますか?」
フィーネさんが黙って私の話を聞いています。思うことがあるのでしょう。
「ご主人様に命令されて、いやいや戦うことがあったときに、奴隷で一生を終えるならこのまま死んでもいいかと思うことはないと思いますか?ご主人様が自分を守れと命令したとしても、死んでもいいかと思っている奴隷が守り切れると思いますか?」
ふぅっと息を吐く。
「士気があがる、やる気がでる、目標を持って生きる……どれも、やる気も目標もない人が同じことをするよりも成果が出ます」
力でねじ伏せ支配して無理やり働かせるようなブラック企業より、福利厚生を整え、褒めて褒美を出す企業のほうが業績は上がります。
「まぁ、そうだろうなぁ。冒険者も、今回のような強制依頼……貢献度に応じて褒賞が出なかったら、こっそり遠くから攻撃する振りだけしたほうが楽だもんなぁ」
いつの間にかジョジョリんさんとクラノルさんがフィーネさんの後ろに立っていました。
「だけど、奴隷は奴隷ですし……。冒険者と一緒というわけには。それに、主人が奴隷の行いのすべての権利を有して……」
ぎゅっと手を握り締めます。
「今回は、ユーキがバーヌを貸してくれたという形になって、主人であるユーキにバーヌの手柄がすべて行くことになるのよ……そういうもので……」
「ボクが、バーヌをギルドに……貸す?」
それって、私の知っている言葉で置き換えるならば……。
「人材派遣」
そう、人材派遣です。
「人材、はけん?」
「そう、私は派遣主の会社として、お金をもらいます。ですが、派遣された人間もお金をもらいます。両方お金をもらえる仕組み……そうすれば、派遣された奴隷だって、お金にためにと一生懸命働くでしょう?お金をためれば解放されて奴隷じゃなくなるんでしょう?それを目標にすれば、生きる意味も見いだせるでしょう?主人だって、自分は働かずに、奴隷を派遣するだけでお金が入ってくるんだから楽して儲けられるでしょう?ギルドだって、必要な時に人材を派遣してもらえれば助かるし、目標のある人間のほうが真面目に働いてくれるし、気に入らなければ主人に返すだけだから得でしょう?」
フィーネさんが頭を押さえました。
========
誤解される方がいらっしゃるといけないので言葉を添えておきます。
派遣社員は奴隷みたいなものだというそういう意味で書いてはいません……。
むしろ、ブラック企業の正社員の方が奴隷的なこともありますよね(´・ω・`)
別の作品ですが、「福利厚生」について考える内容書きました。
「福利厚生」って、社員の「幸福」と「利益」、「心と体が健康で生きられる」ためのお金なんですよ。
つまり、会社は本来社員の幸せも健康も考えてあげる親みたいな存在なんです。
と、話がそれました。
念のため。派遣社員は奴隷じゃないです。正社員も奴隷じゃないです。労働者は奴隷じゃないです。
そしてそもそも奴隷はよくないです。
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